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水商売の変貌
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1:
名無しさん
1 名前:杏奈:05/09/09 06:58
夜の世界ではでも耳にしたことがありますよね?突然の変貌や変身って言葉を。そしてその世界に入ってくる約七割が心に何らかの闇を抱えていることを。
つかればつかる程変わっていく。これは本職ホストの彼氏の実話を元にした話。
2006-09-07 14:29:00 -
351:
杏奈
「分かってるって。黙ってた俺が悪いで?でも話しても怒っただけやろ?」
言葉がでんかった。悔しくて情けなかった。確かに私は怒ったと思う。いくらお金を使ってくれてもルイは…ルイだけは嫌やったから。2006-09-16 10:56:00 -
352:
杏奈
その時…
「ありがとうございましたー」
大きな声が店内に響いた。奥の席から歩いてきたのはルイと客だった。
「ちょっ、杏奈待ってて。送り出しやから。待っててな」2006-09-16 10:57:00 -
353:
杏奈
そう言って光輝は席を立った。そして、私の前を通り過ぎて行くルイ。一瞬私を見て笑っていたような気がした。
何も言えない状況だったからなおさら腹が立った。
しばいたろか…ほんまに思った。2006-09-16 10:59:00 -
354:
杏奈
その時、ヒロが席に来た。申し訳なさそうな顔して。
「ごめんなぁ…ヒロ。なんかさっき怒ってしまって。あほみたいやわ」
「そんなことないっす。杏奈さんが心配すんの分かりますもん。でも代表も仕事やから仕方ない部分もあると思うんすよ…。こんといてくれとかやっぱ言えないでしょ。女の子はすぐ泣くし。それに売り上げはやっぱり大事っすから」2006-09-16 11:00:00 -
355:
杏奈
分かってる…そんなことくらい分かってるよ…。でもルイだけは客としてでも光輝に近付いてほしくないねんもん…。
あんなセコい女…全部取ろうとしてくるやん…。私に何がしたいん?光輝が好きなら正々堂々としてたらいいのに。
客取ったり噂流したり嘘ついたり…ましてお金使いに店来るなんてありえへんわ。2006-09-16 11:01:00 -
356:
杏奈
「テキーラ!」
私はとりあえず飲みたかった。たいして強いわけでもないのに調子にのってテキーラを頼んでた。グイッと一気に飲み干した後、のどの焼ける感じが気持ち悪かった。光輝が戻ってきても気分は晴れないまま。
「ごめんごめん。もう帰っていったから。あ、ヒロもういいで、3番行っといて」2006-09-16 11:04:00 -
357:
杏奈
光輝はヒロを他の席に行かせると私の隣に座ってまた話し始めた。
「俺が悪かった。でも杏奈もちょっとは分かるやろ?売り上げとか指名とか口座とか。やっぱり俺はナンバーワンでおりたいし客も必要やねん。プラスに考えてたらいいやん。お前の嫌いなルイちゃんから俺が金を絞ってるって」2006-09-16 11:04:00 -
358:
杏奈
テキーラのせいで酔いが回ってきてた私は頭がおかしくなりそうやった。
言ってくれると思ってたのに。もう来ささんようにするって。私がこんなにルイのことで嫌な思いしてんのに…それでも光輝はホストってゆう立場の売り上げを…ナンバーワンを取るんや。
「光輝はこんなにゆっても客としてルイとの繋がり切れへんってゆうん?」2006-09-16 11:05:00 -
359:
杏奈
「何で分からんねん。俺はお前と付き合ってるやん。俺の彼女はお前でお前の彼氏は俺やろ?客は全くちゃうもんやん」
「ルイは違うもん…ルイは嫌やねん。光輝は知らんかもしれんけど…」
私は言われへんかった。ルイに嫌がらせされてたことやお店で女の子達から孤立してること。2006-09-16 11:06:00 -
360:
杏奈
「なんやねん。俺の知らんことって」
「いい。もういいわ。なにゆっても一緒やから。もういいどうでも」
ホンマにどうでもいいと思った。こんなわからずやに何ゆっても一緒やって。2006-09-16 11:07:00 -
361:
杏奈
「何で分からんねん…」
「分からんのは光輝のほうやんか!お金が大事?ナンバーワンが大事?お客さんが大事?ルイが大事?杏奈よりそうゆうことのほうが大事なんやろ?もう勝手にしてよ!」
私は店を飛び出した…。やっちゃった…。あんなにお客さんおったのに…。自分が恥ずかしくなった。2006-09-16 11:08:00 -
362:
杏奈
店を飛び出してビルから出た私の目に飛び込んで来たのは…勇二君やった。
「何で?何してるん?帰った…じゃない…ん」
もう言葉は声にならなかった。2006-09-16 11:09:00 -
363:
杏奈
「何で泣いてんねん!アン?泣いてたら分からんやろ?何かあったんか?」
勇二君はちゃんと私の話を聞いてくれようとする。光輝は違う。完全なホストになってしまった光輝は、自分のことでいっぱいになってるから。
「もう嫌やぁ…」2006-09-16 11:10:00 -
364:
杏奈
「お前何してんねん」
その時後ろから光輝の声がした。光輝は私と勇二君のほうに歩いてきた。
「何してんねんお前ら。勇二お前杏奈に気ぃあんのかこんなとこまで来て。なぁ?杏奈が呼んだんか?答えろや」2006-09-16 11:11:00 -
365:
杏奈
「勇二君は関係ないから!たまたまここ通っただけやねん。ってゆうか光輝には関係ないやんもうほっといてーや!」
私がそう言うと勇二君は私の腕をつかんでいた光輝を突き飛ばして私の前に立って光輝に言った。
「たまたま通ったんちゃうわ。心配やったから待ってたんじゃ。お前がちゃんとせえへんからアンずっとしんどい思いしててんぞ?」2006-09-16 11:12:00 -
366:
杏奈
「はぁ?どういう意味やねん?だいたい勇二に関係ない話なんちゃうんか」
二人は今にもつかみ合いになりそうな雰囲気やった。
「知ってんのか?お前。アンが店でずっと嫌がらせされてたの。ずっと色んな心配してたこと」2006-09-16 11:13:00 -
367:
杏奈
「もういいって勇二君」
「もういいちゃうわ!なんやねん嫌がらせって」
「ルイに決まってるやんけ。周りの女味方につけて店でずっと嫌がらせしてたんじゃ。客もセコいやり方で取ったりアンの変な噂流したり…それでもお前にも誰にも何も言わんと我慢しててんぞ」2006-09-16 11:14:00 -
368:
杏奈
「それでも店やめんとずっと来てたん何でか分かるか?お前のことが好きやからちゃうんか?近くにおらな心配やからやったんやろーが」
思っていたことのほとんどを勇二君に言われた私は、止まりかけていた涙がまた止まらなくなってしまった。2006-09-16 11:15:00 -
369:
杏奈
「そんなん言ってこやな分からんやんけ!何もゆうてこーへんのに分かるわけないんちゃうんか?だいたいお前さっきからアンアンゆうてるけどコイツの何やねん?ただの店のスタッフやろが」
光輝はそう言って勇二君の胸ぐらをつかんだ。光輝には通じんかったんや…。私がずっと我慢してたこと。言わな分からんって?言ったらどうにかなってたん?2006-09-16 11:16:00 -
370:
杏奈
私がそんな思いしてる頃、光輝は客としてルイを接客してたのに。私の気持ちなんて分かるはずない。
勇二君は胸ぐらをつかまれたままやった。何で光輝こんなことするん…
「アンが好きやからに決まってるやんけ!ずっとゆうつもりなんかなかったわ。黙ってるつもりやったわ。お前とこんなんなると思わんかったしお前に惚れてるアンのことが好きになってんから」2006-09-16 11:18:00 -
371:
杏奈
えっ…?一瞬自分の耳を疑った。
「ほんなら最初っからそう言えや!お前もルイと一緒やんけ!」2006-09-16 11:19:00 -
372:
杏奈
「あんなんと一緒にすんな!女泣かせることがお前の男気なんか?自分の女泣かせて我慢させて苦しめることがお前の彼氏としてのやり方なんか?俺ならそんなこと絶対せえへんわ。自分の女幸せにせんで誰を幸せにすんねん?客か?店か?ない頭絞って考えろや」
2006-09-16 11:20:00 -
373:
杏奈
勇二君がそう言った時、光輝は勇二君を殴っていた。鈍い音が痛々しかった。
「殴るんなら殴れや。俺はなんもせんから。好きにしろ」
勇二君はそう言うと血の混じったツバをペッと吐き捨てた。痛かったはず、殴り返したかったはずやのに…。2006-09-16 11:21:00 -
374:
杏奈
「杏奈、お前なに考えてんねん?こんなやつと仕事しとったんか?お前ら浮気しとったんちゃうんか!」
光輝は私の腕を痛いぐらいにつかんでそう言って来た。
呆れて言葉も見つからなかった。浮気?こんなやつ?勇二君はいつでも味方でいてくれた。光輝の話もいつもちゃんと相談に乗ってくれてたし。私にとって唯一の支えやった人。2006-09-16 11:22:00 -
375:
杏奈
恋愛感情はなかった。でも人として優しくて芯の強い人。いつも近くで見守ってくれてた人。
そんな勇二君をこんなやつ呼ばわりされたくなかった。
「もう光輝いいって。もう…別れよう。あんたと何を話しても無理って分かった。一から十まで話しても多分何も分からんと思う」2006-09-16 11:23:00 -
376:
杏奈
「はぁ?何ゆってんねん?お前勇二んとこ行くんか!ありえへんことゆうな」
あほらしかった。別に勇二君に好きって言われたから気持ちが移ったわけでもないし、勇二君を好きなわけじゃない。勇二君に乗り換えるつもりもなかった。
ただ、もう光輝とはもうやっていかれへんって思ってた。こんな分からず屋…。2006-09-16 11:24:00 -
377:
杏奈
「何で分からんの?光輝がここまで頭おかしいとは思わんかったわ!ルイみたいなんと話してるから頭悪なったんちゃう?ナンバーワンホスト?聞いて呆れるわ。あんたみたいなん中身のない人間ってゆうねん」
「はぁ?お前っ!!」
酔いが残っていた私の言葉に光輝はめちゃくちゃ怒った顔で初めて私も胸ぐらをつかまれた。2006-09-16 11:25:00 -
378:
杏奈
バコン…
次の瞬間光輝は目の前に倒れていた。勇二君が…光輝を殴ってしまってた。
「お前何してるか分かってんのか!女の胸ぐらつかむようなことすんな。目ぇ覚ませいい加減!」2006-09-16 11:26:00 -
379:
杏奈
光輝は倒れたまま笑ってた。私には意味が分からんかった。
「ハハッ、何アツなってんねん。もうええわ。お前ら好きにすれば?」
光輝はそう言うと立ち上がってビルに入って行った。2006-09-16 11:28:00 -
380:
杏奈
「大丈夫か?ごめんな…俺いらんことしてもうたやんなぁ…マジごめん」
勇二君はそう言って私に何度も謝って来た。
「何で勇二君が謝るん?謝らなあかんの杏奈のほうやわ…。ごめんな変なことに巻き込んでしまって…」2006-09-16 11:29:00 -
381:
杏奈
ホンマその通りやった。勇二君は光輝と仲のいい友達やったのに…私のせいでこんなことなって…。
「気にすんなって。光輝はちょっと今おかしなってんねん。やっぱナンバーワンとかって必死なってまうとことかあるからな。光輝マジで少し変わってもうたけど、俺は嫌いやから喧嘩したわけちゃうから。あいつのいいとこいっぱい知ってるしそれはアンも一緒やろ?」2006-09-16 11:30:00 -
382:
杏奈
いいところ…か。知ってるよ。いっぱい知ってる。そんなんずっと付き合ってきててんから知り過ぎてるくらい分かってる。
「でも…もうとりあえず別れる。一回ちゃんと距離置いて考えたいし。ルイのこともやっぱり杏奈は納得なんかできひんから」2006-09-16 11:31:00 -
383:
杏奈
「そっか。よっしゃ、分かった。なぁ…ルイに勝ちたない?仕返しってゆうたら大袈裟やけど」
「えっ?何かあるん?」
「アンが頑張ってルイを抜いてナンバーワンなればいいねん。これはある意味いいと思うで?俺はアンにはできると思ってるしずっとそうなってほしかったから」2006-09-16 11:32:00 -
384:
杏奈
「ナンバ…ワン?」
「そう。ナンバーワン」
勇二君にそう言われた私は考えた。これはある意味戦争みたいなもんやなって。光輝は関係なく、女としてルイに勝ちたい。負けてるなんて思ってないし、あんな空っぽホステスなんか…そう考えたら私の中の何かがパッと弾けた。2006-09-16 11:34:00 -
385:
杏奈
「やってみよ…かな?頑張ってみよかな?できるかは分からんけど…」
「おー。やってみろや。俺が完全なバックアップしたるわ。そんかわり出勤は最低でも週5は入らなあかんで」
「うん☆やってみる!あ…あのさぁ、杏奈ずっと光輝と住んでたやん。だから実家帰ってもいいねんけどちょっとミナミから遠くなんねんやん」2006-09-16 11:35:00 -
386:
杏奈
「うーん…どないする?てゆうかマジで光輝と別れる気なん?」
勇二君はビックリした顔で私にそう言った。
「うん。なんかさ、そう考えたらラクになってん。ナンバーワンにもなりたいなぁって」2006-09-16 11:36:00 -
387:
杏奈
「そっか。あ、俺がさっきゆったことは気にせんといてな」
「ん?何?」
「いや…あの…だから…。好きやとか…そんなんゆうたこと」2006-09-16 11:37:00 -
388:
杏奈
「あっ…あぁうん…」
ちょっと気まずい雰囲気にはなったけど、勇二君に心の中でありがとうって思った。
「店の俺の客に不動産会社の専務おるからマンション借りるなら適当に話しとこか?お金も抑えてくれるやろし」2006-09-16 11:37:00 -
389:
杏奈
そうやなぁ…確かにそのほうが便利やし仕事上近いほうがラクやし…
「うん。じゃあお願いしよっかな☆1Kとかでいいし。とりあえず今日はマンション戻っているものだけ取りに行って友達のとこ行くわ」2006-09-16 11:38:00 -
390:
名無しさん
続き気になる?
2006-09-16 12:14:00 -
391:
名無しさん
(*´∀`)
2006-09-16 21:56:00 -
392:
杏奈
「びっくりしたわぁこんな朝っぱらに急に電話かかってきて。なんかあったん?」
真美に不意をつかれた。なんかあった…か。
「うーん…ちょっと。急に来てごめんなぁ」2006-09-16 22:53:00 -
393:
杏奈
「全然いーよ。おりたいだけおってな」
真美はそう言うと、私用に小さめの布団を出してくれた。朝の10時過ぎだった。それから寝てなかった私はウトウトしながらいつのまにか寝てしまっていた。
(ブーブーブー)2006-09-16 22:54:00 -
394:
杏奈
電話?そう思って目が覚めた。窓の外は夕暮れで薄暗い部屋の中、携帯の振動が布団に響いてた。メールだった。
?(お前どこおんねん?勝手なことすんなや。勇二と一緒なんか?)
メールを見た私は寝起き早々呆れてしまった。どこまで光輝はアホなんやろうって。2006-09-16 22:55:00 -
395:
杏奈
少しは頭冷やしたんかと思ったのに…何も分かってないし…。
?(一緒なわけないやろ?もういい加減にしてよ?勝手にしたらいいのは光輝のほうやわ?しばらく連絡してこんといて)2006-09-16 22:56:00 -
396:
杏奈
メールを送った私は目を閉じて一人でつぶやいてた。「しんど…」って。
疲れてた。ほんまに結構いっぱい?やった。昨日の出来事を思い出しただけで頭痛くなってた。
ルイのことが特に…。2006-09-16 23:01:00 -
397:
杏奈
「おはよー。杏奈ぁ先にフロ入る?美容院一緒に行こっか♪」
真美は眠そうな目をこすりながら寝起きもキゲンが良かった。私達はシャワーを浴びて軽く化粧をすると時間もギリギリだったし急いで美容院に向かった。2006-09-16 23:02:00 -
398:
名無しさん
やば気になる?
2006-09-17 01:39:00 -
399:
名無しさん
めっちゃ更新されてる?
2006-09-17 03:19:00 -
400:
名無しさん
あげ
2006-09-17 23:08:00