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狐の嫁入り
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1:
名無しさん
私の経験談。嘘みたいな本当の話。 (旧掲示板のコピペです)
2005-08-01 00:28:00 -
50:
名無しさん
略
「自慢の優しい孫ですねん。今日は桜見るのに車椅子押してくれましてん」
孫馬鹿になっていた2005-08-01 13:38:00 -
51:
名無しさん
照れながら、「おばあちゃん、恥ずかしいだけでほんまはおばあちゃんと仲良くしたいって思ってはるってー」と私は元気付けのつもりで答えた。
「そうやといいわねー。ありがとうね、今日孫の顔見に行って見るわ」とおばあちゃんはニコニコしていた。
自分のたわいも無い言葉で誰かが笑ってくれるってくすぐったい様な、むずむずする感じがした。帰りも桜並木をゆっくり押しながら帰った。
これが一緒に見た、最後に見た桜だった。本当に綺麗だった2005-08-01 13:39:00 -
52:
名無しさん
4月、半ばにかかると言われていた様に容態の悪化が手に取る様に見えた。呼吸が尚辛そうになった。不要だった紙オムツを使う様になった…。食事は流動食になった。桜を見てから僅か10日後には、見るも無惨に体は痩せていた…。
「か……る」
私の名前を呼ぶにもかすれてしまい、聞取りにくい。布団の距離を近くして、手をベッドから下げたら届く様にした。寝ているのか、起きているのか解らない程、呼吸が途切れたり激しかったり…。かすれながら祖父は
「おじいちゃん…もうあかん…のやろな…かおる…ちゃんと仏壇掃除してや…おじいちゃん死んでも…頼むで…」2005-08-01 13:40:00 -
53:
名無しさん
そんなん言わんといて…もっと一緒におって…。
「しんどかったら喋らんでいいねんで…痛い?薫が変わってあげたい…ゴメンなぁ…」何故か泣いてしまい、祖父は震える手でゆっくり私の頭を撫でた。ごつごつした大きかった手は、骨と皮だけの手に変わっていた。ゆっくり、ゆっくり撫でてくれた。
「かおるには…面倒かけ…たなぁ。もうおじいちゃんが死んだら…楽になるから…もう少し、…頼むな…」
益々涙が込みあげた。頭を撫でて貰いながら、泣いた。祖父は微笑んでた。2005-08-01 13:41:00 -
54:
名無しさん
知らないうちに寝てしまい、ハッと起きた。
ひゅうー、ひゅうー…。息はしている。まだ、生きてる…。この息が静かになる時、私は耐えれるんだろうか…。阻止出来る訳は無いけど、その時が来るのはもっと先でいい。
辛そうな祖父を見てると早く旅立ってしまう方が楽なのか、とも思っていたけど、どんな形であっても生きていて欲しい…それだけ、それだけなのに2005-08-01 13:42:00 -
55:
名無しさん
4月27日、その日はいつもに増して呼吸が荒かった。風が強い日、窓に当たる風の様な音がしていた。いよいよ…なのかもしれへんな。
朝から気が重かった。その日の夕方、すっかり存在を忘れていた彼氏が訪ねて来た。あぁ、そういや居たよね、彼氏…。久しぶりに会っても何とも思わなかった。彼氏は「おじいちゃん、ヤバイんか…?」
泣き腫らした私の瞼を見て感じたらしい。無言で頷いた。
「昨日…、おじいちゃん、自分でもう死ぬんは解ってるって言うてん…」また泣けて来た。玄関口で話していると、ちょうど仕事だった父が晩ご飯を食べに帰って来た2005-08-01 13:43:00 -
56:
名無しさん
彼氏は父に「こんばんは」と挨拶をしていた。父は「おぉ、久しぶりやな」と軽く答え、家に入って行った。父が帰って来たら皆雰囲気が悪くなる。それは変わり無かった。その日、たまたま姉の彼氏も来ていて、父がうざいから飯食いに行こうか、とチャリで5分の焼き鳥屋に行く事になった
2005-08-01 13:44:00 -
57:
名無しさん
ご飯なんか、こんな時に、こんな日に。そこまで必要じゃ無かった事なのに…。
ご飯を食べながら、時計を見ていた。1時間もしたら父も食事を済ませて出て行く。早く帰っておじいちゃんの傍におりたい…。
テーブルに皿が何枚か並ぶも私には食欲なんて無かったからウ-ロン茶だけ飲んでいた。
「食えよ、ほら」彼氏が串を近付けて来たけど…
「ほんまいらんねん、食欲無いし…」 冷たく断る。
「久しぶりに会ってんのに。何やねん…」彼氏が呟いたこの一言、マジきもかった2005-08-01 13:46:00 -
58:
名無しさん
略
「久しぶりに会ってんのに。何やねん…」彼氏が呟いたこの一言、マジきもかった2005-08-01 13:47:00 -
59:
名無しさん
…時計を見る。
21時前か。来たのが20時頃だから…もうそろそろいいかな。出て行ったやろ…と思っていたらポケベルが鳴った。
『オジイチャン、イキシテナイ、ハヨカエレ』
ベルを見て、姉に「おじいちゃん息してないって!早よ帰ろ!すいませんっ!おあいそ!早くして下さいっ」
慌てて皆席を立ち、会計を済ませ、焼き鳥屋の戸を開けた。2005-08-01 13:48:00 -
60:
名無しさん
出てすぐチャリの鍵を開けてたその時、
ザーッ…
晴れていたのに夏でも無い、夕方では無いこの時間に突然雨が降って来た。
鍵を開け、ダッシュで漕ぐ。
ザ───…
雨はきつくなった。家に着いた。鍵もかけず玄関口に走るときつくなって来ていた雨が小雨に変わった。2005-08-01 13:49:00 -
61:
名無しさん
略
雨はきつくなった。家に着いた。鍵もかけず玄関口に走るときつくなって来ていた雨が小雨に変わった。2005-08-01 13:50:00 -
62:
名無しさん
「おじいちゃん!おじいちゃん!帰ったよ!薫帰ったで!」
ベッドに駆け寄る。
…ほんまや。あんなに荒かった息が静かになってる。揺さぶっても揺さぶっても動かなかった。
…最後、傍に居てあげれんかった…
切なくなった。偶然が重なり、家を空ける事になるなんて…。最後は傍に居てあげたかったのに。母が救急車を呼んでいたので、隊員さんが走る足音が聞こえた。かかり付けの医師も来た。2005-08-01 13:51:00 -
63:
名無しさん
狭い家の中、人口密度が増えた。
隊員さんが「処置をしてみます、離れて下さいっ」
心臓マッサ-ジをし始めた。静かになった祖父は反応する事無く、ベッドのスプリングと同じ様に体を跳ねさせられていた。
見てられない。玄関口で私は泣いていた。
外を見ると雨は止んでいた。さっき降った一瞬の大雨、あれはおじいちゃんが泣いてたんかも…。ゴメン、ゴメンなおじいちゃん…。2005-08-01 13:52:00 -
64:
名無しさん
救急車の音で近所の人達も玄関から顔を出していた。隣のおばちゃんは私を見て、
「おじいさん…逝ってもうたんか?」
私は頷いた。
「薫ちゃん、よう頑張ったな。おじいさんの世話してあげてたんやろ…頑張った、頑張ったよ。お疲れさんな…」
慰めにならなかった。最後、傍に居なかったんだから…。2005-08-01 13:54:00 -
65:
名無しさん
おばちゃんは、
「さっき雨降ってたやろ。あれ、きつねの嫁入りやったんやろなぁー」
震える声で私は「きつねの嫁入り?…って何?」
おばちゃんは「きつねが嫁に出る日は、歩いてる間に人間に邪魔されへん様に雨降らせて誤魔化すねん、迷信みたいなおとぎ話みたいなもんやけどな。遠い所に行く人がおる時も雨降らすねんて、おばちゃんの婆ちゃんが昔に言うてはったわ」
…そんなんあるんか2005-08-01 13:55:00 -
66:
名無しさん
隊員さん達が出て来た。
「残念ですが…。後はかかり付けの先生の方の指示に従って下さい」と帰って行った。
祖父の傍に戻った。先生が、「現時刻、21時18分、死因は気管窒息死、タンが絡んで気管に詰まって呼吸出来無くなったんやね」と言った。
「薫ちゃん、お疲れさん。よう頑張ったよ…おじいちゃんも喜んでるから。泣いたらあかん…」 泣かずに居れるか。最後傍に居なかったのに…。
先生も、「きつねの嫁入りがあったからおじいちゃんはいい所に連れて行って貰えるから…」
と残して帰って行った2005-08-01 13:56:00 -
67:
名無しさん
略
と残して帰って行った2005-08-01 13:56:00 -
68:
名無しさん
父に祖父が息を引き取った事を連絡し、家族皆で祖父の周りで泣いていた。
22時頃、父が帰って来た。
「何で早く連絡くれへんねや!最後ぐらい…最後ぐらい親父に謝りたかったのに!」と涙ぐみながら言った。
…父も詫びたかったんだ、と初めて知った。家族はバラバラになっていたと思ってたが、祖父が息を引き取ったこの日、本当は皆仲良くしたいのに素直になれなかっただけなんだ、って知った。2005-08-01 13:57:00 -
69:
名無しさん
明日葬儀屋に連絡するとの事で今日はこのまま、祖父を囲んで寝ようか、ってなり、久しぶりに家族全員が集まって寝た。私は眠れなかった。もしかしたら、また名前を呼んでトイレに行きたい、って言うかもしれない。
祖父の胸に頭を乗せ、ボーっと見つめていた。ピクリとも動く事は無かった。今までの事、思い出していた。感謝の意を込めて、額にキスをした。
4月27日、21時18分、享年84歳。
祖父は旅に出た。行き先はきっと天国。優しい優しい祖父だから、天国に行ったに違いない2005-08-01 13:58:00 -
70:
名無しさん
あれから、7年経ち、父と母の不仲はやっぱり解消されてはいないけど、祖父の最後の日から家族全員で食事する事が増えた。
家族は一人減ったけど…。あの不思議な雨の事は、今でもはっきり覚えている。
おじいちゃん、お疲れ様。おばあちゃんと仲良く私達を見守って下さい。
終わり2005-08-01 13:59:00 -
71:
名無しさん
コピペ終了
2005-08-01 14:01:00 -
72:
名無しさん
すごぃ 良かったァ〜
泣けたし、、、
しかも 3月23日ゎ私の誕生日で4月27日ゎ弟の誕生日ゃねん
狐の嫁入りにもビックリゃけどコッチもビックリゃったぁ〜!!2005-08-01 14:32:00 -
73:
名無しさん
ほんまャバィ?久しぶりに号泣した
2005-08-01 16:57:00 -
75:
コピペ人
この作品のほかにも「皇太子様が○○をご訪問されました」 を書いてらっしゃるので、そちらもおすすめです
2005-08-02 00:10:00 -
76:
名無しさん
めちゃ?泣きました。あたしも祖母を亡くした時そばにいれず悲しい,悔しい思いをしました。これからの社会と日本の為にみんなに読んでもらいたいですね。これからもいいお話期待してます。
2005-08-02 05:50:00 -
77:
名無しさん
めっちゃ泣ぃた?ぉばぁちゃんが死んだ時のこと思ぃ出してもぅたぁ?
2005-08-02 06:18:00 -
78:
名無しさん
?
2005-08-05 04:05:00 -
81:
名無しさん
あげ
2005-08-27 07:46:00 -
82:
名無しさん
旧のときもこの小説大好きでした?コピペして下さった方ありがとう?
2005-08-27 08:45:00 -
83:
名無しさん
あげ
2005-08-28 04:04:00 -
84:
名無しさん
あげとこ
2005-08-28 07:19:00 -
85:
名無しさん
久しぶりにないた?本間よかった。
2005-08-29 14:44:00 -
86:
名無しさん
?
2005-09-08 03:18:00 -
87:
ぬち ◆ugEhFmqwLk
自分で書いたのに読み返したら泣けた…(つД`)。゜。思い出してしまいました。盆にもちょっと不思議な事がありました。多分祖父が帰ってきたんだと思うんだけど、実家出てからは線香を焚く機会も設備もない我が家なんですが、14日の夜中2時頃ですかね。ふわぁ〜っと線香の匂いがしたんですよ。なぜか自然に『おかえり』って言葉が出て来たんですが、夢を見ました。祖父はそのままの姿なんだけど私は大人になっていて一緒に縁側に座っているの。感触はリアルなのよ。頭ナデナデして貰いました?そんで『大きくなったなぁ。悪さばっかりしてたらアカンぞ。もっと良い旦那さん見付けなアカンな』と言われました(笑)
2005-09-12 06:59:00 -
88:
ぬち ◆ugEhFmqwLk
お祖父ちゃんやるやん!何で知ってんのー?と返したら『お祖父ちゃんはいつでもお前の事見てるねんからな』って…。で、目覚めたんですが知らん間に泣いていた様で、彼氏にどしたん?どしたん?と心配されてました。ぬちは目覚め一発に、お祖父ちゃん、こいつ(彼氏)稼ぎ悪いし、性格は子供で手かかるけどなかなか良い男やろと思いました(笑)久しぶりに逢えて嬉しかったです。これからもちょくちょく夢に出て来て欲しいもんです。
2005-09-12 07:03:00 -
89:
さち
本当に悲しい話ですが、祖父と主さんだけがかよい合ってる絆が伝わってきて心温まりました。号泣しちゃった???
2005-09-12 07:30:00 -
90:
名無しさん
?
2005-10-10 02:15:00 -
92:
名無しさん
?
2005-10-22 15:21:00 -
93:
名無しさん
泣いたー
2005-11-03 08:49:00 -
94:
名無しさん
イイ話?
2005-11-03 09:49:00 -
95:
名無しさん
主さん、お線香の匂いがすると亡くなった人が帰ってきてるって聞いた事あります。有名な話みたい、お線香の匂いの話。そこに来てるんやって。おじいさんも主さんに会いたいんでしょうね。私は22歳ですが、おばぁちゃん大好きっ子です。でも主さんみたくもっとお年寄りに優しい人間になりたぃと思います。このお話しに出会えてよかった☆☆
2005-11-04 13:01:00 -
96:
名無しさん
小説読んでこんなに泣いたん初めてやー?
2005-11-04 18:43:00 -
97:
名無しさん
感動しました!
2005-11-07 15:49:00 -
99:
名無しさん
100
2005-11-07 16:25:00 -
100:
名無しさん
めちャ?感動しナニ?????イイ小説あリがとォございましナニ??
2005-11-13 04:45:00