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☆幼なじみ愛羅武勇☆

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  • 1:

    みあさ

    『みぁさね、りゅうがと結婚するが〜☆』
    ちっちゃい頃のあたしの口癖。
    『俺も!みぁさと結婚するがやき☆』
    これがりゅうがの口癖。うちらはちっちゃい頃から……………………………………………じゃなくて、ちっちゃい頃は!!!ラブラブだった。

    2006-08-16 01:53:00
  • 300:

    みぁさ

    次の日、しんちゃんとつかっち達と皆で居酒屋に行くことになった。
    あたしは、うっぷんを晴らすかのように飲みまくっていた。
    「おい!りゅうが〜みぁと毎日パコパコしゆう場合やないぞ〜♪」
    つかっちが、下品な話題をふってくる……一回もしてないから!!
    「まぁ♪毎日愛しあってますから〜♪にゃぁ(なぁ)!みぁ!」

    2006-10-17 03:09:00
  • 301:

    みぁさ

    そう言って、りゅうがはあたしの肩を抱き寄せてきた。
    ……毎日?まだ一回もしてないのに?
    なのに…皆の前では嘘つくんだ。平気でそんなこと言えるんだ。
    「あはは♪ほんま、りゅうが毎日求めてきすぎ〜♪」
    本当のことなんて言えるわけもなく、あたしは笑いながら冗談を言った。

    2006-10-17 03:14:00
  • 302:

    みぁさ

    あたしは、心が狭い。器がちっさいんだろう。
    つかっちの言葉に真剣に本当のことを返せるわけがないことくらい…あたしが一番よく分かってるはずなのに、酔ってるからかな?さっきのりゅうがの冗談は、心臓にちっさな棘がささったみたいにチクチク痛んだ。
    本当に女として愛してくれてるの?
    りゅうがのあたしへの愛…それって、妹に対する愛なんじゃないの?

    2006-10-17 03:22:00
  • 303:

    みぁさ

    家に帰った時には、あたしはかなり大酔いだった。
    「みぁ?大丈夫かぁ?着替えよか??ほら♪バンザイして?」
    まるで子供をあやすような喋り方に、何だか無償にイライラする。
    「やっ!!」
    あたしは、支えてくれているりゅうがを突き飛ばした。

    2006-10-17 03:40:00
  • 304:

    みぁさ

    「みぁ〜痛いわや〜。ほらっ♪着替えるの嫌やったらそのまま寝えや♪」
    また子供あつかい。
    「…………いや。」
    「はぁ…。どうしたいがかね〜わがままみぁチャンは!?」
    あたしは、無言で服を脱いで、りゅうがに抱きついた。

    2006-10-17 03:45:00
  • 305:

    みぁさ

    「………エッチして。」
    静かな部屋に、あたしの言葉はハッキリと響いた。
    沈黙が流れる……。
    「酔いすぎ!今日は寝なさい♪」
    りゅうがは、あたしの頭をポンポンと軽く叩いた。

    2006-10-17 03:49:00
  • 306:

    みぁさ

    こらえていた涙が溢れてくる。
    「みぁ…りゅうちゃんの何なが?本間に彼女?本間に好き?」
    聞きたくて…でも、聞くのが怖かった質問を、泣きながらりゅうがにぶつける。
    「彼女やし!本間に好きやし!」

    2006-10-17 03:53:00
  • 307:

    みぁさ

    「嘘や!みぁは、りゅうちゃんにとって女やないやん!」
    大粒の涙が、頬を流れていく。
    「女やし!大事な女やき!!」
    泣き続けるあたしを、ギュッと抱きしめるりゅうが…。
    「じゃあ何でエッチしてくれんがよ!!」

    2006-10-17 03:58:00
  • 308:

    名無しさん

    ぎゃ〜〜〜(゚д゚)気になるっ!!頑張ってねぇ♪

    2006-10-17 11:22:00
  • 309:

    名無しさん

    この話めッちャ好き(∩∀`?)??

    2006-10-17 13:56:00
  • 310:

    名無しさん

    今一気に読んだよ??続きめっちゃ気になる?早く書いてやぁ??

    2006-10-18 21:58:00
  • 311:

    名無しさん

    めた気になる??

    2006-10-19 17:28:00
  • 312:

    みぁさ

    >>332サン 長らくお待たせしました(*_*)ありがとう!!頑張ります☆
    >>333サン めっちゃ好きとかめっちゃうれしいわぁ♪ありがとう(●゚ω゚●)
    >>334サン ありがとう´∀`今から書きますね♪
    >>335サン お待たせしました*゚Д゚*

    2006-10-20 02:04:00
  • 313:

    みぁさ

    「お前、昔言いよったこと忘れちゅうが!?」
    …………へ?昔言ってたこと?何だそれ…。
    「昔、俺が一週間以内でやる!って言うた時に、みぁはそんなん嫌や!せめて三ヶ月越えてからじゃないと大事にしてもぉてないみたいや!!って言いよったやん…」
    あっ…そう言えば、そんな話しを中学の時に話したことがある。
    「……じゃあ、りゅうちゃんは三ヶ月我慢しようと思うてくれちょったが?」

    2006-10-20 02:11:00
  • 314:

    みぁさ

    何だか一気に酔いが冷めてきた。
    「うん…みぁのこと大事やし。」
    あたしの勘違いだったんだ。
    りゅうがは、昔あたしが言ったことをちゃんと覚えててくれて、あたしを大事にしてくれていたのに…勝手に落ち込んで、ひねくれて………。
    あまりの恥ずかしさに、りゅうがの顔が見れない。

    2006-10-20 02:15:00
  • 315:

    みぁさ

    「みぁ?ごめんよ?不安にさせよったのに気付かんかって…でも、本間にお前が大事やきにゃ?」
    りゅうがは、口が悪くて、お調子者で、馬鹿なことばっかり言ってて………
    でも…あたしを一番愛してくれてる男。
    「疑ってごめん……。みぁもりゅうちゃんが大事やき…。」
    そう言いながら、何度も何度もキスをした。

    2006-10-20 02:21:00
  • 316:

    みぁさ

    そして…。
    りゅうがに初めて見せる……いや、十何年ぶりに見せる産まれたままの姿。
    あたしの体は、昔と違って真っ白じゃない。背中に入った、龍やら自分で刺した刺青や、根性焼きのあと。
    「いやや…汚いき、見んといて!」
    今まで見られたこともあるのに、急に恥ずかしくなって布団にくるまった。

    2006-10-20 02:29:00
  • 317:

    みぁさ

    「隠すなや…これが全部あって、みぁながやき。綺麗やき…」
    りゅうがは、背中にキスをしながら、優しく…優しく…さわってくれる。
    りゅうがの背中にもある龍の刺青に、あたしもキスをする。
    …ねえ?りゅうが?

    2006-10-20 02:36:00
  • 318:

    みぁさ

    運命の赤い糸ってあると思う?

    あたしは、今、あると思ったよ?

    だって、あたしの糸は、あんたに繋がってるんだもん。

    2006-10-20 02:41:00
  • 319:

    みぁさ

    次の日、起きると、りゅうがはまだスヤスヤと眠っている。
    …昨日、結ばれちゃったんだよな〜。
    何て、一人でりゅうがの顔を見ながらニヤけてしまうあたし。ちょっと気持ち悪い。
    幸せだな…本当に、幸せ。

    2006-10-20 02:47:00
  • 320:

    みぁさ

    幸せと不幸は、平等にやってくるもの何だよね。

    ようするに、幸せばかりはそう続かないってこと。

    この時のあたしには、そんなこと思ってもみなかったけど。

    2006-10-20 02:51:00
  • 321:

    みぁさ

    初エッチも済ませて、ますますラブラブになったあたし達。
    りゅうがのママとパパにも報告をしに行って、家が近いこともあってかかなり仲良くしてもらっていた。
    ただ、あたしのママとはやっぱりなんとなく疎縁なまま…。
    16の時に、ママの彼氏のことで家出をしてから、いまいち素直になれないでいた。
    彼氏は、すごく優しくて真面目な人。どこにも憎むところなんてないし、嫌うところだってない。

    2006-10-20 03:03:00
  • 322:

    みぁさ

    そればかりか、専門学校のお金まで出してくれて……良い人だと思う。
    16の時のあたしは、ずっと自分だけのものだったママが、彼氏ができたことに対して嫉妬して、被害者ぶって困らせてばっかりだった。
    もうすぐ20歳になる今、自分が悪かったことも分かるし、二人には幸せになってほしいと思いつつ、何だか素直になれないでいた。
    「みぁ〜?お前の実家行こうや!おばちゃんにあいさつもしたいし!」

    2006-10-20 03:11:00
  • 323:

    名無しさん

    あげ(ー∀ー)

    2006-10-20 22:05:00
  • 324:

    名無しさん

    楽しみにしています?

    2006-10-21 00:37:00
  • 325:

    みぁさ

    >>348サン あげありがとぉ(>∀>349サン 楽しみにしてくれてありがとぉ(〃ω〃)すごく励みになります♪

    2006-10-21 00:59:00
  • 326:

    みぁさ

    「今度、今度って…いっつもそればっかやにゃ。」
    そう言うと、あたしの手を引っ張って無理矢理車に乗せた。
    「ちょ!!待って!!どこ行くが!?りゅうちゃん!?」
    あたしの叫びは無視して、りゅうがは車を進めた。
    行き先は………あたしの実家。

    2006-10-21 01:06:00
  • 327:

    みぁさ

    車ですぐそこの実家なのに、なんだかひどく懐かしい道…。
    16歳で家を出てからは、一度も帰っていない、あたしの家。
    「………降りる。降ろして!!」
    何でこんなことを言ってしまうのか分からない。今のあたしは、まるでだだをこねる子供…。
    りゅうがは、静かに道のはじに車をとめた。

    2006-10-21 01:14:00
  • 328:

    みぁさ

    「……分かった。降りたいなら降りや。けどにゃ、一言ゆうちょくわ。……素直になりや。」
    りゅうがは、あたしよりもずっと…ずっと大人だ。そして、何よりもあたしを分かってくれついる…あたしと言う人間を。
    あたしは、子供のままだ。
    「………わかった。行く。」

    2006-10-21 01:25:00
  • 329:

    みぁさ

    あたしの言葉を聞くと、車は静かに動き出した。
    大人になりたい

    ……大人になろう。
    車は、なつかしい家の前に止まった。ちっちゃいけど、あたしの本当のパパがたてた家。

    2006-10-21 01:34:00
  • 330:

    みぁさ

    呼び鈴を押すと、ママが出て来た。
    「おかえり。」
    突然帰ったのに、驚くこともなく、自然に迎えてくれた。
    「た…ただいま…」
    自分の家なのに、変に緊張してしまいどもってしまう。

    2006-10-21 02:16:00
  • 331:

    みぁさ

    「なっちゃん!久しぶり!俺もおじゃまします☆」
    りゅうがは、あたしのママのことを昔からなっちゃんと呼んでいて、すごく仲が良い。
    二人して、家の中に入ると、食卓には四人分の料理がすでに用意されていた。
    「あれ?ママ、誰か来るが?」
    不思議に思いながらママに聞くと、ママとりゅうがが何だか顔を会わせて少し笑った。

    2006-10-21 02:26:00
  • 332:

    みぁさ

    「あんたらぁ(達)の分よえ!まぁ座り!!」
    …………え??
    わけの分からないまま、料理の前に座らされた。
    目の前には、ママの彼氏が座っている。
    四年ぶりに見るママの彼氏は、何だかちっちゃくなっていた。でも、昔と変わらない笑顔で………顔をくしゃくしゃにした笑顔で、こう言ってくれたんだ。

    2006-10-21 02:37:00
  • 333:

    みぁさ



    「おかえり」

    そう言って、涙を流してくれた。

    2006-10-21 02:39:00
  • 334:

    みぁさ

    元気でよかったって…帰ってきてくれてありがとうって…、こんな自分勝手で家を出たあたしに、涙を流して言ってくれたんだよ?

    あたしは、何て子供だったんだろ?
    昔から言ってくれてたのにね?笑いかけていてくれてたじゃない…。
    「…ごっ……ごめんなさい……」

    2006-10-21 02:45:00
  • 335:

    みぁさ

    四年分の涙が流れて行く。
    気の強い、めったに泣かないママまで泣いている。
    「りゅうちゃんも居るし、料理冷めるし、ほら!泣くのやめー!!」
    ママは、自分の目を拭きながらビールを出してきた。
    りゅうがは、笑いながらあたしの頭をポンッと叩いた。

    2006-10-21 02:53:00
  • 336:

    みぁさ

    それから、四人でビールを片手にママの料理を食べながら色々話した。
    一番ビックリしたのは、四年前からずっとりゅうがはこの家に来ていたらしい。
    あたしが家出をしてから、ずっと…。
    「ママね、正直、みぁのこと諦めようって…捨てようって思った時もあったがよ?…でもね、じゅんちゃん(彼氏)と、りゅうちゃんに怒られた。みぁにとって、血が繋がっちゅう母親はお前だけやきって…待ってあげって…」
    …ごめん。ごめんなさい。皆、あたしのことをこんなに考えてくれていたのに…、あたしは自分のことしか考えてなくて。

    2006-10-21 03:49:00
  • 337:

    名無しさん

    めちゃいぃ??早く続き読みたい?頑張って下さいね?

    2006-10-21 03:50:00
  • 338:

    みぁさ

    「みぁね…ママが取られた気がしたが…。」
    あたしは、泣きながら自分の思っていたことを話しはじめた。
    「みぁが、三歳の時にパパ死んだやん?その時から、ママとみぁはずっと二人やったやん?ママに彼氏ができても、みぁが一番やった。ママの笑顔は全部、みぁのもんやと思うちょったがね?」
    ママも、じゅんちゃんも、りゅうがも、真剣にあたしの話しに耳をかたむけてくれている。

    2006-10-21 03:56:00
  • 339:

    みぁさ

    >>362サン ありがとう(´∀`人)もう少し書きますね☆

    2006-10-21 03:59:00
  • 340:

    みぁさ

    「けど、みぁが悪さばっかりしてママを困らせてばっかりの時に、じゅんちゃんが来て…みぁは、ママを泣かせてばっかりやのに、じゅんちゃんはママを笑顔にして。その時、みぁのママ取られたって思うてしまったが…。」
    ママもじゅんちゃんも泣いている…。
    「ママ?じゅんちゃん?本当にごめん…。みぁ、子供やった。今なら分かる…。じゅんちゃんが、どれだけママを支えてくれよったとか、ママを笑顔にしてくれよった(くれてた)とか……ありがとう。それから、りゅうが?みぁを素直にしてくれてありがとう。」
    りゅうがも嬉しそうに泣いていた。

    2006-10-21 04:07:00
  • 341:

    みぁさ

    人は、自分が気付かない所で大切に思われているものだと思うのね。
    ううん…それは、気付かないふりをしているだけなのかもしれない。
    あたしは、気付かないふりをしていたんだ。
    きっと、可哀想な自分ってのが居心地が良かったんだろうね。
    でもね、それって違うんだよね。今、気付いたよ。

    2006-10-21 04:13:00
  • 342:

    みぁさ

    大切にされる…誰かに必要とされる…それってね、可哀想な自分でいるよりもずっと居心地がいいんだよ?
    意地はって、可哀想な自分を守ることに必死になっちゃってたあたしだけど…素直になることで大切にされること…大切にするってことがやっと本当に分かった気がするんだ。

    りゅうがのおかげだよ。ありがとう。

    2006-10-21 04:20:00
  • 343:

    みぁさ

    この日を境に、あたしとママとじゅんちゃんは、空白だった四年間を埋めるように、時々ご飯を食べたり、出かけたりしていた。
    もちろんりゅうがも一緒だ。
    あたしとりゅうがが付き合いだして八ヶ月が経った、真夏。
    あたしも夏休み、りゅうがもママもじゅんちゃんも、お盆休みが取れたので、四人で旅行に行くことになった。
    提案者は、りゅうが。

    2006-10-21 04:26:00
  • 344:

    みぁさ

    「ボーナス入ったし、旅行行こうか!じゅんちゃんも、なっちゃんも温泉行きたいって言いよったし!」
    その一言で決まった旅行。旅費は全部りゅうがが出してくれた。
    じゅんちゃんは、涙ぐみながらりゅうがに感謝していて、その姿が可愛くて、ママと二人で笑ってしまった。
    初めてての四人での旅行。
    あたしとりゅうがが、墨が入っていることもあって、家族風呂があるところを予約した。

    2006-10-21 04:46:00
  • 345:

    みぁさ

    あたしとママは、宿につくとすぐに一緒にお風呂に入ることにした。
    「やぁ〜♪温泉やぁ♪ママ、何年ぶりやろね!?一緒にお風呂入るの♪」
    あたしは、かなりハイテンション。
    「……うん。そうやね……。」
    ……ママ?ママの目線は、あたしの刺青にいっている。

    2006-10-21 04:55:00
  • 346:

    みぁさ

    あたしが刺青を入れていることは知っていたママだったけど、ちゃんと見るのは初めてなのだ。
    背中の龍…胸の蓮…太股の鳳凰…。
    軽い気持ちで入れたわけじゃないけど、ママの顔を見ると何だか胸が痛んだ。
    「……ほんと、馬鹿娘!!でも、綺麗やか!!」
    「………ごめんなさい。」

    2006-10-21 05:05:00
  • 347:

    みぁさ

    何だか謝ってしまったあたしを、気づかってなのか、ママは舌をペロッと出しながらこう言った。
    「そんな綺麗やったらママも入れようかなぁ♪」
    おちゃめなママの言葉に笑いながら、二人で背中の洗いっこをしたり……幼い頃に戻ったみたいで、楽しくて…幸せで。
    少しずつ空白の四年間が埋まっていっていた。
    やっと取り戻せた家族だった…。

    2006-10-21 05:15:00
  • 348:

    名無しさん

    ほんまおもろい???
    いつも更新楽しみにしてます?

    2006-10-21 09:56:00
  • 349:

    名無しさん

    続き読みたい?

    2006-10-21 13:13:00
  • 350:

    みぁさ

    >>373サン 更新楽しみにしてくれてありがとぉ(´∀`)♪
    >>374サン ありがとぉ☆今から書きまする(>∀

    2006-10-22 02:35:00
  • 351:

    みぁさ

    着信は、じゅんちゃんから。
    時刻は、23時をまわっている…いつもなら、ママもじゅんちゃんも寝ている時刻のはず…。
    胸さわぎがした。
    「もしもし…?」
    「みぁさ!!!なっちゃんが!!なっちゃんが!!」

    2006-10-22 02:48:00
  • 352:

    みぁさ

    じゅんちゃんが動揺しているのが、電話ごしにすぐに分かった。
    「何!?落ち着いて…じゅんちゃん?ママがどうしたが?」
    パニックになるのを押さえながら、ゆっくりじゅんちゃんに質問する。隣に居るりゅうがも、心配そうにあたしを見つめている。
    「心臓が…息がなくて…救急車で…病院で…」
    じゅんちゃんは、動揺してうまく喋れていなかったけど、ママが運ばれた病院を聞いて電話を切った。

    2006-10-22 02:55:00
  • 353:

    みぁさ

    りゅうがに車を運転してもらいながら、体が震える…。
    「りゅうちゃん…?ママ…平気で…ね?」
    震えで、歯がカタカタ鳴る…。
    「……うん。」
    りゅうがは、あたしの手を強くにぎりしめてくれた。

    2006-10-22 03:00:00
  • 354:

    みぁさ

    そんなに遠くないはずの病院に、いつまで経ってもたどりつかないような気がして…。
    焦る気持ちばかりがつのって、何もできない自分に歯がゆさを感じた。
    祈るしかできない…。祈ることしか…それしかできなくて…。
    ……神様。
    「お願いだからママを助けて下さい」

    2006-10-22 03:05:00
  • 355:

    みぁさ

    神様は残酷だね。
    あたしへの罰ですか?
    自分勝手なあたしへの罰ですか?
    ならば、神様?罪を犯したのはあたしです。どうか……どうか……
    ━あたしに罰をお与え下さい━

    2006-10-22 03:09:00
  • 356:

    みぁさ

    病院につき、どうやってママのところに辿りついたのかは分からない…正確に言うと、覚えていない。
    「……娘さんですか?……残念ながら…お母さまは……」
    そんなことを言われたような気がする。
    …何言ってるんだこいつ。
    「ママ?みぁで!!何寝ゆうが?よっぱらっちゅうが??」

    2006-10-22 03:14:00
  • 357:

    みぁさ

    ママは動かない…。揺さぶっても、抱き上げようとしても、起きなくて…。



    「みぁを一人にせんといてやぁぁああ!!!お願いやから!!ママ起きてぇぇええ!!」

    2006-10-22 03:18:00
  • 358:

    みぁさ

    急性心不全…。
    ママは、パパと同じ病気で、いきなりあたしの前から居なくなった。
    何の前ぶれもなく…突然。
    それからは、ママのお通夜やお葬式の準備なんかで忙しくて…悲しみに浸る暇なんてなくて。

    2006-10-22 03:23:00
  • 359:

    みぁさ

    じゅんちゃんとママは、籍を入れてなく、あたしが喪主をつとめた。
    ママの血が繋がった家族はあたしだけで…当然あたしもママだけで…。
    ママの骨だけになった姿を見て…

    ━この世で独りぼっちになった気がした━

    2006-10-22 03:28:00
  • 360:

    みぁさ

    小柄なママの骨は、白くて…小さくて…。
    この間まで笑っていたじゃない?
    なんでこんな小さなつぼにおさまっちゃうの?
    抱き締めてよ…笑ってよ…みぁって呼んでよ。

    2006-10-22 03:31:00
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