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〜彼な彼女〜

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  • 1:

    千春

    言い回しとか間違ってたりするかもしれませんが許してくださいf^_^;
    あと、この小説は全てフィクションです。悪しからず。

    2005-10-09 15:32:00
  • 2:

    千春

    雨が降る度にまた1度また1度と気温が下がり、冬が近づいてくるのを感じる。アスファルトを叩きつける雨音を聞きながら、私はふと思い出した。あの日もこんな風に外は土砂降りで寒かったことを。あの日…彼と出会った日もこんな風だった。

    2005-10-09 15:40:00
  • 3:

    千春

    仕事の帰り道、自転車で片道40分の道を傘をさしながら私は一人走っていた。雨足が強くなり、途中雨と寒さに負けて私は喫茶店へと入った。
    店内は暖房がかかっており温かく、心地よいジャズが流れていた。店内を見渡すとお客は私だけだった。それもそのはずもう深夜3時を回っている。私はカウンター席に腰を降ろしココアを頼んだ。カップを手に取ると甘い香りが漂い、一口の口にするととてもホッとする味がした。

    2005-10-09 15:45:00
  • 4:

    千春

    カランカラン♪
    音の先に目をやると、入り口からスーツ姿の後ろ姿が見えた。こっちに振り向くと、とても綺麗な顔立ちをした男がこちらに向かって歩いてきて、私の隣に腰掛けた。見た感じホストのようだ。

    2005-10-09 16:00:00
  • 5:

    千春

    一見ホストに見える人物は、鼻筋が通っていて、切れ長の目、色白で染み一つない肌。まるで女性のよう。。髪は緑かかった黒髪。
    じっと魅入ってしまいそうになるほど整った顔に私はとても緊張していた。これまでに私はこんな綺麗な顔を見たことなかったからだ。
    「マスター、コーヒー」
    と彼が口にした。
    (ん?)
    私は何かに疑問を抱いた。男性の声ではない。とても女性的だ。
    私は彼に目をやり首元を見ると、男性にあるものがない。喉仏がなかったのだ。

    2005-10-09 16:07:00
  • 6:

    千春

    えっ?
    っと困惑していると、彼から声をかけてきた。
    「僕の顔に何かついてますか?」
    聞かれるのと彼と目があったのとで、肩がビクッとなってしまった。
    「あ、いえ、すみません」
    とだけ答え、視線を反らし一口またココアをすすった。
    すると、彼がまた、
    「声が女だからビックリした?」
    「いえ、とても綺麗な顔だなって」
    「ありがとう」
    ニコッと笑った顔にまた私はドキッとさせられてしまった。

    2005-10-09 16:33:00
  • 7:

    千春

    話が弾み時間が過ぎるのも忘れるほどで、気付くと雨はすっかり止み、朝日が顔だそうとしていた。
    「よかったらまた今度お店来て下さいよ」
    といい、名刺を渡された。"FULLMOON 和月 奏"
    「奏(かなで)って呼んでください」
    またあの笑顔とともにそうゆうと、奏は席を立ちお店を後にした。

    2005-10-09 17:01:00
  • 8:

    千春

    名刺を見つめていると、
    「申し訳ないがもうすぐ閉店だよ」
    とマスターの声に時計を見ると針は7時をさそうとしている。急いで席を立ち、お店を後にし、眠い目を擦りながら自転車をこいで、マンションに着くと私はすぐに眠りについた。

    2005-10-09 17:06:00
  • 9:

    千春

    あれから一週間が過ぎ、連絡してみようか迷ったあげく結局まだしないままでいた。そして、再び仕事の帰り、この間と同じ時間にあの喫茶店へ足を運んでみることにした。
     やはりこの時間帯は私以外に客はおらず、店内はただ穏やかな時間があった。また同じ席に座り、ココアを頼み彼が来るか待った。

    2005-10-09 22:18:00
  • 10:

    千春

    10分も経たないうちに
    カランカラン♪
    と音を立て入口が開くと見覚えのあるスーツ姿が見えた。
    「あ、この間の」
    私を見るなり奏は微笑んで近づいて来た。

    「こんばんは。」
    私は軽く会釈し言うと、奏は私の隣に座った。
    「何してたの?」
    「今仕事の帰り、君は?」「僕は今さぼり中。」
    屈託のない笑顔で答えるのでなんだか本当の年齢よりもとても幼く感じた。
    「ナンバー1の君がいないと、お店の人困るんじゃない?」
    「ん〜、大丈夫だよ。僕の他にいっぱいいるし♪」
    「そっか」
    「そういえば、連絡くれなかったね。忙しかった?」そう言われ、待っててくれたんだと思い、少し嬉しくなった。

    2005-10-09 22:36:00
  • 11:

    千春

    「名前も聞いてなかったね?今日はそちらの話しを聞かせてほしいな」
    そういうとまたニコッと笑った。
    「私の話?聞いてもおもしろくないよ」
    「いいから話して」

    「えっと、何から話そう。あ、私の名前は優希で、年は23で美容師してて、、18で上京して来て一人暮ししてる。」
    「なんで美容師になろうと思ったの?」
    「おしゃれと人を綺麗にしてあげるのが好きだから、それに人の笑顔が好きだから、笑顔を与える人になりたかったから、かな」
    自分の言葉にハッとした。最近は忙しさに負け、そんな気持ちも心のどこかに置き忘れていた。
    「素敵な仕事だね。じゃあ、今度お店に行ってみよっかな。専属になってもらおっと」
    一見凛としていて冷たそうな印象がある奏からは想像つかないほど、本当に優しい笑顔をする。
    私はこんな笑顔を人に与えられているだろうか…?

    2005-10-09 23:35:00
  • 12:

    千春

    「奏君は何か夢とかある?」
    聞くと一瞬奏の顔に陰りが見えた。
    「あるけど、僕には無理なことだから。」
    そう言ってコーヒーをすすった横顔がとても寂しそうで、私は何も言えなくなった。

    2005-10-10 15:59:00
  • 13:

    千春

    何も言えずココアのカップを眺めていると、奏はこちらを見て、いきなり切り出してきた。
    「優希さんは恋人いるの?」
    「いないよ。」
    「じゃあ、僕とお付き合いしていただけませんか?」間髪入れずにそう言われ私は何がなんだか一瞬わからなくなった。
    「か、からかわないでよ。」
    「からかってなんかないよ。」
    真剣な顔で言ってくるのでさらに私は慌ててしまった。
    冷めきったココアを一口飲み、一息ついてから今の状況を整理しようと私は頭をフル回転させた。
    「冗談はやめてよ。今日会うのもまだ二回目なのに、付き合うなんて、そんなできないに決まってるじゃない。」
    きっと冗談で言っていると思い笑顔でそう返すと、奏は一層真剣な顔で、本当だよ。とだけ言った。

    2005-10-10 16:32:00
  • 14:

    千春

    どうしよかあたふたしていると、
    「ごめん。困らせちゃったね。別に困らせるつもりはないから。あ、また連絡ください。じゃ。」
    そう言って奏は席を立った。私はただ呆然として奏の背中を見送り、少ししてから私も店を出た。

    2005-10-11 00:54:00
  • 15:

    千春

    帰り道も、家についてからも、ベッドに入ってからも私は奏の言葉がずっと頭から離れず、眠れそうになかった。
    からかってる風ではないことはわかったけれど、付き合うなんて…。まして、心は男性だとしても同性。
    でも、何故かとても気になっていた。
    そして一睡も出来ないまま、出勤時間を迎えてしまった。

    2005-10-11 01:19:00
  • 16:

    千春

    「先輩目の下のくまどうしたんですか?いつもにましてすごいですよ。」
    後輩の美紀が冗談交じりにそう言ってきた。
    「何でもないよ。大会前だし練習してただけ。」
    苦笑いして見せるが、笑顔が引き攣ってしまう。奏の言葉が頭から離れてくれない。その日一日仕事もどこか上の空になってしまっていた。

    2005-10-11 01:39:00
  • 17:

    千春

    その日の帰りまた喫茶店に寄ると奏がいた。
    「なんか来ると思ってたんだ。」
    そう言って私に手招きしてきた。
    「今日もサボり?あんまりサボってるとクビにされるよ。」
    私は昨日の言葉の動揺を隠しながら平然を保っていた。
    「クビになることはないよ。僕売れっ子だからね。優希さんは今仕事の帰り?」「そうだけど。」
    「じゃあ、今から僕のお店来る?」
    いきなり過ぎてまた私はあわてふためいてしまった。

    2005-10-11 02:13:00
  • 18:

    千春

    「奏君は何から何までいきなり過ぎるよ。」
    「ごめん、ごめん。なんか慌ててる姿がかわいくて。」
    少しムッとした顔をして見せると、ごめんなさい。と真剣な顔で謝るのでなんだか私もうけてしまった。
    「また機会があったら行くよ。」
    というと、ホントに?約束だよ。と言って右手の小指を出してきた。

    2005-10-11 03:00:00
  • 19:

    名無しさん

    2005-10-23 01:15:00
  • 20:

    名無しさん

    あらら

    2005-10-23 16:24:00
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