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いつの日か・・・・・・・・。

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  • 1:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    この話はフィクションです☆昔1度書いたけど、掲示板が無くなってしまって途中になったから、
    また書かせて下さい(^O^)/下手くそゃけど良かったら読んで下さい♪

    2005-08-31 13:28:00
  • 2:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    歌舞伎町−
    憧れて来たこの町を後にした。
    名前は【渚】もちろん源氏名。私の本名を知る人は、もういない。
    私には家族がいない。たった一人母がいたが、7年前に他界した。
    父親の顔は知らない。7年前−当時私は16歳だった。

    2005-08-31 13:29:00
  • 3:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「七恵〜!お前も降りて来いや!」私はいつもの仲間と近所の公園にいた。
    ジャングルジムは私の特等席だった。上から仲間を見ていると安心できた。
    「本間ここ好きやな!」そう言いながら私の隣に攀じ登って来た。
    【夕太】私の彼氏だった人。夕太は私にとってかけがえのない人だった。夕太だけは私を裏切らないと信じていた。

    2005-08-31 13:30:00
  • 4:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「夕太も遊んで来たら?」「七恵の横おるしっ!」そう言って頭をポンッと叩いた。
    私達二人が和んでいると、必ず仲間に冷やかされた。幸せを感じる事の出来る時だった。
    このままずっといれたら良いと願っていた。「みんなもぉ〜来てるやぁん☆」そいつの声がすると私は一気に不機嫌になった。【梨絵】大嫌いな奴。
    梨絵が来ると、みんなは待ってましたと目を光らせて駆け寄った。

    2005-08-31 13:31:00
  • 5:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    みんなが梨絵と公園の草村に入って行く。見慣れた光景だった。
    出て来たと思うと片手にニールを持ち、輪になってシンナーを吸い始める。
    梨絵達はボケ初めると、一目を気にせずSEXをする。
    発情期の犬みたいだ…吐き気がする。汚い。
    だから梨絵は嫌い……あいつと被る。憎い母親と−

    2005-08-31 13:32:00
  • 6:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    隣で夕太も吸いたそうにしていた。「行ってこれば?」夕太は首を横に振った。
    私の目の前では決してしない。私の嫌う事を知っているからだ。
    シンナー、SEXは特に嫌い…夕太とは手を繋ぐ程度だった。
    キスもした事がない。そんな事しなくても私達は十分愛しあって行けると思っていた。
    夕太は理解してくれてると−

    2005-08-31 13:33:00
  • 7:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    その日もいつもの時間になると私はジャングルジムから降り、公園を後にした。
    もう深夜3時だ。いったいいつまでこんな生活が続くのだろうか。
    家の前に着くと大きくため息を付いた。ボロイ木造のアパート・・・引き戸に手を伸ばし
    ガラガラと扉を開けた。

    2005-08-31 13:34:00
  • 8:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    きしむ床をそっと歩き部屋へ向かおうとすると母親の部屋の襖が開いた。
    「あんた又帰って来たん?!はよ出て行け!!」枕やら誰のか分からない男物のパンツなどを、
    投げ捨てながら叫ぶ母。「お前なんか産まれて来たんが間違いや!」
    聞きなれたセリフにもう傷つきもしなかった。 私は母がまだ叫んでいるのを無視し部屋へ入った。
    ベットへそのまま横になる。《私だって産まれて来たくなかった・・・》
    母が暴れている音を耳に眠りに付いた。

    2005-08-31 13:35:00
  • 9:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    翌日−
    また母の叫び声で目が覚める。「はよ出て行って!帰ってくるな!」
    まだ6時だ。さっき寝たばかりだと言うのに、ずっと暴れていたのだろうか。
    私は眠い目をこすりながらお風呂へ向かう。 このボロアパートは共同トイレにお風呂だった。
    でも住民は私達親子しか居なかった。みんな出て行ってしまった。
    夜中中暴れる母・・・何度嫌味を言われたか分からない。出て行ってくれてホッとした。

    2005-08-31 13:36:00
  • 10:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    お風呂から上がると私は母の叫び声を尻目にそそくさと制服を着た。
    濡れた髪の毛を乾かす事も出来ないまま家を出た。
    一応学校へ通っている。学費は顔も知らない父が出しているらしい・・・。
    詳しい事情は知らないし、知りたくもない。こんな母の元へ置いていった父も憎かった。
    学校は好きじゃないが他に行く所もない。登校しては図書室でサボる毎日だった。

    2005-08-31 13:39:00
  • 11:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    ガラッ−
    「七恵や〜ん!」会いたくない奴に会ってしまった。梨絵も同じ学校に通っている。
    こいつを見ると何もしていなくても腹が立つ。それなりに整った顔立ち、綺麗な肌・・・。
    自分を平気で傷つける梨絵が信じられなかった。

    2005-08-31 13:40:00
  • 12:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私の体なんて傷だらけだ。小さい頃から母には痕が消える間もなく
    殴られた。煙草で焼かれた痕だってある。今でこそ暴力はなくなったものの、
    その傷が消えることはない。
    梨絵の話しを適当にかわし、放課後までの時間を寝て過ごす。

    2005-08-31 13:41:00
  • 13:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    放課後になると、私はまたいつもの公園に向かった・・・・。
    公園に着くともう夕太の姿があった。「七恵〜今日は遅いやぁん?」
    ジャングルジムへ近づこうとしたとき異変に気づいた。
    「七恵ちゃんもすればぁ?」梨絵がやって来る。「お前もやろうやぁ?」
    夕太も一緒になって言った。

    2005-08-31 13:42:00
  • 14:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    《なんで・・?嫌いなん知ってるやん。》今までに1度だって勧められた事はなかった。
    夕太がボケているのを見たのも初めてだ。夕太だけは信じていたのに・・・。
    「七重ちゃ〜ん?」キモイ・・サワルナ・・・キタナイ・・・。
    トロ〜ンとした目で迫ってくる夕太と梨絵を振り切り公園を飛び出した。
    まだ時刻は6時だった。家に帰れない・・誰か助けて。

    2005-08-31 13:43:00
  • 15:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私はあてもなくさまよい歩いた。でも限界だ・・・9時過ぎた頃、
    家に向かって歩き始めた。外には薄い光だけが漏れていた。まだ誰かいるかも知れない。
    そう思いながらも家の引き戸を開けた。ガラガラ−
    できるだけ静かに戸を閉める。ギシギシ・・・廊下をつま先で歩き部屋へ向かった。

    2005-08-31 13:44:00
  • 16:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    バンッ−
    襖が勢い良く開いた。見つかった・・・・「あんた何しに帰ってきたんよ!」
    部屋の中を見ると煙草の煙で充満していた。裸の母が座る横には見知らぬ男がキョトンとした
    顔でいる。「こいつ誰や?」「・・・・。」答えない母。
    「お前ガキおったんかいや。」男はため息を付きながら服を着始める。
    「待って!こんな子知らん・・・続きしようや。」「触るな・・ババアがっ!」

    2005-08-31 13:45:00
  • 17:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    二人のやり取りを黙ってみていた私、動くことが出来なかった。
    男の足にしがみ付く母はとても醜かった。 こんな女から産まれて来たのかと思うと、虫唾が走る。
    「2度と連絡してくんなよ。」「待って!待って!」ドカッ−
    離そうとしない母を蹴り飛ばした。それと同時に数枚のお札が宙を舞い
    汗ばんだ母の体にぴったりと引っつく。「どけっ!」男はドアの前に立つ私を
    突き飛ばし帰っていった。

    2005-08-31 13:47:00
  • 18:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    母の顔が豹変する。「あんたっ・・!」バシッ−
    さしぶりに平手打ちを喰らった。「誰のお陰で飯食ってると思ってんの!」
    「・・・・。」「恭ちゃん帰ってもうたやない!」恭ちゃんとはさっきの男だろう。
    母は近所では有名な娼婦だった。「ババアに食わしてもらった覚えない。」
    私はそれだけ言って部屋に向かった。

    2005-08-31 13:48:00
  • 19:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私はベットの端に座り、何度も唱えた。




    《ジネバイイ・・・・アンナヤツ・・・・シネバイイ・・・・。》

    2005-08-31 13:53:00
  • 20:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私は夜中3時を回ると家に帰っていた。それまでに帰ってしまったら、
    この日のように【客】と出くわす事になるからだ。誰に言われた訳でもなかった。
    自然に学んだ事だった。中学に上がったときには、もう母の行為を理解でき
    時間まで帰らなかった。その為、こんな醜い母を見たのは初めてだった。

    2005-08-31 13:58:00
  • 21:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私は母のせいで普通に恋愛も楽しめない。
    男はみんなSEXがしたいだけだ・・・あんな汚い行為・・・・気持ちが悪い。
    翌日−
    私はふと目が覚めた。やけに静かな朝に違和感を感じながら部屋から出ると
    そっと母の部屋を覗いた。

    2005-08-31 14:01:00
  • 22:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    昨日暴れたまま疲れて眠ってしまったようだ。部屋は荒れ裸のまま
    布団に包まっていた。私はホッとしお風呂に向かった。
    いつもよりゆっくり朝の時間を過ごすと学校へ向かい、図書室で放課後までの
    時間を過ごす。《夕太・・あれからどうなったんやろぉ?》そう思いながら眠りに付いた。

    2005-08-31 14:05:00
  • 23:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    放課後―
    私はそのまま公園へ行く気にはなれず、夕太に電話をかけた。
    「もし?寝てたん?」「ぅ・・ん。七恵?」「昨日何してたん?」
    「あれから帰って寝てたで。」私はそれを聞いて安心した。

    2005-08-31 14:08:00
  • 24:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「今日どぉするん?」「あっ!ちょっ・・・かけ直すわ!!」プチ・・・ツーツー
    急に電話を切られた。変な胸騒ぎを感じながら夕太からの電話を待った。
    〜〜♪
    メール1件【梨絵】
    軽くため息を付きながらメールを開いた。

    2005-08-31 14:13:00
  • 25:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    『おは〜★昨日何で帰ったん?梨絵ビックリしたぁ↓↓そぉそぉ。。。昨日あれから
    夕太と一緒におってんけど〜悩んでたでっ♪』
    「・・・・・・・。」こいつは親切なのかただのアホなのか。私が愕然とした事には間違いない。
    《夕太うそつきやん・・・。》最初はショックを受けたが怒りに変わるのに時間は掛からなかった。

    2005-08-31 14:19:00
  • 26:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

      

    ★★一旦休憩★★

    2005-08-31 14:29:00
  • 27:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    梨絵からのメールを閉じると直ぐに夕太に電話した。
    留守電に変わる度、切っては又かけ直す。
    でも何回コールを鳴らしても出る事はなかった−


    《バイバイ・・・・ユウタ・・・。》

    2005-08-31 16:06:00
  • 28:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 29:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    やり場のない怒りや悲しみ、孤独感を抱え今にも押しつぶされそうだった。
    全てアイツのせいだ・・・イナクナレ・・・イナクナレ・・・。
    私は力強く母のいる家に向かった。男が居ればまとめて殺してやろうとさえ、
    思っていた。【殺意】こんなに強く感じたのは初めてだった。
    家に近づくにつれ、その気持ちはいっそう強くなる。

    2005-08-31 16:17:00
  • 30:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    バンッ!!!!
    「クソババァッ!!」大声で叫び襖を開けた。私の声は虚しく響き部屋は
    シンとしていた。見渡すと朝見た光景と何も変わりない。母も同じ格好のまま
    寝ていた。私は母の元へ近寄り見下ろした。「起きろや!」
    声をかけても動かない母。どうせ昨日やけ酒でもしたのだろうと思い蹴り飛ばした。

    2005-08-31 16:29:00
  • 31:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    ドカッ―
    布団からはみ出た母の姿があらわになった瞬間、私は血の気が引いた。
    「・・・・・・。」うつ伏せに転がった母の背中からは大量の出血があった。
    もう固まって黒ずんでいる。シンデル・・・・シンダ・・・・コロサレタ。

    2005-08-31 16:33:00
  • 32:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私はヘナヘナとその場に座り込んだ。涙は出ない。
    これは現実なのだろうか。今起きている状況が理解できずにいた。
    嬉しいのか、悲しいのか・・・・開放感だけあった。

    《イナクナッタ・・・・。》私は訳が分からないままクスッと笑った。

    2005-08-31 16:37:00
  • 33:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    しばらく醜く無残な姿の母をジッと見ていた。
    私はもうこの人に縛られなくてもいいんだ。世間の目を気にする事も
    しなくていい。みんなと同じように生きて幸せになれるのだと思った。

    陽も傾き部屋がオレンジ色に染まる―  私はやっとの事で動き始めた。

    2005-08-31 16:42:00
  • 34:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    部屋から出て廊下にペタンと座った。
    玄関に投げ置いた鞄の中から携帯を取り出すと、110を押した。
    10分もしないうちにサイレンの音が聞こえてくる。警察の人が母の体や
    辺りをくまなく調べていた。私はその光景を隅のほうでぼぉっと見ていた。
    「娘さんですか?」「・・・・・。」この時でさえ娘だと認めたくなかった。

    2005-08-31 16:47:00
  • 35:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    警察の人には色々聞かれた。淡々と話す私を見て警察は、
    少し疑っていたようだった。私は昨日【恭ちゃん】と言う人が来ていた事や、
    その時のやりとり等を話した。直ぐに恭ちゃんに容疑の疑いは掛かった。
    詳しい事は良く分からない。早く全てが終わって欲しいと願った。

    2005-08-31 16:51:00
  • 36:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 37:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私は母の遺骨を海にまいた。親戚付き合いもなくお墓だって何処にあるか分からない。
    第一そこまでする義理はないと思った。母との写真を一応探して見たが、
    一枚も出てこなかった。その内顔も思い出せなくなるのかと思うと、
    少し寂しいような気もする。

    2005-08-31 16:59:00
  • 38:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    恭ちゃんはあっさり犯行を認めた。朝の時点では既に死んでいたらしい。
    気が付かなかったなんて、よっぽど母を見ていなかったのだなと思った。
    母は私に何も残してくれてはおらず、500万の借金が出来たくらいだった。
    それぐらいの覚悟はしていたつもりだったが、さすがに堪えた。

    2005-08-31 17:05:00
  • 39:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私は学校を辞める事にした。父親だと言う知らない男は、葬儀にすら来なかった。
    そんな奴に学校へ行かせて貰うのは私のチッポケなプライドが許さない。
    学校側もあっさり中退を認めた。そりゃそうだろう。授業は出ない、母は娼婦、その挙句殺された。
    そんな子供を置いておく学校があるだろうか・・・・。
    中退手続きを済ませ、家に帰った。

    2005-08-31 17:10:00
  • 40:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    荒れた家の中から有り金をかき集める―
    私はこれから1人だ。友達も親も親戚も誰も頼れる人はいない。
    自分の力で生きていかなければ・・・そう思った。
    出てくるお金をかき集めても5万程度にしかならなかった。母は一体いくらで体を
    売っていたのだろう。

    2005-08-31 17:14:00
  • 41:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    私はその5万円を大切に財布にしまった。
    その時扉を叩く音がした。ガンガン―
    誰だろうと思い扉を開ける。そこには見た事もないおばちゃんが立っていた。
    「ここの娘さんやろ?」「はぁ。。。」「悪いけど、出て行ってもらえる?」
    どういう意味か分からなかった。

    2005-08-31 17:18:00
  • 42:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 43:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    どの求人誌を見ても同じような仕事ばかりだった。
    ペラペラとめくって行くと、目に止まった1つの求人・・・・。
    【寮完備】【日払い・週払い可】【時給3500〜】【貸し出し衣装有】
    もうこれしかないと思った。似たような求人募集は幾らでも出て来た。
    私は中から1つ適当に選ぶと緊張しながら携帯を手に取った。

    2005-08-31 19:17:00
  • 44:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    どんな世界なんだろう。全くの未知の世界に期待と不安を抱え、
    番号を押すと発信した。2コールほど鳴った所で若そうな男の人が電話に出た。
    「ありがとうございます。キャバクラ○○○です。」私は声を裏返しながら喋った。
    「あのっ・・・働きたいんですけど。」「面接希望ですか?」「あっ。。はい!」

    2005-08-31 19:21:00
  • 45:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    そもそも私はキャバクラがどんな所かも知らなかった。
    「年齢のほう宜しいですか?」「16歳です。」そう言った瞬間男の人は
    声のトーンを落とした。「16歳じゃ無理なんで・・・。」そう言われ電話は切れた。
    私は思ってもみない事に呆然とした。《なんで?!意味分からんやん。》
    腹が立ち求人誌を雑に開く。電話した所に目を落とすと【18歳以上―】と書かれてあった。

    2005-08-31 19:27:00
  • 46:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    見落としていた。他の所を見ても全部18歳以上と書かれてある。
    「そりゃ無理やわなぁ。。。」ポツリとつぶやいて大きくため息を付いた。
    これで住むところも確保できたと思ったのに、現実は甘くないなと思う。
    他の仕事を探そうと雑誌を見るが【時給900円】良くてこれだ。
    住む所もないのに、どうしろと言うのだろう。私は途方にくれた。

    2005-08-31 19:31:00
  • 47:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    今週末にはあのボロアパートを出て行かなきゃいけない。
    それから私はどうなる?結局あんな奴でも母親がいなきゃ寝るところさえ
    ない・・・・悔しいけどそれが現実だった。
    《もう少し待ってもらおう。事情を話せば分かってくれるかも知れない。》
    とりあえず雑誌を鞄へ詰め込み、母の部屋から持ち出した煙草に火をつけた。

    2005-08-31 19:34:00
  • 48:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    《地獄で笑ってるんやろな。》
    そんな事を考えながら、煙草の煙を空に向かって吐いた。
    母はどうやって生きて来たのだろう。私を17歳で出産した。やっぱり体を
    売っていた?でも私には出来ない・・・母と同じ道は絶対に嫌だと思っていた。

    2005-08-31 19:37:00
  • 49:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    空はもう暗くなり1番星が輝いていた―
    「七恵?」向こうの方から誰かが歩いて来る。暗くてよく見えなかった。
    「七恵やろ?さしぶりやん!」「・・・・夕太?」
    あの日以来の再会だった。と言っても2週間ぶりくらいだったが、それは
    とても長く感じた。「1人で何してるん?」

    2005-08-31 19:42:00
  • 50:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「・・・・・。」その前に謝れよと思った。「なんで無視やねん!」
    「謝る事があるやろ?」夕太は黙って首をかしげた。
    「あの電話した日・・・・寝てたって嘘やん。」「はぁ?!本間やし!」
    「梨絵と一緒やったくせに!!」私は今までにない位感情をむき出しで言った。
    梨絵からのメールを見せると、夕太は唖然とした。

    2005-08-31 19:46:00
  • 51:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    どうやら私は梨絵にハメられた様だった。梨絵がそういう奴だって知っていたのに、
    アホだったと深く反省した。「んで何してるん?」夕太が話しを戻す。
    「嫌・・・仕事探し。。。。」夕太は母が亡くなった事も知らないだろう。
    「学校も辞めたんやろ?」「うん・・・」「何かあったん?」

    2005-08-31 19:51:00
  • 52:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「まぁ・・色々なぁ。」苦笑いをした。
    「何あってん?ってか連絡しろよ!電話も取らんし!」
    あの日以来夕太の連絡はいっさい取らなかった。もう2度と会う事もないと
    思っていた。夕太に話していいものか悩んだ。言った所でどうなる?
    心配をかけるだけだ。

    2005-08-31 19:53:00
  • 53:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    グルグル頭の中で考えていると、夕太が言った。
    「お母さんの事か?お前1人で考えてどうなるん?」「・・・・・。」
    「話せや!一緒に考えたるやん。」そう言われて抱えこんでいた物を
    吐き出した。夕太は合鎚だけを打ち黙って話しを聞いた。
    さすがに驚いていた様子だった。

    2005-08-31 19:56:00
  • 54:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「そんなん早く言えよ。大丈夫か?」「うん・・・。」
    「どうするん?」「だから仕事探しててんけどなぁ。」
    しばらく何かを考えていた夕太はいきなり立ち上がった。「荷物持って来いや!」
    「へっ?」「俺ん家来たらええやん。家親おらんし!」

    2005-08-31 19:59:00
  • 55:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    夕太の発言にビックリしつつ、ベンチから腰を上げた。今、私が頼れる人は夕太だけだ。
    少しお世話になって出て行けばいいと思った。それにこの時、また夕太だけはやっぱり味方だ…そんな都合の良い事を思った。
    この先、何が待ってるかも知らずに−−

    2005-09-01 23:48:00
  • 56:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    夕太に手伝って貰い、数少ない私の荷物を運び出した。長年住んだこのボロアパートともお別れだ。来週には無くなっているだろう。夕太の家まで歩いても15分位だった−
    初めて入る夕太の家に緊張しながら靴を脱ぐ。「お邪魔しまーす。」「おぅ…」短い廊下を抜けると、私は広さに驚いた。

    2005-09-01 23:56:00
  • 57:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「とりあえず荷物置けば?」そう言われ大事そうに抱えていた荷物を隅に追いやった。
    「七恵腹へらん?何か買いに行こや!」「うん…」そういえば今日は何も食べてなかった。私達はコンビニへ向かい適当に買い込んだ。「夕太!はい…」私は自分の分位と、お金を渡そうとした。「ええし…大事に使いなさい☆」私の全財産は5万円…情けなかったが夕太に甘える事にした。

    2005-09-02 00:13:00
  • 58:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    家に戻りテーブルに買って来た物を広げると、向かい合って座った。「お前ちゃんと食えよ!骨みたいやぞ。」「えっ?あぁ…ありがとう。」誰かと食事を一緒にするのは何年ぶりだろう。夕太が黙々と食べる中、私は人前で食べる事に慣れておらず中々、食が進まなかった。

    2005-09-02 00:17:00
  • 59:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「先入って来るやろ?」「えっ?何が?」「風呂やん!」私はいつも朝に入る…何より男の家で入っていいものか悩んだ。夕太は大丈夫。そう信じているが何があるか分からない− そんな事を考えていると見透かした様に夕太は言った。「覗かんし、何もせんから!」「うん…ごめん。」私は荷物の中から下着を出し夕太に部屋着を借りてお風呂へ向かった。「あっ!俺電話して来るから上がったら適当にしといてな。」

    2005-09-02 00:24:00
  • 60:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    そう言い夕太が出て行くのを確認すると、服を脱いだ。髪の毛と身体を綺麗に洗い流した。大きな浴槽が目に付いたが入らず、シャワーだけで済ませた。
    なんとなく夕太が帰って来る前に出ていたかった。

    2005-09-02 00:32:00
  • 61:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    脱衣所から出て部屋に戻る。夕太はまだだった。ホッとして、さっき買って貰ったミネラルウォーターを口に含んだ。
    ガチャガチャ−
    「ただいま〜。もう上がってたん?」「うん。」「んじゃ俺入って来るわぁ。」夕太が部屋から居なくなると、私はベランダへ出て夜風を浴びた。《これからどうしよう…》いつまでもここにいる訳には行かない。

    2005-09-02 00:37:00
  • 62:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    《私一人で生きていける?ずっと仕事が見つからなかったら?》不安がのしかかる…。
    「七恵ー!風邪ひくで!」ビクッとして我に帰った。
    部屋に戻り窓を締める。私がカーテンを閉めたと同時に夕太が喋り出した。「これからどうする気なん?」「………」「仕事捜すん?」「そのつもり。」

    2005-09-02 00:43:00
  • 63:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「さっき兄貴に電話しててんけど…仕事紹介してくれるって。」「本間に?!」「でも水商売やねん。お前出来るか?」水商売…あれは確か18以上だった。「でも私16やで?」
    「それは大丈夫らしい…でも無理やったら止めときや。」

    2005-09-02 00:51:00
  • 64:

    七恵 ◆bcw/PCgrX2

    「大丈夫!ありがとう。それってキャバクラ?」私はさっき求人雑誌で知ったばかりの言葉を言った。「詳しくは、知らんねん。明日兄貴に又連絡するわ。」
    私は心の中でたくさん感謝した。夕太がいなければ途方に暮れていただろう。私はこの日安心しきって、眠りに付いた。夕太と手だけを繋いで……。

    2005-09-02 00:56:00
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