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大阪心中24時50分
-
1:
NN
携帯電話ってものが存在してるのに 人と人の距離は全く埋まりそうにない それどころか日々遠のいているような感覚にさえなる どうしてだろう どうして携帯電話ひとつでここまでひどく憂鬱な気持ちになるのだろう 寂しい夜は 電話で声が聞きたいんじゃない 抱きしめたいんだと 強く思った
2005-12-16 15:49:00 -
101:
りん?
東京心中見てました??
大阪心中この先楽しみにしてます?応援してるんで頑張って下さい??
?しおり?2005-12-21 02:34:00 -
103:
名無しさん
しおり?
2005-12-21 19:25:00 -
104:
NN
読んでくださってありがとうございます。本当に毎度同じ言葉ですみません。本当に嬉しいです。
2005-12-22 00:09:00 -
105:
NN
◆今更ゆうちゃんに電話をかける気になれなかった。カムイの挑発にも似たキスにあたしは気がめいっていた。あたしは部屋のベッドの中で何度も何度もカムイのキスを思い出した。気持ちが悪い。眠れない。むかつく。涙が出てくる。何だか悔しい。色んな感情がごっちゃまぜになって頭の中が壊れそう。あたしは携帯を握り締める。風俗を辞めなくちゃ。ゆうちゃんを傷つけないためにも。だけど今辞めてどうするの?このマンションを出なくちゃいけなくなる。貯金ならある。大丈夫..。あたしは目を閉じる。今日は眠るんだ。あたしは明日何もなかったフリをしてゆうちゃんに笑いかける..。
2005-12-22 00:10:00 -
106:
NN
夕方、うっすら目を開ける。ひどい頭痛..あたしはだるい体を引きずって携帯を広げる。『全然気にしてないし大丈夫(^^)今日も一緒に帰りたい』可愛い..あたしは携帯を前に笑う。本当にあったかい人。何て返信しようかな..そう思っていると玄関のチャイムが鳴る。あたしは黒いスエットのまま、玄関をチェーンを引っ掛けたまま、ドアを半開きにすると、「ジュリちゃーんっ!!」騒がしい声があたしの耳に飛び込んでくる。シュナだ。あたしはチェーンを外す。ピンクのファーを着てサングラスをかけている。まるで芸能人みたいな格好。
2005-12-22 00:11:00 -
107:
NN
「ねぇジュリちゃんっ今日出勤でしょっ?ラストまででしょ?シュナもなんだぁその後ホスクラ一緒に行かない?ヘブン!」目覚めの一発を食らった気持ちになった。あたしが苦笑すると「あれ?ジュリちゃん暖房つけすぎ?顔赤いよ?熱?」シュナがあたしのおでこに手を当てる。そういえばさっきから頭が痛い。「うわっやばいよ絶対熱ある!」そういうとシュナはあたしの腕を引っ張りあたしの部屋に入ってくる。「寝て寝て!ヤバイってほんっとに」確かにすごく体がだるい..昨日寒かったからなぁ風邪ひいたのかも..そんなことをぼんやり考えていると、シュナが何か買ってくる??大丈夫??と心配そうな顔であたしを見る。大丈夫、とあたしが返事をすると本当に?とまた心配そうな顔をした。
2005-12-22 00:12:00 -
108:
NN
「店長には今日休みってこと、シュナがいっといてあげるよっ」シュナがピンクの携帯を取り出す。あきらかに携帯より大きいバラのストラップがついている。ありがとう..あたしが小さくつぶやくと、テーブルの上においてある携帯が音を鳴らす。「あ、ジュリちゃんの携帯なってるねっ」シュナがあたしの元へ携帯を持って走ってくる。シルバーの携帯。ストラップはなし。本当にシュナとあたしは正反対みたいだ。シュナは嬉しそうな顔であたしの携帯の画面を見る。「あー電話彼氏からだよ、ゆうちゃんっていうんだよね!ねぇ出ていい?」は?「ちょっと!」あたしはベットから飛び起きる。だけど、時、すでに遅し状態だった。
2005-12-22 00:13:00 -
109:
NN
シュナはニコニコしながら電話に出ている。「もしもーしゆうちゃんですか?シュナですっ!昨日お話した!はいっ!あのね今シュナ、ジュリちゃんのお部屋にきてるんですけどっ、ジュリちゃん風邪ひいてて熱がすごいのっ!お見舞いきてあげて!うん、うん、はーいまってまーす!」呆然とするあたしを前に、シュナは電話を切り、「今から来てくれるって!」と、あたしににっこり微笑む。仲のいい子でもないのに勝手に電話出られるなんて、あたしは怒り心頭してしまうタイプなんだけどシュナは何だか憎めない。本当に不思議な子。
2005-12-22 00:15:00 -
110:
NN
「じゃー邪魔者は出てこっと!オートロック、シュナがあけといてあげるねっ。お大事に」シュナはいいことしちゃったぁと言いながら、部屋を出て行く。ありがとう、とあたしがつぶやくと、シュナは一度振り返り、つぶやいた。「ねぇジュリちゃん、今の彼氏大事にしなね。あの人ならきっと大丈夫だよ。あたし達のこと、風俗嬢って以前にオンナだっていうこと、人間だって言うこと、ちゃんとそう見ててくれるよ」シュナなんて何も考えてない子なんだと思ってた。だけど今、シュナの言葉に身が震えた。結局、何も考えずに風俗嬢をズルズル引きずってきたのはあたしだけってことだ。
2005-12-22 00:15:00 -
111:
NN
◆シュナの電話から1時間経った頃、玄関のチャイムが鳴る。少しウトウトしている最中だった。あたしは、ドアを開ける。「大丈夫!?ごめん起こした!?」血相を変えたゆうちゃんがチェーン越しに見える。本当に来てくれたんだ..あたしはチェーンをはずす。来ないって疑ってたわけじゃないけど、何だか驚きだ。「何か風邪に何がいいかってわからなくって適当に買ったんだけど」急いで走ってきたのだろうか、白いゆうちゃんの肌がほのかに赤くなっている。あたしにスーパーの袋を渡す。ヨーグルト、りんご、バナナ、風邪薬、カイロ。無造作に詰め込まれた『風邪に効くもの』用品にあたしは少し笑う。ゆうちゃんなりに何を買っていいかわからないのかわからなくって、とにかく何でも詰め込んだのだろう。
2005-12-22 00:16:00 -
112:
NN
「ジュリちゃんて、昼間何してるん?」ゆうちゃんが寝転ぶあたしを見てつぶやく。心臓が音を立てる。何も怪しまずに聞いているの?あたしが風俗嬢とここで言ったらあなたはどうするの?どうするの?あたしはまた嘘をつくの?ねぇいいの?言ってもいいの?「昼間は..事務してるわ。ちっさい会社で..」あたしはそう言うだけで精一杯だった。声が震える。「大丈夫?」ゆうちゃんがあたしの手を握る。
2005-12-22 00:19:00 -
113:
NN
大丈夫..そうつぶやいた瞬間、あたしの唇にゆうちゃんの唇が重なる。やわらかい、あたたかい。甘い感触に骨までとろけそうになる。たった数秒のキスが胸を焦がす。ゆうちゃんのキスはかすかに昼間の太陽の匂いがした。「ごめん、いきなり」顔を赤らめるゆうちゃんにあたしが笑う。「一緒に寝えへん。風邪うつさんようにするから」あたしはゆうちゃんをベットに入れる。「なんか照れるわ」とゆうちゃんが笑うと、2人で体を抱きしめあう。セックスのないベット。ただ抱きしめられるだけで、こんなに、体中があったかくなる..。
2005-12-22 00:20:00 -
114:
NN
「そういえば今日田村から電話あってん」何気ないゆうちゃんの一言で一気に夢心地から覚める。一番聞きたくない名前だ。「何て?」「いや今日学校こんのーって」本当にカムイはゆうちゃんがスキやな、と、心の中でつぶやく。男と一緒に寝てセックスがなかったのは初めてだった。今が続くように。今がずっと続きますように..何度も重ねるキスにそんな願いを一緒に重ねた。もう何も捨ててもいい。この人がくれる愛を、それだけを守って生きたい。
2005-12-22 00:21:00 -
115:
NN
◆朝起きたらゆうちゃんの姿はなかった。あたしが起きないようにと静かに玄関を出ていったゆうちゃんの気持ちが嬉しかった。早く元気になってな。テーブルの上に残されたメモを見て、また少し微笑んだ。カーテンを開けると冬の朝の日差しが眩しい。9時。こんなに早起きしたのは初めてだ。あたしは買ったばかりの靴を箱から出し、玄関を出る。気持ちいい。今日は朝10時、夕方5時までの出勤。あたしは珍しくタクシーを使わず、店まで歩く。鳥が鳴いてたり、遅刻して急いで走ってる中学生の姿、店の前を掃除するおじいちゃん、片手に携帯を持って歩くサラリーマン。
2005-12-22 00:22:00 -
116:
NN
何だかあたしの知らない世界。すごく心地いい世界。優しい匂いがする。ゆうちゃんのぬくもりと同じ。早くあたしもこんな匂いが似合うような人間になるんだ。夜の匂いを残したままの繁華街に足早に足を入れる。酔っ払ったホストが道端に座り込んでる。日常茶飯事だ。あたしは大きなサングラスをかけたまま、コソコソ店に入る。入ろうとした瞬間、後ろから聞きなれた声が響く。
2005-12-22 00:23:00 -
117:
NN
「やから、ちょっと待てってば!」「離してぇやっ!!もーカムイなんか信じられんわっ!!」振り返ると金髪と茶髪メッシュ混ざり合った派手な髪型をした少しぽっちゃりした女の子の腕をカムイが引っ張っていた。あたしの存在に気がついてか、カムイは女の子の腕を離す。同時に女の子は繁華街の出口へと走り去ってしまった。「ごめん修羅場見ちゃった」あたしがつぶやく。「見物料もらおかなー」カムイは笑う。シャツのボタンがはだけまくって、足元がフラフラしている。お酒の匂いが鼻につく。
2005-12-22 00:24:00 -
118:
NN
「ジュリちゃん、今日早出なんや」カムイが路地に座り込む。朝の日差しの下で見るカムイは、いつもより少し幼く見えた。カムイはポケットからタバコを取り出す。「そうやで。朝から気分悪いもん見せてくれてありがとう。」あたしはカムイに背中を向け店へと続く階段を登る。「昨日さぁ西野ちゃんもジュリちゃんも休みやったけどデートしてたん?」あたしは振り返る。「そうやけど。」口から煙を吐き出し、カムイは笑う。そして腰を上げ階段をゆっくり登りあたしに視線を合わせると、また少し笑う。一瞬寒気がした。カムイの今気がついた笑顔って笑ってないんだ。目が全然、笑ってない。
2005-12-22 00:25:00 -
119:
NN
「俺も、結構、ジュリちゃんのこと、気になるんやけどな」は?あたしが驚いた表情をする。そのスキにカムイの酒にまみれたキスが唇を襲う。あたしは階段から力いっぱいカムイを跳ね飛ばす。「もう二度とあたしに触れんといて!!」あたしは声を上げる。何なんあいつ、一度といわずニ度も..あたしは力いっぱい店の扉を開ける。もう顔も見たくない。シュナが言ってた枕色恋ホストっていうの、間違いなさそうだ。仕事中も怒りがおさまらなくって、モチベーションが崩れる。イライラする。
2005-12-22 00:26:00 -
120:
NN
前にシュナの話にでてきた東京No1ホスト氷咲カオルは、約半年程前に店を飛んでいた。半年前発売された雑誌の中で微笑む氷咲カオルは、驚くほどカムイによく似ていた。ネット掲示板や、ホストの間でにわかに、氷咲カオルと田村カムイの兄弟説がささやかれていることを、あたしが知っているはずもなかった。いや、知るのはもう少し先の話だった。その中に隠されたカムイのやるせなさやセツナさも、全部。
2005-12-22 00:28:00 -
121:
NN
◆細い体しとんのにようあんなバカ力出るな..カムイは倒れ込んだ体を起き上がらせる。もう朝か。俺は携帯を見る。ホストなんて続けてなにになるんやろ。ふとそんな事を考える。「おいカムイ何しとん」店の先輩が俺の肩を叩く。「あ、こけてました」俺が笑うと、先輩はあほやなぁお前、とつられて笑う。「先輩今から帰るんっすか」俺が訪ねると、先輩はスーツのボタンを苦しいとつぶやき、ひとつあける。「いや、営業やで」「営業?」「おお、ここの風俗店に営業」先輩はラブジュールを指差す。ジュリちゃんの店だ。
2005-12-22 00:35:00 -
122:
NN
「カムイも入る?」「いやいいっす」カムイは先輩に手を振り、繁華街を歩く。酒が体に浸透してる。頭がズキズキする。目の前がクラクラする。すれ違う人の声にいちいち体がビクっと反応する。まるでドラック中毒みたいやな。俺はタクシーを止める。無愛想なタクシーの運転手に行き先を告げると、窓の外から女と、どこの店のホストだろうか?スーツの男がキスをしている姿が目に映る。あんなキスひとつで信じる客なんているのか?ってくらいのコテコテ営業。
2005-12-22 00:36:00 -
123:
NN
キスで目覚める恋なんて、白雪姫か小学生の初恋じゃないのか。ネオンに光る水商売の恋は嘘から始まるんだ。嘘で始まり金が切れたらはい、おしまい。ホストの仕掛ける恋のトリックなんて、いつの時代もわかりやすい。それは全部、この街から教えてもらったことだ。
2005-12-22 00:37:00 -
124:
MM
ぷぅ?
ぁ、屁デタ2005-12-22 00:58:00 -
125:
名無しさん
おもろすぎ?カオル出てきてテンションあがった??
2005-12-22 03:08:00 -
126:
梨果
この作者さんの話好きですリアルすぎてたまに恐くなるけど愛した人間が愛する人間より強くいたいと思いました。。 Nさんは職業何ですか?
2005-12-22 03:10:00 -
127:
名無しさん
アリス出して?
2005-12-22 03:12:00 -
129:
みぃ
早く続き読み+ニぃーっ?主さん頑張って下さぃ?楽∪みに∪てます??
2005-12-22 12:34:00 -
131:
?
ァゲ
2005-12-23 17:33:00 -
132:
NN
読んでくださってありがとうございます。
2005-12-24 00:28:00 -
133:
NN
その日あたしは店長に仕事を休業したいと打ち明けた。何かあった?と心配そうに聞いてくる店長に、好きな人ができたから、なんていいだせずに、体調が悪くてとだけつぶやいた。風俗嬢ったって仕事だ。プロだ。好きな人ができた、を引退理由にするのは、何だか店長に申し訳ない気がした。今月は忙しいから今月残りだけはお願いと言われ、あたしはあと2週間、仕事をすることを決めた。あれこれ細かく聞き出そうとしてこない店長の優しさに、自分の身勝手さをさらに感じざるおえなかった。変な罪悪感で胸がいっぱいになった。ずるずると仕事を引きずり続けてたあたしは、好きな人を愛するため、と理由をつけたかっただけなのかもしれない。
2005-12-24 00:29:00 -
134:
NN
◆痛い。もしかしたら眼球に傷でも入ったんじゃないか。ここ4日ほど、ずっと左目が痛い。不意に左目から涙が頬をつたい流れる。涙なんて何年ぶりだろう。ふとそんなことを考えた。俺はとりあえず薬局で買った目薬を目にさす。俺は何度か瞬きをする。左目はぼやっとしたままで、また涙が出る。また何度か瞬きを繰り返す。何だか不思議と兄貴の顔が浮かんだ。カムイは、小さくため息をつく。
2005-12-24 00:30:00 -
135:
NN
そんな兄貴が「東京に行ってカメラマンになる!」と家出同然の状態で消えた。親父は勘当だ!なんて叫んで兄貴を殴った。兄貴は腫れた頬を手でさすりながら「すまんおやじ」と一言つぶやいて玄関を出た。兄貴は振り返らなかった。そこに兄貴の決意の固さを感じた。カメラマンになると宣言した兄貴だったけど、兄貴から音沙汰が全くなくなった半年後、珍しく9時に家でTVを親父と見ていると、天才ホストに密着!俺が歌舞伎町No1!という何やらすんげぇ胡散臭いタイトルの番組が始まった。その瞬間、何となくボーっと見てた親父と俺のド肝を抜いた。
2005-12-24 00:32:00 -
136:
NN
「ホストって仕事はやっぱ楽しいですよ。」TVの中で微笑む派手な金髪にくずして着こなしたスーツのホスト。兄貴だ。親父は驚きのあまり口が開いたまま停止している。翌日学校に行くと「おいカムイお前の兄貴出てたやん!」と散々ネタになった。俺が兄貴を嫌いだった理由として兄貴がまるで努力知らずだったから。いっつもケロとした顔で一番を手にいれてた兄貴が、うらやましかっただけなのかな。
2005-12-24 00:33:00 -
137:
NN
その日、1限は体育だった。はい、10分遅刻。俺は足音を隠すように体育館に入る。体育の前原、遅れたらうるせぇんだよな。そっと体育館をのぞくと、男子がボールで適当に遊んでたり、床に座り込んだりしている。いつもとは明らかに違う雰囲気。「あ、田村、おはよ」西野ちゃんと目が合う。「何、今日自習なん?」「せやで」よかった、と胸をなでおろし、俺は床に座り込み、ファーのついた白ジャケットを脱ぐ。酒がぬけきれてないせいか、頭が体がだるい。その様子を察してか西野ちゃんが俺の隣に座る。「大丈夫?仕事やったんやろ?」
2005-12-24 00:34:00 -
138:
NN
「なぁ西野ちゃん、ジュリちゃんとうまくいってるん?もうエッチした?」唐突な質問に西野ちゃんはえっ、何突然と言葉を詰まらせる。「うまくはいっとるけど、エッチはしてへん。そんな焦るもんちゃうやん」西野ちゃんて照れると早口になるんや、俺は笑う。「焦るもんではないんはわかるけどな好きな子と一緒におってチューしたり手繋いだりしたらエッチしたなるやろ」俺がそう言うと、まぁそうやけど、と西野ちゃんがつぶやく。「今はキスだけで十分幸せになれるから」照れてつぶやく西野ちゃんを横目に、ジュリちゃんの姿がかぶる。
2005-12-24 00:36:00 -
139:
NN
「なぁ西野ちゃんごめん。俺、ジュリちゃんのこと好きになったみたいやねんけど」体育館中に響くチャイムの音と、俺の言葉が重なる。「え?何て」西野ちゃんには聞こえなかったみたいで、何?とまた繰り返す。俺は腰を上げる。「西野ちゃんが思うほど俺ええ奴ちゃうよ」そう伝えるだけで精一杯だった。「田村、目、涙でてる!左目!どうしたん」西野ちゃんが驚きながら俺の目を指差す。「大丈夫。最近ちょっと目痛いだけやから」泣いてるんちゃう。悲しいんちゃう。ただ目が痛いだけ。左目の涙は、心臓をつたって流れてきたのかもしれない。
2005-12-24 00:37:00 -
140:
NN
少しずつだけど、感情がズレてきてる。自分で気がついてるのに、歯止めがつけられない。絡み合ってほどけなくなるなら、いっそ糸を切ってしまった方が傷つかなくていい。それは糸でも、友情の絆でも、同じことだと思った。
2005-12-24 00:37:00 -
141:
名無しさん
楽しみにしてます
2005-12-24 08:14:00 -
142:
?ミポ姫?
闇で【東京心中】カラ見てますッッ??本間にこの小説が大好きで毎日×?覗いてマス??応援してるので頑張ってくださぃねッ??
2005-12-24 10:52:00 -
145:
名無しさん
西野ちゃん萌ワラ?
2005-12-25 02:40:00 -
146:
名無しさん
荒らしがいないのはホンマにいい小説の証拠?東京の時からおらんかったなぁ?
2005-12-25 02:50:00 -
147:
?れvヽ?
東京心中読ませてもらぃました??ホントょかった?しかも大阪心中まで書ぃてるの発見してしまって読んでますッッ???東京心中の人物が出てきてて感動?頑張って完結して?さぃ??
NNさんの?小説?マヂ大好きなんで?∩_∩?
楽しみにしてます?〃2005-12-25 04:01:00 -
148:
名無しさん
これって東京から読んだ方がィィ系?
続きもん?2005-12-25 05:28:00 -
149:
↑
読まなくても全然ゎかりますょ?ぁたしも東京は読んでなぃし??勝手にこたぇてゴメンね?
2005-12-25 05:30:00 -
151:
名無しさん
東京心中読まなくても話分かるけど読んだ方が、人物がどんなんかとか分かると思う!
2005-12-25 14:33:00 -
152:
名無しさん
読んだ方が面白さ二倍やしねっ☆彡
2005-12-25 17:36:00 -
153:
名無しさん
とりま東京読んでみ?かなり時間早く感じた?
2005-12-26 00:36:00 -
154:
NN
◆あたしは教室をのぞく。何だかとゆうちゃんと顔を会わせるのが気まずい。憎きカムイのキスがあたしの頭を混乱させてる。今は2限。物理。だけどもう教室に入ったって欠席だ。どこかで時間を潰そう。あたしは携帯メールを送る。((今日は3限から行くわ。体調治ったし安心してな))こんな感じでいいやんな。心の中でつぶやく。あたしは暗くなった体育館裏に座り込む。タバコを取り出す。もう12月。体が寒い。
2005-12-26 00:45:00 -
155:
NN
「おーヤンキーはっけーん」一瞬にして鳥肌が立つ。この声。白の派手なファーに細身の黒パンツ。カムイが鼻を赤くして笑っている。こいついつから…。あたしはカムイをにらみつけるようにして見ると、存在を無視するかのように黙ってタバコに火をつける。「サボリなんー?」カムイが笑う。あたしのタバコの煙がカムイのあまったるい香水の匂いにまみれる。「俺はサボリやねんけど。もー物理意味わっからへん!」またカムイは笑う。反応せず『無視』するあたしの顔をのぞく。「なぁ聞いてるん?」
2005-12-26 00:46:00 -
156:
NN
「あんたと話したくない」短く答える。カムイに隙を見せたら最後なんだ。カムイがいると、頬を通る風が妙に冷たく感じる。ゆうちゃんのそばにいる時は雪が降ろうともあったかいのに。「キスしたこと怒ってるん」いきなりそうきたか。しゃがみこんで視線を合わせるカムイ。どうしてあんたはそうなの?どうしてそんな目で見るの?頭の中が壊れそう。「あんたねホストやのになんでそんな無神経なん」「俺、ホストとしてジュリちゃんにキスしたわけちゃうよ。田村カムイとしてキスしたんや。俺はホストやけど普通の男やん。ホストとして、ちゃうくて、男として、キスしたんや」
2005-12-26 00:47:00 -
157:
NN
カムイの目が恐い。輝くように綺麗で、深みがある。見つめられると動けなくなる。その目があたしに金縛りを仕掛けてくる。「何それ、カムイのいってることの意味わかれへん」金縛りにあたしの必死の抵抗は全く効かないようだ。「わかるやん、俺、ジュリちゃんのこと好きなったみたいやねん。やからキスした」なんなんそれ。なんなん。どうしてあんたはそんなことをいうん?頭の中で次々に言葉がが溢れかえる。
2005-12-26 00:48:00 -
158:
NN
「うるさい。もうあたしに話かけんとって絶対」あたしは腰を上げる。教室に戻ろう。カムイと一緒にいたくなかった。この空間に一緒にいることがあまりに苦痛すぎた。「なぁ好きになるのって愛するのって、相手に許可とらなあかんの?好きになりました好きでいてええのって相手に許可とらなあかんの?」あたしは振り返らない。振り返ったらあたしはまたカムイの金縛りから動けなくなる。
2005-12-26 00:50:00 -
159:
NN
「今許可もらうわ!ジュリちゃん、俺、ジュリちゃん好きなった!好きになったししゃーないやん、好きになった、好きになった、好きでおるから!」俺は声を張り上げる。ホストとしてちゃう。男として。声を張り上げた。きっと想いは伝わらない。かまわない。届かないならせめて声に出すんだ。
2005-12-26 00:50:00 -
160:
NN
人を好きになることは案外簡単だったのに、だけどそれを秘密にしておくことが予想以上に難しいのはどうして。深い傷よりもかすり傷が胸に染みるのはどうして。何度もセックスしたはずの女よりあの日一度だけキスした女が忘れられないのはどうして。人間なんて矛盾だらけだと思ってたけど、それは人間じゃなくって俺だってことに最近気がついた。
2005-12-26 00:55:00 -
161:
NN
◆2限が終わり休憩に入った教室は、一気に騒がしくなる。あたしは教室のドアを開ける。窓際にゆうちゃん発見。あたしが微笑むとゆうちゃんもあたしに気がついて微笑む。こんな瞬間を守りたい。あたしが椅子に座ると同時に「安藤さん」と声をかけられる。顔を上げると、同じクラスの女の子が3人立っている。ギャル系?っていう言い方はもう古いのだろうか。そんなことを考えた。
2005-12-26 00:56:00 -
162:
NN
「何?」あたしが返事をすると、「あんな」と言い出しにくそうに右端の茶髪の女の子がつぶやく。「安藤さんってカムイくんと付き合ってるん?」硬直。まさにその言葉が正しい。不意に何秒か間があく。そしてやっと口を開くことができた。「ありえない!ないない!!」あたしは両手を必死に振る。こんな誤解がどこからうまれたのだろう。あたしはないないない、と何度繰り返しただろうか?あまりにあたしが否定したのを見てか、3人の女の子はそうなんや、そうなんや、と苦笑いをして「なんか仲よさそうにしてるやん、最近。それで気になっただけやから、ごめんな」と丁寧に謝ってくれた。
2005-12-26 00:57:00 -
163:
NN
付き合ってるなんて思われてるなんて..あたしは一気に『病んだ』状態になる。そんなあたしを横目に、教室にやってきたカムイは相変わらずニコニコしていた。
2005-12-26 00:58:00 -
164:
NN
◆年末を迎えた街は、「去年」を「過去」にすりかえることで何かが変わると期待してるのかな。だとすれば、人間なんてなんて都合のいい生き物なんだろう。「今年」が「去年」になっても「去年」が「過去」になったとしても癒えないものはあるとわかってる、なのに、毎年期待するんだ。過去になればすべてが癒えるかもしれないと。
2005-12-26 00:59:00 -
165:
NN
深夜3時。寒い寒いと1人でつぶやき歩く。あたしはタクシーを目で追う。早く帰ろう。何でこの街は深夜に近づけば近づくほど深みを増すのだろう。こんな生活も後二週間で終わるんだ。今年で全部終わる。来年は去年のあたしを空白にして、新しいスタートを切るんだ。あたしは携帯を握り締める。最近不安になると携帯を握るクセがついた。携帯を握ればゆうちゃんの存在を確かめられる。
2005-12-26 01:00:00 -
166:
NN
結局嘘を重ねて嘘を守り、嘘で固めた過去を引きずったまま、あたしはゆうちゃんと幸せになろうと夢見ていた。「来年になればきっと真っ白な自分になれる」と。今思えば、来年になることは去年が全て消えるわけじゃない。嘘の鎖が増えていくだけのこと。あたしは、それに気付かないフリをしていた。
2005-12-26 01:04:00 -
167:
かぉりん
ぁげ????
大阪心中と東京心中サィコーだにゃん??
バリぉもしろぉぃッッ≧Д≦2005-12-26 11:52:00 -
169:
削除削除されますた
あぼ~ん -
170:
名無しさん
この人ほんっまうまいなぁ
2005-12-27 01:39:00 -
172:
名無しさん
頑張ってね????????
2005-12-28 01:00:00 -
173:
名無しさん
Nサン普段夜遊びで何の小説見てますか?
2005-12-28 15:26:00 -
174:
NN
更新おくれてすみません感想ありがとうございます。小説ですか。おまめさんの作品が好きです。完結されてますが、サルビア、ゆめみたもの、も好きでした。年末です、寒いですね、みなさん体には気をつけてください。
2005-12-28 16:06:00 -
175:
NN
◆―今日は急いで帰るから 早く抱きしめてね―日曜日、あたし達は初めてのデートをすることになった。午前10時、ファッションビルの前に集合。午前に待ち合わせのデートなんか18年間生きてて初めてだった。あんまりケバケバしいカッコウはやめよう、と思いつつ、前日の深夜、タンスを開けるとどうにもこうにもケバケバしい服ばかりで、頭を抱えた。しかも黒ばっかりだ。
2005-12-28 16:07:00 -
176:
NN
すると玄関のチャイムが鳴る。あたしがチェーン越しにドアを開けると「ジュリたん、ジュリたん」とシュナが大騒ぎしている。深夜の騒音、とでもいうべきだろうか。「どうしたん」あたしがドアを開けるとシュナが飛び込んでくる。「あのねっ日曜日、シュナ、カムイをデートに誘えたのーっ初の店外だよぉー」あたしの腕を掴んで、シュナは本当に嬉しそうに騒ぐ。カムイとデート..考えるだけでぞっとする。
2005-12-28 16:09:00 -
177:
NN
「で、洋服が決まらないんだぁー今日いーっぱい買ったんだけど何と何あわせていいのかわかんなくってっ!」「あたしもあしたデートやねん、彼氏と」そういうと、シュナはマジー!?っと声をあげる。シュナの様子を見て、あたしも微笑む。結局、中身や外見が全然違っていても恋する気持ちは同じってことだ。「じゃあ一緒に洋服選びあいっこしよーっ」「うん」シュナを部屋に入れる。
2005-12-28 16:12:00 -
178:
NN
シュナの何処からか、甘い匂いがする。カムイと同じ匂いだ。香水まで一緒の使ってるんだ..あたしは少し驚いた。「そうだ、シュナ」あたしはポットからお茶を取り出し、テーブルの上に置く。「何?」シュナがTVを横目で見ている。画面にはジャニーズアイドル。シュナはジャニーズ好きでもあるらしい。「あたし今月いっぱいで仕事やめるねん。寮も出てく」「え!!??」シュナが目を大きくする。TVから流れる流行の歌が少しうるさい。
2005-12-28 16:13:00 -
179:
NN
「何で?ねぇ何で?彼氏にばれたの?」「ばれたとかじゃないねん。まだばれてないから、今ならって。」あたしは湯飲みをシュナに手わたす。お茶が揺れて湯気があふれ出す。「そうなんだ…。それでいいの?過去は隠しても消えないよ。シュナなら、正直にいうけどな。」過去は隠しても消えない。わかっていることだ。「何がいい仕事で何が悪い仕事とかって他人に評価されてるなんておかしいことだよね」シュナは悲しそうにつぶやく。あたしはただ小さくうなずいただけだった。
2005-12-28 16:14:00 -
180:
NN
仕事のよしあしは他人に評価されることなんかじゃない。確かにそうだけど。「仕事を辞めて堂々と愛する人を愛したいだけやねん」そう言うだけで精一杯だった。中学の頃グレてしまったあたしは、真面目な子をダサいなんて笑ってたけどまっすぐ生きてる彼らが眩しかった。グレるなんていつだって誰だってできること。何にも惑わされずまっすぐ生きていくほうがよっぽど難しいよ。
2005-12-28 16:15:00 -
181:
NN
恋愛だってきっとそうだ。何千人とエッチしようがそんなことは自慢にはならない。たった1人。たった1人でもいいんだ。1人をどれだけ愛することができたか、まっすぐに愛せたか、じゃないか。
2005-12-28 16:16:00 -
182:
名無しさん
凄くファンです!この小説読んでたら心が綺麗になる急がして(>
2005-12-28 18:31:00 -
184:
NN
訳あって、書けなくなってしまいました。
途中ですが削除しますm(__)mすみません!2005-12-29 06:52:00 -
185:
DELI
話うまいっすね?なんか先がほんま読めへん??主さんの小説めちゃ好きです??
2005-12-29 07:00:00 -
186:
名無しさん
てかまぢ?潰し?どっち?
2005-12-29 07:02:00 -
187:
名無しさん
ふつーに荒らしやろ
2005-12-29 07:23:00 -
188:
NN
本当にすみませんm(__)mまた機会がぁれば書かせてもらぃますm(__)m
2005-12-30 02:38:00 -
189:
まあ
荒ら∪ゃろ?!+ニ゙っτIPぉカ|∪ぃもーンo(д≦`*o)主さωのIPゎ218〜ゃのιニ、書くの辞めるっτカキコ∪τる人のIPゎ210〜ゃ∪!!
2005-12-30 05:55:00 -
190:
名無しさん
意味わかめ
2005-12-30 06:27:00 -
191:
名無しさん
主さんは小文字の「ぁ」とか使わへんやん!
2005-12-30 07:55:00 -
192:
名無しさん
↑それは小説書いてる時だけ。
IPなんか毎回変わる。
しかも案の定更新されてない2005-12-30 15:14:00 -
193:
名無しさん
?
2005-12-30 15:38:00 -
195:
NN
更新遅れてすみません..。。上のNNさん?は私ではないです。更新がまばらで、迷惑をかけていますが、荒らさないで下さい。最近は年末で忙しくてのぞきにくる時間も少なくなっていて、すみません。できるだけ更新するように努力しますので..。本当にすみません。
2005-12-30 16:19:00 -
196:
NN
仕事中は鏡を見ないようにしてる。すごく醜い顔をしていると思うから。「海でナンパされた大学生、一回やっただけなのにまた会おう会おうってしつこくて」なんて会話を何度も何度も繰り返すクラスメイトにちょっと嫌気がさす。「その話、聞いたってば」って話を中断させる子もいない。ヒガミやん、って思われるからかな。みんな、あたしも、あたしだってこんなことしたんだ、って熱心に、過激さを争う。会話のストリップショーみたい。
2005-12-30 16:21:00 -
197:
NN
あたしはベットから飛び起きる。「もしもし?」とっさに画面を確認せずに電話に出ると「あーもしもし?」と、聞きなれた声がした。カムイだ。後ろでは爆音でヒップホップがかかってる。あたしは通話ボタンを切った。「よりによってカムイ..」あたしは携帯の電源を切る。カムイなんて、話したくないし顔も見たくない。隙を見せたら、あたしの中に入りこんできそうで怖い。
2005-12-30 16:30:00 -
198:
NN
結局、あたしは「ゆうちゃんのため」と言ってカムイと連絡を取らないようにしていただけ。「ゆうちゃんのため」といって自分をセーブしていただけ。恋愛に満たされれば満たされるほど、人間は欲望が強くなる。満たされなくちゃ寂しいのに、満たされた途端欲にまみれるなんて、人ってなんて難しい生き物なんだろうか。
2005-12-30 16:35:00 -
199:
NN
同じ頃、カムイは店のバックヤードで1人携帯を握り締めていた。いきなり切ることないやんか、独り言がもれる。フロアーでは耳がおかしくなりそうなくらいのボリュームでかかり続ける音楽、酒と煙草と香水に埋もれるソファ、嘘を隠すかのように暗く光るライト。「なぁ頼むわー今月ぜんぜん会いにきてくれてへんやんー」隣では先輩のサクラさんが携帯片手に『営業中』。
2005-12-30 16:43:00 -
200:
NN
どんだけかっこつけたって、どんなにかっこいい人かて、女から金とって生活させてもらってるって思えば、全然かっこよくないって思える。それなら、どんなにブサイクでも汗水たらして働いて女1人生活させてやってる男の方が立派に決まってる、と、誰かが言ってたのを覚えてる。財布に入ってる金、壱万、例え千円でも『女の子が働いて得た金』には違いないはずだ。こうして毎日飲んで吐いて、稼いだ金を『恥ずかしい』と思うようになってしまったのはいつからだろうか。
2005-12-30 16:47:00