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初恋ο

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  • 1:

    しゅん

    ぅちらはまだ若くて
    何も知らない

    2005-10-08 18:39:00
  • 2:

    しゅん

    ねぇゴウ…いつかさ、
    好きな人が出来て
    結婚して
    子供が生まれて
    ゴウとは違う人と
    幸せになってもο
    あたしが死ぬ間際に、
    側にいてほしいのは
    ゴウなんだよο

    2005-10-08 18:45:00
  • 3:

    しゅん

    『ねぇねぇ!何してるン?』…出た、ナンパο私はゥンザリした顔で振り返って言ったο「うるさい!!」これで今日何回目かな、外面しか見ない、バカばっかりοそんなんいらんから…

    2005-10-08 18:50:00
  • 4:

    しゅん

    男達は一瞬固まった後、声のトーンを急に代えて『きどってんじゃねーよ、ブース』っていい捨てて去っていったοじゃぁ声かけてくんなよ、バカ男ο

    2005-10-08 18:54:00
  • 5:

    しゅん

    『なんでぇ〜?かっこよかったし金も持ってそうだったのに〜』『着てるシャツゎドルガバやったし、ベルトやアクセゎGUCCI、時計なんてロレックスだったよ〜?』

    2005-10-08 18:59:00
  • 6:

    しゅん

    あれだけの短時間でよくそこまでみれるな…
    あたしの服の裾を引っ張って、さっきの男達を何度も振り返りながら、甘えた声で話すのゎ佳奈ο一応あたしの幼馴染みο

    2005-10-08 19:02:00
  • 7:

    しゅん

    「あんた相変わらず男を金で見てんの?そんなんだから騙されるの!少しゎ懲りろって!」『はーい…』佳奈ゎ相変わらずあたしの服の裾を掴んだまま答えたο

    2005-10-08 19:05:00
  • 8:

    しゅん

    『あっ!しゅん!見て!あのキャッチの人かっこいい〜』
    …ぅん、佳奈ゎ悪い子じゃないο悪い子じゃないけどやっぱり少し頭が弱い…ο

    2005-10-08 19:09:00
  • 9:

    しゅん

    「ん!」見かねてぁたしが手を差し出すと、佳奈もうれしそうに私の手をとったο季節はもう冬なのに、佳奈の手は暖かかったο

    2005-10-08 19:24:00
  • 10:

    佳奈

    『なんであんたら仲良いの?』ぅちらゎ二人でいるといつも聞かれるο身長170センチのしゅんと150センチのあたしοサバサバしてて、いつも冷静なしゅんと、ばかでお調子者のあたしοバリバリお姉のしゅんとコテコテギャルのあたしο

    2005-10-08 19:29:00
  • 11:

    佳奈

    どこにも共通点なんかないけど、あたしゎしゅんが大好きο長くてきれいな黒髪にモデルみたいに細長い手足οそのくせ胸が大きくて、そこら辺のアイドルなんかよりよっぽど綺麗な顔οしゅんゎ完ぺきな、自慢の親友ο

    2005-10-08 19:33:00
  • 12:

    佳奈

    まぁ、しゅんゎ仕方なくあたしといるのかもしれないけど、やっぱりやさしいοさっきも歩くのが遅いあたしに、手をさしのべてつないでくれたο

    2005-10-08 19:37:00
  • 13:

    佳奈

    しゅんは誤解を受けやすいο綺麗すぎるせいか、妬まれたり陰口を言われたりもするοそこで少しでも落ち込んだらまだそれもマシになるんだろうけど、しゅんゎこれっぽっちも気にしないο「勝手にいっとけば?」そう言って、しゅんゎなに一つ汚れを知らない、大きな目でまっすぐ前を見ているο

    2005-10-08 19:43:00
  • 14:

    佳奈

    そしてしゅんゎやっぱりすごくもてるο地味な女が流した『ヤリマン』と言う噂にも拍車がかかり、寄ってくる男は後をたたないοでもしゅんゎ彼氏を作らないどころか、男と関わろうともしないοナンパをされても完ぺき無視ο男前だろうが金持ちだろうがこれっぽっちも興味を示さないοねぇしゅん、なんで?

    2005-10-08 19:48:00
  • 15:

    しゅん

    ふと見ると、佳奈がじっと、不思議そうな顔で私を見ているοあ〜多分また何か考えてるな…οあえて何も聞かずに目をそらすο実を言うと、佳奈に見つめられるのに私は弱いο

    2005-10-08 19:51:00
  • 16:

    しゅん

    佳奈ゎ凄く小柄で、いかにも女の子〜って感じο黒目がちの真ん丸な目に、小さいけど形のいい鼻οぷるんとしたかわいい唇に桜色のグロスを塗っているο明るく染めた髪をクルクル巻いて、ピンクや黄色が大好きοいつも短いスカートをはいてるο

    2005-10-08 19:56:00
  • 17:

    しゅん

    男ってみんな、こういう子が好きなんだろうな、といつも思うο自分を着飾るのが大好きで自分も大好きοでも佳奈のわがままだけゎなんだかにくめないο
    流行りやブランドにすごく詳しいくせに、男を見る目が全くないο

    2005-10-08 20:00:00
  • 18:

    しゅん

    そのくせ男も大好きで、なんど騙されても懲りないο今日も、お金持ちで色々買ってくれてた"おいしった"彼氏にフラれて、気晴らしに付き合わされてるο『佳奈といつも一緒にいてうざくないの?』とよく言われるし、実際佳奈のわがままに付き合いきれない時もあるο

    2005-10-08 20:05:00
  • 19:

    しゅん

    だけど、男にフラれてはあたしに泣き付いてくる佳奈ゎやっぱりほっとけないし、昔からずっと一緒だから慣れているοそして何よりも佳奈のこのバカさ加減に私が助けられたことがいっぱいあったο

    2005-10-08 20:08:00
  • 20:

    佳奈

    あたしは思わずしゅんの手を強く握ったο恐いο
    『よけてοあんたらなんかに興味ないからο』しゅんは、つないだ手を握りかえしてくれながら、冷たい声で言ったο

    2005-10-08 20:20:00
  • 21:

    しゅん

    言った瞬間、『やっちゃった』と思ったοまともに見ずに言ったのはいいけど、よく見たら目が普通じゃないο…そう思った瞬間、胸をおもいっきりつかまれたο『死にたいの?』さっきとゎまるで違う声だったο

    2005-10-08 20:24:00
  • 22:

    しゅん

    『死にたいんじゃなくてまわされたいんじゃない?気ぃ強そうでいいね〜』もう一人の男が言ったο横目で佳奈を見ると佳奈も腕をがっちり捕まれているο回りの人達ゎ見て見ぬふりだο

    2005-10-08 20:27:00
  • 23:

    佳奈

    掴まれた腕が痛いοしゅんも、胸をつかむ男の手を握って離そうとするけど、やっぱり女の力じゃ勝てないοしかも相手は三人οまじやばいって!!!

    2005-10-08 20:31:00
  • 24:

    佳奈

    しゅんが、私の手をひっぱって走るοしゅんがパンツが見えるのもおかまいなしに男をけとばした時、とっさ私も踏みつけてたο
    『ふざっけんな!』『待てやコラ!』大きい声で男達が叫んで追い掛けてくるοしゅんに連れられて走るけど、ヒールのせいで上手く走れないο

    2005-10-08 20:41:00
  • 25:

    しゅん

    男達ゎすごくしつこかったο逃げても逃げても追い掛けてくるο私は平気だけどもう大分佳奈がきているοどうしよう……
    『しゅん!いぃよ、置いていって』息を切らしながら突然佳奈が口を開いたοはっ…?一瞬時間が止まった気がしたο

    2005-10-08 20:46:00
  • 26:

    佳奈

    しゅんの動きが一瞬止まったοそれからすぐにしゅんは、にやりと笑って『あんたテレビの見すぎ』って一言だけ言ったο離そうとしてた手を、またしゅんが強く握ってくれたο

    2005-10-08 20:50:00
  • 27:

    しゅん

    でも実際どうしようもなかったοなんとかしなきゃって気持ちばかりがあせって、考えが浮かばないοなんでぅちらがこんな目にあわなきゃいけないんだろうο

    2005-10-08 20:51:00
  • 28:

    佳奈

    幸せは自分で掴むοしゅんは毎日のように私にそう言ってたよねοあの時二人で手を繋いで、全速力で走っていたのが、まさか幸せにつながってたなんてοあたしはやっぱり馬鹿だからこれっぽっちも気付かなかったよο

    2005-10-08 20:59:00
  • 29:

    しゅん

    角を曲がって道に入ろうとした瞬間、車に目の前を塞がれたο後ろを振り向くと男たちゎすぐそこにいたοもう駄目だ!…って思った瞬間、車のドアが開いたο『乗って!!』はっ?

    2005-10-08 21:05:00
  • 30:

    佳奈

    『早く!!』また別の声が聞こえたοしゅんは固まってるのか乗ろうとしないο『まてや!』『おい早くしないと逃げるぞ!』もう10mも差がないοしゅんより後ろにいたあたしは旬の背中を押して後部座席に押し込んだοそのあとすぐにあたしも乗り込んで、ドアを閉めるか閉めないかのうちに車は発進したο

    2005-10-08 21:09:00
  • 31:

    しゅん

    『はぁッはぁッ』息が上がりすぎて頭が働かないο呼吸を整えるのにかなりの時間がかかったοぇっと、今の状況って…?『しゅんって自分にとってあまりにも予想外のことがあったら固まるよね!!』佳奈が突然話し出したο『予想外で超うけるんだけど!!』
    …あんたやっぱり頭弱いわ(笑)

    2005-10-08 21:15:00
  • 32:

    しゅん

    『あっすごい!これよく見たらタクシーじゃん!』佳奈が楽しそうな声でまた話出したο『だからドア開いたんだね!!』そういえば佳奈って中学の時陸上部だったっけ…οだからあれだけ走った後なのにこんなに元気なんだ…ο私は冷静にそんなことを考えていたο

    2005-10-08 21:19:00
  • 33:

    しゅん

    運転席と助手席に男が一人ずつ乗っていたο『あっ、助けてくれてありがとう!!』満面の笑みで佳奈がお礼を言ったοつられてあたしも頭を下げたο『全然かまわんよ〜』少しハスキーな関西弁で運転席の男が答えたο『大変やったね〜』助手席の男も同じく関西弁οでも声は少し幼かったο

    2005-10-08 21:38:00
  • 34:

    しゅん

    『あの…』どこに行っているのか少し不安になって私は話しかけたο『あぁ、俺ゴウっていうねんοんで、こっちがヒロシο』運転してた方が答えて、助手席の男が『よろしくッ』って言ったοぃや、そうじゃなくって…ο

    2005-10-08 21:41:00
  • 35:

    しゅん

    『はぁ』すぐこれだ…οあたしは溜め息を着いたοすると前で運転しているゴウ君が『疲れたん?』と聞いてきたο助けてもらった手前強くいえず、『ぅん、少し』と愛想笑いして言ったο『よし、じゃぁこのままドライブや!』はっ?…って感じだったけどあたしゎ疲れていたのでもう何も言わなかったο『どこ行くん?!』と佳奈ゎ楽しそうだったο私は体を倒して外を眺めていたοまだ少しドキドキしているο

    2005-10-08 21:54:00
  • 36:

    佳奈

    『海だぁ〜!』真冬の海は初めてだったο『おっ、あんなことがあったばっかりなのに元気やなぁ〜』すっかり仲良くなったヒロシがうれしそうに言ってきたο『うん!しゅん、見てみ…』ふとしゅんを見ると疲れたのか寝てたο『あっしゅん寝てる…』

    2005-10-08 21:58:00
  • 37:

    名無しさん

    『疲れてるんやろ、そっとしといたりο』海岸近くに車を停めながらゴウ君が言ったο『なぁなぁ、なんで助けてくれたん?』私は身を乗り出して二人に聞いたο『自分らがショップ入る時俺らも声かけようとしててんοでもあいつらに先こされて…』ヒロシが答えたο『そしたらヤバイ雰囲気になってたから助けようと思った瞬間…なぁ?』ニヤリと笑ってヒロシがゴウに話を振ったο『おぅ、あの蹴り…笑けたわ』とゴウ君も言ったο『そっちの子…シュンやったっけ?』『ぅん!』『威勢よくてえぇな!俺気ぃ強い女好きやねん』とゴウ君が優しい顔でしゅんを見ながら言ったο

    2005-10-08 22:06:00
  • 38:

    しゅん

    波の音で目が覚めたο気が付くと海に来ていて、車には誰もいないοいまいち状況がつかめないでいると遠くで佳奈の笑い声が聞こえた気がしたο車から降りて声のする浜辺に行くとゴウ君とヒロシ君と佳奈の三人が花火をしていたο時間はもう12時前で終電ももうなかったοぁ〜あ、どうしょ…ο離れたところで三人を見つめながら一人でさっきのことを考えたο

    2005-10-08 22:12:00
  • 39:

    しゅん

    ぅちのせいで佳奈を危ないめに会わせたο今日ゎたまたま運が良かっただけで、ホントなら今頃何されてたかわからないο自分だけならまだ良いοでも佳奈もいたのに…ο私は自分で自分の無鉄砲さに腹がたったο所詮女ゎ男の力には敵わないοそんなこと誰よりもわかってたつもりだったのにο

    2005-10-08 22:15:00
  • 40:

    しゅん

    『しゅんー!』そんな私の考えとは逆に楽しそうな佳奈が私に気付いて名前を呼んだο『起きてたのー?こっちおいで〜!』さっきまであんなに怖がってたのに今はこれ以上ないくらいの笑顔ο佳奈がにくめない理由はこのコロコロ変わる笑顔にあるのかもな〜…

    2005-10-08 22:20:00
  • 41:

    佳奈

    しゅんが自分のせいで…って思って責任を感じているのゎ見ていたらわかったοしっかり者で何かあったらいつも自分に責任を感じるοしゅんが悪いんじゃないのに…οあまりしゅんを知らない人はみんな第一印象で『冷たそう』って言うο確かに愛想は悪いかも知れないけど、冷たいんじゃなぃοしゅんゎいつなにが起こっても自分だけは冷静にいられるように周りを気遣ってるοそれになにより、しゅんが笑た顔は誰よりも何よりも可愛くてあったかいο

    2005-10-08 22:26:00
  • 42:

    しゅん

    近寄って行くと、花火を持ったままの佳奈も走ってこっちにやってくるο『季節外れの花火もキレイ!湿気てて火がつきにくいけど!』『そうだね』私は佳奈を妹みたいに感じながら答えたο『あのねしゅん、しゅんが悪いんじゃないからね』耳元で内緒話みたいに言った後、佳奈ゎ暖かい手で私をひっぱって、ゴウ君とヒロシ君の所まで連れていった

    2005-10-08 22:31:00
  • 43:

    しゅん

    佳奈に花火を持たされて火をつけるο季節外れの花火は湿気ててなかなかつかないο『貸してみ』ゴウ君が花火を私の手からとって直接ライターで火をつけたο『ずっと車の中にいれてたからな〜湿気てるわο』そう言った瞬間シューと火薬に火がついた音がしたο『ほら』ゴウ君はそういうと花火を私に返すο頬に手をおいてボーっと眺めるοシューという音はだんだん小さくなって花火はつかないまま音も消えたο

    2005-10-10 19:44:00
  • 44:

    しゅん

    『あれ?ついてないな…』ゴウ君がもう一度花火をとって火がついてるか覗きこんで確認したο…お約束、その瞬間花火が着いて『あつッ』と言って花火を投げるο落ちた花火はついたまま浜辺の砂の上を綺麗に照らしたο『キャハハ…ゴウあほじゃん〜』佳奈が楽しそうに笑うο

    2005-10-10 19:48:00
  • 45:

    佳奈

    あたしの笑い声につられて、しゅんも少し笑ったο丁度ひろしが地面に置く大きなタイプの花火に火を着けた時で、4人の顔が照らされたο『笑い事ちゃぅで〜οむちゃびっくりした…』ゴウが笑いながら言うο『お約束やな〜』とひろしも言ったο

    2005-10-10 19:52:00
  • 46:

    しゅん

    『でも、やっと笑ったな、シュン』そう言うとゴウ君は座ったままのあたしの頭をポンポンとたたいたο『うるさいし…』あたしは不機嫌な声で返事をしたけど、ゴウ君はニコニコ笑ってこっちを見てたο『ってかゴウ君ぅちらょり年下やろ?車の運転無免許じゃん』なんか悔しくなってあたしはゴウ君に言ったο『だいたいなんでタクシー?意味わからんし…』

    2005-10-10 19:58:00
  • 47:

    しゅん

    『あ、ばれた?』ゴウ君はニヤリと笑って答えたο『無免もタクシーも今日だけやってο助けたらな思ってそこらへんにいた運ちゃんに借りてんο』すぐに『別に頼んでないよ』と、あたしはまた不機嫌そうに答えたοなんで自分でもこんなにイライラしてるのかわからなかったοけどゴウ君にむしょうに腹が立っていたο

    2005-10-10 20:03:00
  • 48:

    佳奈

    『あ〜ぁ、やっぱダメか…οゴウ気ぃ悪くしただろぅな…』と私は思ったοシュンゎ男嫌いになったο昔からじゃない、多分あの時から…ο『なんやねん!可愛げないのぉ!』…やっぱり、怒ってるοケンカになる前にあたしが止めなきゃ!そう思って二人に近付くο『でもまぁ、あんなんあった後やったら男に抵抗もあるわな、気にせんとこο』…えっ?あたしは足を止めたοしゅんも驚いた顔でゴウを見つめてたο

    2005-10-10 20:09:00
  • 49:

    しゅん

    絶対怒ると思った、というか半分ケンカを売るつもりで言ったのに、何?この人…どっか抜けてるなぁ…οあたしはボーっと色々考えながら相変わらずあたしを見てニコニコ笑うゴウ君から目をそらしたο…ホント、変な奴!

    2005-10-10 20:12:00
  • 50:

    佳奈

    そのまま『佳奈、暇だし、その辺散歩してくる』そう言ってしゅんは海岸沿いに歩いて行ったο離れて行くしゅんを見ながらゴウが『怒らした?俺やっちゃった?』と少し寂しげに言ったο『いらんこと言うからあかんねんοあほやなお前!』と今度はひろしがふざけて言ったο『うるさいねん!少しはフォローしろや!(笑)』とゴウは答えて二人でじゃれ始めたο『しゅんはいつもあんなのだから気にしなくていいよ』あたしはさりげなく二人に教えるο『多分男の子苦手なんだと思うο昔色々あったから…ο』

    2005-10-10 20:18:00
  • 51:

    佳奈

    『色々って…?!』とひろしが話にくいついたけど『あほ!いいやんどうでも』とゴウ君が言ったοそこから話は変わって、三人で色々話をしたο話題はもっぱら恋バナで、好きなタイプや元彼、元カノのことο何人とやったかとかの下ネタまでοこれは三人ともごまかしてたけど(笑)私がひろしに何か質問されるたびに、ゴウゎ『しゅんは?しゅんは?』としきりに聞いてきて、わかりやすい子だなぁと少し笑えたο

    2005-10-10 20:24:00
  • 52:

    しゅん

    三人の笑い声が聞こえるか聞こえないかくらいのところまで離れて、あたしは座ってボーっとしていたο風が少し強くて寒いο鞄からケースをとりだして煙草を吸ったοあいつと同じ煙草、同じ匂いο同じだから吸ってるわけじゃなぃοあいつと出会う前から私はこれを吸っていたし、別れた今となって、わざと変えるのも負けた気がして嫌だったο

    2005-10-10 20:29:00
  • 53:

    しゅん

    …落ち着くοさっきまでイライラしてたのが嘘みたいだったο時間が止まったような不思議な感覚の中でふと気付いたことがあったοあ、ゴウ君のしゃべり方がなんとなくあいつに似てるのか…ο関西弁がとか、使う言葉がとかじゃなくて、(そもそもあいつゎ関西弁じゃないし)イントネーションやわざとらしい感情の込め方、嘘を付くのが上手そうな口ぶりもο

    2005-10-10 20:34:00
  • 54:

    しゅん

    ゴウ君と話しているとイライラした原因がわかった気がしたο

    2005-10-10 20:35:00
  • 55:

    しゅん

    もう二度と恋なんてするもんかって思ってたο彼じゃなきゃ駄目だとかそういうんじゃなくて、好きだとか愛だとか、そんなのないってο
    でも確かにそれはあったこと、教えてくれたのはゴウなんだよο

    2005-10-10 20:39:00
  • 56:

    佳奈

    ある程度ゴウが離れた所で、私はひろしに話し掛けたο『あれ絶対しゅんのこと気に行ってるよねッ』するとひろしは『気に行ってるどころやないやろ…なんし長い間見てたんやからな〜』と意味深な事をボソボソ言うο『どういうこと?!』言った瞬間に口ごもったひろしの肩をたたいて顔を覗きこむοひろしは、しまった〜…って顔をしてた(笑)面白くなってきた!

    2005-10-10 20:51:00
  • 57:

    しゅん

    『おーいッ!』4本目のタバコに火を着けたころ、ゴウ君がおいでおいでをしながら話しかけてきたοあたしは遠いのと暗かったのをいいことに見てない振りをして無視したο『おーい!しゅんって!おーい!』手をブンブン振り回しながら近付いてくるοうざい…οとうとう走りながらあたしの近くまで来るο無視を決めこんでたあたしは座って前を見たまま近付いてくる足音だけを聞いていたο

    2005-10-10 20:59:00
  • 58:

    しゅん

    ザッザッと砂を蹴る音が近付いてくるけど、私はちらりともそっちを見ないでジッとタバコを吸ってたο『うわっ!』ドサッ…情けない声と絶対コケた音ο思わず見ると体中砂だらけの男がジッとこっちを見てるο『明らかに聞こえてたやろ』恨めしそうに小さく言う声が聞こえて、思わずふきだしたο

    2005-10-10 21:04:00
  • 59:

    名無しさん

    2005-10-10 22:16:00
  • 60:

    名無しさん

    おもろいしガンバレ?

    2005-10-10 22:36:00
  • 61:

    名無しさん二人ともありがとう?頑張って完結させるから?最後まで見てってな?

    2005-10-11 01:16:00
  • 62:

    『やっぱり、笑った顔かわいいなο体はってコケた甲斐あったわ(笑)』体中についた砂を払いながらゴウ君ゎ言ったοあたしはその言葉に笑いを止めて、少し無言が続いたο『…隣いい?』さっきとは打って変わって自信のない声に、あたしは思わずうなずいたοゴウ君は予想外に離れて座ったο

    2005-10-11 01:21:00
  • 63:

    しゅん

    なんとも言えない空気に我慢できなくなって、あたしは口を開いたο『ゴウ君さ…』『ゴウでえぇよο俺のが年下やし』すかさずゴウが答えるοもう二度と会わないんだから呼び方なんてどうでもいいのにο『じゃぁゴウ?』『何?』自分で言ったくせにすごく恥ずかしそうに、でもすごく嬉しそうに彼は言ったοなんとなく、佳奈と似ている感じがしたο『忘れてるみたいだから言うけど、タクシーどうすんの?』

    2005-10-11 01:27:00
  • 64:

    『やばい!すっかり忘れてた!ひろし!タクシー返さなあかんやん!運チャン待ってるで!』すごい勢いでしゅんを連れてこっちに走って来たかと思えば、凄く大きな声で彼は話したο同じく、『ぅわっ、すっかり忘れてた!どうしよぅ!』…とひろしも叫ぶο二人供今更慌てて大騒ぎしている姿を見れば、やっぱり年下だなぁと感じさせたο『今更言ってもどうにもなんないし、タクシー会社の番号なら車のどこかにのってるでしょοスグに連絡して、スグに返しにいくしかないわο』しゅんの冷静で正しい判断がやっと二人を落ち着かせたο

    2005-10-11 01:37:00
  • 65:

    みほ

    早くよみたぁい??

    2005-10-11 05:46:00
  • 66:

    みほちゃんありがとっ?
    頑張って早めに書くから待っててね?

    2005-10-11 07:47:00
  • 67:

    しゅん

    『…まぁ今更焦っても仕方ないしなο花火最後までしよか』開き直ったようにゴウが言ったο『やな!まぁなるようになるやろ!この時間に電話しても繋がらんやろぅし!』ひろし君も賛成するο私は一つしか違わない二人を『若いなぁ』と思いながら見てたο

    2005-10-11 08:37:00
  • 68:

    しゅん

    残っていた線香花火はあっと言う間に終わって、誰ともなく話出したοついさっきまで早く帰りたいとばかり思ってたけど、今は、なんとなくまだここに居たいと思うο何を話していたのかはあまりよく覚えてないο多分学校の話とか、家族の話、仕事や、将来の話までοあたしは、三人が楽しそうに話すのをただ聞いていたο

    2005-10-11 09:02:00
  • 69:

    佳奈

    風が強く吹いたοやっぱり冬の夜はとても寒いο息をはいてかじかむ手を温めたο『寒い?』不意にひろしが聞いてきて、『そろそろ帰ろか』とゴウが言ったοなんとなく夢から覚めたような、そんな気がしたο『まだここにいたいο』不意に、小さな声でしゅんが言ったο

    2005-10-11 09:15:00
  • 70:

    しゅん

    …何言ってんだろο自分で自分の言葉に驚くο『…なんて、寒いよな、やっぱり帰ろ!』と、慌ててつけたしたけど、もう遅かったοひろし君は着ていたパーカーを佳奈の膝にかけたし、ゴウはジャケットを私に手渡したο『いいよ、別に寒くないし』あたしはジャケットをつきかえしたο『いいから、俺暑いねん』11月下旬の夜に暑いと言った彼のバレバレの嘘に、私は仕方ないから騙されることにしたο

    2005-10-11 09:23:00
  • 71:

    佳奈

    小さな、ホントに小さな声で『ありがとο』としゅんが言ったο思わずプッと吹き出してしまうοひろしとごうもつられて笑うοしゅんは見たこともない様な真っ赤な顔をしてうつむいて『何よもう…』とぽそりと言ったοその一言にもう一度笑うοもう、ほんとかわいい!(笑)

    2005-10-11 09:29:00
  • 72:

    佳奈

    それからは四人で話をしたο『しゅんってどういう字書くん?』ゴウがしゅんに話かけるο『春ο』短くしゅんは答えるο『…春って、季節の?』『ぅん、それο』『むっちゃいい名前やん!俺今すごい感動してるで!』とゴウは訳の分からないことを言ってたοでも、ホントは違うοしゅんのホントの名前は【春子-ハルコ】でも昔からしゅんはこの名前を嫌っていて、周りには『しゅん』で通しているοテストの名前や履歴書にすら『しゅん』と平仮名で書くので、しゅんの身近でこの名前を知ってるのは昔から一緒にいるあたしくらいしかいないο

    2005-10-11 10:47:00
  • 73:

    しゅん

    佳奈が何か言いたそうにこっちを見ていたけど、気付かない降りをしたο【春子】なんて、ダサい名前、言いたくないο昔は『はーチャン』とか『はるチャン』とかって呼ばれていた気がするοいつから嫌になったかなんて覚えてないοそもそも、親だってあたしの名前を呼ぶことが滅多にないο『あんた』『お前』私の家は少しおかしいο

    2005-10-11 11:01:00
  • 74:

    しゅん

    『ゴウは?何て字書くの?』諦めたのか佳奈が聞いたο『俺のゴウは豪ο大富豪の豪や!わかるか?』そうはっきりとゴウは答えたο【豪】には力強い、えらいと言う意味があるο彼にピッタリの名前だと素直に思ったο

    2005-10-11 11:29:00
  • 75:

    佳奈

    大富豪のゴウの字がいつまでもわかんなくて考えているあたしに、ヒロシが耳打ちしたο『あいつ本間は【豪太郎】言うねんで(笑)』…思わず笑ってしまうο似たもの同士でお似合いだと思ったο私はあえて『二人ともめずらしくていい名前だね!』と言っておいた(笑)

    2005-10-11 11:38:00
  • 76:

    佳奈

    あっと言う間に時間はたっていったο海を前にゴウ・しゅん・あたし・ひろしの順で横一列に並んでいるοみんなの口数が自然と減ってくるο『眠たい…』小さい声で呟くとひろしはあたしの肩にもたれたο『ちょっ…重たいって…』気恥ずかしくなって起こさせようとするとひろしは早くももう寝ていたο『どうしよぅ…』ふと隣を見るとゴウも同じようにしゅんに持たれて眠っていたοしゅんと目が合って、二人して笑ったο

    2005-10-11 11:55:00
  • 77:

    しゅん

    『オールとか久しぶり!』あたしは口を開いたο潮風が寒いけどその分すごくすがすがしいο『ホントそれ!でも、楽しかった…よね?』佳奈は少し不安そうに聞いてきたο『ぅん、まぁまぁかな…』そう答えると佳奈ゎパァッと明るく笑ったο『いい感じじゃん、ひろし君』話題を変えようと、あたしは佳奈をからかったο『そんなんじゃないけど…ぅん(笑)』今度は照れたように笑うοそれからこの後どうするか二人で考えていると、目の前が急に眩しくなったο

    2005-10-11 12:02:00
  • 78:

    しゅん

    『まじ…?』佳奈が思わず声を出して目を見開くοびっくりしたように『起きて!ほら!朝日!』とひろしを揺さぶるο私もつられて急いでゴウを起こしたο海の波が光に反射してキラキラ輝きだすο地平線の真ん中から綺麗に太陽が頭をだしているοまじ、綺麗すぎ…!!

    2005-10-11 12:07:00
  • 79:

    佳奈

    あたしは頭が悪いから、あの朝日を綺麗としか言えなかったο他にも感動を伝える言葉はあったのにο今でも、やっぱり上手く伝えられないοあたしにとって四人でいれた時間が人生で一番幸せな時だったとしかο

    2005-10-11 12:57:00
  • 80:

    みほ

    頑張って??ミホ今思い出っつぃぃなぁって思ったぁ??

    2005-10-11 17:23:00
  • 81:

    みほちゃんありがとう?

    2005-10-12 17:28:00
  • 82:

    しゅん

    四人でただ黙って日が登るのを眺めてたοあたしは別に前を見てなかったわけじゃないοだけど、なんとなく、こんなにまっすぐ前を見たのはすごく久しぶりな気がしたο目線とか、そういうのじゃなくて、前向きな気持ちでο『…帰ろっかο』誰からともなく言葉がでて、あたし達は立ち上がったο四人そろって顔を見会わせるο改めてちゃんと二人の顔を見た気がしたο

    2005-10-12 18:15:00
  • 83:

    佳奈

    始めて見た時からぅちらみたいだと思ったο正反対の私達と正反対のひろしとゴウο多分それは四人とも気付いていたと思うοよくも悪くもο

    2005-10-13 11:34:00
  • 84:

    しゅん

    その後街まで戻って、私達ゎすぐに解散οゴウ達はタクシーを返しに行ったみたいだったο番号交換はしてないο聞かれてもないし、聞いてもないοだけど、なぜかまた、絶対会えるような気がしたο佳奈とひろし君もしてないみたいだったο佳奈にしては珍しいことで、さりげなく後から聞いてみたけど、やっぱり理由は同じο『また会える気がする』

    2005-10-13 21:24:00
  • 85:

    名無しさん

    ????????????

    2005-10-14 20:30:00
  • 86:

    ぅちらの予感は見事的中!というか、今まで会わなかったことが不思議なくらい二人供身近にいたのο次の月曜日、いつも通り私はしゅんと地元の駅で待ち合わせο『また大嫌いな月曜日が来たよ〜ο学校面倒臭い…』『そうだね〜』なんて毎日繰り返してる会話をしながら二人でホームに向かったοすると、『おはよぅ!』と聞いたことのある声に話かけられたο

    2005-10-14 22:57:00
  • 87:

    しゅん

    やっぱりそれはゴウの声だったο私はまた会える気はしていたものの、まさかこんなにすぐに出会うなんて思ってなかったからびっくりしたο『やっぱりな!俺らもここの駅使うことたまにあってんο俺ら前から佳奈ら二人のこと知っててんで!』してやったりの顔をしてひろし君が教えてくれたο全然気付かなかった…ο

    2005-10-14 23:03:00
  • 88:

    しゅん

    佳奈はおしゃべりに夢中だったし、あたしは朝に弱く、いつもボーっとしながら佳奈の話を聞き流してた(笑)だからぅちらは回りなんて見ていなくて、気付かないのも当然のことだったο『そうだったんだ〜!なんで昨日言ってくれなかったの?』佳奈が少しすねた声で、ほっぺたをふくらましながら言ったο『びっくりさせようと思って、言わんかってん!なっ!』ひろし君がやんちゃな顔で答えて、ゴウに話をふったο『おう、相変わらず、朝っぱらから不機嫌そうやなぁ〜!』そう言うと、ゴウはあたしの頭をくしゃくしゃとなでたο

    2005-10-14 23:10:00
  • 89:

    佳奈

    その日から私達は毎日一緒に通学しだしたο数日たつと、自然と集まる時間も早くなり、いつものる電車発車時間の、30分前には四人そろって、駅裏のベンチに座っておしゃべりをしたοその頃になると、あれだけ男嫌いだったしゅんでさぇ、頻繁に笑顔を見せるようになっていたο

    2005-10-16 17:12:00
  • 90:

    佳奈

    発車5分前になると私達は走ってホームに向かうοいつも通りギュウギュウ積めの満員電車から、ひろしは私を、ゴウはしゅんを支えて守ってくれるο私達は二つ目の駅でおり、ひろし達は四つ目の駅でおりるο私達が降りた瞬間、二人が、支えてくれて疲れたのか、合わせたように腕をふる様子がおかしかったο

    2005-10-16 17:19:00
  • 91:

    名無しさん

    ?????

    2005-10-16 17:20:00
  • 92:

    しゅん

    二人ともすごく優しかったοでもそれはなんでも聞いてくれくれるとか、そういう優しさじゃなくて、小さな心使いとか、態度οその優しさは私とゎ違う、暖かな家庭で育ったことをうかがわせるο

    2005-10-16 17:24:00
  • 93:

    しゅん

    日に日に、四人が打ち解けていくのがわかったο特にひろし君と佳奈は、今にも付き合いそうな雰囲気だったο悪い男に騙されては泣いていた佳奈だったけど、ひろし君になら安心して任せれるな、と思ったο

    2005-10-16 17:29:00
  • 94:

    名無しさん

    頑張ってにぇ??

    2005-10-17 02:55:00
  • 95:

    名無しさんありがとう??

    2005-10-17 07:20:00
  • 96:

    佳奈

    初めて会った時から、何か引かれるものがあったο今までの男とは絶対違う、そう思ったοあたしが笑うと優しく笑い返す、その笑顔がとても大好きだったοしっかりしてる振りして、意外とおっちょこちょいで、守ってあげなきゃ、って気になれたο年下だからかなοだけど、彼はしゅんが好きだったο

    2005-10-17 07:25:00
  • 97:

    佳奈

    世界中の恋する女の子は
    みんな想いを募らせる
    好きな人といるだけで
    それだけで全てが輝きだす
    ねぇしゅん、そうでしょ?

    2005-10-19 02:07:00
  • 98:

    佳奈

    例えば肩が少し触れ合うと、触れた所が熱くなるο不意に目が合うと、一日中幸せな気分になるο風が吹いて、彼の香水が少し香ると、胸が切なくなるο叶わない想いは宙に舞って、行き場なく消えるο

    2005-10-19 02:13:00
  • 99:

    佳奈

    『前、言ってたこと…』「えっ…?」突然のあたしの真剣な声に、ひろしは少し驚いたο『ゴウは、いつからしゅんの事を見てたの?』あたしは構わず続けたο「何でそんなこと聞くん?」戸惑ったようにひろしは答えたο『いいから、答えて!』自分でももう、コントロール出来なくなっていたοいつも通りの朝、いつもより少し早い時間にあたしはひろしを呼び出していたο

    2005-10-19 02:19:00
  • 100:

    佳奈

    手に入らないものほど欲しくなるοあたしは昔からそうだったο初めは、ひろしが気になっていたのにο「どしたん本間に…佳奈らしくないで?」ひろしが心配そうに顔を覗かせるοあたしは、にこっとつくり笑顔を見せたο『相談に…乗ってほしいことがあるんだο聞いてくれる?』「おぅ、まかせとき!何や?」いつもの私に戻って安心したのか、ひろしにも明るい表情が戻るο『しゅんと…ゴウのことなんだけど』「あ〜あの二人ね!そうやな、ゴウゎ奥手やし、しゅんちゃんもあの様子じゃ、俺ら二人でくっつけたらなあかんよな!いきなり朝から呼び出して珍しく真剣な顔して言うからなんかと思うやん!」早口で一気にひろしが話すο『…そうじゃないよοその逆…ο』

    2005-10-19 02:30:00
  • 101:

    佳奈

    ひろしの顔色がかわるο「はっ…?どういうこと?」『佳奈な…ゴウ君のこと、好きになった!ゴウ君がしゅんのこと好きなことくらいわかってる!しゅんも、多分同じ気持ちなのも、わかってる!けど…好きなの、もう我慢出来ん!』あたしはらしくない大声で話したο相変わらずひろしの顔は青ざめたままだο重い沈黙がつづいたο

    2005-10-19 02:37:00
  • 102:

    佳奈

    『…なーんちゃって!びっくりした?!』重い雰囲気にやっぱり耐えられなくなって、あたしは沈黙を破ったο…何してるんだろうοあたしは、何てことをしようとしたんだろうο

    2005-10-19 02:44:00
  • 103:

    佳奈

    しゅんが男嫌いになった理由を、私は知っているο私だけしか知らない、しゅんの過去ο最大の悪夢οそれから、しゅんは男を信じなくなったο近寄ってくる男はもちろん、小学校からの同級生でも、先生でもο男と名のつく全ての人に、しゅんが笑いかける姿を、あたしはあの日から見たことがなかったο彼、ゴウに出会うまではοずっと閉ざされていたしゅんの心を開いたのは、紛れもない彼だοしゅんはまだ気付いていないοゴウに好かれていることも、自分自身がしゅんにひかれていることも、これから先の二人の明るい未来にもο

    2005-10-19 02:48:00
  • 104:

    佳奈

    もうすぐ、私達が出会ったあの日から2ヶ月がたとうとしているοひろしとゴウと、改めてしゅんの性格が見えてくるο初めは、海で目が合った瞬間に、ひろしに心を奪われたο優しそうな笑顔ο綺麗な顔、かわいい声、純粋な、すごく純粋な心ο

    2005-10-19 09:14:00
  • 105:

    佳奈

    なのに、思わずゴウを好きになってしまったのは、多分、あの日ο丁度一ヶ月前、あたしは、今の状況と同じように、いつも集まる時間より大分早くに、ゴウにこの公園に呼び出されたο朝早い時間に、もちろん私は起きれなくて、寝坊したο『…どうしよう、化粧してたら待たせてしまう…οでもスッピンとか、マジ気まずいし…まっ、ひろしが来るまでに公園ですればいっか!』

    2005-10-19 09:22:00
  • 106:

    佳奈

    『…待った?』急いで公園に行ったけど、やっぱりゴウはもう来ていたο『ぃや、待ってないよ!ここ座り!』そういうと、彼は自分が座っている青いベンチの隣をポンと叩いたοあたしはゆっくりと座りながら『どしたん?話って何?』と聞いたοだけどゴウはなかなか話を切り出さなかったο

    2005-10-19 09:26:00
  • 107:

    佳奈

    『何よもう!話あるって言ったのゴウやろ!』あたしは笑いながらゴウの肩を軽く叩いたο『お、おぅ…οあのな…』そしてまたゴウは言葉を詰まらせるο『はよ言わんと時間なくなるよ?』あたしはまたゴウを軽くせかしたο出来れば早く話を終らせて化粧がしたかったからο『…わかってるοあの…しゅんのことなんやけど…ο』あたしはどうせそういう系だと思っていたから、驚きもせず聞いていたο『前、あ、初めて会った時、佳奈言ってたやん?』…何を?!ゴウはうつ向いて小さな声で、それもしどろもどろに話すので、余計にわかりにくかったοあたしが『何の話?』って聞くと、彼はまた少し黙って、それから決心したように聞いてきたο『しゅんが、男嫌いになった理由や』

    2005-10-19 09:36:00
  • 108:

    佳奈

    あたしは思わず言葉をつまらせたο

    2005-10-19 09:43:00
  • 109:

    佳奈

    しばらくたって、私は言ったο『…それは直接しゅんから聞いた方がいい『佳奈!』言い終わるか言い終わらないかのぅちに、大きな声であたしの名前をよんで立ち上がったοそして座ったままのあたしの両肩に手を置いて、まっすぐあたしの目を見て言ったο『どうしても』いつもとは違う、震えた声ο『知りたいんやο』それからゴウはせきをきったように話だしたο

    2005-10-20 07:41:00
  • 110:

    佳奈

    『ずっと好きやってんο一目惚れやったο初めて見た時…笑うなや?天使かと思ったο』少し吹き出しそうになったけど、ゴウの目があまりに真剣だったから、あたしは笑わなかったοゴウは真っ直ぐ前を見てるο駅へ向かう人の数が増えてきたοもうすぐシュンとひろしも来るだろうο
    『そんな雰囲気やないのに、不思議やろ?でも、俺は確信してんο俺の天使やってο見る度ドキドキしたοそんなん本間に初めてやったο俺な、昔やんちゃしてて、自分で言うんもなんやけど(笑)女なんていくらでもいたし、困ったこともなかったοいっぱいひどいことして、何人も泣かせてたけど、あの時はなんとも思ってなかってんο最悪やろ?』悲しそうな顔でゴウは振り向いて私を見たο

    2005-10-20 10:48:00
  • 111:

    佳奈

    あたしはなんて言えばいいのかわからなくて、黙ってたο
    『やけど、初めてやねんο無視られんの恐くて声すらかけれんかったのも、心から幸せにしたいって思ったのも、絶対泣かせたくないって思ったのもο初めて話した時、思った通りの子やと思ったο冷たいように見えて、やっぱりめちゃくちゃやさしいやんοあの海で、しゅんの笑顔を見た時はもう、夢みたいやと思ったο今、こうして仲良くなれたのも信じられんο今までのは夢やったんやないかって、朝起きては不安になるοここに座って、しゅんらが来る度に[あぁ、夢やないんや、よかった、幸せやなぁ]って毎朝思ってんで(笑)』
    あたしは無言でゴウの話を聞きながら、ゴウの茶色の髪がキラキラ朝日で反射するのを、きれいだなぁと思って見てたο

    2005-10-20 11:00:00
  • 112:

    佳奈

    『佳奈?聞いてる?』返事をしないあたしに向かって、不意にゴウが不安そうに声をかけたοあたしはにっこり笑って『聞いてるよ』と言ったο
    『それで俺、調子乗ってたんやろなο昨日、しゅん調子悪かったやん?心配やったから、鞄もったるよってゆってんοいつも通り断られたけど、譲らんかったοしまいにゎ「しつこい!」って言われて、腹がたって、鞄奪い取ったοほんの、冗談のつもりやったのに…ο』あたしは何故か頭が上手く回らなかったοあれ…?シュン昨日調子悪かったっけ…?
    『…手と手が当たってんο当たったゅーても、少し触れたくらいやけどο』
    …あぁそういえば、昨日しゅんは珍しく体育を見学してた…
    『その瞬間やったοしゅん、めちゃビクってなって、すごく脅えた目ぇしたοってゆっても、すぐに元に戻って、小さい声であやまってたんやけど…』

    2005-10-20 11:18:00
  • 113:

    佳奈

    あたし、気付かんかったοしゅんの調子が悪いなんて全然…ο
    『なぁ佳奈、しゅん昔何があったん?』
    あたしは、その声にハッとして、ゴウを見たο今日初めて、ちゃんとゴウの目を見た気がしたο

    2005-10-20 12:58:00
  • 114:

    佳奈

    『あれ?佳奈今日いつもと違うやん?…スッピン?』
    あっ!そうやった!『みんとって!』あたしは思わず下を向いたο
    『プッ…アハハハ!』ゴウは大声で笑いだしたο綺麗な顔をしわくちゃにして、独特の笑いかた、独特の笑い声οこんな風に笑うゴウを見るのは初めてだったο
    『何よもう!悪かったな!不細工で!もう見んとって!』あたしは泣きそうな声で言ったο
    なんで?朝とは違う、何かおかしいο虚しさ、悔しさ、不安、悲しさ…οなんとも言えない気持ちがあたしを不安定にするοここに来るまではなんともなかったのに、何これ?何?

    2005-10-20 13:07:00
  • 115:

    佳奈

    息が苦しいοしゃがみこんで泣きそうなあたしに気付いて、しゅんはあわてて言ったο『佳奈!ちゃうで!不細工やからとか、そんなんで笑ったんちゃうねん!今まで気付かんかった俺も俺やけど、スッピンなんすっかり忘れてあわててた佳奈おもろかっただけやん!泣かんとって!本間にちゃうねん!佳奈!』必死でフォローするゴウのうわずった声は、興奮していたあたしの気持ちを少しずつ落ち着かせたοなんでかゎわからんけど、落ち着かせたο

    2005-10-20 13:12:00
  • 116:

    佳奈

    涙は出る寸前で止まった…ο今度はあたしがフォローする番だο『うそやん(笑)引っ掛かった〜!あんたが笑ってムカついたから泣き真似しただけ〜!(笑)』

    あたしは、上手く笑えてる?

    『…ビックリした〜!も〜まじでやめろや!(笑)』本当に安心したように溜め息を付きながらゴウが言ったο

    2005-10-20 13:17:00
  • 117:

    佳奈

    『ばーか!(笑)でもあんたのお陰でスッピンなの思い出したわ!よかった〜』そう言ってあたしは鞄からポーチと鏡を取り出したο『ひろしは、佳奈のスッピン見たくらいで気持ち変わらんで』不意にやさしい、ホントにやさしい声でゴウが言ったοさっきまでのあたしなら、普通に喜んでいたはずの言葉οなのにあたしは、なんて返事をすればいいのかわからなくて聞こえない振りをしたο

    2005-10-20 13:20:00
  • 118:

    佳奈

    それからは、普通の当たり障りのない話をしたοマスカラはあそこのがいいとか、化粧品代がかかって女の子は大変だとか、ゴウからしたらどうでもいい話ο
    一通り化粧をし終えた頃、ゴウが突然立ち上がって言ったο『しゅんや!』『えっ?どこ?』通勤ラッシュで、人が行ったり来たりを繰り返すο人混みにまぎれたしゅんを、あたしはなかなか見つけられなかったοその間もゴウは、一度もしゅんから目を離してないみたいだったο

    2005-10-20 13:25:00
  • 119:

    佳奈

    『これやねんοどんなに遠くにいても、どれだけ人がいても、俺は誰よりも先にしゅんを見つけられるο自然と見つけれんねんο』あたしに言っているようで、あの言葉は自分に言っていたと思うο
    『なぁこれ…運命やろ?』

    2005-10-20 13:28:00
  • 120:

    佳奈

    『しゅん-!』やっとのことでしゅんを見つけたあたしは、大きく手を降ったοしゅんはあたし達に気付いて笑って手を降り返したοあたしは小さな声でゴウに言ったο
    『あたしはいっぱい、昔のゴウみたいな男に泣かされてきたο…後悔してるんでしょ?だったらゴウは大丈夫οしゅんを幸せにしたげてο』
    ホントにそう思っているはずなのに、なぜか罪悪感と切なさを覚えたοいい終えた時、丁度しゅんが私達が座っていたベンチの前に立ったο『めずらしいね、佳奈のが早いなんて』『やろ?今日はなんか朝早くに目が覚めたから!』ひろしもこっちにくるのが見えたο

    2005-10-20 13:39:00
  • 121:

    佳奈

    『おはよ〜今朝はみんな早いな!』ひろしが私達に声をかけるοそれにしゅんが気を引かれてるうちに、ゴウはあたしに耳打ちしたο顔が近いοゴウの息が耳にかかってくすぐったいο『佳奈スッピンのが可愛いでοマジでο』顔が一気に赤くなるのがわかったοホントにわかったο

    2005-10-20 13:43:00
  • 122:

    佳奈

    『あ〜そこ!なんの話してんねん!俺も入れろや〜』ひろしがうちらに気付いて割り込んでくるο『俺と佳奈だけの秘密や!な!佳奈〜!』ゴウはニヤニヤ笑いながら言ったο『うるさいし!』あたしは笑いながら返事をしたοそしてその後いつも通りに四人で話をしたοあたしはこの時間が一日のぅちで、一番楽しい時間のはずなのに、ナゼか心がモヤモヤしていたο

    2005-10-20 13:55:00
  • 123:

    佳奈

    いつも通り、電車発車の五分前になったから、私達は公園をでて、駅へと歩き出したοボーッとしながら下を向いて歩いていると、突然後ろから手を捕まれたο

    ゴウだった

    2005-10-20 13:58:00
  • 124:

    佳奈

    『今日の続き、また相談してもいい?シュンのこと』

    …シュンノコトο


    あたしは黙ってうつむいたο

    2005-10-20 14:00:00
  • 125:

    名無しさん





    2005-10-22 17:46:00
  • 126:

    佳奈

    『…ゴウが好きなん?』ひろしが、小さな声で言ったο

    2005-10-22 17:49:00
  • 127:

    名無しさん

    。でかいねん!

    2005-10-22 23:58:00
  • 128:

    名無しさん

    ↑ウケタ

    2005-10-23 00:06:00
  • 129:

    名無しさん

    気にせンと頑張って完結まで書いてね?

    2005-10-29 02:46:00
  • 130:

    名無しさん

    かぃてやぁ?

    2005-11-06 14:41:00
  • 131:

    名無しさん

    中途ゃな

    2005-11-17 04:35:00
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