-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
愛という名の憂鬱
-
1:
玲
出会いは細い裏通り…うずくまるようにして彼は居た。
どこかのホストだろう…安物のシャツがズボンからはみだしてる。いつもなら無視して通りすぎるのに声をかけてしまった。なぜだろう…体より心が動いていた。
「大丈夫?こんなとこいたら風邪ひくよ?」酔い冷めの気持ち悪さは良く知っている。そう声をかけるとそのホストはうつろな目で私を見ながら言った。
「バイバイ」彼はそう言うとフラフラ立ち上がりはみ出たシャツをしまいながら大通りに向かって歩いて行った。「なんやねん…」
私に少しの疑問ととまどいを残して彼は私の目の前から消えた。2006-09-03 20:21:00 -
2:
玲
その頃の私は特に何をするでもなく平凡な毎日を送っていた。しいていえばOLとラウンジを掛け持ちでやっていた事くらいだろうか。それを知ってか知らずか彼=優宇(ゆう)は決して無理を言ってこない。それを寂しくも感じながら理由を聞けないでいた。
「ねぇ、優宇?何でこの名前にしたの?」ホストに行く客にとってもホストにとってもありきたりの質問だ。おくびれもなく優宇は言う。
「俺、ミナミで一番優しくて宇宙くらい大きな心をもったホストになりたいんです☆だからこの名前にしました」思わず吹き出しそうになった。あまりに真っ直ぐな答えだったから…。彼は20歳、私は26歳、しばらくこんな真っ直ぐな気持ち忘れかけていた。そんな気持ちにさせてくれた優宇が可愛くて愛しくて初めてシャンパンを卸した。
「えっ?玲さん?いきなりどうしたんですかぁ?びっくりしたぁ〜でもめっちゃ嬉しい♪」屈託のない笑顔に気持ちがやられてしまう。シャンパンコールの中、優宇がそっと耳打ちしてきた。
「俺、今日の日の事、絶対忘れませんっ☆玲さんの為なら命かけますっ☆」酔いも手伝ってか今日の優宇はいつもよりおしゃべりだ。2006-09-03 22:12:00 -
3:
玲
「はいはい☆分かったからしっかり飲んで」私はそう言うとヘルプ君が持ってたボトルを優宇に渡すように言った。
「よっしゃ〜☆今日はシャンパン祭りやぁ」その言葉通り、どんどんボトルが空いていく。5本くらい空いた時だろうか…優宇が真剣な顔で私に「ごめん、吐く…」そう言うと一人トイレに消えて行った。ちょっとかわいそうな気もしたがそれよりも初めて優宇のいろんな顔を見れた興奮の方が勝っていた。
支払いをカードで済まし、グラスのお酒を飲干してる所に優宇がトイレから戻ってきた。「玲さん…ごめんねぇ」そう一言、言うと再びトイレへ消えて行った。
「ありがとうございましたぁ」お店の子に送ってもらうがそこに優宇の姿はない。多分、バックルームで酔い潰れてるのだろう…。お店を後にしてタクシーを停めようとした時、後ろから抱きしめられた。この香水…優宇だ。「どうしたの?」不意の事にとまどいながらも聞いてみる。優宇は言う。
「店長が今日はもう仕事にならないやろうから帰っていいって…だから追い掛けてきた」息を整えながら優宇が一息に言う。吐いてだいぶ楽になったのだろうフラフラなのはあいかわだが意識はしっかりしていた。
「だから玲さん…今日は一緒にいて?」この瞳に見つめられて誰が断れるだろう…そんな不思議な感覚にとらわれながらタクシーに乗り込んだ。
「このままどこに向かうんだろう…」寄りかかって寝てしまった優宇の髪をかき上げながらテールランプの列を目で追っていた。2006-09-03 22:33:00 -
4:
玲
「だから玲さん…今日は一緒にいて?」この瞳にみつめられて誰が断れるだろう…甘くゆるやからで媚薬のような不思議な感覚にとらわれながらタクシーに乗り込んだ。
「このままどこに向かうんだろう」それは二人の行方にも似ていて肩に寄りかかって寝てしまった優宇の前髪をかき上げながら赤いテールランプの列を目で追っていた。2006-09-03 22:40:00 -
5:
玲
着いたのはワンルームマンション。酔った男は重い…タクシーの運転手に手伝ってもらいやっとの事でベッドに寝かせた。
こうして見ると優宇はきれいな顔立ちをしてると思う。少年から大人へと変わる微妙な時期。私はその唇に引き寄せられるようにキスをした。思いのほか心臓がドキドキしてしばらく優宇の顔が見れないでいた。
どれ位たったのだろう…気が付くと肩に毛布がかけられていた。
辺りを見渡すと優宇がソファで寝ていた。2006-09-04 00:54:00 -
6:
玲
毛布をかけてあげようとした時、家の呼び鈴が鳴った。
雄一だ。当時わたしには2個上の彼氏がいた。いつもならすぐ開くはずのドアが開かない事にいらだったのが呼び鈴が2度3度と鳴る。私は寝息をたてる優宇を起こさないように気を付けながら息を殺した。何だろう…この罪悪感…普通に言えばいいのだ。「酔い潰れた男友達」と…。
でも今はこの何とも言い難い甘い感覚によっていたかった。
あきらめたのだろう…彼が帰ったのが分かった。私は深呼吸して改めて優宇の方に向き直る。目にかかった前髪を払い除けてやると「ううんっ…」と言ってまた深い眠りに落ちていった。その仕草が何とも可愛くて思わず抱きしめたくなった。
「はぁ…何やってるんだろ…私」軽い自己嫌悪に陥りながらもそこから抜け出したくない自分がいた。2006-09-04 11:49:00