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≪風俗≫あたしにも価値はあると言って。。。≪ホストクラブ≫

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  • 1:

    自分のサイトで公開している小説です。
    70%ぐらいはあたしの体験談です。
    あまり上手とは言えませんが、
    実際に風俗やホストの世界にいる方々に
    読んでもらいたくてここに書くことにしました。

    2005-05-27 12:22:00
  • 51:

     五時二十五分になっていた。
     六十分コースで、四時四十五分が案内時刻。
     最後の十分間はシャワーと着替えに使うから、プレイの残り時間はあと約十分間だ。
     勃起していたペニスをそっと両手で包み込んで、そっと亀頭を舐める。
     肉の塊は、それに応えるようにしてあたしの手の中でぴくん、と震えた。
     そのまま奥まで咥えしばらくフェラチオし、それからペニスをしごきながら玉袋や蟻の門渡り、肛門と隅々まで舐めた。

    2005-05-27 13:13:00
  • 52:

     途中で手と口の中が渇いてきたのでローションを垂らすと、途端に滑りがよくなった。
     ローションは口の中に入っても無害だと言うけれど、ローションまみれのフェラチオはしたくないというのが本音だ。
     このヌルヌルした感触はいつまでたっても好きになれそうもない。
     あちこちをたっぷりと舐めたり触ったりしてから、あたしはさらに股間にローションを垂らして橋本の上に馬乗りになり素股を始める。
     ヘルスでは本番行為ができないから、その代わりの疑似SEXだ。
     決して膣には挿入せず、大陰唇や太もも、尻の肉などで上手にペニスを包み、上から手を添えて固定しながら腰を動かす。

    2005-05-27 13:14:00
  • 53:

     これまで足の開き方や手の添え方など少しずつ変えて色々な方法を試してきたけれど、騎乗位の体勢で背中を反らせて片手を後ろ側につき、尻の割れ目に挟むようにして上下に動かすのが客にとっては一番気持ちいいらしい。
    「ああ、入ってるみたいだ。ユウナも気持ちいい?」
     本当は尻の肉がこすれているだけでちっとも気持ちよくなどないが、適当にうなずいておいた。
     素股は見た目以上にハードな運動なので、体力のないあたしの息が乱れてきているのを見て、彼は何か勘違いしているのかもしれない。
     指の次は自分のペニスであたしのことを悦ばせてやった、とでも思うんだろうか。

    2005-05-27 13:15:00
  • 54:

    「ユウナ、いきそうだ。あっ、いくよ、いくよっ」
     力任せに頭を押さえつける両手と、口の中でびくびくと震える異物と、喉の奥まで撒き散らされる生臭さと苦みに耐えながら、あたしは真宮を思い出す。
     どんなことをされていても、真宮のことを考えているうちはいつも少しだけ苦痛も悲しみも和らぐような気がした。

    2005-05-27 13:17:00
  • 55:

     その日は橋本の他に本指名二本、写真指名三本、フリー一本についた。
     ただでさえ閉店間際に入ったラストの客が延長したので、店の女の子の中であたしが一番最後に帰ることになった。
     有線の消えた店内でギャラを受け取りながら、接客中は切っていた携帯電話の電源を入れてメールをチェックする。
     手元の出勤表に目を落としたまま、店長が言う。
    「ユウナちゃんは……っと、明日はお休みだな。また明後日よろしくね」
    「あれ? あたし、明日休みなんですか? 出勤だと勘違いしてた」
     店長が「出勤したいならしてもいいぞ」と笑ったので、あたしは慌てて首を振った。

    2005-05-27 13:18:00
  • 56:

    「ユウナちゃんはサービスいいから、お客さんの評判もよくって助かるよ。常連のお客さんにも安心して薦められるからな。本当に、体が空いたらいつでも出勤していいぞ、頼りにしてるんだからさ」
    「明日は休みますー。あたし、ちゃんと定期的に休み取らないとがんばれないタイプなんですよ」
     女の子の中には、借金の返済に追われていたりして一日でも多くシフトに入って休まず働きたいという子もいる。
     月末が近くなると店で寝泊りし、朝から閉店までずっと働きずめの子もいる。
     そんな子が少なくない中で、あたしのように「稼ぐこと」への執着が薄い人間は珍しい方だ、と自分でも思っている。

    2005-05-27 13:19:00
  • 57:

     この「ピンキードール」に入店して三ヶ月、あたしは今のところ一週間のうち最低でも五日は働いているが、1LDKのアパートの家賃や一か月分の生活費は一週間も働けば簡単に手に入った。
     田舎町から出てきたばかりの頃に抱えていた借金もすぐになくなった。
     雑誌に載っていた新作のバッグを買ってみたり、ふらりと立ち寄ったショップで店員に勧められるがままに洋服を買ってみたり、お洒落な美容室に行ってみたりしても、次の日にはお金は財布へ充填されて決して足りなくなることはなかった。

    2005-05-27 13:20:00
  • 58:

     そして残念なことに、貯金が増えることに対して、あたしは何の喜びも見出せないのだ。
     お金なんか最低限あればいい。
     家賃や光熱費が払えて、食べる物に困らなければそれでじゅうぶんだ。
     ――それじゃあ、あたしはどうして風俗嬢でいるのだろう?

    2005-05-27 13:21:00
  • 59:

    「お疲れ様でしたー」
     携帯電話を片手に、店を出て階段を降りる。
     新着メールが二件あった。
    『ユウナ、今日もよかったよ! それにしても、いつも時間が経つのがあっという間だと思わない? 今度は外で会おう! そうすればお互いに時間を気にしないで楽しめるからね。 いい返事、期待してるよ』
     橋本からのメールは、一読してためらわずに削除した。
     前もってメールも電話も苦手なの、と伝えてあるから、返事をしなくても多分何とかなるだろう。
     店外デートの誘いにはうんざりしている。
     どうせ彼も、外でなら金を払わずにタダでやれる、とか思っているに違いない。

    2005-05-27 13:22:00
  • 60:

     湧き上がってくるどす黒い感情に気付き、同時に自分が恥ずかしく、悲しくなった。
     彼は、あたしに会いたいと思ってくれている。
     これまで何度も、この街に何百人といるであろう風俗嬢の中からあたしを選んで金を払ってくれた。
     そして、もっと長い時間を一緒に過ごしたいと言ってくれる。
     このあたしの体を求めてくれる。
     その彼を嫌がる資格なんて、あたしにあるのだろうか。
     ずっと、誰かに愛されたいと願ってきたくせに。
     褒められ、認められ、必要とされたかったくせに。
     どうして彼では、「お客」ではだめなんだろう。

    2005-05-27 13:23:00
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