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『君と居た証。』
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1:
あゆみ
2002年8月…私はとある駅前のガードレール下に座り込んでいた。 行く場所もなく頼る人もいなくてただ息をしているだけだった。
2005-09-29 19:04:00 -
51:
あゆみ
お弁当を食べてると玄関が開いた。私は少し恐かった…『忘れもんしたぁ〜おっどーも☆ゆっくりしていきなぁ♪トウヤあんま散らかすなよぉ』男はそう言ってすぐ出て行った。
2005-09-29 22:22:00 -
52:
あゆみ
『賑やかな奴やなぁ〜あれが俺の親友☆変な奴やろ?』トウヤは笑った。私も少し笑った。『初めて笑ったな☆可愛い顔して笑うやんけ☆』トウヤはそう言って濡れた私の髪をクシャクシャと撫でた。
2005-09-29 22:25:00 -
53:
あゆみ
トウヤはよく笑う。綺麗な顔が子供みたいに無邪気な顔になる。でもいつもその瞳の奥はどこか淋しそうだった。 『あ〜腹いっぱいやな☆あとはおまえの傷早く治ればいいな☆』
2005-09-29 22:29:00 -
54:
あゆみ
『ありがとう』 『何がやねん☆困った時はお互い様や』そう言いトウヤは急にマジメな顔をした。『多分おまえが心に負った傷は消えへん…でもちょっとでも薄くしていく事やったらできるんちゃうかなって思うからな。』
2005-09-29 22:32:00 -
55:
あゆみ
また涙が溢れた。 『辛かったな。苦しかったな。今は誰も信じれんかもしらん。でも世の中には悪い奴ばっかじゃないから。おまえを大事に思う人だっているから。俺はおまえの事知ったばっかや、でも今おまえの力になりたい。その気持ちはホンマやから。』
2005-09-29 22:35:00 -
56:
あゆみ
私は救われてた…それから3日が過ぎ私の傷は治り始めていた。トウヤが買ってくれた化粧品で化粧をすれば顔の傷はほとんどわからないほどだった。『だいぶ良くなったな☆』
2005-09-29 22:42:00 -
57:
あゆみ
もうすぐ帰らなくちゃいけない…トウヤとの別れ… 『今日は外でメシ食うか?』『うん☆』 私は久々に外に出た。 風が気持ち良かった。 私たちはファミレスでごはんを食べ少しドライブをして帰った。
2005-09-29 22:48:00 -
58:
あゆみ
その日の夜私は布団に入りテレビを見ながら眠りかけていた。トウヤは突然苦しそうに立ち上がりトイレに入った。中からトウヤが咳き込む声が聞こえた。私は慌てて起き上がった。『トウヤ?大丈夫!?』
2005-09-29 22:52:00 -
59:
あゆみ
しばらくして出てきたトウヤは何もなかったように 『ごめんごめんファミレスのご飯あたったんかな?』そう言って笑った。 私は安心した。何でもない。そう思っていた
2005-09-29 23:10:00 -
60:
あゆみ
私は安心して眠りについた。翌朝話し声が聞こえて目が覚めた。トウヤとこの家を貸してくれてたツレがいた。『おはよ☆』二人が声を揃えて言った。
2005-09-29 23:13:00 -
61:
あゆみ
『お…おはよ』 眠い目を擦りながら私は言った☆ 『今日こいつ休みやねん。だから邪魔しにきよった』『何やねんココ俺んチやんけ〜』
2005-09-29 23:15:00 -
62:
あゆみ
いつもどおりのトウヤ。トウヤの言ったとおり賑やかなツレ。『あゆみちゃんやんな?おれひであきやから☆』ひであきは無邪気に笑った。 この日は3人でドライブする事になった。
2005-09-29 23:17:00 -
63:
あゆみ
助手席に私、後部座席にひであき。ひであきは後ろから身を乗り出しはしゃいでいた。その日の夜ひであきの家に帰ろうとしていた時私は一番言いたくなくて言わないといけない事を口にした
2005-09-29 23:20:00 -
64:
あゆみ
『あたし帰る。帰らな…』ひであきは急に黙った。 『そっか。もう傷もだいぶ治ったもんな…』 一旦ひであきの家に戻りひであきは降りた。ひであきは『あゆみちゃんなんかあったらココに連絡してきてな☆』そう言って携帯番号の書いた紙を渡した。
2005-09-29 23:24:00 -
65:
あゆみ
『え?!』私は戸惑った。『もしなんかあったらさ☆』私はその時その意味が分からなかったがその紙を受け取り『ほんまありがとう』そう言ってひであきと別れた。
2005-09-29 23:25:00 -
66:
あゆみ
トウヤは黙ったまま車を走らせた。 『トウヤほんまありがとう。トウヤにあの時会えへんかったさあたしどうなってたんやろ…ほんまに…』私はまた泣いた。
2005-09-29 23:27:00 -
67:
あゆみ
トウヤは車を止めた『ほんまに泣き虫やなぁ〜おまえは笑ってるほうが可愛いねんで』そう言ってトウヤは笑ってみせた。『また会える?』私がそう言うと『当たり前やん☆』トウヤは私の頭を撫でた
2005-09-29 23:31:00 -
68:
あゆみ
車は私の家の近くに着いた。『ここでいいよ。』 『携帯買ったら連絡しろよ☆』 『うん☆』私は車を降り精一杯の笑顔で手を振った。
2005-09-29 23:36:00 -
69:
あゆみ
不安だった…別れたあとすぐに会いたくなった…家に帰り私は何もなかったようにただいまを言った。母はいつもどおりで安心した。その日私は眠れず朝になった。トウヤがいればすぐに眠れたのに…私は携帯ショップにかけつけ携帯を買った
2005-09-29 23:39:00 -
70:
あゆみ
私はすぐトウヤにメールを送った。電話するのが恐かったから。『助けてくれてありがとう。ほんまに感謝してる。』返事は意外とすぐきた。『俺もありがとう。おまえと出会えてよかったわ☆』うれしかった。
2005-09-29 23:41:00 -
71:
あゆみ
それから私たちは毎日電話やメールをした。幸せだと思えた。確かに私の傷は消えない。でもトウヤがいる事で薄れていく。あの日トウヤが言ってくれたみたいに… トウヤと離れて2週間…9月の半ば
2005-09-29 23:44:00 -
72:
あゆみ
『来週会いに行く☆』そんなメールが来た。うれしかった。また会える…。 それから3日後…突然トウヤから連絡が来なくなった。電話しても出ない…次の日も…会う約束をしていた日も連絡はこなかった…(何で…?)
2005-09-29 23:48:00 -
73:
あゆみ
私はふとあの日ひであきが渡してくれた紙を思い出しひであきに電話した。 『もしもし?あゆみちゃん?』 『トウヤから突然連絡こんくなってん…なんかしらん?どうしたらいい?』
2005-09-29 23:50:00 -
74:
あゆみ
『あっ…えっとあいつな〜事故りよって今入院してるねん』 ひであきは明らかに動揺していた。 『怪我したん?大丈夫なん?どこの病院?お見舞い行く!』 私はそう言った
2005-09-29 23:53:00 -
75:
あゆみ
『お見舞いゆうても京都やし…そんなひどくないから大丈夫やで☆退院したら連絡くるから☆ちょっと待ってあげてや☆なっ?』 『でも…』 『あいつだって怪我してダサい姿あゆみちゃんに見られたくないと思うしさぁ』
2005-09-29 23:56:00 -
76:
削除削除されますた
あぼ~ん -
77:
あゆみ
私はすぐ電話に出た。 『もしもし?』 『あゆみ?俺…分かる?』『分かるに決まってる…ずっと待ってた…』私は泣きだした。 『心配させてごめん。ひであきがおまえに番号教えてて良かった。俺のためにそんな泣くなよ…』
2005-09-30 00:01:00 -
78:
あゆみ
『だって…心配やって…不安やって…』 『ごめんな。明日会える?少しだけやけど…』 『会える…会いたい…』 (やっと会える…) 私はトウヤを心から好きになっていた
2005-09-30 00:04:00 -
79:
あゆみ
次の日の夜。あの日トウヤが送ってくれた私の家の近くのコンビニ前、私はトウヤの車を見付け駆け寄り車にのった。『久しぶりやな☆傷きれいに治ったやん。良かった…』
2005-09-30 00:06:00 -
80:
あゆみ
綺麗な顔…優しい目…会いたかった… トウヤは少しやつれていた。『怪我大丈夫?』 『おぅ☆もうすっかり』 トウヤは笑った。久々に見る優しい笑顔。このまま時が止まればいい…そう思った
2005-09-30 00:09:00 -
81:
あゆみ
『ちょっとしかおれんけどごめんな』 切ない顔でトウヤはそう言った。 理由を聞けず私は頷いた。幸せな時間はあっとゆう間に過ぎてしまう…まだまだ話したい事があった。 『もうすぐ行かな…』 『うん…』 その時トウヤは私の手を強く握った。 時間は―午前1時58分― 『2時になるまでこうしてて』
2005-09-30 00:15:00 -
82:
あゆみ
私は大きくて綺麗なその手を強く握り帰した。 ―2時00分― 『もう行くな…』 『うん。』 トウヤは悲しい顔をしていた。 私は不安に押しつぶされそうになりながら
2005-09-30 00:17:00 -
83:
あゆみ
『またすぐ会えるやろ?』そう言った。 『うん☆そやな』トウヤは笑った。好きだと伝えたかった…でも言えなかった。 私は車を降り手を振った。(今日会えたやん。またすぐ会える。次は好きって伝えよう)
2005-09-30 00:29:00 -
84:
あゆみ
おまえにあの日あんな事がなかったらおまえは辛い思いせんでよかった。でも俺はおまえに会えたことほんまに幸せやと思う。こんな別れ方でごめんな。幸せになってな】 わけがわからなかった…。(なんで…)
2005-09-30 00:36:00 -
85:
あゆみ
すぐにトウヤに電話した…出ない…何度もかけた…出なかった…わけがわからなくて、おかしくなりそうで、必死に私はメールを打った…【何でよ?出会えて良かったと思ってくれてるならそばにおってよ!一人にせんとって…お願い…】 返事は来なかった
2005-09-30 00:40:00 -
86:
削除削除されますた
あぼ~ん -
87:
あゆみ
私は慌てて電話に出た。 (ひであきなら…) 『あゆみちゃん?』 『なぁ…何で…』 『話があるねん…大事な話…会って話できる?』
2005-09-30 00:46:00 -
88:
あゆみ
私はすぐに出掛けた。 泣き続けて腫れて真っ赤な目のままで。そんなことどぉでも良かった。 ひであきの家についた。迎えに出てきていたひであきは悲しそうな顔をしていた。
2005-09-30 00:50:00 -
89:
あゆみ
あまりにも悲しそうなひであきをみて私は何も言えなかった… 私を部屋にあげひであきは口を開いた『あゆみちゃん…今から俺全部話すから…』そう言い少しの沈黙のあとまた口を開いた
2005-09-30 00:53:00 -
90:
あゆみ
『トウヤは…病気やった…手術しても治らんてゆわれて…それなら残された時間精一杯生きるって…それであの日俺に会いにきた…おれも知らんかった…それでその帰りあゆみちゃんを見つけた…これ…あいつが最後に残した手紙…』
2005-09-30 01:11:00 -
91:
あゆみ
―俺はもうすぐこの世からいなくなる。何となく終わりが来るって分かるねん。正直恐い でも不思議な事に落ち着いてる。さっきあゆみに会ってきた。かえってきてこれを書いてる。あゆみにはもう会われへんて言った。理由も言わず…傷つけたと思う…でもこうするしかなかった…俺にあいつを幸せにはできひんから…
2005-09-30 01:15:00 -
92:
?かよ?
ぁりぇへん…
すっごぃ切ないし??
ガンバッテ?2005-09-30 01:17:00 -
93:
あゆみ
あの日お前に会った帰りあゆみを見つけて、あいつは血だらけでしゃがみこんでた…俺があいつ見つけたんは運命やと思ってる。神様は最後に俺に生きる意味を教えてくれたんやと思う…俺には何もなくて生きるとか死ぬとかどぉでも良かった。
2005-09-30 01:22:00 -
94:
あゆみ
でもあゆみを見つけた時 生きてほしい。そう思った。だから俺はあいつの傍にいた…あいつのためってゆうより俺自身のためやったんかな…あいつが初めて笑った時ほんま可愛くてこいつにはほんまに幸せになってほしいて思った。できるなら俺がって…いつのまにか俺欲張ってた…
2005-09-30 01:27:00 -
95:
あゆみ
俺が倒れた日事故で入院したっておまえにまで嘘つかせてごめん。感謝してる。今日あいつに会えて良かった。俺が健康ならあいつに好きって言いたかった…抱き締めたかった…でもそれをしたらあいつを余計苦しめると思うとできんかった。
2005-09-30 01:31:00 -
96:
あゆみ
でもおまえにだけはわかってほしい。俺はあゆみを愛してる。あいつはほんまに辛い思いしたんやと思う…きっとこれから思い出して苦しむ事もあると思う…でもあいつには笑っててほしいねん。あいつは俺に最後にほんまに幸せくれた…短い時間やったけど色んな物くれた。俺生まれて来て良かったって思えた。
2005-09-30 01:35:00 -
97:
削除削除されますた
あぼ~ん -
98:
あゆみ
トウヤが死んだ… 私はただ静かに涙を流していた… 『俺にはこのまま隠す事なんてできんかった…ごめん…』 ひであきは泣いていた。 笑顔の奥が悲しそうだったのもあの日トウヤが咳き込んでいたのも今なら分かる…トウヤは一人で戦ってた…
2005-09-30 01:46:00 -
99:
あゆみ
それなのにこんな私を助けてくれた…最後の時間を私なんかのために使ってくれてた…なのに私は気付いてあげられなかった… 何で… 何であの日好きって言わなかったんだろう… もう届かないのに…
2005-09-30 01:49:00 -
100:
あゆみ
後悔ばかりが押し寄せてきた…私は泣いた…泣けるだけないた‥ ひであきは涙を拭いながら『俺が病気知ったんはあの休みの日やねん…でも悲しい顔すんなよってゆわれて…必死やった…それであの日あゆみちゃんに番号渡した。この日のために…』
2005-09-30 01:53:00