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『All along〜絆〜』

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  • 1:

    ◎由里です◎

    ?新スレ立てました。また書いてくので良かったら読んで下さい?

    過去スレです
    ?http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1119716895/1-200

    2005-09-04 20:10:00
  • 21:

    強さ・・・なんてカッコイイもんじゃないけど、晃太のために強くなる。もっともっと強くなろう。
    食事も終わり家に帰ってからもケガの話はせずに、野球の試合時間はDVDを見たり普通に過ごした。次の日からも晃太は病院に通って、専門医に経過を見てもらったりとにかく毎日必死で頑張ってた。
    そんな晃太を見て、私は初めて分かった気がした。ただ生まれ持った才能で好きなことを仕事にしてチヤホヤされてただけじゃないと。

    2005-09-06 07:38:00
  • 22:

    野球一本で食べていける人間なんてほんの一握りだけだってことが。才能だけじゃない、見えない努力があったからここまできたんだなって。
    スポーツ選手はホントに大変だ。投手なら肩や肘が壊れればもう絶望に近い。野手は打てなくなれば終わり。サッカー選手だって走れなくなれば・・・そんな環境に身を置いて日々みんな頑張ってるんだ。

    2005-09-06 07:42:00
  • 23:

    そして、晃太が出るのをずっと楽しみにしていた日本シリーズを迎えた。もちろんそのグランドには晃太はいない。
    それでも晃太は腐らなかった。弱音も吐かずに、勝ってほしいと口にしてた。私達は球場にも行かず、ずっと家でテレビ観戦だった。初戦は勝った。次の二戦目も勝った。
    やっぱり晃太のチームは強かった。でもそこには晃太がいない。私は喜ばなきゃいけないのに少し悲しかった。

    2005-09-06 07:48:00
  • 24:

    でも・・・三戦目、四戦目、五戦目と負けてしまい残すはあと二試合になった。
    相手が先に一勝すれば、日本一の優勝チームになる。晃太のチームが勝つには残りの二試合、両方勝たなければ優勝できない。
    晃太はずっと心配そうだった。でも、そんな思いも届かずに六戦目も負けてしまい、悲願の優勝を逃してしまった。

    2005-09-06 07:54:00
  • 25:

    こんなこと思っちゃだめだけど、私は少しホッとしていた。晃太のいないまま日本一にならなくて良かったと。
    この借りは、この先晃太に返してもらえるようになったって。あのリーグ優勝の輪の中ではしゃいでた晃太を、今度は日本一の舞台で見たかったから・・・。
    晃太本人はテレビを見ながらイライラしてた。エラー、デッドボール、敬遠。目につくものが多すぎたせいで平常心ではいられなかったみたいだった。

    2005-09-06 07:59:00
  • 26:

    「晃太が来年この借り返しなよ。また大暴れすればいいじゃん。でもそれより早く足治して頑張ろうね」
    「そーだな。少しずつ良くはなってきてるしキャンプインするまでには大丈夫じゃないかな?あとはキャンプで調整すれば完璧だと思うよ」
    そう言って晃太は笑った。良かった・・・やっぱり晃太は笑顔でいる方がいい。こんなに優しい顔するんだから。

    2005-09-06 08:03:00
  • 27:

    それから順調に良くなり、秋季キャンプを迎えた。万全ではない状態だったけど、キャンプで完璧にすると言って晃太はキャンプ地に向かって行った。
    キャンプは約一ヶ月ある。晃太が行く直前、一ヶ月は長すぎるなぁとまた少し寂しくなっていた時、晃太が言ってくれた。
    「長すぎて由里また余計な心配するだろうから遊びにおいで」
    って。だから会いに行けることになった。でもやっぱり不安はあった。以前のあの週刊誌や面倒な人がいたらどうしようって。

    2005-09-06 08:11:00
  • 28:

    でもそんなことはすぐに忘れた。もうそんなことで悩んだりするのもバカらしくなったから。会いたいなら会いに行けばいいって、そう思えた。
    晃太が行ってから一週間、その間に私は久しぶりに実家の浦安に帰っていた。お母さんと会うのもあの晃太が挨拶に来た時以来だった。
    少し小さくなった気がしたお母さんと妹達と久しぶりに一緒に食事したり色んな話したり。つかの間の幸せな時間だった。

    2005-09-06 08:15:00
  • 29:

    「矢口さんケガはもう大丈夫なの?」
    そうお母さんに聞かれた私は、今までの病院でのことやリハビリの話をたくさん話した。安心した顔をしたお母さんを見てると、晃太のこと心配していたんだなぁと思った。
    「お母さんは大丈夫?仕事無理してない?だめだよちゃんと言わなきゃ」
    私はホステスをしていた間、月に15万円をずっと実家に入れていた。夜の世界を上がった時も、貯め続けていた貯金400万円をお母さんに渡した。

    2005-09-06 08:21:00
  • 30:

    どうしてそんなことするの?って思う人もいたかもしれない。せっかく貯めたのにって。でも、私達が小さい頃からずっとお母さんは頑張ってたから。
    女一人でずっと頑張ってた。そんなお母さんを私はすごく好きだし誇りに思ってる。だから大切にしたいって。
    晃太にその話をした時、俺も親孝行したいって言った。そして晃太は自分の実家と私の実家に、毎月仕送りをしようって言ってくれた。

    2005-09-06 08:26:00
  • 31:

    私がホステスを辞めて、自分での仕送りができなくなるのをお母さんは分かってた。でも辞めてからも毎月変わらず振り込んでた。
    「由里?そういえばもうお金はいいから。仕事も辞めて貯金まで渡してくれたのに・・・。充分すぎるくらい由里にはしてもらったんだから」
    お母さんは突然そう言ってきた。

    2005-09-06 08:31:00
  • 32:

    「いいよ大丈夫だから。晃太がね、昔の話とかお母さんの話したら由里の親は俺の俺みたいなもんだろって言ってくれてさ。だから晃太の親にも由里の親にも親孝行していこうって」
    私がそう言うとお母さんの目には少し涙がにじんでいた。昔より小さくなった体、しわの増えた目尻、お母さんも年をとったなぁって思った。
    「由里ありがとう。ごめんねこんなお母さんで。もっとしっかりしてたらあんたももっとちゃんとした人生歩めたのに」
    お母さんの声は震えてた。

    2005-09-06 08:37:00
  • 33:

    「そんなことないよ?めちゃくちゃいい人生だし。普通の子より由里のほうが苦労は多くてもいい生き方してるし。お母さんの子なんだからさ。それだけで幸せじゃん」
    私がそう言うと、お母さんは泣いてしまった。そして、私もまた泣いてしまってた。いい涙。悲しくて流す涙じゃない。嬉しくて流せる涙ってきっとすごく素敵なものだよね。

    2005-09-06 08:42:00
  • 34:

    「ちょっとぉー、お母さんもお姉ちゃんも何泣いてんのよ!?もーヤダー」
    近くに座っていた恵里と美恵もびっくりして泣いてしまった。よく泣いたなぁ、この家で。昔と変わらない。悲しくたって苦しくたってみんなで泣けば寂しくなかった。
    これからは、こんな風に嬉しくて流す涙が増えるといいのになぁ・・・。

    2005-09-06 08:47:00
  • 35:

    家族の絆は深いものだから。切っても切れない血の繋がり。知らないうちに似てしまってる性格。長い時間を過ごすからこそ喧嘩もするけど、誰かが困ってると絶対に助けてくれる。
    友達や恋人は裏切るかもしれない。離れることがあるかもしれない。でも家族はそうじゃないから。
    ずっとずっと変わらずに残るものだから。

    2005-09-06 08:51:00
  • 36:

    約一週間、久しぶりに実家でそうやって過ごしてた。お母さんと料理作ったり妹の恋愛相談のったり。楽しい時間はホントにあっという間だった。
    そして、帰る前日にはお母さんとお酒を一緒に飲んだ。昔話をしたり昔の写真やビデオを見たり。ずっとニコニコ顔で話しているのを見てると、お母さんにとって私はいくつになっても子供なんだなぁって思った。
    そしてこれからも、ずっとずっと私のお母さんなんだなぁって。照れ臭いけど、ホントにお母さんの娘で良かったって思った。

    2005-09-06 08:59:00
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