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ポーカーフェイス

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  • 1:

    サトコ

    つたない文章ですが、よかったら読んでみてください。

    2005-09-23 01:12:00
  • 2:

    サトコ

    あたしはサトコ。家族は、あたしと、ニコ上の兄と両親の四人家族で、なに不自由なく暮らしている。これは、変わり者だけど、あたしのたったひとりの兄弟、テツヤの話である。

    2005-09-23 01:18:00
  • 3:

    サトコ

    同じ両親の間に生まれ、同じ屋根の下で、同じように育ったのに、一体いつ、何が狂ってしまったのか。あたしとテツヤは、正反対だった。

    2005-09-23 01:20:00
  • 4:

    サトコ

    「さとちゃんのおにいちゃん友達いないね」「変な人だって嫌われてるってうちのお姉ちゃん言ってた」「あたしお兄ちゃんがさとちゃんのお兄ちゃんみたいなのじゃなくてよかったー」
    一度母にテツヤのことを愚痴ったことがあった。「てっちゃんこんなこと言われてるんだよ」母は「そう」とだけ言って暗い表情をした。後から見ると、母は一人でひっそりと泣いていた。それからあたしは、学校でのテツヤの話を母にしなくなった。

    2005-09-23 01:35:00
  • 5:

    サトコ

    当然、あたしはテツヤを嫌った。「サトコ、新しいゲーム買ったんだ。一緒にやろうぜ」「うるさい。話しかけんといて」顔を見るのも嫌なほど、あたしはテツヤを疎んだ。テツヤは家でも喋らなくなり、あたしや母に暴力を振るうようになった。

    2005-09-23 01:40:00
  • 6:

    サトコ

    何か嫌なことがあると金属バットを振り回し、あたしに当たった。テツヤが暴れだすとあたしは部屋に閉じこもり、部屋のドアは傷と穴だらけになった。あたしと母はテツヤを恐れ、距離を置くようになった。父がドアの傷に気づき、テツヤを殴ってからは、暴力はなくなったが、今度は部屋にひきこもるようになった。学校に行くときと、ご飯とお風呂とトイレの時以外は部屋から出てこない。今で言う「ヒッキー」というやつだ。

    2005-09-23 01:49:00
  • 7:

    サトコ

    こんな生活が続いて、あたしは中学生になった。もちろんテツヤと同じ中学。あたしは学年でも目立つグループにいた。たくさんの友達に囲まれ、揉め事も多々あったが中学生活は楽しかった。たまにテツヤを学校で見かけることもあった。相変わらず一人だった。ある日友達と廊下で歩いていると、テツヤがいた。テツヤが珍しく誰かに話しかけている。しかし、相手は隣に誰もいないかのように無視して、足早にどこかにいってしまった。あたしは見てみぬふりをした。なぜか、胸がひどく苦しかった。

    2005-09-23 01:58:00
  • 8:

    サトコ

    中学では、兄の存在を隠し続けていた。小学校の頃いじめられたのがコンプレックスだったから。テツヤのようにだけはなりたくない。あたしは常にたくさんの友達と一緒にいた。自分でも嫌になるくらいの八方美人だった。彼氏も常にいないとだめだった。どれも長続きはしなかったが。一部の人たちからは、「軽い女」と陰で言われた。あたしは心の中で全てテツヤのせいにした。

    2005-09-23 02:07:00
  • 9:

    サトコ

    思えば、あたしはテツヤに嫉妬していたんだと思う。母は変わり者の兄のことばかり気にかけ、口を開けば「テツヤ、テツヤ」と繰り返した。「母親が娘より息子を可愛がるのは当然のことよ」とまでいわれた。母だけではない。祖父母も真面目でおとなしく、勉強もできる兄を可愛がり、事あるごとにあたしと比べた。街に出れば友達がたくさんいたが、家でのあたしの居場所はなかった。

    2005-09-23 03:00:00
  • 10:

    サトコ

    ある日、思いつめたあたしは「そんなにいらないのなら死んでやる!」と怒鳴り、台所に行って包丁を取り出した。本気だった。泣き叫ぶ母の目の前で自分に向かって包丁を振り上げた。その時………バンッ
    いつもあたしと母が喧嘩していても黙って部屋で勉強していたテツヤが出てきたのだ。そしていきなりあたしをつきとばし、めちゃくちゃに殴り始めた。あたしはなにがなんだかわからなくて、されるがままだった。気が済むまで殴ったあと、呆然とするあたしにむかって、彼はこう言った。「死ぬなら俺の受験が終わってからにしてくれ」

    2005-09-23 03:13:00
  • 11:

    サトコ

    その時は「この人何自己中なこと言ってんの?やっぱりこいつにとっては妹なんかどぅでもいぃよぅな存在なんやな」って思った。だけど今思うと、それだけストレスがたまってたんだと思う。毎晩続く怒鳴り声に勉強にも集中できず、ただじっと部屋で耐えていたに違いない。だけど、彼は彼なりに死のうとしたあたしを止めてくれた。あたしはそう思っている。

    2005-09-23 18:29:00
  • 12:

    サトコ

    しかしその時はテツヤのことなんて頭にもなかったあたしは、それからも家で暴れた。母はもう何も言わず、ただ泣いていた。家の中はめちゃめちゃだった。

    テツヤは結局すべての志望校に落ちた。

    2005-09-23 18:32:00
  • 13:

    名無しさん

    ぉもしろぃ??

    2005-09-23 18:46:00
  • 14:

    サトコ

    夏になった。大学の夏休みは長い。母に聞くところによれば、テツヤは8〜9月のまるまる2ヵ月家に帰ってくるらしい。4ヵ月ぶりに会うテツヤ。どうせ帰ってきてもまた部屋に閉じこもってるだけだし、何も変わらないだろう。
    そう思っていた。

    2005-09-23 18:46:00
  • 15:

    サトコ

    18さん、読んでくれてありがとう!!??
    今日はここまでにしますね☆?☆

    2005-09-23 18:49:00
  • 16:

    サトコ

    テツヤが帰って来る日になった。母は朝からご機嫌だ。リビングで母と喋っていると、「ピンポーン」とチャイムがなった。急いで鍵を開けに行く母。あたしも玄関にむかうと、そこにはテツヤが立っていた。やっぱり何も変わらないアキバ系の兄だった。しかし…
    彼はニコッと笑って、あたしたちにむかって「ただいま」と言った。

    2005-09-23 23:22:00
  • 17:

    サトコ

    信じられなかった。あの無口で無表情の兄が…何年ぶりだろう、テツヤのあんな笑顔を見たのは。それからも、彼は穏やかでよく喋った。

    2005-09-23 23:31:00
  • 18:

    サトコ

    「サトコ、○○って漫画知ってる?全巻そろえたから読んでみるか?」「うん、読む!!」あたしは家にいる時は、テツヤと漫画の話をしたり、一緒にゲームをしたりした。ほんとは少年漫画なんて普段は読まないし、テレビゲームも嫌いだ。けど、あたしは一生懸命テツヤの相手をした。何があったかは知らないが、テツヤが変わったことを心から嬉しいと思ったから。

    2005-09-23 23:39:00
  • 19:

    サトコ

    ある日、バイトから帰ってリビングで母と夕飯を食べていると、テツヤがきた。「てっちゃんも早く食べなさいよ」という母に、彼は小さい声でこう言った。「明日、家に友達呼んでいいかな?」
    あたしは思わず母の顔を見た。母は一瞬驚いたような顔をしたが、満面の笑みで、「いいわよ」と言った。

    2005-09-23 23:46:00
  • 20:

    サトコ

    そして次の日…
    あたしは夕方バイトから帰ってきた。自分の部屋に入ろうとすると、隣のテツヤの部屋からで笑い声が聞こえ、足をとめた。テツヤが友達と笑いながらなにかしゃべっている。とても楽しそうだ。あたしは一人で微笑み、自分の部屋へ入った。

    2005-09-24 02:56:00
  • 21:

    サトコ

    バイトの疲れでいつの間にか眠っていて、起きた時にはテツヤの友達は帰っていた。家族で夕ご飯を食べている間、テツヤはずっとしゃべっていた。「あいつさー、めちゃゲーム強いんだよねー」子供のように目をキラキラさせて話す。「そっかぁーよかったね」あたしも笑顔で話を聞いていた。穏やかな気持ちだった。

    2005-09-24 03:02:00
  • 22:

    サトコ

    9月になり、あたしは学校が始まった。
    ある日の昼休み、クラスメイトのアキの席にみんなが集まっていた。「何見てんの〜??」「アキのお兄ちゃんの卒アル!!アキのお兄ちゃんばりかっこいーよねぇ〜」
    アキのお兄ちゃん…テツヤと同じ学年だ…
    ドクン…心臓の鼓動が激しくなった。

    2005-09-25 01:43:00
  • 23:

    サトコ

    その時、クラスで一番仲がよかったミサが、「あー!!これサトコのお兄ちゃんちゃうん??名字一緒やぁん!!」と笑って指差したのは…テツヤだった。自分の名字が珍しいのを、あの時ほど怨んだことはない。
    あたしは笑顔で言った。「ミサひどいわー!!んなわけないやんか〜!!」

    2005-09-25 01:48:00
  • 24:

    サトコ

    「だよねえ〜??あはは」と爆笑のミサ。横にいたアカリが「サトコの兄ちゃんがこんなアキバ系なわけないやんなー!?キモいしー!!」
    「ほんまやわ!!やめてやぁ」あたしはずっと笑っていた。だけど、心の中では泣いていて、心臓は張り裂けそうだった。

    2005-09-25 01:54:00
  • 25:

    サトコ

    あたしは重い気持ちで家に帰った。部屋でゲームをしていたテツヤは、あたしが帰ってきたのに気付き、明るい声で「おかえり!!」と声をかけてきた。何も知らずに。
    あたしはテツヤの部屋に入り、笑って「あたしもする!!」と言ってテツヤの横に座った。「めずらしいやん、お前から言ってくるの」「んーなんかそんな気分やねん!!」
    その日は二人で夜遅くまでゲームをした。

    2005-09-25 02:03:00
  • 26:

    名無しさん

    続ききになります。

    2005-09-25 03:38:00
  • 27:

    サトコ

    32さんありがとぅ☆?頑張って書くんでこれからも読んでくださいねっ(^?^)

    2005-09-25 15:10:00
  • 28:

    サトコ

    昔から兄のことで学校でいろんな人にいろんなことを言われてきた。つらかった。でも誰にも言えなかった。あたしはテツヤのことばかり言う母と、何も知らずにくたらしい態度を取る兄を憎み、何度二人に言ってやろうかと思ったことか。
    だけど今は違う。こんな思いをするのはあたしだけでいい。テツヤは何も知らなくていい。知ってほしくない。
    ただ、家の中で「普通」の兄でいてくれたらそれでサトコは充分だよ。

    2005-09-25 15:18:00
  • 29:

    サトコ

    結局あたしも志望校に全て落ちて、行きたくもない大学に行くことになった。これはきっと罰なのだろう。しかしテツヤは、そんなあたしを色々と気遣ってくれた。あたしにはテツヤに優しくされる資格なんてないのに…

    2005-09-25 15:33:00
  • 30:

    サトコ

    春休みは友達と遊びまくった。テツヤも家に帰ってきていて、この前の友達を家に呼んだり、遊びに行ったりしていた。名前は「芝原くん」という人らしい。相変わらず顔は見ていないが、あたしは芝原くんがテツヤの救世主だな、と思った。

    2005-09-25 15:41:00
  • 31:

    サトコ

    あたしは都会と初めての一人暮らしに浮かれ、友達と遊びまくった。彼氏に内緒でキャバでバイトしたり、ホストに行ったりして夜の世界も知った。大学も楽しかったし、毎日が充実していた。長期の休暇もあまり実家には帰らず、テツヤと顔を合わすのはのはお盆と年末年始だけになった。

    2005-09-26 16:30:00
  • 32:

    サトコ

    あっというまに月日は過ぎ、あたしは3回生になった。テツヤは大阪で就職して、社会人になった。芝原くんは京都に就職したらしい。相変わらず仲は良いようだった。

    2005-09-26 16:36:00
  • 33:

    サトコ

    神様ってほんとにいると思いますか??いるとしたら、なんであの日、あんな残酷なことをしたんだろう。
    運命ってほんとにあると思いますか??あるのなら、こんな結末ってあっていいの??
    あたしはそう思わずにはいられない。あの日を思い出すと、今でも涙で目が曇ります…

    2005-09-26 16:47:00
  • 34:

    名無しさん

    ?しおリン?

    2005-09-28 06:25:00
  • 35:

    サトコ

    41サンしおりありがとぅ?
    今から更新しますね??

    2005-09-29 17:52:00
  • 36:

    サトコ

    それはある夏の終わりの土曜日の夜のことだった。あたしはキャバのバイトを休んで、口座ホストと梅田で食事をしていた。
    「今日暑いね。スーツはきついわ」
    「そやねーホストは夏でもスーツやし大変やね」
    「今日はこれからどーすんの??」

    2005-09-29 17:56:00
  • 37:

    サトコ

    「んー??同伴するつもりやけど。」
    「よっしゃ☆サトコはかわぃぃからビップ席にご案内や!!ワラ」
    「もーえぇってワラ」
    そんな会話をしていると、あたしのケータイが鳴った。

    2005-09-29 18:00:00
  • 38:

    サトコ

    〜〜着信 おかん〜〜

    「おかんやぁ…こんな時間になんやろ。」
    メール好きの母が電話してくるのは珍しい。あたしは電話に出た。

    2005-09-29 18:03:00
  • 39:

    サトコ

    「もしもし〜??」
    しかし、電話の向こうはシーンとしている。
    「もしもし母さん??もしもし??」
    何回も呼び掛けると、やっと母が声を出した。
    「芝原くん…テツヤの友達の…………」
    母の声は酷く震えていて、とても聞き取りづらかった。

    2005-09-29 18:09:00
  • 40:

    サトコ

    「母さん何?芝原くんがどしたん?落ち着いてや」
    「……トラックの荷物が落ちて…下敷きに……」


    あたしはケータイを落とした。
    騒がしい周りの声、お気に入りの口座の顔…一瞬すべてのものが聞こえなくなり、見えなくなった。

    2005-09-29 18:16:00
  • 41:

    サトコ

    口座があたしの肩を揺さぶり、あたしははっと我に帰った。
    「サトコどーした??お母さん何だったん??」
    「…タカシ…ごめん、また埋め合わせするな」
    あたしは荷物を持って店を飛び出し、駅にむかった。

    2005-09-29 18:22:00
  • 42:

    サトコ

    駅に着き、駅員にすがりつく。「〇〇駅行きの最終はもう出ましたか!?」「えーと…いや、まだですよ。あと10分くらいで電車が来ますんで△△駅で乗り換えて…。」
    駅員に礼を言うと、あたしは切符を買いホームに行った。早く来て…早く…

    2005-09-29 18:28:00
  • 43:

    サトコ

    電車が来た。
    あたしはなんでこんなに動揺してるんだろう。あたしの友達じゃないのに…顔すら見たことないのに。だけど…あたしのたった一人の兄…テツヤの…ずっと孤独だったテツヤの…やっと現れた救世主なんだよ!!

    2005-09-29 18:34:00
  • 44:

    名無しさん

    ?

    2008-07-31 06:00:00
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