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その時に。

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  • 1:

    思い出なんてなくったって生きていける      
    今までの記憶も     あなたでさえも
    忘れる。        

    これからと言う未来もいらない          私は一人になってしまったから

    2005-12-12 10:42:00
  • 2:

    その笑顔。
    そのぬくもり――。
                あたたかい春風が迎えてくれる気持ちすら受けとめられない。
    いつまで続くのだろう…

    2005-12-12 10:48:00
  • 3:



    「ケイ?声聞こえる…?」朝日が差し込む部屋に、ひとつのベッド。
    壁には古びた写真が一枚。しなやかな笑顔で寄り添う二人の姿。
    『…ん。瞳あけてもいい?』「…待って。先生が後三日はダメだって。」

    2005-12-12 10:58:00
  • 4:

    『早くシュウの顔が見たいよ。』
    瞳にあてられたガーゼに手をやり、哀しげな声を出す。「俺も早く見てほしいよ。もう少し、がんばろうな」            少し遠くから、波音が聞こえる。
    シュウはあたたかい手でケイの手を包み込み、ケイが眠りにつくとその手を離した。

    2005-12-12 11:06:00
  • 5:




    ケイの瞳が暗闇しか映さなくなったのは、ほんの些細な事だった。

    2005-12-12 11:11:00
  • 6:

    ある出来事がきっかけで、ケイは自分の瞳をガラスの破片で突き刺した。
    そのために一時の視力を失い、限られた記憶も消し去った。
                儚い夢だった。     

    2005-12-13 19:01:00
  • 7:


    ケイは、なんの身寄りもなくただ一人で生きてきた少女だった。
    自分の存在を確かめる方法は、誰かと体を重ねる事だけ。
    その時だけは何故か安心した。けれど心が満たされる事はなかった。
    それでも卑屈ではなく、一人よがりな訳でもなかった            寂しく咲き揺れる一輪の花の様な…――― それが、ケイだった。

    2005-12-13 19:15:00
  • 8:


    『離して!!』
    「お前、誰とでもヤる女だって有名だよ?今更無駄だって。」
    そう呟いた男は、ケイの服を無理矢理はぎ取った。
    人通りの少ない道、時刻は深夜二時を過ぎていた。

    2005-12-13 19:21:00
  • 9:

    「何してんだ!」
    振り返ると、一人の男が立っていた。 その声に驚き、ケイの上に乗っていた男は逃げ去った。
    「大丈夫か?」
    ケイの白い肩が、小さく震えていた。
    『怖かった…』     その男も、【誰とでもヤる女で有名】なケイだと気付いた。

    2005-12-13 19:30:00
  • 10:

    『なんでっ…?あたしは誰かと寝る事が一番安心するのにっ…』
    ケイの瞳がうるむ。
    『どぅしてそれがこんなに怖い思いになるのっ…!』ただ立ちすくむだけだった男はケイを抱き締めた。 

    「体の繋がりが心の繋がりじゃねぇんだ!!」

    2005-12-13 19:50:00
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