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もう一度、好きだと言って。

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  • 1:

    名無しさん

    赤色。
    この世界で一番綺麗なのは純愛なんかじゃない。

    2006-08-16 09:48:00
  • 441:

    名無しさん

    母は少し、悲しそうな顔をした。それからあたしにこう聞いた。
    『そんなに、あの子がいいん?こんなになってでもあの子に会いたいん?』
    …って。

    2006-12-11 20:33:00
  • 442:

    名無しさん

    伝わった…?
    そしてあたしはコクコク頷いた。

    母は父に何かを言って、それから二人共席を外した。医者も看護婦も、みんな病室から出ていった。みんな、少し悲しそうに見えた。それが何故だかは、わからなかったけど。

    2006-12-11 20:34:00
  • 443:

    名無しさん

    皆が出ていった後も、あたしはひたすら彼の名前を呼んでいた。

    −数分後。
    君が、やっとあたしの元へ来た。

    2006-12-11 20:34:00
  • 444:

    名無しさん

    あの、おそろいだった灰色のスウェットを着ている。 
    そんなことが、やけにうれしくて、あたしは思わずニコッと笑った。

    その瞬間。
    彼の目から、涙が零れた。なんで?なんで泣くの…?

    2006-12-11 20:36:00
  • 445:

    名無しさん

    あたしは彼の前でたくさん泣いた。だけど、彼の涙を見たのは、これが初めてだった。

    2006-12-11 20:36:00
  • 446:

    名無しさん

    彼はゆっくりあたしに歩み寄り、そのままそっと、さっきまで母が座っていたパイプ椅子に腰を降ろした。 
    ショウゴだ。好きで好きで仕方なかった。愛しくて愛しくて堪らなかった。

    だけど、
    大好きな彼が泣いている。

    2006-12-11 20:37:00
  • 447:

    名無しさん

    あたしは動かない体を無理矢理動かして、体を彼の方へ向けようとした。たったそれだけの行為なのに、何分もかかるあたしに、彼は擦れた声で『無理すんな』って言った。


    2006-12-11 20:38:00
  • 448:

    名無しさん

    《手、繋いで…》

    相変わらず声は出ない。ほとんど口パク状態で、あたしは彼にそう言った。
    彼が繋いでくれたあたしの[左手]は、点滴で、針だらけだった。

    2006-12-11 20:40:00
  • 449:

    名無しさん


    ベットに、ポタポタと涙の雫が垂れた。あたしのかなって思ったけど、彼もまだ泣いてたから、どっちのだかわかんなかった。

    2006-12-11 20:41:00
  • 450:

    名無しさん

    《泣かないで…》

    彼を真っすぐ見つめて、もう一度声を出そうとしたけど、やっぱりそれは出なかった。ちゃんとわかってるのかな。
    彼の濡れた頬に、そっと手を伸ばして涙を拭った。
    その[右手]は包帯でぐるぐる巻きにされいて、いつかの白いバスタオルみたいに、小さく赤く滲んでいた。

    2006-12-11 20:42:00
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