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≪風俗≫あたしにも価値はあると言って。。。≪ホストクラブ≫

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  • 1:

    自分のサイトで公開している小説です。
    70%ぐらいはあたしの体験談です。
    あまり上手とは言えませんが、
    実際に風俗やホストの世界にいる方々に
    読んでもらいたくてここに書くことにしました。

    2005-05-27 12:22:00
  • 31:

     あたしはここでは「お客様」なのだ。
     無理にあたしから話しかけなくてもいいし、興味のない話題を楽しそうなふりをして聞く必要もない。
     目の前の相手にどうすれば好かれるか、どうすれば嫌われないかいちいち気にしなくてもいいのだ。
     なぜなら、あたしは代金を払っているから。
     酔いも手伝って、その夜あたしは翔との話に頬の筋肉が痛くなるほど笑い、最後に電話番号とメールアドレスを交換してタクシーで家へ帰った。
     久しぶりに何かから解放された、そんな気分だった。

    2005-05-27 12:55:00
  • 32:

    『おはよ、こっちこそ昨日は楽しかったよ。また遊びに行こうかな。そのときはよろしくね。じゃあ、これから仕事してくるね』
     翔へ返信し終わると、ちょうどタクシーは店の前へ到着した。
     運転手へ料金を払い、あたしは小走りで店への階段を登った。
    「おはようございます」
    「おはよう、えっと、ユウナちゃんは今日六番のお部屋ね。お客さんもう来てるから急いでセットしてよ」

    2005-05-27 12:57:00
  • 33:

     ちらりと時計を見ると、まだ四時半を少し過ぎたばかりだ。
     着替えや今日使う部屋のタオル等の準備をゆっくりするために早めに出勤したというのに、客があたしより早く来てしまっていてはゆっくりなどできやしない。
     五時からの予約なんだから、五分前にでも来店してくれれば十分なのに。
    「誰? そんなフライングしてるのは」
     言いながらフロントの横のマジックミラーから待合室を覗いた。
     白いポロシャツにジーンズ、手にはセカンドバッグの中年の男がスポーツ新聞を広げている。
     うつむいてはいるが、その顔には見覚えがあった。
    「橋本だわ。そういえば今日は仕事休みだったはずだもん」
    「六十分コースね。頼んだよ」

    2005-05-27 12:57:00
  • 34:

     店長から私物カゴを受け取り、小走りで部屋に入って服を全て脱いだ。
     着てきた服や下着、バッグは部屋の隅にある棚の一番上の段に目立たないようにして押し込み、私物カゴは手の届きやすい中段に置く。
     本当は時間があれば接客前に一度シャワーを浴びたかったし化粧も直したかったけれど、今日はあまり汗もかいていないし、と妥協して私物カゴの中に入れてあった下着とキャミソールワンピースを身に付ける。
     早番の子が部屋をきっちり片付けてから上がってくれたらしい、灰皿は汚れていなかったし、タオルもきれいに畳んで向きを揃えて積み上げられていた。
     シャワーブースのボディシャンプーもイソジンもモンダミンも、枕元に置かれた本来は調味料入れだったボトルに入れられたローションもたっぷりと残っている

    2005-05-27 12:59:00
  • 35:

     タオルを二枚、ベッドの上に広げた。
     時計を見ると四時四十五分。
     キッチンタイマーをセットし、部屋の内線電話でフロントにコールをする。
    「セットできましたぁ」
    「オッケー、じゃあご案内するよ、がんばってね」
     部屋へ続く廊下と待合室を仕切るカーテンの前に立つ。
    「お客様、お待たせいたしました! ご案内しまーす! ユウナちゃんでーす!」

    2005-05-27 13:00:00
  • 36:

     馬鹿みたいに陽気な店長の声とともにカーテンが開けられ、あたしは客と対面する。
    「よっ、久しぶり。だいぶ待っちゃったよ」
     白いポロシャツにジーンズ、手にはセカンドバッグの中年の男。
     強風の中でも歩いてきたのかと聞きたくなるようなぼさぼさの髪で、笑うと欠けた前歯が見える。
     あたしの常連客、橋本だ。
    「ごめんねぇ、あたしってばいつも橋本さん待たせちゃってるよねぇ。今日はがんばって早めに来たつもりだったのになぁ」
     本当なら予約時間の五時より早く案内させているのだからあたしは悪くないと思うのだけれども、一応待たせたことを謝ってやることにする。

    2005-05-27 13:00:00
  • 37:

    「どうせユウナのことだから、またのんびりとメシでも食べてて遅くなったんだろ」
     だから、遅くなんかなっていないというのに。
    「ほんと、ごめんね、出勤前カップラーメン食べてきたんだけど、あたし猫舌だからなかなか食べられなくって」
     二人で個室に入り、さっさとベッドに腰掛けた橋本の隣に並んで座りながら適当に話を作って合わせておく。
    「そんな物ばかりじゃ体壊すぞ、この前仕事で接待されたときに行った、駅前の新しいイタメシ屋が旨かったから、一緒に行こう。奢ってやるよ。いいだろ?」
    「イタメシかぁ、美味しそうだねぇ。でもお店に怒られちゃうからまた今度ねぇ」
     適当にはぐらかし、橋本の首に手を回した。

    2005-05-27 13:01:00
  • 38:

     にっこりと笑って、キス。
     幾度となく通って、それが禁止項目だと知っているくせに「奢ってやるよ」なんて偉そうに店外デートを要求する図々しい口を塞ぐ。
     舌を絡めながら、薄目を開けてこっそりと時計を見る。
     六十分コースだから、本当はあと十分は会話で時間を潰しておきたかったんだけれど、会う度に図々しさを増す彼とこれ以上話しているのは辛い。
     橋本のポロシャツのボタンを外していると、彼の左手が服の上からさわさわと胸を触ってきた。
     あたしはさりげなく自分の右手で服の上を這いまわろうとする橋本の手を握り、指を絡めて動きを封じる。

    2005-05-27 13:02:00
  • 39:

    「はぁい、バンザイしてぇ」
     ポロシャツを脱がせ、その下のタンクトップも脱がせて簡単に畳んで脱衣カゴへ入れる。
     あたしはベッドを降り、彼の足元にひざまずいてジーンズのベルトに手をかけた。
     わざとにベルトが外せないフリをしたら、橋本は「不器用だなぁ」とあたしの予想通りに笑った。
     その股間が膨張していることぐらいはとっくに気づいていたけれど、あえて何も言わずにさっさとジーンズを下ろした。
     勃起したもの形がくっきりと浮かび上がったボクサーパンツがあらわになる。

    2005-05-27 13:03:00
  • 40:

    「もう硬くなっちゃったの?」と意地悪っぽく問いかけると、彼は「ユウナの顔がいやらしいからさぁ」と欠けた前歯を見せて笑った。
     九州に住んでいるという橋本の家族は、彼が単身赴任先で風俗へ通っていることなど知らないだろう。
     毎週のように風俗嬢相手にちゃちな自慢話をし、ペニスを勃起させているだなんて。
     専業主婦だという彼の妻も、私立幼稚園に入ったばかりという彼の息子も、きっと彼のこのだらしない下卑た笑いを知らないんだ。
     あたしは少しだけ哀れな気分になりながら、パンツの中から彼のものを引っ張り出し、そのままゆっくりと口に含んだ。

    2005-05-27 13:04:00
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