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スターの隣☆

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  • 1:

    りょう

    書きます?ホスト物語じゃないですが…

    2005-08-11 09:29:00
  • 2:

    りょう

    窓硝子が雨を含んで、かすんでいる。
    教室の中は湿気がいっぱいで、私は窓辺でうとうとしてしまう。
    ここには、潮の香も、一つも望郷がない。
    『樫野さん、ねぇ、彼氏いるの?』

    2005-08-11 09:34:00
  • 3:

    りょう

    クラスメイトの一人の女の子がひとなつっこく、笑っている。
    『いないよぉ。』
    『へぇ〜じゃこの学校で好きな人はできた?』
    『私は好きな人いるよ。』
    『誰誰?』
    『私の好きな人は…。』
    みくというその子はいたずらっぽく目を光らせて私の言葉を待っている。

    2005-08-11 09:38:00
  • 4:

    りょう

    私は一つ、息を吸い込む。
    『私の好きな人は、五十嵐わたる。』
    みくは声を立てて可愛く笑った。
    『それ、芸能人じゃん〜。五十嵐わたるが好きなんだ。現実の人ではいないの?』
    『いないよ〜。』
    私も合わせて笑う。 わたるちゃん、こんなに君はもうみんなのわたるちゃん。
    いつも私が振り向くとそばにあった、あのきれいな声と、こっちまで嬉しくなる無邪気な笑顔は、遠い遠い向こう。 わたるちゃん、今でも君が大好きだよ。

    2005-08-11 09:44:00
  • 5:

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    削除されますた

    あぼ~ん
  • 6:

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    削除されますた

    あぼ~ん
  • 7:

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    あぼ~ん
  • 8:

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    削除されますた

    あぼ~ん
  • 9:

    りょう

    放課後、私は急いで帰宅する。
    転校して来て一ヶ月、もうここの道にも慣れた。

    2005-08-11 12:12:00
  • 10:

    りょう

    レス荒らしですみません。

    2005-08-11 12:13:00
  • 11:

    りょう

    今日はわたるちゃんの司会する番組がある。30分枠で夕方毎週放送される。

    2005-08-11 12:15:00
  • 12:

    りょう

    私は、テレビの向こうのわたるちゃんを見て、『元気でいるなぁ。』とほっとする。

    2005-08-11 12:17:00
  • 13:

    りょう

    一度だけ、一度だけあの春の日の夕方、わたるちゃんは私を抱いてくれた。
    何度も何度も、私はわたるちゃんの腕の温かさを頭の中で巻き戻す。

    2005-08-11 12:18:00
  • 14:

    りょう

    これから先、私がどんなに恋をしても、わたるちゃんが見える場所にいなくても、あの幸せな時を二度と忘れないように。

    2005-08-11 12:19:00
  • 15:

    りょう

    頭の中に焼き付けて、親しみのない新しい町の違う夕方に、一つため息をつく。

    2005-08-11 12:20:00
  • 16:

    名無しさん

    詩っぽいよなぁ?文

    2005-08-11 12:22:00
  • 17:

    名無しさん

    『わたるちゃんに会いたいなぁ。』
    私は小さいころ、引越しと転校を繰り返していた。
    父が全国に系列店を持つ、ファッションショップの役職をしていたから。

    2005-08-11 12:25:00
  • 18:

    名無しさん

    何度も引っ越しと転校を繰り返すうちに、だんだんと新しい学校で友達を作ることに嫌気がさしてきた。

    2005-08-11 12:26:00
  • 19:

    名無しさん

    仲良くなっても、また離れるばかりで友達作っても意味がない。
    新しい学校に変わっても、クラスの輪に溶け込もうとしなくなった。

    2005-08-11 12:28:00
  • 20:

    名無しさん

    家では音楽ばかり聞いて過ごした。
    父の仕事が忙しく、帰って来ない日もあった。

    2005-08-11 12:30:00
  • 21:

    名無しさん

    母はうまれた時からいなかった。
    わけは聞いたことがなかった。
    私は自分が生きていることに、いらいらして、小学二年生の冬、頭をハサミで虎がりにした。

    2005-08-11 12:33:00
  • 22:

    名無しさん

    床に私の長かった髪ががちらかった。
    夜の気配がこっちまでやってきて、私は寂しくて泣いた。
    父が出張から帰り、私の頭を見て心配をし、次の日、精神科につれて行かれた。

    2005-08-11 12:40:00
  • 23:

    りょう

    診察室の大きな水槽の中を、ネオンテトラがひらひら泳ぐ。 髭を生やしたお爺さんの先生が、紙芝居のようなものを持ってきた。

    2005-08-11 12:41:00
  • 24:

    りょう

    『ロールシャッハテストをしますので、お父さん、いったん診察室から出て下さい。』
    父は診察室から出ていき、私は先生と二人きりになった。

    2005-08-11 12:43:00
  • 25:

    りょう

    先生はにっこり笑って、インクをたらしたような模様の紙を見せると、何に見えるか答えるように言った。

    2005-08-11 12:44:00
  • 26:

    りょう

    私は小さい声で、模様を見ながら『月』とか『蜘蛛』とかいろいろ思いついたことを答えた。

    2005-08-11 12:46:00
  • 27:

    りょう

    先生はお爺さんで、深い目がねの奥の目が優しかった。
    だけど私は黙ったままネオンテトラ達を見ていた。

    2005-08-15 14:46:00
  • 28:

    名無しさん

    父が再び診察室に入ってきた。
    『対人恐怖によるよく欝状態ですね。ストレスでいらいらしたときに自虐的な行動に出る危険性があります。』

    2005-08-15 14:48:00
  • 29:

    りょう

    『孤独感が募って、自分の存在に対して苛立ちを覚えています。

    2005-08-15 14:51:00
  • 30:

    名無しさん

    先生はさらに続ける。『自分の存在に対して罪の意識を覚えてしまっています。このままお父さんが帰らない日があったりすると、自傷行為を始める恐れがあります。』

    2005-08-15 14:57:00
  • 31:

    りょう

    父は困った顔をしていた。私は一度、診察室から出て、待合室で父と先生の話合いを待った。

    2005-08-15 14:58:00
  • 32:

    名無しさん

    このころ、夜一人でいると心臓が激しく響いて、何もかもがいらだたしく不安で夜の闇に飲まれそうになってしまう。眠りも浅く、毎日が悪夢の中にいるように胸が苦しく、何もかもがめんどうで怖かった。

    2005-08-15 15:01:00
  • 33:

    りょう

    学校へ行っても話す友達もいないから、というより作る気がなかった。
    私は眠れない夜、散歩して道端のきれいな黒猫に話し掛けたりしていた。

    2005-08-15 15:04:00
  • 34:

    りょう

    精神科で軽いデパスという安定材をもらった。
    帰りの車の中で父は言った。
    『けいこおばさんとこに行くか。』

    2005-08-15 15:05:00
  • 35:

    名無しさん

    けいこおばさんは海辺の町に住んでいる、父の妹だ。
    私は別にどこに行っても一緒じゃん。と思った。
    『けいこはあきらのこと可愛がってくれるし、パパといるより寂しい想いしなくてすむよ』

    2005-08-15 15:08:00
  • 36:

    りょう

    パパは娘より仕事をとるんだ。
    私はもうどうでもよかったし、一人で家で膝を抱えて、夕方が夜に変わる瞬間を毎日毎日過ごすのもいやで、了解した。

    2005-08-15 15:11:00
  • 37:

    名無しさん

    父がいつも家に帰って来るなら、私は寂しくないのに、父はそれはせずけいこおばさんのところに私を預ける。私は自分はいてもいなくても一緒なんだと、胸が痛んだ。

    2005-08-15 17:35:00
  • 38:

    りょう

    引っ越しはすぐ行われた。
    けいこおばさんは優しい人で、私が引っ越した日、
    『あきらちゃん、よく来たねぇ。』と玄関で抱きしめて迎えてくれた。

    2005-08-15 17:37:00
  • 39:

    りょう

    ここは海が近い。潮の香がする。
    小学二年生の春休み、私は毎日浜辺を散歩した。
    ご飯の時間になるとけいこおばさんが迎えに来てくれた。

    2005-08-15 17:39:00
  • 40:

    名無しさん

    けいこおばさんはジャズシンガーをしていてクラブで毎晩歌っていた。
    私と夜ご飯を食べてから、仕事にでかける。

    2005-08-15 17:40:00
  • 41:

    名無しさん

    私も洋楽のポップスばかり聞いていたので、けいこさんのピアノ室のステレオを借りて鏡の前でダンスをした。

    2005-08-15 17:41:00
  • 42:

    りょう

    春休みが終わり、始業式がやってきた。私は朝から憂鬱だった。また学校へ行かなくてはならないのか…。
    式のあと、転校生として体育館で校長から紹介され、『3年1組』のクラスに入った。

    2005-08-15 17:44:00
  • 43:

    りょう

    今度は、父の仕事の都合で転校することもない。だけど私は話せなかった。
    クラスの女の子が話し掛けてくれる『ねぇねぇ、名前なんて言うの?』『…樫野あきら』『どこから来たの?』『東京』

    2005-08-15 17:46:00
  • 44:

    りょう

    うつむいたまま、必要な答えだけ話していたら、女の子たちは話しかけなくなった。
    クラスでは『しゃべれない子』と呼ばれた。

    2005-08-15 17:48:00
  • 45:

    名無しさん

    今までの学校でも話をしなかったので、何を話せばいいのかわからない。
    また一人ぼっちな気持ちが胸に込み上げてくる。

    2005-08-15 17:50:00
  • 46:

    名無しさん

    あの頃の私のことをわたるちゃんは言った。『あきらはなぁ、人形みたいやったで。どっかをぼぉっと見て、何考えてるかわからへんし、何も感情ないみたいに見えたわ。可愛かったけどなっ!』

    2005-08-15 17:53:00
  • 47:

    名無しさん

    自分からクラスメイトにも話しかけない、何か話しかけてくれても下を向いたままうなずいたり小さい声で答えたり。
    そんな毎日で4月が過ぎた。

    2005-08-15 20:19:00
  • 48:

    名無しさん

    けいこおばさんはそんな私を心配していた。担任からもクラスの輪に溶け込めていないと連絡が入っていたのだろう。
    私が学校から帰ってくると、ちょうど起き出したけいこおばさんが『学校どうやった?』と聞いた。

    2005-08-15 20:21:00
  • 49:

    名無しさん

    私が『普通だよ』と笑って答えると、『ほんまにあきらちゃんの笑顔はおばちゃんもうれしなるぐらい天下一品なんやで〜早くクラスのみんなにも見せたりや。』とぎゅっと抱きしめてくれた。

    2005-08-15 20:23:00
  • 50:

    名無しさん

    私の家の隣にも同じような一軒家があり、毎日毎日男の子たちがぎゃあぎゃあ騒いでいた。
    学校で見ることもあるし、背も少し大きいので上級生だと分かっていた。

    2005-08-15 20:25:00
  • 51:

    りょう

    父からは10日に一回、いろんなものが届いた。文房具や父のブランドの子ども服、ゲームやおもちゃ。嬉しかったけれど、会いに来てくれればいいのにと思った。

    2005-08-15 20:27:00
  • 52:

    名無しさん

    けいこおばさんは夜の10時になるとクラブへ仕事にでかけて行く。『あきらちゃんゆっくり寝るんやで。』一人になるのがいやで『おばちゃん、私も一緒に行く。』と抱きついたこともあった。

    2005-08-15 20:35:00
  • 53:

    りょう

    けれどけいこおばさんは『こどもは入られへんねん。もうちょっと大きくなってからな。』と悲しそうな顔で私の頭を撫でた。

    2005-08-15 20:36:00
  • 54:

    名無しさん

    眠れない夜は時々やってきた。
    私は胸が詰まるように痛くて、心臓の音が闇に響いて、涙が自然にぽろぽろこぼれた。
    いつも髪の毛をかきむしったり、手を血が滲むまで噛んだり、一人で鳴咽をした。

    2005-08-15 20:39:00
  • 55:

    りょう

    その日は私はけいこおばさんに鍵を預かっていた。
    東京でジャズの講演があるので今日は私は鍵ッ子。

    2005-08-26 13:21:00
  • 56:

    りょう

    帰宅途中、曲がり角を曲がった瞬間、自転車がぶつかってきた。
    私は転んでガードレールに頭をぶつけた。

    2005-08-26 13:22:00
  • 57:

    りょう

    そして下のどぶ川におばさんから預かって握り締めていた鍵を落としてしまった。
    転んだとき手を硝子の破片で切って血まみれになった。

    2005-08-26 13:24:00
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