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狐の嫁入り

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  • 1:

    名無しさん

    私の経験談。嘘みたいな本当の話。 (旧掲示板のコピペです)

    2005-08-01 00:28:00
  • 61:

    名無しさん


    雨はきつくなった。家に着いた。鍵もかけず玄関口に走るときつくなって来ていた雨が小雨に変わった。

    2005-08-01 13:50:00
  • 62:

    名無しさん

    「おじいちゃん!おじいちゃん!帰ったよ!薫帰ったで!」
    ベッドに駆け寄る。
    …ほんまや。あんなに荒かった息が静かになってる。揺さぶっても揺さぶっても動かなかった。
    …最後、傍に居てあげれんかった…
    切なくなった。偶然が重なり、家を空ける事になるなんて…。最後は傍に居てあげたかったのに。母が救急車を呼んでいたので、隊員さんが走る足音が聞こえた。かかり付けの医師も来た。

    2005-08-01 13:51:00
  • 63:

    名無しさん

    狭い家の中、人口密度が増えた。
    隊員さんが「処置をしてみます、離れて下さいっ」
    心臓マッサ-ジをし始めた。静かになった祖父は反応する事無く、ベッドのスプリングと同じ様に体を跳ねさせられていた。
    見てられない。玄関口で私は泣いていた。
    外を見ると雨は止んでいた。さっき降った一瞬の大雨、あれはおじいちゃんが泣いてたんかも…。ゴメン、ゴメンなおじいちゃん…。

    2005-08-01 13:52:00
  • 64:

    名無しさん

    救急車の音で近所の人達も玄関から顔を出していた。隣のおばちゃんは私を見て、
    「おじいさん…逝ってもうたんか?」
    私は頷いた。
    「薫ちゃん、よう頑張ったな。おじいさんの世話してあげてたんやろ…頑張った、頑張ったよ。お疲れさんな…」
    慰めにならなかった。最後、傍に居なかったんだから…。

    2005-08-01 13:54:00
  • 65:

    名無しさん

    おばちゃんは、
    「さっき雨降ってたやろ。あれ、きつねの嫁入りやったんやろなぁー」
    震える声で私は「きつねの嫁入り?…って何?」
    おばちゃんは「きつねが嫁に出る日は、歩いてる間に人間に邪魔されへん様に雨降らせて誤魔化すねん、迷信みたいなおとぎ話みたいなもんやけどな。遠い所に行く人がおる時も雨降らすねんて、おばちゃんの婆ちゃんが昔に言うてはったわ」
    …そんなんあるんか

    2005-08-01 13:55:00
  • 66:

    名無しさん

    隊員さん達が出て来た。
    「残念ですが…。後はかかり付けの先生の方の指示に従って下さい」と帰って行った。
    祖父の傍に戻った。先生が、「現時刻、21時18分、死因は気管窒息死、タンが絡んで気管に詰まって呼吸出来無くなったんやね」と言った。
    「薫ちゃん、お疲れさん。よう頑張ったよ…おじいちゃんも喜んでるから。泣いたらあかん…」 泣かずに居れるか。最後傍に居なかったのに…。
    先生も、「きつねの嫁入りがあったからおじいちゃんはいい所に連れて行って貰えるから…」
    と残して帰って行った

    2005-08-01 13:56:00
  • 67:

    名無しさん

    略 
    と残して帰って行った

    2005-08-01 13:56:00
  • 68:

    名無しさん

    父に祖父が息を引き取った事を連絡し、家族皆で祖父の周りで泣いていた。
    22時頃、父が帰って来た。
    「何で早く連絡くれへんねや!最後ぐらい…最後ぐらい親父に謝りたかったのに!」と涙ぐみながら言った。
    …父も詫びたかったんだ、と初めて知った。家族はバラバラになっていたと思ってたが、祖父が息を引き取ったこの日、本当は皆仲良くしたいのに素直になれなかっただけなんだ、って知った。

    2005-08-01 13:57:00
  • 69:

    名無しさん

    明日葬儀屋に連絡するとの事で今日はこのまま、祖父を囲んで寝ようか、ってなり、久しぶりに家族全員が集まって寝た。私は眠れなかった。もしかしたら、また名前を呼んでトイレに行きたい、って言うかもしれない。
    祖父の胸に頭を乗せ、ボーっと見つめていた。ピクリとも動く事は無かった。今までの事、思い出していた。感謝の意を込めて、額にキスをした。
    4月27日、21時18分、享年84歳。
    祖父は旅に出た。行き先はきっと天国。優しい優しい祖父だから、天国に行ったに違いない

    2005-08-01 13:58:00
  • 70:

    名無しさん

    あれから、7年経ち、父と母の不仲はやっぱり解消されてはいないけど、祖父の最後の日から家族全員で食事する事が増えた。
    家族は一人減ったけど…。あの不思議な雨の事は、今でもはっきり覚えている。
    おじいちゃん、お疲れ様。おばあちゃんと仲良く私達を見守って下さい。
     終わり

    2005-08-01 13:59:00
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