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『一番大切なこと』

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  • 1:

    ?りんご?

    久しぶりに行った地元のバーで私は偶然にも久しぶりに颯太(そうた)と再会した。颯太は隣中学の同級生。私達は今24歳。10年前に出会った私達の苦しい切ないすれ違いがまた始まろうとしていた。
    「久しぶりやなぁ。全然変わってないやん」
    私に気付いた颯太はすぐに話し掛けてきた。颯太と話すのは6年ぶりだった。成人式の日、久しぶりに見かけたけど話すことのないままで。

    2005-08-27 04:00:00
  • 28:

    ?りんご?

    「颯太一回も付き合うって言ってくれたことないやん。記念日だってずっとないねんで。こんなに一緒におんのに」
    私は気にしてなかったつもりでもそのことをずっと気にしてたのかもしれない。形にこだわってたわけじゃない。でも彼女って確証できることがほしかった。

    2005-08-27 07:15:00
  • 29:

    名無しさん

    2005-08-27 07:23:00
  • 30:

    名無しさん

    面白い(^O^)

    2005-08-27 07:27:00
  • 31:

    ?りんご?

    そうゆう気持ちを分かってほしくて言った言葉だった。でも颯太はそう受け取ってはくれなかった。
    「付き合ってないから男に送ってもらってもいいやんってことか?付き合うとか言葉の形って必要なん?俺はずっと付き合ってるつもりやったのに。わけわからんわ」
    そう言って帰ってしまった。

    2005-08-27 07:44:00
  • 32:

    ?りんご?

    えっ?何それ…聞いてないし。ってゆーか話してないから当たり前やけど。どうゆうこと?しかも年上って…。
    「仲直りしろよちゃんと。俺フッといてこんなんでお前ら終わったら笑われへんやろ」
    和也…ありがとう。そうや、つまらんことで意地張っててもキリないなぁ。一日考えた私は謝ろうと決めて颯太に電話をかけた。
    ケンカから五日目のことだった。
    「はい」

    2005-08-27 07:56:00
  • 33:

    ?りんご?

    「もしもし、美樹やけど。何してるん?」
    「何もしてないで」
    …沈黙…。
    「あんな、ごめん。何か電話かけにくくてかけれんかってんやん。まだ怒ってる?」
    「怒ってないで。ってゆーかもういいから。俺、初めて告られてんおととい。そいつはちゃんと好きやってハッキリ言ってくれたわ」

    2005-08-27 08:02:00
  • 34:

    ?りんご?

    意味わからん…何なん?もういいって。何なん?ハッキリって。
    「あっそ、分かった」
    私はそう言うと電話を切った。何なんマジで。何でなん?頭ん中がおかしくなりそうやった。
    その後すぐに和也から電話があった。
    「さっき聞いたけど颯太告られた女と付き合うとか言い出してんぞ?お前何も言わんと電話切ったんやろ?何でやねん。お前のこと試してんねんって。お前が本気かどうか確かめてんねん。いいんか?このままで」

    2005-08-27 08:08:00
  • 35:

    ?りんご?

    そんなことは分かってる。でもどっかで大丈夫って思ってた。颯太はどっかいったりせえへんって。私から離れていかんって。
    でも電話を切った日から一週間後、和也から話を聞いた私は頭が真っ白になった。
    「今日付き合うことにするって言ってた。お前からも連絡ないしもうほんまに終わりやって」
    ウソやろ?それが私の本音やった。絶対ウソや…。

    2005-08-27 08:13:00
  • 36:

    ?りんご?

    でも現実は現実やった。私は楽しく過ごしたかった夏休みが最低な夏休みになってしまった。思えば二年前の夏休みに颯太と会ってんなぁ…。何してたんやろ私。大事なのはただ一緒におることやったのに。
    涙が止まらんかった。情けなかった。めっちゃ好きやって思い知らされた。そして、夏恒例のあの花火大会の日がやってきた。
    由紀や沙織達と行った私は空元気そのものやった。やたらテンション上げたりして騒いで。みんなもそれ分かってるからか分からんけど、一緒になってハイテンションに付き合ってくれた。

    2005-08-27 08:19:00
  • 37:

    ?りんご?

    それなら屋台めぐりをしてると由紀の顔が一瞬曇った。視線の先を見ると颯太がいた。会わなくなって二週間がたっていた。久しぶりに見る颯太は何も変わってない。
    でも一つだけ変わってた。颯太の隣には違う女がいた。ずっと私の場所だったのに。何で?何でそんなやつが颯太の横におんの?その場で泣き崩れそうになった。
    「行ってきー。この前会った時美樹のことばっかり話してきてたし。颯太ゆってたで?あいつは俺のこと好きじゃなかったんかなって。今なら間に合うって行っといで」

    2005-08-27 08:27:00
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