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さようならなんかはいわせない
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1:
名無しさん
最終的には
どれだけ傷ついたかと
周囲にうまくアピールできる人間が得をする
子供は大声で泣くから回りは振り向く
大人は声を出さずに隠れて泣くから
誰にも気づかれないんだよ
なんて
簡単な話なのにね
2005-10-03 23:36:00 -
282:
名無しさん
ララさんありがとうございます★
2005-11-10 00:16:00 -
283:
名無しさん
男同士わいわい話をしている間もアリサは無言だった。さっきまでのテンションとは全く違う。席に着いて15分が経ったころだろうか。「アリサ」男が現れる。その瞬間、アリサは携帯を片手に顔を上げた。
2005-11-10 00:20:00 -
284:
名無しさん
茶色の髪の毛を揺らし、黒いスーツに胸まではだけた白のシャツ。首にはエルメスのネックレスが光る。-カズキだ。俺は息を飲む。アリサを見ると、アリサは「久しぶり」とカズキにつぶやいた。「カズキさん、俺、どきます?」「いや、いといて。」カズキはリュウジの横にある丸椅子に座る。
2005-11-10 00:25:00 -
285:
名無しさん
「また男前のホスト君連れてきて。あ、カズキです、初めまして。一緒にいただいていいですか?」カズキは俺の顔を見て、グラスを持つ。「あ、どうぞ」俺が返事をすると、「いただきます」とカズキはつぶやき、グラスをリュウジに渡す。リュウジはアイスをグラスに入れ始める。一瞬にしてまた、空気が変わった。
2005-11-10 00:27:00 -
286:
名無しさん
重たーい空気が流れ始めたのを察知してか、「すばるくんっていうんですよ、俺と同じ歳なんっすよ。」とリュウジさんが俺を紹介する。「へぇ19歳なんだ。に、してもすごいきれいな顔してるなぁ。今の店辞めてうちではたらかない?」「カズキさん、それ、俺も同じこといったから!」リュウジが笑いながらグラスをカズキに渡す。
2005-11-10 00:30:00 -
287:
名無しさん
「じゃあ、乾杯で」グラスを持ち上げ、乾杯をすると、アリサもグラスを持った。「アリサ、全然連絡くれなかったから心配してた」カズキがつぶやく。「ふん、よく言うわよ。心配なんかしてもいないくせに。」アリサはグラスの酒を一気に飲み干し、ガチャン、と力強くグラスをテーブルに置く。軽く修羅場になりそうな匂いがする。
2005-11-10 00:34:00 -
288:
名無しさん
「アリサが俺を信じてくれないのは当然かな。」カズキはそういうと、アリサを見る。
その目は、まるで親が幼い子供を心配するような、そんな優しい目だった。これが仕事上の演技だっていうなら、ホストは本当にすごい仕事なのかもしれない。そんなことを思った自分がいた。2005-11-10 00:37:00 -
289:
名無しさん
「何か同窓会みたいね。私以外、リュウジもカズキも、すばるも全員19歳なんて。」カズキさんは19なのか!!俺は素直に驚いた。世の中の19歳がどんなものかわからないけれど、カズキさんは妙に大人びて見えて22,23歳ぐらいだと思っていた。「リュウジには敬語やめろっていってるのに」カズキさんがそうつぶやくと「だって先輩ですし」とリュウジさんは笑った。ホストは上下関係がやっぱりしっかりしてるんだなと思った。
2005-11-10 00:42:00 -
290:
名無しさん
アリサは無言で酒を飲み続けた。リュウジが薄く作ると「そんなの水」と言って自分でビンを取り、ロックでついだ。俺とリュウジさんは無言になり、カズキさんはまだ、優しい目でアリサを見ている。アリサは5分もしないうちに酒が回り、ソファにもたれ、俺を見た。目が昼間とは全く違う。トロンとしていて、「ヤバイ」状態にあるのがわかった。そんなヤバイ状態のアリサが口を開いた。
2005-11-10 00:49:00 -
291:
名無しさん
「私ね、ちょうど1年前、17の時ね、超がつくくらいの田舎から、出てきたの。カズキと。半分駆け落ちみたいな状態だったわ。」一瞬、テーブル内が凍りついた。リュウジさんも初めて聞く話らしく、目を白黒させている。カズキさんは無言でうなずいている。
2005-11-10 00:52:00