小説掲示板【魔の召使い】のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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【魔の召使い】

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  • 1:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    冬も深まり始めた12月の事だった。友人のトモキが自殺した。原因はいじめ…。トモキとは幼い頃からの友人であり、よきライバルだった。だがいじめの事については一言も相談してくれなかった。トモキは俺に心配をかけないように自分一人で抱え込んでいたのだ。   《ちくしょう!!トモキの奴いじめなんかに負けやがって!なんで俺に相談してくれへんかったんや?力になってあげる事もできたかもしらんのに…》       疑問ばかりが頭の中をかけめぐる。考えても考えても答えなどでるはずもない。そうして俺が考えている間に形式だけの葬式は終わりを迎えようとしていた。火葬場に迎う前に最後にトモキの顔を見る事ができた。 マネキンのように無表情で生気のない顔だったが俺にはトモキがとても悔しがっているように見えた。

    2006-04-10 22:36:00
  • 172:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    『どうしたん?』    俺はじっとカオリの目を見つめた。カオリは恥ずかしそうにしながら下をむいている。もうすでに外は真っ暗なのに、耳まで真っ赤になっているのがよく解った。少しの間があった後、すごく緊張しているのかカオリは声を震わしながら言った。 「あんな…今日会ったばっかやのにノブユキ君の事好きになってしまったみたい。一目惚れとかした事なかってんやけどずっとノブユキ君の事が頭から離れへん。」《やっとこの時が来たか。》俺はそう思った。

    2006-04-28 18:58:00
  • 173:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    カオリはじっと俺の目をみつめている。おかげで俺も緊張してきた。《思い切って言ってみるか。多分大丈夫やろ。ガイコツの魔法がかかってるんやし。》   『じゃあさ、俺と付き合ってみーひん?カオリ俺のタイプやし俺も今フリーやし。』「えっ!いいの?」   カオリは少し驚いたようだ。まさか付き合えるとは思っていなかったのだろう。俺はにっこりと笑顔を向けて『もちろん!よろしく。』と手を差し出した。すると「こちらこそよろしく。」とカオリは俺の手を握った。

    2006-04-28 19:05:00
  • 174:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    その後カオリと別れ俺は自宅までの道を一人で歩いた。『ご満足頂けましたか?ご主人さま。』      俺は浮かれていてガイコツがいた事などすっかり忘れていた。《うわっ。さっきのん見られててんな。なんか恥ずかしいわ。》告白の場面を見られていた事に少し恥ずかしさを覚えながら「おう。大満足やわ。」 とだけ答えた。ガイコツは『ご満足頂けてとても光栄でございます。これからも何かあれば私に申し付け下さいませ。』      と自信満々に言った。《多分もう頼むことはないやろーな。》と俺は思ったが 『何かあったら頼むな。』とだけ言った。

    2006-04-28 19:15:00
  • 175:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    家の前に着き玄関に鍵を差し込んだ。《あれ?開いてる。》鍵はかかっていなかった。《おかしいな。俺ちゃんと鍵閉めたよな?》そう思いながら家の中に入った。家の中は普通に電気も付いている。俺はリビングに向かった。

    2006-04-28 19:20:00
  • 176:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    リビングにはオトンとオカンがいた。二人共ソファーに腰掛けている。オカンはひどく疲れているようだ。《あれ。オカンもう帰って来てるやん。あんな事あったのに早かったなぁ。》と思いながら俺はあえてオトンに話し掛けた。『オトンめっちゃ早いやん。オカンが今日残業って言ってたから帰ってくるんもっと遅いと思ってたわ。』   「そうやってんけどな、お母さんが事故に巻き込まれたって聞いたから、お父さんめっちゃ心配になって急いで帰ってきたんや。お母さんは無事でよかった。」オカンを気遣うオトンを俺はとても可哀相に思った。俺は全く知らないふりをしながら『そん時って誰も一緒におらんかったん?』    と聞いてみた。

    2006-04-28 19:31:00
  • 177:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    『あぁ、お母さんは買い物に行く途中で一人で歩いてたらしい。その時に突風が吹いてな、近くにおった知らん男の人に看板が落ちてきてんて!それでお母さんは目撃者やから警察に呼ばれてな、お父さんは警察まで迎えに行ってきたんや。いやーお母さんに当たらんで本間によかったわぁ。』とオトンはオカンから聞いた話しを俺に説明した。《はぁ?なにそれ?オトンめっちゃ騙されてるやん!知らん男の人?それ思いっきり不倫相手やん!》俺は怒りで気が狂いそうになりオカンを睨み付けた!オカンは事故のショックで真っ青になりうつむいていた。俺の様子を見たオトンは俺に向かって     『お前お母さんになんて目してるねん!お母さんは今大変やねんぞ!』    と大声を出した。その声で俺の押さえていた感情が一気に吹き出した!

    2006-04-28 19:46:00
  • 178:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    「てか事故にあった男って、本間に知らん奴なん?」俺はオカンを睨め付けながら冷たい口調で言い放った。オカンは何も言わずにずっとうつむいたままだ。   「なぁ!どうなん?」  俺はうつむいたままのオカンを問い詰める!だがオカンは全く俺に言い返さない。 『お前何言ってるねんしらん奴に決まってるやろ!それ以外に何があるねん!』痺れを切らしたオトンが答える。

    2006-04-28 20:01:00
  • 179:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    「うるさいな!俺はオカンに聞いてるねん!なぁどうやねん?黙ってないで答えろや!俺知ってるねんぞ!」《しまった…。》俺は熱くなりつい口をすべらしてしまった。その言葉をオトンが聞き逃すはずもない。  『なんや?お前何を知ってるんや?』       オトンは冷静に聞いてきた。オカンはまさかと言う顔をして俺をじっと見つめる。《もうこうなったらヤケクソや!浮気したオカンが悪いんやし。》俺は腹をくくった。「今日オカンが事故にあった時に近くにおった男ってな、しらん奴ちゃうで?その男はオカンの浮気相手や!!」 俺のその言葉で一瞬にして部屋は静まり返った。

    2006-04-28 20:54:00
  • 180:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    思い空気が部屋を包む…。『お、お前何言ってんの?お母さんがそんな事する訳やん…。』       静寂を破ったのはもちろんオトンだった。オトンは少し声を震わしながら俺に言った。《可哀相に…。認めたくないんやな。》だが俺はすでに全てを話す事に決めていたので話を続けた。   「俺な、今日駅前で見てんやん。オカンが知らん男と歩いてるん。んで悪いけど後付けさせてもらってんやん。じゃあどこいったと思う?オカンその男とラブホテル入って行ってんで?これが浮気じゃなかったら何なん?」それだけ言うと俺はその場にいづらくなり部屋へと逃げ込んだ。

    2006-04-28 21:13:00
  • 181:

    享楽 ◆MWWd7XAwZQ

    部屋の中に入り俺は鍵を閉めた。《やっぱり言わんかったほうがよかったかな?》すこし後悔した。しばらく経つとオトンの怒鳴り声が部屋まで聞こえてきた。きっとオカンも観念して浮気を認めたのだろう。俺はその声を聞きたくなかったので布団の中にもぐりこんだ。《早く話ついて夫婦喧嘩終わってくれ。》そう思いながら俺は目を閉じた。

    2006-04-28 21:25:00
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