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『一番大切なこと』
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1:
?りんご?
久しぶりに行った地元のバーで私は偶然にも久しぶりに颯太(そうた)と再会した。颯太は隣中学の同級生。私達は今24歳。10年前に出会った私達の苦しい切ないすれ違いがまた始まろうとしていた。
「久しぶりやなぁ。全然変わってないやん」
私に気付いた颯太はすぐに話し掛けてきた。颯太と話すのは6年ぶりだった。成人式の日、久しぶりに見かけたけど話すことのないままで。2005-08-27 04:00:00 -
131:
?りんご?
「斗真くん…あんな…」
『美樹と来年も花火見に来れたらいいなぁ』
私が話そうとすると斗真くんは話をそらすように私にそう言った。私は何も言えなかった。
『俺、好きやで美樹のこと。だから美樹が俺を見てなかったことも分かってた。でも…それでも良かった。美樹が元気になっていくの見てて嬉しかった。だから…もう少しだけ俺のそばにおってくれ…』2005-09-09 04:16:00 -
132:
?りんご?
斗真くんは寂しそうな声でそう言った。私はこんなに思ってくれてる人を傷つけてしまってたんや…。ずっと気付いてたんや斗真くんは。
好きになりたかった。でも無理やった。私の中から颯太は消えへんかった。ずっとずっと、ずっと残ってた。
斗真くんは辛い時、そばにいて笑わせてくれてた。都合よく付き合ってたんじゃない。だからいくら斗真くんに気持ちがなくても今すぐに颯太のもとへ行くことはできひん…。2005-09-09 04:20:00 -
133:
?りんご?
もう少しだけ…男としてのプライドを捨ててまでそう言った斗真くんの気持ちを踏みにじることは私にはできひんかった。
それから私と斗真くんは手を繋ぐこともキスすることもなくなった。ただ、一緒に遊んだり普通に過ごすだけ。
お互い分かってた。決して気持ちが繋がってないことを。2005-09-09 04:24:00 -
134:
?りんご?
颯太とはあの日以来会うこともなかった。でも日増しに強くなる颯太への想いが私の心を掻き乱していく。そんな初秋を迎えたある日…私は斗真くんと会っていた。
ずっと上の空。斗真くんといても颯太のことを考えてしまってた。
『もう…いいで』
「えっ…?」
『ごめんな…無理させて。もう諦めつきそうやわ。もうすぐ付き合って半年やのに美樹は俺のこと見てくれてなかったやん。ちょっとは期待したりしたけどな。無理やったみたいやし』2005-09-09 04:32:00 -
135:
?りんご?
『だからもう開放したるわ。ずっと他の男のことを好きな女とおっても格好悪いやん俺。それに俺ってモテんねんでめっちゃ』
斗真くん…。格好いいもん。大学でもモテてるに違いなかった。斗真くんにとっては強がりの言葉やったんかもしれん。
「ごめん…ありがと。ごめんな。斗真くんはめっちゃ優しかった。楽しかった。ほんまにほんまに…」
『泣くなって(笑)泣きやまんかったら俺も泣くで』2005-09-09 04:37:00 -
136:
?りんご?
そう言われて私は泣き笑いしてた。良かった…。斗真くんと過ごした半年はムダじゃなかった。人として真っ直ぐ人を思う誠実さを教えてもらえた気がした。
最後は笑ってバイバイしたけど、最後の斗真くんの笑い顔はほんの少し悲しそうに見えた。
ありがとう。幸せになってね。斗真くんに素晴らしい彼女ができますように…。私は祈るような思いでサヨナラをした。2005-09-09 04:41:00 -
137:
?りんご?
季節はもう秋から冬に。11月になっていた。私は斗真くんと別れてからすぐに颯太のもとには行かなかった。
きれいごとじゃない、ただ自分の中でちゃんと整理をつけたかったからだった。和也や由紀達からも颯太の話はずっと聞いてた。
「美樹とやり直したい」って言ってくれてたみたいやった。お互いの気持ちが離れていても何も言わなくても繋がってた。
私はそれが嬉しかった。2005-09-10 01:45:00