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水商売の変貌

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  • 1:

    名無しさん

    1 名前:杏奈:05/09/09 06:58
    夜の世界ではでも耳にしたことがありますよね?突然の変貌や変身って言葉を。そしてその世界に入ってくる約七割が心に何らかの闇を抱えていることを。
    つかればつかる程変わっていく。これは本職ホストの彼氏の実話を元にした話。

    2006-09-07 14:29:00
  • 251:

    杏奈

    「光輝と付き合って長いん?どれくらいなん?」

    そんな話から始まった。私は付き合って二年半ぐらいたつことや、服屋のショップでバイトしてたこと、しばらく仕事もしないでずっと家にいたことなど、気付けばビールのせいもあって色々話していた。

    2006-09-13 23:41:00
  • 252:

    杏奈

    「やっぱちょっと変わってんなぁ」

    代表、勇二君はそう言うと私を見ながら笑った。変わってる?誰が?ちょっと意味が分からんかった。

    「普通仕事なんかしたないやろ。家おっても光輝から生活費もらえてたのにそっちのほうが絶対ラクやん」

    2006-09-13 23:42:00
  • 253:

    杏奈

    「あ、まぁそうなんですけど…。同じ環境にいたいなぁと思って」

    「同じ環境?それってどうゆう意味?」

    代表は不思議そうな顔でそう聞いてきた。

    2006-09-13 23:43:00
  • 254:

    杏奈

    「なんか知らないことが多すぎて…。夜の仕事のことよく分からんし喧嘩になったり不安やったから」

    「あーそうなんやぁ。まぁよく分からんけど俺としてはラッキーやけどな。久々に育てがいある子が入ってくれて」

    2006-09-13 23:44:00
  • 255:

    杏奈

    「えっ?」
    「全くのシロウトなわけやん。だからどう育つかは見物やなぁと思って。楽しみやねんけっこう」

    代表はまたそう言いながら笑ってた。見物かぁ…私、そんなに変わることないと思うんやけど。
    その日はご飯を食べて飲み終わると代表が家まで送ってくれた。帰ると7時前になってた。

    2006-09-13 23:45:00
  • 256:

    杏奈

    少し酔っていた私は家に着いてすぐ光輝に電話をかけた。
    でも光輝は出なかった。店忙しいんかなぁ…そんなこと考えながらぼーっとしてるといつのまにか寝てしまってた。

    「杏奈寝てんの?おーい大丈夫か?」

    2006-09-13 23:46:00
  • 257:

    杏奈

    光輝の声で目が覚めた。

    「ビックリしたぁ今帰ってきたん?」

    2006-09-13 23:47:00
  • 258:

    杏奈

    「そやで。つーかお前化粧ぐらい落として寝やな。肌あれんで」

    …マジで?そう思った時、まつげがくっついて左目が開きにくいことに気付いた。うわ、ほんまにそのまま寝てたんや。最悪…。

    「酔ってたん?初仕事どーやった?あっ、そういえば勇二と飯食いに行ってたんやろ?」

    2006-09-13 23:47:00
  • 259:

    杏奈

    「うーん、仕事は普通やったよ。意外とあんなもんなんやぁって感じやった。代表さんとは普通に仕事の話とか光輝の話してた」

    「ふーん。勇二男前やろ?浮気すんなよ」

    何ゆってんねんって感じやった。光輝の友達で店の代表さんやのに。

    2006-09-13 23:48:00
  • 260:

    杏奈

    「明日は休みやろ?ゆっくり寝ろよ」

    光輝はそう言うと私の隣で寝ると五分もたたないうちにイビキをかいて寝てしまった。
    疲れてんねやろうなぁ…。少し分かった気がした。夜の仕事って体力は使わないけど、頭や体の中をフル回転させてるし。ストレスも貯まるんやろうなぁって。

    2006-09-13 23:49:00
  • 261:

    杏奈

    私は気付けばまた寝てしまってた。次に目を覚ましたのは夕方の4時。
    二日酔いでガンガンする頭を押さえながら、冷蔵庫の水を入れて一気に飲んだ。慣れないお酒は思っていたよりも抜けるのが遅くてしんどかった。

    2006-09-13 23:53:00
  • 262:

    杏奈

    光輝との約束は週三回だけの出勤。だから今日は休みだった。光輝に朝ご飯を作って6時になるとベッドまで起こしに行った。

    「光輝ぃ6時やで」
    「あと30分…」
    「分かった分かった」

    2006-09-13 23:55:00
  • 263:

    杏奈

    光輝はいつもすぐには起きない。多分体がすぐには動かないのかも。

    「もう6時半やで」
    「今日飯なに?」
    「光輝がちゃんと起きるまで教えへん」

    2006-09-13 23:56:00
  • 264:

    杏奈

    そう言うと光輝は眠たそうな目をこすりながらダラダラとリビングに歩いた。

    「いただきまーす」

    光輝は食べる時に必ずいつもこう言う。家でも外でも。施設にいた頃は言わないと怒られてたからクセがついてると言っていた。

    2006-09-13 23:57:00
  • 265:

    杏奈

    でもいただきますを言う時の光輝は、子供みたいに手を合わせていて結構可愛いから私は好きだった。

    「杏奈ぁーお前店やめたくなったらいつでも言えよ。すぐ言ったるから」

    私が仕事を始めた頃、光輝はよくそう言ってきてた。自分がやめてほしいだけやんって思ってたけど。

    2006-09-14 00:10:00
  • 266:

    杏奈

    月、水、金。私の週三回の出勤日。最初の一ヶ月は、そんな感じで仕事をしてた。光輝もたまにお店に飲みに来てくれたりした。
    その頃のナンバーワンはルイのまま。ルイと仲良くなっていた私は、光輝が飲みに来た時に場内で指名して呼んでもらうことにした。

    2006-09-14 00:11:00
  • 267:

    名無しさん

    続き読みた−ぃ?

    2006-09-14 15:34:00
  • 268:

    杏奈

    「ルイちゃんって可愛いん?どんな子なん?」

    「めっちゃ可愛いで☆ナンバーワンやけど威張ってないしめっちゃいい子」

    私と光輝はルイが席に来るまで二人でルイの話をしていた。ルイは売れっ子やったからなかなか来なくて。

    2006-09-14 22:47:00
  • 269:

    杏奈

    だから二人で今週の日曜日に何をするとかどこ遊びに行こうとかそんな話をしてた。そうしたらしばらくすると杏奈がやっと席に来てくれた。

    「失礼しまーす☆ごめんなぁ、なかなか付けんくて。あっ初めましてルイです。杏奈には仲良くしてもらってます」

    2006-09-15 09:07:00
  • 270:

    杏奈

    ルイがそう言って顔を光輝に向けた時、ルイは一瞬だけ光輝をジッと見ていた。光輝も…そんなルイを不思議そうに見てた。

    「どーしたん?めっちゃ静かになってるやん?あっ、初めましてやから緊張してるん?ルイー杏奈の彼氏☆光輝ってゆうねん」

    2006-09-15 09:08:00
  • 271:

    杏奈

    「あ、うん知ってる。よく話聞いてたし…。めっちゃカッコイイやん」

    ルイはそれから普段通りのルイに戻った。三人で笑い話しながらその時は普通に終わって光輝は店に戻って行った。
    その日、私は代表の勇二君に営業が終わるとまた仕事の話があるってことでご飯に誘われた。

    2006-09-15 09:09:00
  • 272:

    杏奈

    ご飯行くのは二回目やったし、光輝も仕事中やと思ったからその日は光輝に連絡せずに黙って(黙ってとゆうか勇二君は光輝の友達やし大丈夫かと思って)行った。
    代表とお店を出る帰りぎわ、ルイにはどこに行くのか聞かれたから言っておいた。別に隠す必要なんかなかったし。

    2006-09-15 09:10:00
  • 273:

    杏奈

    着いたのは前に来た居酒屋だった。前と変わらず人はたくさんいた。

    「光輝大丈夫やった?」

    「あ、代表やから別に心配もせえへんし何も言わんと思うから今日は何も言ってないよ」

    2006-09-15 09:11:00
  • 274:

    杏奈

    「へぇー“俺って安全パイやと思われてんねや”」

    小さな声でそう言ったように聞こえた。安全パイって何?まぁ気にも止めへんかった。

    「でもアンめっちゃ変わってきたよなぁ。キレなってきたし指名も入って一ヶ月ちょっとやのにめっちゃ取れるようになってるやん」

    2006-09-15 09:12:00
  • 275:

    杏奈

    “アン”。代表はいつからか私をそう呼ぶようになってた。別に何とも思わんかったけど。
    でも、綺麗になったとか頑張ってるとかいつも褒めてくれる勇二君は私をいつもいい気分にさせてくれてた。
    光輝は絶対そんなこと言ってくれへんから。化粧がケバくなったとかドレスが似合わんとか。そんな屁理屈ばっかり。

    2006-09-15 09:13:00
  • 276:

    杏奈

    まぁ代表にうまくノセられてるだけやって分かってたけど、女の子ってそういう言葉で変われたり嬉しくなったりするから。

    「なぁ、店まだ週三回しか無理なん?」

    「あ…光輝と仕事する時に約束してるから…。無理かなぁ」

    2006-09-15 09:14:00
  • 277:

    杏奈

    「マジでー?アンやったらもうちょっと頑張ればルイとかしおり(NO.2)も抜けると思ってんけどなぁ」

    「そんなん絶対無理やし!ルイもしおりさんもめっちゃ凄いやん。杏奈なんか無理無理!」

    そうは言ったものの、心のどこかに自分に対する可能性があると言われたことが凄く嬉しくて、好奇心を持つようになった。

    2006-09-15 09:16:00
  • 278:

    杏奈

    でも光輝との約束がある。破るわけにはいかなかった。結局その日は話を流して普通に飲んで話をした。
    (♪♪♪)
    帰りぎわ私の携帯が鳴り、出ようとした時、充電が切れてしまい電源が切れてしまった。

    「誰から?光輝?俺の携帯使うか?」

    2006-09-15 09:20:00
  • 279:

    杏奈

    勇二君はそう言ってくれたけど、私は光輝じゃないと思ってたから携帯を借りずにそのまま近くを通ったタクシーを拾い、勇二君にマンションまで送ってもらった。
    だいたい光輝は仕事中やしかけてくるわけがないから。いつも私が家に着いたって言おうと思って電話をかけても、この時間は出ないことのほうが多いから。

    2006-09-15 09:21:00
  • 280:

    杏奈

    でも…その日はそうじゃなかった。家に着いて電源を入れると着信履歴は光輝。えっ?なんやろ…そう思って電話をかけた。

    「もしもし電話したぁ?」
    「お前どこおんねん今」
    「え?あ、今家帰ってきた。代表とご飯食べててん」

    2006-09-15 09:22:00
  • 281:

    名無しさん

    みたい?

    2006-09-15 18:13:00
  • 282:

    名無しさん

    いいとこでとめんといて。

    2006-09-15 18:35:00
  • 283:

    名無しさん

    ↑コピペしてくれてんねんから文句言いなや

    2006-09-15 19:20:00
  • 284:

    杏奈

    「はぁ?分かってるわ。お前連絡もせんと勝手なことすんなや。いくら勇二でも連絡ぐらいしてこい」

    光輝は怒ってた。意味が分からんかった。なんでそんなに怒られなあかんのかって。それになんで知ってんの?

    2006-09-16 04:17:00
  • 285:

    杏奈

    「ごめん…でも光輝、前は代表とやし行ってきていいって言ってくれてたやん。光輝の友達やったら心配せえへんと思って。それに仕事中に電話かけたらたまに怒るやん。だから帰ってから連絡しようと思っててん」
    「でもとかだからとか言い訳すんな」

    光輝は酔っていたせいか喋り方もきつかった。

    2006-09-16 04:19:00
  • 286:

    杏奈

    「てゆか何で知ってるん?代表から聞いたん?」

    私は光輝に聞いた。

    「え?何が?えっあ、あぁえーっとそーやで」

    2006-09-16 04:20:00
  • 287:

    杏奈

    あやしい。絶対違うわ。そう思って電話を切った後、勇二君に電話をかけた。
    話を聞いたら光輝から電話も鳴ってないし知らんでって。
    嘘ついてるアイツ!でもじゃあ光輝は誰から聞いたんやろ…。私はまた光輝に電話をかけた。

    「はーい」

    2006-09-16 04:21:00
  • 288:

    杏奈

    「光輝ほんまのこと言いーや。さっきのこと誰から聞いたん?」

    「だから勇二やって」

    「勇二君に確認したで。嘘つき。ほらはよ言ってみ」

    2006-09-16 04:22:00
  • 289:

    杏奈

    「えー。お前絶対ゆうもん。怖いから言わん」

    「黙ってるんやったら黙ってたらいいけど。じゃあ杏奈もこれから勝手にするし隠し事もするから。文句ゆわんといてや」

    「…分かったって。ゆうから!ルイちゃん。ルイちゃんから聞いてん。っつーか店飲みに来てくれた」

    2006-09-16 04:23:00
  • 290:

    杏奈

    「ウソやろ?ルイ?」

    意味が分からんかった。何でルイが光輝の店に飲みに行ってんの?しかも勇二君とご飯行ったことも光輝に話すなんて…。

    「ほんまやで。ありがとうゆうとってな」

    2006-09-16 04:24:00
  • 291:

    杏奈

    「えっ…あ、うん。ルイってアフターやったん?」

    「ちゃうで。一人で来てたけど。黙っといてって言われたからもしかしてサブイ?」

    「知らん。とりあえずまた帰ってきてから話聞くわ」

    2006-09-16 04:25:00
  • 292:

    杏奈

    電話を切ってからも私は混乱してた。ルイ…何のために飲みに行ったん?行くなら私と行けばいいのに。
    何のためにいちいちチクるような真似したん?

    考えだすとキリがなかった。それと少し嫌な予感がした。もしかして光輝のこと気にいったんかな?って。

    2006-09-16 04:26:00
  • 293:

    杏奈

    女の嫉妬は醜いもので、そう思えば思うほど好きだったルイがどんどん嫌な女に思えてきた。
    気のせいや、たまたま飲みに行きたい気分やったからたまたま光輝んとこ行っただけ、ホストに行ってみたかっただけかもしれん、私に言うの照れくさかったんや。
    そう思うようにしてもなかなか前向きにはなられへんかった。

    2006-09-16 04:28:00
  • 294:

    杏奈

    「おやすみ」

    夢の中で光輝の声がした。誰かが頭を優しく撫でてくれてた。…ん?そう思って目を開けるとすぐ隣には光輝がいた。

    「帰ってきてたん?今帰ってきたん?」

    2006-09-16 04:29:00
  • 295:

    杏奈

    いつもは当たり前の光景やのにその時は安心して光輝に抱き着いてた。とゆうよりしがみついた。

    「おい(笑)どうしてん?怖い夢でも見たんか?今日は怒ってごめんな」

    光輝はそう言いながら久しぶりにギュッと強く抱きしめてくれた。

    2006-09-16 04:30:00
  • 296:

    杏奈

    「杏奈もごめん。てゆうか杏奈が悪かったし…。光輝ごめんな」

    「なんやねんマジで。大丈夫か?めっちゃ甘えたさんやん」

    私は自分でも分からなかった。ヤキモチ…?いや、それは分からないけど光輝を誰にも渡したくないって、そう思ってた。

    2006-09-16 04:31:00
  • 297:

    杏奈

    その頃はマンネリしてHも週一、二回が普通。でもその日は久しぶりに何度も何度もお互いを求め合ってた。
    私は忘れかけてた好きって気持ちが再確認できた。

    「なぁ、ルイ今日なにしに来てたん?」

    2006-09-16 04:32:00
  • 298:

    杏奈

    「え?普通に飲みにきとっただけやで。でも俺もビックリしたわ。急に一人で来て誰か従業員紹介したろと思ってたら俺でいいとか言うし。気に入られたんかな?」

    光輝は笑いながら冗談で私にそう言った。
    私はその場は笑いでごまかしてたけど内心は混乱してた。ルイ一体なに考えてんの?

    2006-09-16 04:33:00
  • 299:

    杏奈

    でも私は自信があった。光輝と私には誰にも壊せない強い繋がりがあるって思ってたから。
    光輝のこと分かってんのは私だけ。そう思ってないと悪いことばっか考えてしまうし。
    結局次の日は休み。私は光輝が仕事に行った後はずっと家にいた。その頃は携帯のメールとゆうものが頻繁に使われるようになった頃だった。

    2006-09-16 04:34:00
  • 300:

    杏奈

    私は家にいても落ち着かず、今日は休みのはずのルイにメールをした。

    昨日帰ってすぐ寝てたん?店出てから代表とおる時にルイも呼ぼうかと思って電話してんやん?でも繋がらんかったから?

    送信完了。そしてメール送信から10分後、ルイからメールが返ってきた。

    2006-09-16 04:35:00
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