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さようならなんかはいわせない
-
1:
名無しさん
最終的には
どれだけ傷ついたかと
周囲にうまくアピールできる人間が得をする
子供は大声で泣くから回りは振り向く
大人は声を出さずに隠れて泣くから
誰にも気づかれないんだよ
なんて
簡単な話なのにね
2005-10-03 23:36:00 -
2:
名無しさん
親子、家族
俺はこの言葉の意味が全く理解できなかった。
家族=暖かい場所
=安らぎ
小学校のとき、担任教師が誇らしげにそう黒板に書いて語っていたけれど、そんな言葉を俺の家族から連想もできない。
俺が家族から連想する言葉は
家族=無関心
=他人
ってところだ。
暖かいって何が。安らぐってどこに。
俺は親には放任で育てられた。放任なんてレベルじゃない。
怒られたこともないし褒められたこともない、そんな環境で育った。
最初は親に愛されたい子供心か、お手伝いやら勉強やら、色々やってみたけど、親の反応はまったくなかった。
「何しても意味なんかない」
そう思った俺は中学入学くらいから絵に描いたようにグレた。2005-10-03 23:37:00 -
3:
名無しさん
母親は俺にさようならの一声もなかった。
声かけたって仕方がないって思ったんだろうな。
その選択は正しいよ。
さようならと言われた俺だってそう返していいのかなんて
わからないから
2005-10-03 23:45:00 -
4:
名無しさん
一緒に公園に行ったこと
受験前に応援してくれたこと
いけないって怒ってくれたこと
学校の参観日に来てくれたこと
入学式に来てくれたこと
そんな思い出なんか母親にひとつもなかった2005-10-03 23:46:00 -
5:
名無しさん
彼女は俺にとってなんだったんだろう
俺にとって彼女はなんだったんだろう
これが家族ってもんならばあまりにも滑稽で笑える
だから 君も すぐ 僕から
その手を 離すと思った2005-10-03 23:47:00 -
6:
名無しさん
珍しく声をかけてきたと思えば。気の利いたこともいえないのか。
入学式、行けなくてごめんな。そんな言葉を期待していたわけじゃないけど。
「寂しいって何が。何に寂しいって思わなくちゃいけないんだよ。何の思い出もない人に」
そういうと、親父はまた、小さくつぶやいた。「お前はそういうとこ、母さんに似たなぁ」
2005-10-04 00:00:00 -
7:
名無しさん
俺にはわからなかった。そういうとこ、で、すら、わからなかった。
まともに会話したことのない母親の性格もロクに知らないのに、そういうとこ、を、知っているはずもない。
「朝からバカみたいなこといってんじゃねぇよ」俺はそういうと逃げるようにして玄関から出た。
2005-10-04 00:01:00 -
8:
名無しさん
何も知らない。だから寂しくない、だから憎くもない、だから愛しくもない。
仮にも16年間一緒にいたのに。他人への感情程度しか残らなかった。
中途半端な思い出を持って、それをずっと引きずるよりはマシだ。2005-10-04 00:02:00 -
9:
名無しさん
入学式中、ずっと俺の頭の中に父親の言葉が残った。誇らしげに子供の入学式をビデオにとる父親。
今か今かとシャッターチャンスを狙う母親。どこの両親も微笑んでいた。
2005-10-04 01:07:00 -
10:
名無しさん
入学したアホ私立は共学で、金髪やら茶髪の男女が8割近くを占めていた。
なのに講堂の中はお祝いムード満開で、温かい世界が広がっていた。まるで俺だけが別世界にいるような感覚だった。
2005-10-04 01:08:00 -
11:
名無しさん
校長のながったるい話にボーッとしながらも耳を向けていると、隣に座っていた男子生徒が俺に向かってつぶやいた。
「お前、髪の毛、綺麗な色だな」さっきから見られているような気はしていたが、唐突な質問に俺は少し驚いた。
2005-10-04 01:10:00 -
12:
名無しさん
彼の名前は新井和也といって、俺は井本で、入学式の座席では横同士だった。新井は目鼻が大きくて、派手な顔立ちに金髪がよく映え耳にはシルバーのピアスが5、6個並んでいた。
「お前、その色似合ってる。俺もシルバーとかワイルドちっくにすればよかったな」
「アハハ、ワイルドちっくって」俺は新井の言葉にプッとふきだした。
2005-10-04 01:23:00 -
13:
名無しさん
―騒がしいヤツ それが新井の第一印象だった。
PTA会長の祝辞だとか、在校生からのお祝いの言葉だとか、長い長い入学式の間、俺は新井としゃべりっぱなしだった。
新井は喋りが達者なヤツで、話していても全く飽きなかった。それどころかすぐに意気投合した。2005-10-04 01:26:00 -
14:
名無しさん
入学式を終え教室に入るとやっぱり女子はギャルばっかりで男子はヤンキーみたいなのばっかりだった。
女子は学校指定かのように全員同じに見えた。うちの学校の女子のスカートの短さに喜ばない男はいないと思う。
それくらい全員短かった。
2005-10-04 01:29:00 -
15:
名無しさん
その中でも新井は驚くほど知り合いが多くて、一歩歩くたびに「和也、和也」と声をかけられるほどだった。
「お前知り合い多いんだな」、俺がそういうと、「馬鹿なやつはみんな中学からの友達だし、つるんでると馬鹿がさらに集まってきて大規模になるんだよ。つまりこの学校全員知り合いみたいなもんやってば。」新井は笑いながらつぶやいた。
家に帰ると、また独りの空間に戻った。音もない。誰の声もしない。
2005-10-04 01:33:00 -
16:
名無しさん
俺は半分無意識にテレビをつけた。何かが足りない いや、何もかも足りないのかもしれない。
漠然とした気持ち。「独り」もう慣れていたのに。入学式に行っていっぱい親子見たらあまりに自分と似つかなくて、窒息死しそうになった。
自分がどれだけ家族と疎遠しているか、思い知らされる。2005-10-04 01:37:00 -
17:
名無しさん
家族=温かい そんなの絶対嘘だって あの日あらためて思った。
2005-10-04 01:38:00 -
18:
名無しさん
入学おめでとう。父親の口からその言葉を聞くことはなかった。遅くに帰ってきて、酒飲んで、そのままソファで眠って、俺が朝起きる頃にはもういなかった。
翌日俺は買ったばかりの定期で、学校に向かった。電車で約15分。原チャでも買おうかな。混雑した電車の中でそう思った。2005-10-04 01:40:00 -
19:
名無しさん
駅から徒歩5分でだいたい学校に着く。学校近くで派手な金髪を見つけた。新井だった。新井はバイクに乗っていた。
周りには2,3人の男子生徒と女子生徒がタバコを吸っていた。
「おーすばる!」新井は俺の姿を見つけるとバイクで俺の前まで走ってきた。2005-10-04 01:43:00 -
20:
名無しさん
「お前…バイク…。」「アハハ、先公には言うなよ。アハハ、無面だし、盗難モンだし。」
言わなくても見たらわかるって、俺はそう言った。新井はやっぱり?とまた笑った。
気が付けば新井のツレも俺の近くに寄ってきていた。2005-10-04 01:44:00 -
21:
名無しさん
確か3人位女がいたけど、全員カバンはブランドものだった。「あー由佳、あんた新しいヴィトンじゃん。買ったの〜?」
金髪にミニスカ、ピアス、まつげが飛び出る程長い女が、ツレの女のカバンを見る。
「うん。質で買ったぁ!!6万位かなぁ??パンツ12枚くらい売ったら買えたぁ」
2005-10-04 01:46:00 -
22:
名無しさん
『由佳』がそういうと、新井や周りの男女は声を上げて笑った。
「でもパンツって便利だよねぇ。本番やるわけじゃないのに?こんなきったねぇ下着一枚で5000とか軽くくれるんだしさ」まつげが飛び出た女がそういうと、周りの男も同じようにつぶやいた。
「いいいよなぁ女は。パンツ脱いで売れば即ヴィトン買えるんだし。」
2005-10-04 01:47:00 -
23:
名無しさん
―確かに女の方が金には困らないな 俺はそんなことをぼんやり考えた。
男がパンツなんか売れるはずもないし、買い手もいるわけないし。
あの時の俺はまさか自分が同じ方向へ歩くことになるとは知るよしもなかった。2005-10-04 01:48:00 -
24:
名無しさん
「すばるカッコイイ、カッコイイって評判じゃねーか、やるなおい。今朝一緒にいた、茶色の髪で目、ツリ目の子、真帆っていうんだけどさ、そいつがお前のこと好きみたいよ。」
昼休みになると、新井は俺に近づきつぶやいた。好きって話したこともねぇのに好きも嫌いもあるのかよ。女ってゆうのはわけがわかんない生き物だ。
2005-10-04 01:51:00 -
25:
名無しさん
「もーお前、そのルックスでもっと女の前で愛想よくすりゃあ女食い放題なのによ。もったいねぇもったいねぇ」
新井はまるで自分のことのように肩をすくめた。2005-10-04 01:53:00 -
26:
名無しさん
俺は愛が欲しかったのか?そんな綺麗な理由じゃない。じゃあ何を求めていたんだ。
そんなの決まってる。スリルだ。つまらない日常から逃げ出せる鍵を探していたんだ。2005-10-04 01:56:00 -
27:
名無しさん
おもろそォォー?
2005-10-04 01:57:00 -
28:
名無しさん
『出会いのサービス ばなな・きっす』通学路の電話ボックスに、胡散臭い黄色の張り紙が貼ってある。テレクラの貼り紙だ。
今時テレクラなんかで出会いをもとめるやつはいるのか、と思いつつ、俺は貼り紙を見つめた。
気がつけば公衆電話の中にいる自分がいた。
2005-10-04 02:01:00 -
29:
名無しさん
ダイヤル1は女の子専用ダイヤル!かわいい女の子と出会ってください!
ダイヤル2は人妻専用ダイヤル!退屈してるエッチな若奥様との出会いはここ★
2005-10-04 02:02:00 -
30:
名無しさん
ダイヤル5はなんちゃって出張ホストダイヤル!自分に自信のある美男子クンはここでお金持ちのおばさまとコンタクト!!
と、何だかふざけたような文面が、自信満々に書かれている。
2005-10-04 02:03:00 -
31:
名無しさん
お金持ちのおばさまとコンタクト、って、今時こんなちっぽけな公衆電話にたたずんで、美少年探ししてる奴なんているかよ。
お金持ちのババアならなんちゃって、じゃなくて、本場の出張ホストを呼ぶだろう。時計は夕方4時を指している。
夕方4時。暇してるおばさんがどれだけいるんだか。
2005-10-04 02:04:00 -
32:
名無しさん
男を公衆電話から買おうとするおばさんなんて、どんな顔したやつなんだろう。
俺は受話器を持ち上げ10円玉を入れる。公衆電話を使うのは小学生のとき以来だ。公衆電話に貼られたテレクラの番号をゆっくり押す。2005-10-04 02:05:00 -
33:
名無しさん
「ようこそ!出会いのサービス ばなな・きっすへ!」
録音された女の声が耳元に響く。「女の子は1、人妻の方は2、なんちゃってホストの方は5を押して声を録音してください。」と耳音で伝える。
テレクラってこうなってるんだ。俺は妙に感心した覚えがある。
2005-10-04 02:06:00 -
34:
名無しさん
俺は迷わず、5を押した。機械が相手をランダムに選んでくれるのだ。直接男をこの付近で捜している女と電話がつながる。
本当にいるのか?援助交際をしたくって待ち続けるオヤジならわかる。
だけど、夕方に、こうしてこんなバカみたいな広告を信じて逆援助交際したい女なんているのかよ。2005-10-04 02:08:00 -
35:
名無しさん
10秒もしない間だった。ピーーーーという電子音が耳元に響く。雑音が入り乱れる。
「もしもし?」女の声だ。
―いた... 俺は一瞬耳を疑った。2005-10-04 02:09:00 -
36:
名無しさん
「もしもし」俺は声を低くした。「こんばんは、あんた、何歳?」
女はなれている感じがした。ためらいもなく、すぐに質問が出てきた。
いくつくらいだろうか?声だけではよくわからない。2005-10-04 02:11:00 -
37:
名無しさん
「とりあえず、デブじゃない。顔は、あんたの判断に任せる」「あんたの声、いいね。なんかそそるわ。」
―やっぱり女でも中身は変態オヤジと変わりねぇな。 そういってやりたかったが、俺は「そう?ありがとう」と苦笑した。2005-10-04 02:17:00 -
38:
名無しさん
「アハハ、おもしろいね。2万でどう?好みだったら3万にしたげる。」
2万。俺の心臓がまた、大きく音を立てる。2万円。
もちろんここでいう2万はイコールSEXを表す。2005-10-04 02:18:00 -
39:
名無しさん
「うん、2万でいい。」「あんた、こういうこと、よくするの?」唐突に女が聞く。
「いや、今日初めて好奇心でつながるかなぁと思ってかけた。」俺は素直に答えた。
こうして公衆電話の中で見知らぬ女、しかもテレクラに電話をしている自分の行動が、自分でもよくわからない。2005-10-04 02:21:00 -
40:
名無しさん
「あはは、おもしろい、あんた正直ね。だけどすっぽかしたりしたら許さないからね。」
「わかってる」「じゃあ制服で来て。今から、そうやね・・K駅。いける?」
俺は携帯電話の時刻を見た。5時前。「いけるよ。」2005-10-04 02:22:00 -
41:
名無しさん
「あ、私の名前はあつこ。あんたは?」あつこ。偽名なのか?「俺は、・・・すば・・翔。」「しょう?わかった。」
翔。もちろん偽名。ドコから翔なんて名前がでてきたんだろう。そんなことはわからない。
本名はすばる。もちろん秘密。2005-10-04 02:22:00 -
42:
名無しさん
「あたしは赤の車に、白いパンツ、黒いキャミソールで待ってるから。」
俺は「わかった」と短く返事をした。まさか女がひっかかるとは思いもしなかった。
すっぽかしもあり、冷やかしもあり、なんだっていいわけだ。だけど俺に自然と迷いはなかった。2005-10-04 02:24:00 -
43:
名無しさん
スリル。久しぶりに心臓が早くなったんだ。
家に帰って寝るより、新井と夜の街をバイクで暴走するより
この小さな公衆電話の奥には探していた何かがある気がした。2005-10-04 02:25:00 -
44:
名無しさん
かいてください☆
2005-10-04 02:50:00 -
45:
名無しさん
33さん 52さん 読んでくれてありがとうございます。頑張って書いていくんで温かく見守ってください。。
2005-10-04 03:11:00 -
46:
名無しさん
あの頃の俺は女とSEXして得たかったものがあったんだ 金 金 金
そして、少しの愛。なんてキレイゴトだったのかな。2005-10-04 03:14:00 -
47:
名無しさん
すると目の前に一台の車が止まった。車の色は、赤。「翔?」
車のシャッターがおりる。顔を出したのは30代後半らしい女だ。
黒のキャミソールがチラリと見えた。2005-10-04 03:15:00 -
48:
名無しさん
「ああ」俺が返事をすると、「あつこ」は微笑んだ。
「ラッキー、男前だわぁ。前に来た子はひどかったから、ちょっと警戒してて。」
『あつこ』は俺が想像していたテレクラで男を買う女のイメージそのまんまのルックスだった。2005-10-04 03:16:00 -
49:
名無しさん
顔はパンパンで、身長は158センチくらいだったけど、体はゴッツイというか、絵に描いたような肥満体型。
黒のキャミソールパンツもぱっつんぱっつんに張っていて、壊れそうだった。
髪型にいたっては長さはそろえてあるとはいえども、何年前のヘアスタイル?と突っ込みたくなるような変なヘアだった。2005-10-04 03:17:00 -
50:
名無しさん
「デブと不細工はお断り」そういったのは、あんただろ、と、俺は心の中でつぶやいた。
俺はためらうことなくあつこの車に乗った。車の中でのあつこは機嫌よく鼻歌を歌っていた。そして地下の駐車場に、あつこは車を止めた。
昼間には満杯な駐車場が不気味なくらいヒッソリと静まり返っていて、遠くに車が2,3台並んでいるのがうっすら見えただけだった。2005-10-04 03:18:00 -
51:
ぅゎ?
何気にォモシロィ?
2005-10-04 03:49:00 -
52:
名無しさん
彼女は周りに人がいないことを確認すると、俺の手を握った。正直その瞬間俺は、気持ち悪い、と素直に思った。
「舐めて。お風呂入ってから来たから、綺麗よ」
アツコはそういって、Gパンとパンツを車の中でゆっくり脱いだ。2005-10-05 00:09:00 -
53:
名無しさん
あつこはそういって、Gパンとパンツを車の中でゆっくり脱いだ。
「金、くれるんだよな」「もちろん。」
この時、ためらいなんかなかった。俺はあつこの中に舌を入れた。2005-10-05 00:10:00 -
54:
名無しさん
初めて金をもらって女とセックスしたその瞬間。俺は何を考えてたのだろう。
目先の大金だけを考えていたのか。そんなことは覚えていないけれど。
アツコは俺のも舐めてきた。慣れてるな そんな感じがしただけで、他は何も感じなかった。2005-10-05 00:10:00 -
55:
名無しさん
俺はそのままあつこと車の中でセックスした。
セックスって一種の危険なドラッグみたいだ。自分が自分じゃなくなる
法律で許されたドラッグだ2005-10-05 00:11:00 -
56:
名無しさん
セックスしている自分と その自分を見つめてる客観的な自分。
どっちも、俺なはずなのに。どっちも俺じゃない気がした。2005-10-05 00:12:00 -
57:
名無しさん
「3万。男前だから奮発しちゃう。テクのは中の中ってとこかなぁ。」
アツコはヴィトンの財布から3万円取り出し、俺に手渡した。
―3万。 セックスしただけで3万。俺は金を握り締めた。2005-10-05 00:30:00 -
58:
名無しさん
アツコの前にセックスしたのは中三の受験前。
彼女でもなんでもない、同級生の女となりゆきでヤった。
今までタダでやってきたのが馬鹿みたいだな。2005-10-05 00:38:00 -
59:
名無しさん
あの時、セックスで金を得たその瞬間、金を前に俺は実感した。
セックスなんてものに意味はない
だけどその間に金が入れば・・・2005-10-05 00:45:00 -
60:
名無しさん
「翔はさ、いつも彼女とはどんなセックスしてるの?ゴムはつけてる?」
アツコは下着を付けながらつぶやいた。
「彼女はいないよ」「えーっアンタ、今風だし男前だしモテそうなのにね。あ、でも実際彼女がいたら、こんなことしないか。」2005-10-05 00:46:00 -
61:
名無しさん
仮に彼女がいたとしても、俺はきっとこの仕事に手を出しただろう。
いるもいないも関係ない。女なんかどれも一緒だから。
「ゴムはつけたことない。めんどくさいし」と俺はいった。2005-10-05 00:47:00 -
62:
名無しさん
「やぁだ悪人!セックスするうえでゴムはマナーみたいなもんなのにね。避妊しない男って最低よ。まぁ私はナマが好きだからどうでもいいけど。また連絡ちょうだいね。」
そういうとアツコは俺に紙キレを手渡した。そこには携帯電話の番号と、メールアドレスが書かれていた。
俺はその紙を強く握り締めた。2005-10-05 00:48:00 -
63:
むぃ?
この話スキデスッ??ドキドキ?
2005-10-05 01:49:00 -
64:
名無しさん
早く書いて☆頑張ってなぁー☆
2005-10-05 04:14:00 -
65:
名無しさん
バリ早く読みたい☆頑張ってくれー??
2005-10-05 19:23:00 -
66:
名無しさん
72さん 73さん 74さん 読んでくれてありがとうございます。すごく嬉しかったです。頑張って書いていくんで、よかったら読んでくださいね。
2005-10-05 23:08:00 -
67:
名無しさん
「あ、これでタクシーで帰りなよ。初回サービスよ」
アツコは俺に横に折った5000円を渡した。ありがと。俺は少し笑った気がする。
アツコと別れ、俺はタクシーに乗った。2005-10-05 23:09:00 -
68:
名無しさん
そして家の近くのコンビニでアツコからもらった3万からプリペイド携帯を買った。
そこにアツコの番号とアドレスを登録した。
そしてアツコに「俺の番号とメアド」とだけメールをした。2005-10-05 23:10:00 -
69:
名無しさん
すぐに返信はきた。
オッケー(^u^)またヤろぉね
結局寄り道したりしていたら家に帰ったのは0時過ぎだった。2005-10-05 23:11:00 -
70:
名無しさん
珍しく親父が家にいて、おもしろくともなんともないお笑いのTVを1人で見ていた。
帰ってきた息子に、「おかえり」も「おそかったな」もなし。
親父とは会話のひとつも交わさず、俺は部屋に入った。寂しさにひたるひまもない。2005-10-05 23:14:00 -
71:
名無しさん
俺は、金を財布から取り出し、1人で笑った。大金の前に俺は興奮が一向に止まらず、その夜はなかなか眠りにつくことができなかった。
父さん。今日、テレクラで知り合った女とセックスして3万円もらったよ。俺にもまだ、そんな価値が、あるってことだよね。2005-10-05 23:14:00 -
72:
名無しさん
母さん。あんたが愛せなかった息子は、こうして、今日あったばっかりの女が、30分で俺に3万円の価値をつけたんだよ。
これって まだ ここに 生きていて いいって ことじゃないか2005-10-05 23:15:00 -
73:
名無しさん
退屈な時間を金に変える。俺は緊張がとけたかのように、馬鹿みたいに公衆電話に通い続け、色々な女とであった。
色々な女がいた。「あんた上手になったね。」
3回目にアツコとセックスした時、アツコはつぶやいた。
2005-10-05 23:16:00 -
74:
名無しさん
アツコから始まり、セックスの途中でも自慢話をもちかける金持ちのババア、学生時代は地味に図書委員をしていそうなセックスとは無縁そうな女、ダンナが出張中の人妻。
ヤるばっかりじゃなくて、舐めるだけとか、デートだけとか、多いときは一日3人位と時間差で会った。2005-10-05 23:17:00 -
75:
名無しさん
そのうちリピーター女がどんどん増え、公衆電話を断ち切り、プリペイドだけで営業できるようになった。顧客の数は20を越えた。
一人平均2万円はくれた。多い日には1日で6万を超えた日もあった。2005-10-05 23:19:00 -
76:
名無しさん
だけど俺は今、その大金をどうしていたかうまく思い出せない。
もしかして、最初はパーっと金を使うことで罪悪感を消そうとしていたのかもしれない2005-10-05 23:21:00 -
77:
名無しさん
けれど、だんだん罪悪感なんてものがなくなってきて、目の前にある札束に対して「自分が稼いだんだ」と変な誇りを持っていた。
2005-10-05 23:22:00 -
78:
名無しさん
同中だったヤツらと遊びまわったり、新井達とカラオケに行ったり、服買ったり。
多分そういうことに使っていたんだろうけど、上手く記憶と記憶が繋がらない。
金はたくさん得たし、家にいる時間も減った。2005-10-05 23:23:00 -
79:
名無しさん
女とセックス、そこに金が発生する。
それがわかった日から俺は、「ただの女」と会話するのがこれ以上なくうっとうしくなった。2005-10-05 23:24:00 -
80:
名無しさん
「すばるー明日暇?ねぇどっかいかない?」
最近やたらにまとわりついてくる女がいた。伊藤美紀。
入学してから2ヶ月、ずっと俺の周りをチョロチョロしてくる。2005-10-05 23:38:00 -
81:
名無しさん
「忙しい」「何それーっねーどっかいこっいこっ」
うるせー奴だな。「お前うるせーんだよ。そーゆーの迷惑」そう言い放ち、俺は教室を出た。2005-10-05 23:39:00 -
82:
名無しさん
続きみたいッ頑張って?
2005-10-06 02:16:00 -
83:
名無しさん
早く読みたい?
2005-10-06 23:25:00 -
84:
名無しさん
なんかさみしい。でもきになる。今もさみしいの?
2005-10-07 01:42:00 -
85:
名無しさん
ずっと読んでました…頑張って
2005-10-07 11:32:00 -
86:
名無しさん
書いて?
2005-10-07 15:46:00 -
87:
名無しさん
91さん 92さん 93さん 94さん 95さん 読んでくれてる人がいると思うとすごい励みになりました。ありがとうございます。頑張って更新していきます。本当にありがとうございます。
2005-10-08 01:32:00 -
88:
名無しさん
「なぁすばる、美紀ってお前のこと好きだよな。」お昼休み、新井が思い出したかのように俺につぶやく。
「ふーん。」俺は新井のパンの早食いを見てるだけで気持ち悪くなった。2005-10-08 01:33:00 -
89:
名無しさん
牛乳を使って一気飲みしている姿は見ていて気持ちのいいものではないから。
「ふーんってお前おい、美紀は絶対お前んこと好きだって」「はいはい。」
うるさいうるさい、と、心の中で付け加えた。2005-10-08 01:34:00 -
90:
名無しさん
「伊藤美紀!俺と同じ中学でさ。ノリいいし結構かわいいし、中学ん時、結構モテてたんだぜ。あいつさー廊下とかですれ違うとき、お前んことよく見てるのよ。俺まで視線感じちゃってスンゲー恥ずいんだよなぁ」
美紀がどうとかよりも、一人で突っ込みながら話す新井の姿がおもしろくて笑ってしまった。2005-10-08 01:35:00 -
91:
名無しさん
「おいおい、お前何で笑って。美紀のことどぉするんだよ」「知らねぇよ、まだ告られたわけじゃねぇし」
「時間の問題だって。あいつ、ええヤツだよ。」5時間目の始まりを告げる予鈴が鳴った。2005-10-08 01:36:00 -
92:
名無しさん
鳴ったけれど、新井も俺も立ち上がる気がせず、そのまま語っていた。
「付き合うわけねぇじゃん。」「何で。お前彼女いねぇよな」
「何でってそんなんあいつとヤったって誰も金くれねぇじゃん」2005-10-08 01:37:00 -
93:
名無しさん
ポロリと俺は本音をもらした。
しまった。俺がそう思ったときには、時すでに遅しってやつだ。
新井の動きが止まる。2005-10-08 01:38:00 -
94:
名無しさん
「何…..お前」「あんな俺売春やってんの」隠してもしょうがねぇか。
不思議と開き直れる自分がいた。「女に金もらってセックスしてんの?」「おう」
あのころの俺はただ女を金の対象にしか見れなくて気が付けばそんな風になっていて2005-10-08 01:39:00 -
95:
名無しさん
新井はそのとき確か、「何かそういうの悲しいな」、と、俺につぶやいた。
俺にしてみれば何が悲しいのかもわからなくて。俺は何かを大きく間違えていた。2005-10-08 01:41:00 -
96:
名無しさん
大きく間違えていること。それさえも気が付かないほど
当時の俺は 愚かだった2005-10-08 01:50:00 -
97:
名無しさん
制服のブレザーの下に隠れるワイシャツのポケットが心臓の音と一緒に重圧が増す。
隠し持った煙草が今か今かとポケットから飛び出そうとするのを必死に押さえ校門を出る。
ワイシャツのポケットから煙草を取り出す。口に煙草を加えて火をつける。2005-10-08 01:51:00 -
98:
名無しさん
同時に口の中に煙草の香りが浸透していく。制服のシャツには煙草の香りが染み付いて鼻につく。
校門から出た瞬間「煙草はだめっだめっ体によくないっ!」と叫びながら美紀が現れた。
ーまたおまえかよ。 心底そう思った。2005-10-08 01:52:00 -
99:
名無しさん
美紀は顔だけ見れば一般よりやや可愛い方なんだと思う。新井があんなにプッシュするのもよくわかる。
だけど仮にこいつと付き合ってセックスしても何も生まれないだろう。例えば愛が生まれるなんてよくいうけど
俺はそんな目に見えないものはいらない。2005-10-08 01:54:00 -
100:
名無しさん
「しかもすばる煙草くさいっ」「うるせーよ」
吸ってる人間からすれば煙草くさいのは当たり前だから、臭いなんて意識しなかった。
好奇心で吸い始めた煙草は、いつの間にか俺の生活習慣の一部になってしまった。2005-10-08 01:55:00