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大阪心中24時50分

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  • 1:

    NN

    携帯電話ってものが存在してるのに 人と人の距離は全く埋まりそうにない それどころか日々遠のいているような感覚にさえなる どうしてだろう どうして携帯電話ひとつでここまでひどく憂鬱な気持ちになるのだろう 寂しい夜は 電話で声が聞きたいんじゃない 抱きしめたいんだと 強く思った

    2005-12-16 15:49:00
  • 31:

    NN

    マニュアル通りのことを繰り返す。体を寄せ合って愛撫して..。仕事してる時、あたしはあたしじゃない。風俗嬢ジュリになりきる。ふと、頭の中に西野君の顔が浮かんだ。その瞬間、あたしは前田さんの体から反射的に離れた。「どうしたの?」「あ、ごめん。なんでもないわ」あたしはプレーを続ける。どうして今一瞬西野君の顔が浮かんだのだろうか。「ねぇジュリ」前田さんはベットの上でつぶやく。「何?」あたしが顔を上げる。「なんでもないよ」そう微笑むとタイマーが鳴り、プレイ終了を告げた。その日は予約分を全部こなして体がヘトヘトだった。

    2005-12-18 02:09:00
  • 32:

    NN

    あたしはクローズした店内の待機室に座り、かばんを開ける。「お疲れさん」他の女の子は着替えたり化粧直しをしている。あたしはかばんから、紙キレを取り出す。西野君のメアドと番号。彼はあたしに好意を持ってくれているのだろうか?西野君はあたしの学校での顔しか知らない。裏をめくれば風俗嬢..。結局、仕事を恥ずかしいと思っていたのは、自分自身だったのかもしれない。家に帰れば時計は深夜3時を回っていた。また、紙を開けてみる。今メールするのも遅いし非常識かなと思った。だけど何であたしが西野君に連絡するはめになってるんやろうか。結局その日あたしは西野君に連絡をすることはなかった。

    2005-12-18 02:10:00
  • 33:

    NN

    翌日、夕方いつものように校門をくぐると、門の真横で原付きを止めてたまっているヤンキー集団みたいな集まりと目があう。「安藤さん!」ヤンキーグループの真ん中でしゃがみこんでいる田村に声をかけられる。正直ゲッと思った。「昨日西野ちゃんに連絡したったん?」単刀直入だ。「ごめんしてへん」あたしは声を小さくする。と、いうか何であたしが謝らなくちゃいけないんだろう。「えっこの人が西野ちゃんの好きなオンナなん?」変な色のスエット着た男があたしを指差す。「そやでー」田村が軽快に答える。「キレーやん!」「西野ちゃんて面食いねんなぁー」と次々あたしに言葉を浴びせる。さすが西野君。スゴイ男子人気。「昨日安藤さんから連絡こなくてすんごい落ちてたんやであいつ」トドメを刺すように田村がつぶやく。

    2005-12-18 02:12:00
  • 34:

    NN

    そんなこと言われたって..。はぁ。あたしは小さくつぶやき、教室へと向かう。すると正面から西野君が歩いてきた。不意にあたしは背中を向ける。「不意」にではなく、「モロ」、だったかもしれない。「安藤さん!」それを見てかあたしの方へ駆け寄ってくる西野君。あたしは内心ゲッと思った。「なんか、ほんまっごめんっ」そしてイキナリ頭を下げた。「なんか迷惑かけて、でも、俺、安藤さんが好きねんか」

    2005-12-18 02:14:00
  • 35:

    NN

    は?あたしは硬直する。突然の告白?宣言?何これ?「やから、あの、前から大人っぽくてキレイやなって思ってて、俺なんて相手してもらえへんってわかってるねんけど」顔を真っ赤にさせてうつむき気味にボソボソと言葉をつぶやく西野君に、あたしの鋼鉄だった心臓がその瞬間「ときめき」を覚えたのは事実だ。

    2005-12-18 02:15:00
  • 36:

    名無しさん

    2005-12-18 07:27:00
  • 37:

    NN

    「あっありがとう」突然の告白にあたしが声を詰まらせると「いきなりでごめんっ!でもほんっま前から綺麗やなぁって俺なんか全然つりあわんってわかるんやけど好きねん」西野君は必死になってあたしに「想い」をぶつけてくる。恥ずかしそうな顔して目をそらしてはまた、あたしの目を見る。ドキドキした。初めて人の心臓が自分に伝わることを知った。「話したことないし、俺かっこわるいし。ふられるのわかってるし俺なんて全然あかんと思うしでも想いだけでも伝えたかってん!」そういうとまた顔を赤らめた。「ふふ」あたしは声を小さくして笑う。

    2005-12-19 00:44:00
  • 38:

    NN

    「あたしも西野君を知りたいと思った、今」そう笑うと、西野君は「ほっほんまに!?」と目を大きく開いた。あたしは正直、興味本位からOKを出した。だけどもしかして、あたし、この時の時点でもう、西野君が「光」に見えてたのかもしれない。「よかったら安藤さんっ今日一緒に帰ろうっ」西野君はまだ顔を真っ赤にさせたままあたしを見る。「今日?」今日はこの後仕事だ。「あっあ、無理やったらいいから」「ごめん今日はちょっと..明日なら」「あっうん、ぜんっぜんいい!!」西野君が言葉を詰まらせながら顔を大きく縦に振る。メッシュの髪の毛が左右に柔らかく揺れる。

    2005-12-19 00:46:00
  • 39:

    NN

    「じゃあね」軽く手を振ると西野君はあっうん!と声を大きくさせた。1限は男子は体育。別の教室だ。「おいおい、西野ちゃんやるやーん!!ばっちり見たで!!」いつからいたのかわからない田村がいきなり顔をのぞかせる。「うん!」「よかったなぁー西野ちゃんほんっまよかった!」2人がじゃれているのが遠くからうっすら見えた。

    2005-12-19 00:47:00
  • 40:

    NN

    ◆「あたしも西野君を知りたいと思った、今」そうやって安藤さんが俺の前で笑った時、ドラマじゃないけど、頭の中で耳元で大好きな歌が流れたような錯覚がおこった。いつから好きやったんだろう。多分、1年ぐらい前からすごく彼女が気になってた。スラっとした細身のスタイル、切れ長の目元、明るい栗色の髪の毛が胸まで伸びている。とにかく女の子と話すのがすごく苦手で自分から話しかけるなんて絶対できないし、クラスでもほとんど誰かと話してるのを見たことがない、安藤さんは謎だらけだった。

    2005-12-19 00:48:00
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