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狐の嫁入り
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1:
名無しさん
私の経験談。嘘みたいな本当の話。 (旧掲示板のコピペです)
2005-08-01 00:28:00 -
11:
名無しさん
略部分
「…そう。じゃあ、○○ちゃんでいいから話聞きに来てくれるかな?」
私が行く事になった2005-08-01 02:15:00 -
12:
名無しさん
話って何やろ?電話では不味い事…。何か悪い病気にでも…心臓がバクバクした。自分の事みたいに。「ちょっと出てくるなー」
おじいちゃんにそう言って、ママチャリを走らせた。僅か10分もあれば病院に着いていた。
「先生、おじいちゃん何かあるん?」2005-08-01 02:16:00 -
13:
名無しさん
19歳にもなればある程度の事は受止められると思われたのか、医師は言った。
「落ち着いて聞いてや…。おじいさん、肺ガンになってはる。年も年やし手術は勧められへんし、薬で押さえるしか手は無い。だいぶ進行してる。胸の痛みはそれもあったんや」
と言われた。
肺ガン…?ガンって…治らん病気やん。呆然とした2005-08-01 02:17:00 -
14:
名無しさん
頭の中が真っ白になった。手術は出来無い、なら死期が近いって事だ…。
祖父は82歳。手術に耐える体力も無いだろう。
「いつ?いつまで持つの?」涙ぐみながら聞く。
「長くて2ヶ月…。それよりも早いかもしれん…」
2ヶ月?そんな早いの?何で?長生きしてなってこないだも言うてたのに…。
「どうする?入院して薬で押さえて行こうかと思うんやけど。介護も必要になって来るやろうし、家では面倒見てあげられへんやろ?」2005-08-01 02:18:00 -
15:
名無しさん
略部分
「どうする?入院して薬で押さえて行こうかと思うんやけど。介護も必要になって来るやろうし、家では面倒見てあげられへんやろ?」2005-08-01 02:19:00 -
16:
名無しさん
今まで同居していて同じ部屋で寝ていたおじいちゃんと離れる…。無理…。
「介護って何するの?」
医師は、「歩くのも不可能になるやろうから、下の世話、体を拭いてあげたり…。大きな赤ちゃんの面倒見る様な事になるやろうな…」
それぐらい、私が出来る筈。汚いなんて思わへん…。
「自宅療養にします。私が手伝います。多分お母さんも同じ事言うと思う」
医師は少しニコッと微笑んで、「良かったわ。やっぱりな、お別れは家族と一緒が理想やからな…」2005-08-01 02:20:00 -
17:
名無しさん
略
医師は少しニコッと微笑んで、「良かったわ。やっぱりな、お別れは家族と一緒が理想やからな…」
2005-08-01 02:23:00 -
18:
名無しさん
お別れ…。
消えちゃうって事。まだ先と言っても、明日も先と呼ぶし、明後日も先と呼ぶ。先と言う名の期限がいつか、それは解らない。しかも決して明るくは無い。
「お母さん達と話して、返事貰える様に伝えてくれへんかな」
との医師の伝言を胸に私は病院を後にした。帰り道、家までの10分がとてつも無く遠く感じた。何がしてあげれるだろう?私の世話をしてくれてた祖父。今度は反対になるだけや…自分に言い聞かせて家に着いた2005-08-01 02:25:00 -
19:
名無しさん
「ただいまぁー」
泣いた後だと気付かれ無いだろうか、と不安になりつつ精一杯笑顔で祖父に言った。
「おかえり。何処行ってたんや。急いで出て行ったけど?」
祖父が聞いて来たので、「おじいちゃん、こないだ検診したやん?痛い言うてたやん。それでな、良くなる様な薬あるかって聞いて来てん」今考えたら少し意味不明な言い訳をした。ドキドキした。何て聞き返すんか?バレたらあかん…肺ガンなんて。2005-08-01 02:26:00 -
20:
名無しさん
「そうやな、まだチクチク痛いから早よ治るんやったらその方がええしな…」
咳払いをして祖父が答えた。
良かった、勘付いてはない。私がしっかりしなきゃ。お母さんよりも、ロクデナシの父なんかよりも。老体の祖父にでさえ手をあげる父。今回父の暴力が無かったら、検診は無かったのかもしれない…。ある日倒れてその時に肺ガンだと知ったのかもしれない…2005-08-01 02:27:00