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売れっ子ホステスの恋【コピペ】
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1:
本スレが無駄に上がるし読みにくいのでコピペします。
純粋に沙恵ちゃんの小説読みたい人だけ見てほしいです。
感想、しおりのスレはまた別で作るのでここには何も書かないで下さい。
お願いします。2005-09-12 20:22:00 -
3:
原田亜希。現在20歳。17歳からこの世界を知り18歳でここに来た。ミナミ、キタ、十三、神戸、奈良、そしてまたキタと、店を点々としながらたくさんの経験をして、最後に辿り着いたのは北新地だった。
「今日はダイスケと山ちゃんと豊やな。よしっ☆」スケジュール帳を見ながらHEPに向かって歩いていた。すると急に香水の香りがし、右を向くと黒服の男が爽やかに微笑んでいた。。
スカウトマン『やっと気付いてくれた?(笑)』亜希『はぁ?あんた誰?』スカウトマン『ははっ!ひどいなぁ(笑)さっきから声かけてたのにぃー。なぁ、新地のクラブで働く気ない?』2005-09-12 20:24:00 -
4:
「新地っ!?」亜希『いや、興味ない。今の店で十分やしなぁ。』スカウトマン『今キャバクラやろ?自分みたいに清潔感ある綺麗な子がキャバクラなんてもったいないわ。安い時給で週6で、しかも長時間働いてたら正直しんどくない?』
「…確かに・・・。」亜希『結構です。あたし今でも普通に?1やし。時給も結構貰ってるから。』スカウトマン『けどキャバクラやろ?自分みたいな子がキャバクラ止まりやなんて残念やわぁ。もっと上目指そうと思わん?もっと金ほしくない?』2005-09-12 20:24:00 -
5:
そのスカウトマンは名前だけ聞くと『いってらっしゃい☆』と手を振り去って行った。
東通りを歩いている間も、亜希はずっと名刺を見ていた。店に入りドレスに着替えるときも、スカウトマンの言葉と名刺が頭から抜けない。。『キャバクラ止まりやなんて残念。』『時給も結構あげれるしノルマもない。』『もっと上目指そうと思わんの?』
「確かにこの店も飽きたしなぁ。金もそんな貰ってへんし。。新地行ってみたい。けど恐いなぁ。。今後の為にも連絡だけしとこっかな。」2005-09-12 20:27:00 -
6:
そして亜希は従業員にバレない様に名刺を隠しながらメモリーに登録した。
『さっきナビオ前で声かけられた亜希です。少しだけ新地に興味あるんで色々教えて下さい。』
山本さんにメールを送った。すると5分も経たないうちに返事が来た。『亜希ちゃんよろしくね。今週中にでも、ゆっくり話しよっか。』「えっ!今週中?…木曜なら予定ないし…、いっかぁー。」『分かりました。では木曜、6時に〇〇喫茶店で。』
自分でも驚く程、物事が早く進んだ。亜希はただ「新地行きたい」という気持ちが優先し、自分の身に降り掛かる不幸など考えてもいなかった。2005-09-12 20:28:00 -
7:
――そして木曜日。――
ついに山本と会う日がやって来た。亜希は早く喫茶店に行くとサンドイッチを食べながら携帯をいじり、山本が来るのを待っていた。。。山本『遅くなってごめんなぁ。』亜希『いえ。あたしもたまたま早く来ただけですから。』
素っ気ない返事をすると、山本は笑いながらウエイトレスにコーヒーを頼み、亜希の向かいの席に腰掛けた。。山本『うちで働く気になった?』亜希『まだそこまで思わないです。ただ新地がどんなんか気になっただけ。』2005-09-12 20:29:00 -
8:
亜希『あの…、お店見学さしてもらっていぃですかね?(*^_^*)』 山本『おうっ!かまへんよっ。』山本の嘘臭い言葉を信じ、すでに亜希の決心は固まってしまった。「あたし新地で働くっ!立派なホステスになって、ガッツリ儲けたんねんっ♪世の中銭やっ!銭ゼニぃ!」 山本が喫茶店の会計を済ませ、亜希達は北新地へと足を運んだ。
山本『亜希ちゃん、どうぞっ。』『club 咲良』と書かれた白くて大きな扉が開いた。。
亜希『うわぁーっ☆すっごい!』目の前に広がる光景に、亜希は目を輝かせた。2005-09-12 20:33:00 -
9:
天井に大きく輝くシャンデリア。西洋チックなオブジェ。白と黒で統一された店内。カラオケなどは無く、店の真ん中でお爺さんがほほ笑みながらグランドピアノを演奏している。そんな雰囲気に圧倒され、亜希は口を開けたまま言葉が出ないでいた。。山本『どう?ここ気に入った?』亜希『あのっ…えっとぉ……。』ママ『あらっ!あんたが亜希ちゃん?山本から話は聞いてるよ。ほんまに清潔感ある子やねぇ!私こうゆう子好きやわ。歳はいくつ?』
2005-09-12 20:34:00 -
10:
ママ『…ププッッ!あはははっ!(笑)あんた面白い!うちおいでよ。』亜希『でも今働いてる所あるし』ママ『辞めてからでいぃからさぁ。なぁ、うちおいでよっ。ねっ?』ママがジリジリと詰め寄って来る。亜希自身ここで働く気はなかったが、直感で「この人に逆らったらあかん気がする。。」と思い、しばらく考えた後『はい。』と返事をした。。
2005-09-12 20:37:00 -
11:
そうしてあっという間に書き物を済ませ、ママの一方的な意見で来月の21日から働く事になった。。。亜希『そろそろ仕事なんで…。』ママ『…?あっ!そうやんな。遅くなってごめんねぇ。山本、お店まで送ってあげなさい。亜希ちゃん、来月楽しみにしてるねっ。。』亜希『あ・・・は、はいっ。。』
2005-09-12 20:38:00 -
12:
愛想笑いをして店を出ると、急に全身の力が抜けた。「疲れた…」山本『はははっ!緊張したぁ?』亜希『はい。。何か仕事行く前から精神使いすぎたかもしらん。』山本『そっかぁー。けどママ、亜希ちゃんの事めっちゃ気に入ってるで☆あんなご機嫌に面接したん初めてちゃうかなぁ?』
亜希『まじで?』山本『うん!』亜希の中で複雑に絡んでいたモヤモヤが、少しだけ溶けた気がした。。「ママが気に入ってくれてるんなら、、行ってみてもいぃかなぁ。」2005-09-12 20:39:00 -
13:
――それから一ヵ月後・・・――ついに初出勤の日がやって来た。亜希は山本に言われた通り指定された美容院で髪をセットしてもらい、先週買ったばかりのドレスを着て店へ向かった。。
亜希『おはようございまぁす…』扉を開けて挨拶をしてみた。だが返事が聞こえて来ない。。「早く来過ぎたかなぁ?」
亜希『おはようございますっ!』もう一度大きな声で言ってみた。『おはようございまぁーすっ。』山本ではない、別の男の声がした。恐る恐る中へ入ってみると、、客席にボトルを置いてる黒服が見えた。。2005-09-12 20:40:00 -
14:
まだ22歳ぐらいだろうか。一瞬『ホストか!?』と思う程綺麗な顔をしている。スタイルもいいので、スーツ姿がよく似合っていた。。
亜希『あっ、あのぉ…。はじめましてっ。今日から入った亜希です。よろしくお願い致しますっ!』『今日から来る18歳ってお前かぁー。俺チーフの前田なぁ。前田圭司。ちょっと手伝ってやぁーっ。』「はぁ!?何であたしが手伝わなあかんのよぉ。。けどまぁ新人やし…素直に言う事聞いとこっ。」
2005-09-12 20:41:00 -
15:
それを聞いて亜希は自分が持ってる限りの知識で話をしようとネタを考えていた。。。
亜希『終わりましたよぉーっ。』圭司『ありがとぉ。これ飲み。』圭司が無表情で差し出したのは、ゲストグラスに並々と注がれたオレンジジュースだった。
亜希『何でオレンジなんですか?』圭司『お子ちゃまはジュースでえぇねん。黙って飲んどけやぁー。』亜希『はぁーっ?子供扱いしやんといてくださいよ。』
圭司『どっから見てもガキやん(笑)ほらっ!ストローも付けたるから早よ飲めって。他の奴出勤して来たら飲まれへんで!』2005-09-12 20:43:00 -
16:
亜希『まじで!いただきます!』亜希は飲めなくなる事に焦り、急いでストローをくわえると一生懸命吸い込んだ。。
圭司『プッ・・・!はははっ!』 亜希のリアクションを見て、急に圭司が声を上げて笑い出した。
亜希『…プハッ!何がそんなにおもろいんですかぁ!?』
圭司『今言うたん嘘やでぇ(笑)』亜希『もぉーっ。ほんま冗談キツイっすわぁ(>_2005-09-12 20:44:00 -
17:
そして何より仕草がとても色っぽい。女の亜希でも惚れ惚れする程、全てが完璧だった。
結香『結香です。亜希ちゃん、よろしくねっ☆分からん事あったら何でも気ぃ使わんと聞いてな?』亜希『はっ・・・はいぃぃ。。』ギクシャクしながらも何とか挨拶を終え圭司がいる所へ戻って行った。圭司『結香さんうちの?1やで』 亜希『やっぱりなぁー。あの色気はただ者じゃないと思ったぁ。』結香『同伴行ってきます。10分頃来るから。いつものワイン用意しといて。』
圭司『はい!』亜希『いってらっしゃいませっ!』2005-09-12 20:47:00 -
18:
結香を見送ると、圭司がせっせとワインの用意を始めた。
亜希『それ、どこの席に持って行くん?〇〇銀行さんのとこぉ?』圭司『VIPやで。▲▽不動産の会長。うちの一番デカイお客さん。』亜希『まじで・・・?結香さん、そんな人と同伴して来るんや!』圭司『結香さんの客やからな。』「結香さん……素敵すぎる‥!」ほんの数分しか会っていないのに、亜希の頭の中に「結香さん〓デキる女」とインプットされていた。それと同時に「結香さんみたいになりたい」と、憧れを抱いた。それ程結香に魅かれていったのだ。2005-09-12 20:48:00 -
19:
『おはようございまぁーすっ。』7時50分頃、次々にホステスさんが出勤して来た。その度に亜希は丁寧に挨拶をしていき、まだ接客もしていないのに常にニコニコ笑っていた。「ほっぺた疲れた…。。」待機席でほっぺをマッサージしていた。。桃『亜希ちゃんハムスターみたい☆』 向かいに座っていた桃が亜希の仕草に笑って指差している。
それから桃と亜希はすぐに仲良くなり、マネージャーに呼ばれるまでずっと喋っていた。。。
桃は21歳で、すごく可愛らしい顔をしている。口調は少しギャルっぽく、ショッキングピンクのドレスがよく似合っていた。。2005-09-12 20:49:00 -
20:
歳が近いのもあってかどんどん会話も弾み、亜希達は番号交換をした。。
桃『うちには敬語禁止なぁ☆で、うち本名「恵」やから。そっちで登録しといてっ♪普通に「めぐ」って呼んでくれていぃし。出勤前にご飯行ったりしようやぁー。』亜希『うんっ!あたしも「亜希」でいぃよっ。よろしくねぇっ。』桃『おうっ☆よろしくなぁー!』マネージャー『桃、亜希ちゃん、◇◆化粧品さんの所着いて。桃、ちゃんとサポートしたってや。』
桃『はぁい☆亜希っ!行こっ。』桃が笑顔で亜希の手を繋ぎ、ご機嫌に待機席を立った。2005-09-12 20:50:00