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東京、曇のち雨、晴れ
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1:
■「ねぇ、リョウはさぁなんでホストになろうと思ったの?」「全部捨ててこの街にかけたんだ俺は。」あの頃 愛がほしかったんじゃなかった 地元で失ったもの全部取り返そうとして この街に身を捨てた。歌舞伎町には俺が欲しかったもの全部あるんだと思った。 だけどどうしてだろう。また、どんどん全てが消えていっている気がする。あの頃の友情も、思い出も、なにもかもが酒と金、嘘に色を染めていく。見えない明日なら、ないものと同じ。だけど、戻れない過去にすがり続けるなら、見えない明日を信じて、生きていくしかない。
2006-03-26 22:22:00 -
111:
名無しさん
ここの主放置しすぎ
2006-05-17 01:52:00 -
113:
ナンバーワンになることは俺の存在理由であり、俺が生きている証だった。雑誌やテレビでチヤホヤされて、ブラウン管にうつる自分に満足してた。
俺はもう1人じゃない。俺には居場所はある。 そう思ってた。いや、そう思い込んでいたのかな。2006-05-17 04:19:00 -
114:
■「みてみて、リョウくんだし!めっちゃかっこいいー!あの看板ほしっ!」歌舞伎町、夜の案内所のビルにはリョウがドでかい看板の中で微笑む。やばいーリョウかっこいいーと2人組の女が看板を見上げ、騒ぐ声が耳に入る。数人の男子大学生がその様子を横目で見るやいなや、つられるように看板を見上げる。「うわーえらい派手なにいちゃんだなあの看板。あんなのが女はいいのかねぇ。あの看板、芸能人?きれーな顔してうらやましい」「違いますよ先輩、あの看板、ホストクラブの看板ですよ。あの子はホストの子ですよ、めちゃくちゃ人気あるっていう。前テレビで見ましたよ。すげぇ稼いでるらしいですよ?確か19とか20とかそんなんですけどね」「ホストか!あーうらやましいねぇ男前は。なぁ、ワタル」1人渋い顔で看板を見つめる男に、声をかける。「いや..あ、はい」男は声を詰まらせながらつぶやいた。デカイ看板の中で微笑む派手な男はミズキだった。
2006-05-17 04:22:00 -
120:
「ああ」短く返事をする。確か..そうそうカムイだっけ。大阪から出てきて18か19か、それくらいの子だよな。毎日いろんな新人が入ってきてそのたび消えてく。だから記憶が曖昧だ。
接客業しているくせに人の顔と名前を覚えるのが苦手なんて、プロとして失格だな。そんなことをぼんやり考えた。2006-05-17 23:11:00