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夜空に咲く花

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  • 1:

    初めから分かってた。

    好きになっちゃいけない相手だってこと。

    初めから分かってた。

    2006-08-08 19:51:00
  • 2:

    叶わない恋になることも。

    初めから分かってた。

    分かってたのにね。あたしはあの子じゃないのに。あなたの好きな…あの子じゃないのに。

    2006-08-08 19:54:00
  • 3:

    人を好きになるっていいことばかりじゃないんだと、いい歳こいて思ったんだ。

    格好悪いけど、あたしはいやなことばかりしかなかったから。

    傷ついて泣いてもあたしを抱きしめて包んでくれる人はいなかった。

    2006-08-08 19:58:00
  • 4:

    泣いたら泣きっぱなし。泣き疲れて泣きやめるまでひたすら泣いてた。

    悲しかったからとか寂しかったからとか、そんな気持ちで泣いてた時もあった。

    でもいつからか違ってたんだよ。あたしは自分の情けなさ、弱さに悔し泣きしてたんだよね。

    2006-08-08 20:01:00
  • 5:

    あたしは自分に言い訳してどんどん嫌な女になってた。

    好きだからいい、好きなんだからしょうがないって。

    彼女のいる人だって分かってたのに…ただ好きだって気持ちだけで突っ走ってた。

    2006-08-08 20:05:00
  • 6:

    でも突っ走って残ったものはたくさんの涙と喪失感だけだった。

    優しい言葉かけられて…それをまた素直に信じて。

    彼女のいる人の言葉を…純粋に受け止めてしまってた。初めから分かってたのに…あたしは一番にはなれないってことくらい。

    2006-08-08 20:09:00
  • 7:

    傷つくことを分かっていながら、それでもあたしはあの人を好きになってしまった。

    もちろん傷ついた。でもあたしも人を傷つけてしまった。

    哲平ごめんね。これ以上そばにいるとあらゆる全てのものを壊してしまいそうで怖かった。

    2006-08-08 22:07:00
  • 8:

    好きで好きでどうしようもなくなっていく自分が怖かった。哲平が欲しくてたまらなかった。

    だからあたしは決めたんだよ。

    哲平や哲平の彼女を困らせるような嫌な女になるくらいなら大好きな哲平から離れようって。

    2006-08-08 22:11:00
  • 9:

    でも苦しくて寂しくてどうしようもなくて…

    自分で決めたはずなのに。もう会わないって言ったのはあたしなのに…。あの時の哲平の声が…哲平の顔が…哲平の涙が…忘れられない。

    あたし達の歩いてた道はまっすぐでもなくキラキラしてたわけでもなかった。

    2006-08-08 22:17:00
  • 10:

    暗くて長い静かな道だった。

    でもね、あたしには一瞬だけ見えたんだよ。

    そんな暗い静かな長い道の先にも、一筋の小さな光は確かに見えてたはずだった。

    2006-08-08 22:20:00
  • 11:

    あたしが好きになった男、神崎哲平と出会ったのは去年の夏の始め頃だった。

    出会いは仕事。あたしは長く働いていた水商売を上がり、地道に生きようと職を変えた。

    でもお金だって稼ぐ額が全く違うし仕事ってこんなに疲れるものなんだと知って正直三日目には飛びかけてた。

    2006-08-08 22:28:00
  • 12:

    そんなあたしだったわけだけど、なんとか三日目は乗り切って無事に仕事から帰ろうとした時、声がかかった。

    『橋本さん?』

    あたしをそう呼んだのは哲平だった。哲平は、あたしの働き始めた仕事先の人ではなかったけど、同じグループ会社の人だった。

    2006-08-08 22:36:00
  • 13:

    『あ、はい』
    『てゆうか話聞いた?明日からのこと』

    『えっ?なんのことですか?』
    『えーっ?まじで?あんな、勉強会ってゆうか研修があるから明日から一週間くらいうちのほうに研修きてもらなあかんねやん』

    2006-08-08 22:43:00
  • 14:

    名無しさん

    ?

    2006-08-09 00:33:00
  • 15:

    話を聞いてみると、いわゆる新人研修とやらに行かなければならないらしく、面倒くさいことに少し遠い隣の隣の市まで行くことになっていた。

    『今めっちゃダルーと思ったやろ(笑)』

    『いえ…そんなことないですよ』

    2006-08-09 00:40:00
  • 16:

    『嘘ばっかりー。顔にあからさまにダルい!って出てたで(笑)』

    あたしを見て神崎さんはめちゃくちゃ笑ってた。確かにダルいとは思った。でも不思議と神崎さんの笑った顔を見てると、そんなことはどうでもよく思えてた。

    第一印象:爽やかな好青年。笑顔の似合うかっこいい人。

    2006-08-09 00:45:00
  • 17:

    『とりあえず場所だけ説明しなあかんなぁ。駅おりてからの簡単な地図書いといたから分からんかったらまたここに電話してくれる?』

    早速ケータイ番号!?と思って少しドキドキしたのもつかの間だった。

    そこには思いっきり仕事先であろう番号が書かれてあった。

    2006-08-09 00:49:00
  • 18:

    『あ、分かりました。じゃ…お疲れ様でした』

    『あっ、明日ちなみに9時までに来てくれたらいいから。楽しみに待っとくわ』

    そう言って神崎さんはまた笑顔であたしに手を振っていた。うーわ…あかん。めっちゃいいかも…こんなに笑顔似合う人ってなかなかおらんやろ。

    2006-08-09 00:53:00
  • 19:

    軽くときめいてしまったりしたあたしは恥ずかしくなると顔が赤くなりそうだったし、早々とその場から帰った。



    …って明日9時!?一体何時に出て何の駅で乗り換えたりしなあかんの?家に帰ってからは一人でずっとそんなことを考えていた。

    2006-08-09 00:56:00
  • 20:

    翌朝、眠い目をこすりながら面倒くささと楽しみとの両方で複雑なテンションなまま用意を済ませると、早すぎるぐらいの時間にあたしは家を出た。

    水商売の頃は遅刻や欠勤なんて当たり前のようにしてたけど、そんなわけにもいかないわけで。

    ましてや研修に行くのに遅刻は絶対いけないと思い、かなり早めに着くように家を出たわけです。

    2006-08-09 01:02:00
  • 21:

    それからめったに乗らない違う路線の電車に乗り、おりたこともない駅で乗り換えをしたりしながらようやく目的の駅にたどり着いた。

    隣の隣の市といっても県が違うし全く知らない街ね…ちなみにあたしは大阪。聞いてないか。

    神崎さんに渡された地図を見ながら改札を抜けると、あたしは朝からびっくりするくらいテンションが上がってしまった。

    2006-08-09 01:09:00
  • 22:

    『あーっ!!何してるんですか!?』

    改札のすぐ横に神崎さんが立っていた。

    『何してるんですかーちゃうやろ(笑)もし迷ったりしたらあかんなぁと思って。そんなん考えとったらきりないから迎えにきて待っといたろうと思って。イイ奴やろ?俺』

    2006-08-09 01:13:00
  • 23:

    そう言って神崎さんはまたいつもの笑顔で笑ってた。

    イイ奴ってゆうか…めっちゃイイやん!って心の中で叫んでた。やっぱり研修って不安なとこもあったし、まして知らない場所やったりしたから。だからほんま単純に嬉しかった。

    『ってゆうか来るん早すぎやけどな(笑)まぁいーわ。モーニングでも行って行こか』

    2006-08-09 01:19:00
  • 24:

    それから喫茶店でモーニング食べながら軽く話をした。

    見た目はスーツが似合うししっかりしている神崎さんは三、四歳くらい年上だと思ってたけど聞いてみればあたしの一つ年上なだけだったらしく、逆に親近感がわいた。

    仕事でも若いのに役職は主任。ますますいいやん!みたいな感じだった。

    2006-08-09 01:30:00
  • 25:

    『でな、こうゆう場合はな、って話聞いてるかー橋本さん』

    また笑ってあたしをみる。ごめんなさい…全然聞いてません。だってなんか緊張するしドキドキするし…なんてことは到底言えず。

    『聞いてますよー神崎主任』

    2006-08-09 01:38:00
  • 26:

    『てか橋本さん入れろって押しまくったん俺やねん。たまたま向こう行ってた時に三人のうちどの子を採用するかって履歴書見ながら相原主任とかみんなが言っててな。俺は絶対この子がいい!って言って。で、決まってん(笑)』

    『ほんとですかー?』

    2006-08-09 01:42:00
  • 27:

    ん?待てよ…
    そういえばそんな話聞いたような…あたしを入れましょうって積極的やった人がいたって。あれって神崎さんのことやったん?
    じゃあ神崎さんの押しがなかったらあたし不採用やったかもしれんってことやん。

    って思いながらもまた一人で嬉しく思ってた。

    2006-08-09 01:46:00
  • 28:

    名無しさん

    超期待

    2006-08-09 18:01:00
  • 29:

    『ほんまやで。だって履歴書の写真ばーり可愛かったもん』

    嬉しかった。嘘でもそう言われただけであたしは今日1日がすごく楽しく過ごせそうなそんな気がした。

    『やっばもう9時やん!行こかそろそろ』

    2006-08-09 20:52:00
  • 30:

    そうして喫茶店を出たあたしと神崎さんは、仕事先へと向かった。

    『ちっこいなー。ヒールはいててこんなんやったらぬいだらもっとちっちゃいん?って当たり前か(笑)身長いくつなん』

    並んで歩いているとふと神崎さんがそう言った。

    2006-08-09 20:55:00
  • 31:

    『156ですよ。普通でしょ?』

    『そんなにあるかー?なんかもっと小さく感じたわ。まぁ女の子は小さいほうが可愛らしいけどな』

    神崎さんの言葉ひとつひとつがあたしをドキドキさせる。

    2006-08-09 21:02:00
  • 32:

    名無しさん

    2006-08-11 23:24:00
  • 33:

    それから仕事先に着くと、まずあたしは朝のミーティングの場に一緒に連れていかれた。

    初めての場所なうえ、周りは知らない人間ばかりで正直あたしはガチガチに緊張してた。

    『みんなとりあえず紹介しとくわ。今日から一週間ぐらいここで研修することになった橋本さんです』

    2006-08-11 23:37:00
  • 34:

    『よろしくー』
    『橋本さんって何歳ですか?』
    『緊張せんくても大丈夫やで。みんないい奴らやし。アットホームなだけが取り柄みたいなもんやから』

    次々にみんな声をかけてくれる。あたしはホッとしてやっと固かった表情も少しやわらいだ。

    2006-08-11 23:43:00
  • 35:

    『とりあえずお前らは通常どうり仕事始めて。俺は色々教えなあかんこととかあるから今日はちょっと橋本さんにつきっきりなるかもしれんけどサボらんと頑張れよ!』

    神崎さんがそうみんなに言うと、みんながクスクス笑いだしていた。

    『お前らなんやねん(笑)人の顔みて笑うな』

    2006-08-11 23:47:00
  • 36:

    『黙ってさっさと仕事しろ仕事ー。じゃ、橋本さんこっち来てくれる』

    神崎さんはそう言うと部屋を出て廊下に出ると、奥にある別の会議室へとあたしを誘導してくれた。

    たくさんのテーブルとイスとホワイトボードしかないその会議室は、殺風景でやたらと広かった。

    2006-08-11 23:58:00
  • 37:

    名無しさん

    2006-08-12 23:16:00
  • 38:

    『昼飯なに食う?』

    はっ?と思ったのもそのはず。今から研修が始まるというのに神崎主任は早速お昼ご飯の話をふってきたからだ。

    『さっきモーニング食べたところじゃないですか。もうおなかすいてるんですか?』

    2006-08-14 02:11:00
  • 39:

    笑いながらそう答えたあたしを見て、神崎主任は照れくさそうに笑ってた。

    この顔…めっちゃいい。優しい顔をして笑う。この笑顔に吸い込まれてしまいそうになる。

    『ほんなら始めよか。じゃあこの資料渡すから目通してて』神崎さんはそう言うと、座っていた椅子を少し後ろにずらしてた。

    2006-08-14 02:16:00
  • 40:

    目が点になる。この体勢はもしや…学生時代によく見た光景。

    神崎主任は大きくあくびをしながらそのまま寝てしまった。スースー寝息をたてながら…。

    あたしは唖然としながらも、神崎主任の寝顔を見ているととても愛おしく思えてきて、静かに言われたとおり資料に目を通した。

    2006-08-14 02:21:00
  • 41:

    神崎主任が眠ってから一時間が過ぎようとした時、急に机の上の携帯がブーブーと鳴った。

    会議室はバイブで響く音にうめつくされていた。でも、神崎主任は起きる気配すらない。

    それでも電話は鳴り続けていた。

    2006-08-14 02:24:00
  • 42:

    もしかしてアラーム!?ふとそう思ったあたしはそばで鳴り続ける携帯に手をのばした。

    ━着信中 加奈━

    ディスプレイを見て変な動揺がした。少しズキッときたような感じ?変な気分だった。

    2006-08-14 02:28:00
  • 43:

    加奈…か。誰やろう。彼女?そうなんかな?

    あたしは複雑な気持ちでいっぱいだった。

    きっとこの頃からあたしは神崎主任に惹かれてたからなんだと思う。あの笑顔が…好きになっちゃってたんだよ。

    2006-08-14 02:31:00
  • 44:

    コンコンッ…
    突然のノックの音にびくっとしたあたしがドアのほうを見ると、一人の女の子が会議室へと入ってきた。

    『あーあ、また主任寝てるやん…まぁしゃあないかぁ昨日夜中まで仕事してたみたいやし。』ブツブツ言いながらその子はあたしのそばにきた。

    2006-08-14 02:34:00
  • 45:

    『橋本さんご飯いこ!主任多分しばらく起きひんし。もう12時半やしさ。おなかすいたやろ?いこいこ!』

    そう言ってその子に手をひかれながら、あたしは会議室を出た。

    『由希なぁ、今日パスタ食べたいねんやーん。だからパスタいこ!橋本さんパスタでもいい?』人懐っこい話し声で彼女はあたしにそう聞く。

    2006-08-14 02:39:00
  • 46:

    『いいですよーパスタ好きやし』

    あたしの答えを聞いて、彼女は嬉しそうにはしゃいでいた。こういう子…あたし結構好きかも。

    正直同性って苦手なとこが多々あるけど、この子はイイ子っぽいなぁと思った。

    2006-08-14 02:43:00
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