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子宮筋腫と私
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1:
わたしは20代後半のキャバ嬢です。もう子宮筋腫と6年もお付き合いしています。最初から今までを書きます。同じ病気で苦しんでる人や全く知らない人もみんな読んでくれたら嬉しいです。
2005-05-27 10:28:00 -
31:
としからの悲痛なメールは涙でよく見えませんでした。
「あたしは子宮筋腫でもうすぐ入院して手術しないとあかんねん。今まで黙っててごめんね」涙を拭いながらメールをしました。
「それって助かるの?入院っていつ?入院するまで逢える?」としのメールはいつもより返信が早い。
「入院は1ヶ月後やけど、助かると思うしあたしも精神的に不安だからとしが支えになってほしい」まだ涙が止まりません。2005-05-27 10:57:00 -
32:
普通の状況ならそんな婚約者がいる相手と付き合うことなんてないです。でも病気で不安だし何かにすがりつきたかったから私は彼と付き合い続けることにしました。婚約者には悪いけど…
次の週、彼とデートをする約束をしました。彼はファミレスの店長だから休みなしだけど、その日は昼までにやることを済ませて出来るアルバイト君にお店をまかせて、車で迎えに来てくれました。2005-05-27 10:58:00 -
33:
その日、彼とイタリアンを食べに行きました。相変わらず生理で出血がひどい私を彼は気遣ってくれました。量が多く水みたいな生理が出るので彼の車の助手席にまで付いてしまいました。でも腕を組んで歩いたり冗談を言いあったり町中でキスしたり、本当に愛し愛されてるって実感して、その時は病気のことを忘れていました。
彼が「ホテルに行きたい」と言いだしました。
「そんな体ってわかってるけど、もっとそばにいたい。その病気って大丈夫なの?」2005-05-27 10:59:00 -
34:
私は「えぇ!?どうなんだろう?やっていいとか知らないねん。今度先生にきいてみるから今日は帰ろう」と彼をなだめるように言いました。
「わかった!朝までそばにいるよ」と彼は言い、車で朝までドライブしました2005-05-27 11:00:00 -
35:
次の検診の時、私は恥ずかしい思いをしながら先生にききました。「先生!sexはしてもいいんですか?」と顔を真っ赤にしながらうつむき加減で言いました。
先生は「sexですか?大切なことですからね、よくきいてくれました。恥ずかしがらなくていいですよ?ですが、あまり性交渉はされないほうがいいです。筋腫がこれだけ大きくなってますし、破裂でもしたら危険ですよ。でも激しくなければ大丈夫だとおもいます。彼氏いてるのですか?」と少し微笑みながら答えてくれました。2005-05-27 11:00:00 -
36:
次の週、彼と天保山に行きました。
彼に先生から言われたことを告げました。すると彼は「おまえのことほんまに愛おしいから無理しなくていいよ。一緒にいてくれるだけでいいから。愛してるよ!手術がんばるんやで」と言いその日は普通にデートしただけで終わりました。ドライブの最中、彼の携帯がなり、彼は『んぁ〜あ、寝てた…ごめんなまた電話するわ』と言い電話を切りました。婚約者からです。私は彼女の気持ちを考えると罪悪間でいっぱいになりました。でも私は彼のことが好きで好きでたまりませんでした。また来週逢う約束をしました。2005-05-27 11:01:00 -
37:
相変わらず点滴をうけに病院に行く毎日が過ぎ、あと一週間で入院、仕事も昼夜両方ギリギリまで続けました。昼も夜も『入院するんで辞めます』と言いました。やりたいこともあったから週一回教室に通ってて、いい線までいってたけど諦めました。今はそれどころではありません。
2005-05-27 11:02:00 -
38:
私の父方の家系に筋腫やガンの人が多いことを知りました。先生も「腫瘍は採取してからでないと悪性か良性かはわからない」と言っていたので、ガンだったらどうしようと少し不安になりました。でもたかしが『大丈夫だよ。助かるから』と毎日励ましてくれました。今は貧血を治すことに専念しようと、毎日レバーばっかり食べていました。
2005-05-27 11:03:00 -
39:
彼と姫路に行きました。最後のデートです。二人で姫路城を散策してチャンコ屋さんの個室で誰にも邪魔されずに二人っきりで食べて、本当に幸せで、彼ともっとそばにいたいと思い、帰りにホテルに行きました。
彼が「本当に大丈夫なの?俺はおまえのすべてが好きだからこれも愛おしいよ」と私の下腹をなでながら言います。「大丈夫よ!とし、愛してるよ」と体を重ねました。
彼は優しくいたわってくれました。彼と私は見つめあい、そして、キスをしました。私は婚約者に対する罪悪感と病気の不安とが交差して、彼の目を見ながらベットの上で泣きました。2005-05-27 11:04:00 -
40:
ホテルを出て、彼が家まで車で送ってくれました。そして私はある決意を彼に告げました。
「お願い、別れよう…」
彼は、はじめびっくりした顔をして、10秒後目から大粒の涙を流しました。
「なんで?イヤや!ほんまに好きやねん!愛してるねん!俺が婚約者おるからか?俺が今りりぃの心の支えになるのは無理なんか?」と彼は号泣して言いました。
「ごめん、わかって…あたし彼女に対して罪悪感でいっぱいやねん。としのことはほんまに好きやしずっと一緒にいたいけど、あたしは治療に専念するし、としはこれから彼女だけを見てあげてほしい」と私も泣きながら言いました。2005-05-27 11:05:00 -
41:
しばらくしてから彼は「わかった……手術頑張るんやで!別れても俺はずっとりりぃを想って手術が成功することを祈ってるから」と言い
「愛してる!今度生まれかわったら今度こそは一緒になろうね!」と私に言いそして痛いほど抱きしめてくれました。
「うん…うん」と泣きながら答え、私たちは別れました。家に帰ってからメル友のたかしに「としと別れた」とメールすると、たかしは「つらかっただろうけど、これからは俺がいてるから頑張って早く元気になろうね!」と返信してくれました。私は朝まで泣きました2005-05-27 11:06:00 -
42:
入院二日前、病院で採血をしました。手術に備えて出血多量に陥った時に自分の血を輸血するためです。400cc採りました。注射針が今まで見たことないくらい太くて私はびっくりしました。
そして入院当日、私は母と一緒に病院に行きました。母は心配なのか私から離れようとしません。「大丈夫!死ぬ病気じゃないんだし、採ったらまた元気になれるよ」と母をなだめました。2005-05-27 11:07:00 -
43:
手術にむけて、心電図や採血、そして絶飲絶食をしました。同じ病室の患者さんは美味しそうに食べているのに、私は水さえも採ることが出来ません。
手術当日、心配なのか、両親、兄弟、おばさんみんな集まってくれました。「みんな大げさやで!手術は2時間くらいで終わるから大丈夫やって」と逆に私がみんなを励ましたくらいです。2005-05-27 11:07:00 -
44:
手術前に麻酔をしました。腰椎麻酔と言って腰から麻酔薬を入れます。そして手術のために安定剤を飲みました。
手術室に向かう私を両親が心配そうに見ます。「外で待ってるから頑張ってね!」と母は泣きながら言います。「いってきます」と手術室に入りました。2005-05-27 11:08:00 -
45:
手術室は「こんなんドラマで見たことあるわ」っていう感じの部屋でした。でも安定剤と麻酔薬がきいてきたのか私は眠ってしまいました。
「パンっ!」と手をたたく音がして「起きて下さい!手術終わりましたよ!ご家族の方みなさん外で待ってますよ」と看護婦さんが言いました。
うぅ…目が覚めた瞬間、体に違和感と強烈な痛みを感じました。手術室を出ると両親がいて「痛かった」と自然に涙が出ていました。「手術が長引いたからみんな心配して外で待ってたのよ」と母が泣きながら言います。2005-05-27 11:09:00 -
46:
2時間の予定が3時間にも及んだらしく、先生いわく「腫瘍が液化してた。痛かったと思いますよ。中が腐ってたからよほど我慢したでしょ?でも丁寧に手術しましたから、少し時間がかかりました」だそうです。
手術で腫瘍を摘出し子宮とおなかを縫い合わせました。先生は両親にその腫瘍を見せたそうです。「ケンタッキーフライドチキンを白くした感じだった」と父が言いました。写真でみると、まさしくその通りで、こんな大きいのが子宮にあったなんてとびっくりしました。2005-05-27 11:10:00 -
47:
母は心配だからと手術が終わってからもずっと付き添ってくれました。小さいときから今まで大きい病気をしたことがない元気な娘が、入院手術となるとやっぱり心配なんだなぁとつくづく思いました。相変わらず絶食だったので点滴を何時間もされました。夜中、みんなも隣で母も寝ているので、携帯のメールチェックをしました。
2005-05-27 11:12:00 -
48:
たかしから「心配だよ!手術終わったかな?また経過を教えてね」とメールが。たかしは同じ内容のメールを何件も送ってました。「たかしはかわいいなぁ」とおもいながら次のメールを開くと、「りりぃ大丈夫か?仕事が手につかない。連絡ないからほんまに心配や。出来る時でいいからメールほしい」と、としからのメールでした。私は横で母が寝ているのに、携帯を握りしめながら泣いてしまいました。好きで好きでたまらなかったのに別れを決意したとはいえ、まだ彼のことが好きでした。
2005-05-27 11:13:00 -
49:
「これでよかったんや。あたしがいたらとしは幸せになれない。あたしはもしかしたら子供が産めないかもしれないから、としには幸せになってもらって、たくさん子供も作って素敵なお父さんになってくれたらそれでいいやん」と自分に何度も言いきかせました。
2005-05-27 11:14:00 -
50:
次の日からお粥を食べるようになりました。でもまだまだお湯に少し米粒がういてる程度のものなので食べた気になりません。
先生から「腫瘍が内膜にあって、内膜を傷つけたら妊娠出来なくなるかもしれないから、半分くらい残っているので、それがまた再発する可能性があります」とショッキングなことを言われました。
採ったら治るんじゃないの?とがっかりしました。子宮筋腫には種類がいくつかあって、子宮の外側に出来るものと、子宮の壁に出来るものと、子宮の内側に出来るものがあり、今回は壁と内側にあったようです。2005-05-27 11:15:00 -
51:
こんな痛い思いするのもうイヤやわ…とため息が出ました。傷は下腹に13センチほど横に切られて金具で止められていました。その金具がこすれると痛くて血もにじんでいました。
数日後、相変わらず点滴とお粥でしたが、金具をとることになりました。金具をとるのは痛かったけど我慢です。取ったら背中を曲げなくても歩けるようになりました。2005-05-27 11:15:00 -
52:
そして私は早く仕事が出来るようにと治療に専念しました。癒着しないように体を動かしたり歩いたり、お粥から普通食になって残さないように食べました。
退院当日、お世話になった看護婦さんや先生、同じ病室の患者さんにお礼を言って病院を出ました。2005-05-27 11:16:00 -
53:
二週間後、経過をみるための検診を受けるため、病院にやってきました。待合室はかわいい赤ちゃんや元気に走りまわる子供がいて「いいなぁ、あたしもいつか子供産める日がくるかな?」と微笑ましく見ていると、若い夫婦が来て旦那さんが奥さんのお腹をさすっていました。それを見て急にせつなくなり「としも近い将来あんなふうになるのかな」と孤独感に襲われ、早く診察室に呼ばれるのを待ちました。
2005-05-27 11:17:00 -
54:
退院から1ヶ月後新しいバイトをはじめ、朝5時に起きて6時の電車に乗り7時から17時まで喫茶店でウェイトレスをし、夕方からはまたスナックで働き、終電で家に帰り、4時間ほど寝てまた朝出かける毎日を過ごしました。
2005-05-27 11:19:00 -
55:
喫茶店の学生アルバイト君が「そんなに働いて大丈夫なんですか?」と心配してくれるくらい無我夢中で仕事をしました。仕事をしていないと彼のことを思い出してしまうからです。としからメールが来るのでそれを見ては励まし頑張りました。そして私は実家を出て一人暮らしをしました。大阪市内に住んで仕事に集中するためです。昼も夜も頑張りました。
2005-05-27 11:20:00 -
56:
しかし一人暮らしではなかなか貯金がたまりません。そんな時、友達が風俗をはじめました。なみという名前の子です。なみはホストにはまって風俗をはじめたみたいで、「りりぃも一緒に働こうよ」と誘ってきました。「風俗なら毎日数万円持って帰れるしぃ、すぐに貯金も出来るしぃ、昼夜働かなくても夜だけ働いてたら遊ぶ時間も恋愛する時間も出来るやん!」と何度も誘われました。はじめは断ってたけど、仕事の話をきいていて興味がわいてきたので、体験入店してみました。
2005-05-27 11:21:00 -
57:
抜きのお仕事ははじめてで、わけがわからないことばっかりでしたが、終わったとき「お疲れさん」と店長さんに給料を渡されびっくり!万札がいっぱい…
そしてしばらく風俗をすることにしました。なみがホストに通ってるので、付き添いで行き、彼のことを忘れるため癒されるために通いました。
やがて風俗はやめ、スカウトされたキャバクラで働くようになりました。キャバクラはスナックと違ってお客さんを呼ばなくてはいけないので最初は大変でした。2005-05-27 11:21:00 -
58:
すっかり彼のことは忘れていました。いい思い出です。あれからとしは結婚しファミレスをやめ、家業をついだそうです。だからファミレスに行っても彼の姿は見れないし、私も携帯を変えたので連絡もとれなくなりました。
キャバで営業頑張っていたある日、なみが男友達を紹介すると行って男女4人で逢いました。2005-05-27 11:22:00 -
59:
お客さん以外の男性と逢うの久しぶりだなぁとおしゃれをして出かけました。なみの友達はサラリーマンと自営業でした。自営業の友達は「ひろくん」で、ひろくんは彼女がいなくて女の子を紹介してほしくてなみにお願いしてきたそうです。
2005-05-27 11:23:00 -
60:
私はとしと別れてから恋愛するのが怖くて逃げていました。自分が傷つくのがいやだったし、こんな女と結婚してくれる人なんていてないと勝手に決めつけていたからです。
ひろくんは頑張って私にアプローチしてきました。次の週二人で逢いました。ひろくんと恋愛について語り合い、「私は子宮筋腫をもっていて、いつまた再発するかわからないし、もしかしたら子供もうめないかもしれない。だから付き合うのは…」と言うと2005-05-27 11:24:00