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水商売の変貌

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  • 1:

    名無しさん

    1 名前:杏奈:05/09/09 06:58
    夜の世界ではでも耳にしたことがありますよね?突然の変貌や変身って言葉を。そしてその世界に入ってくる約七割が心に何らかの闇を抱えていることを。
    つかればつかる程変わっていく。これは本職ホストの彼氏の実話を元にした話。

    2006-09-07 14:29:00
  • 501:

    杏奈

    「アホ…ほんまアホやわ。今日ルイと歩いてたやろ?見てんで…」
    私はもう自分の気持ちやどうしたいかってこと、包み隠さずに話そうと思った。好きやから…誰にも光輝を取られたくないから。

    「ごめん…な。お前の気持ち考えんと売上のことで頭いっぱいなってた。てかびっくりすんなよ?ルイ今な、キャバクラと風俗掛け持ちしてんねんで」

    2006-09-21 21:04:00
  • 502:

    杏奈

    「えっ…」
    私は何も言葉が出てこなかった。ルイが風俗に…?それって光輝のために?
    「あんた何も思わんかったん?それ聞いて」
    「うん、別に何も思わん。キャバクラも今月で辞めるみたいやしこれで杏奈も店で嫌な思いせんですむやろ?よかったやん」

    2006-09-21 21:05:00
  • 503:

    杏奈

    何でやろ?私…なんか分からんけどしっくりこんかった。
    ルイは光輝にとって本当にお客さんでしかない。でもルイは?そこまでして光輝のお店に通うなんて…そんなに好きなん?
    光輝はそれを分かってて、むしろ風俗に移るのを歓迎モード。何でやろ?
    不思議と光輝が鬼のように感じた。

    2006-09-21 21:06:00
  • 504:

    杏奈

    ルイのことは嫌いやけど、何かそこまでして必死になってるって知って、私は頭の中が痛くなった。
    私はいくら光輝が好きでも、きっと同じことはできひんから。それは人それぞれの感覚やねんけどね。
    ルイにされたことを考えると、ざまーみろって思ってもおかしくないはずやのに、私は何故か少し悲しかった。

    2006-09-21 21:07:00
  • 505:

    杏奈

    「なぁ、今日俺んち来てくれるやろ?もう店戻らんからこのまま一緒に帰ろ」
    光輝にそう言われ、私は真美に連絡をした。
    それから二人で二ヶ月ぶりの光輝の家に帰り、もう日曜日だったし私達は昼過ぎまで二人でゆっくりテレビを見ながら話していた。

    2006-09-21 21:08:00
  • 506:

    杏奈

    「風呂入ってくるわ」
    私がテレビを見ていると光輝がそう言ってお風呂場に入って行った。テーブルの上に無防備に置かれてあるケータイ…。
    私は手を伸ばした。

    2006-09-21 21:09:00
  • 507:

    杏奈

    ━ケータイチェック━
    私はこの時無意識に携帯に手を伸ばしてた。発着信履歴━Kとつけられている名前はお客さんのことで、相変わらずたくさんの番号から鳴っていた。
    ルイK。ルイからも着信があった。異常なくらいの数が…。

    2006-09-21 21:10:00
  • 508:

    杏奈

    ━メールチェック━
    ?ルイK
    今日も頑張ってくるね?。今日も仕事が終わったら会いに行っていい?。光ちゃん大好き?。杏奈と勇二めっちゃラブラブで店の中でもいちゃいちゃしてる?。お揃いの物買おうよ?。

    ルイのメールは予想通りの痛いものだった。

    2006-09-21 21:11:00
  • 509:

    杏奈

    でもそれだけじゃない。ルイ以上にすごいお客さんもいた。
    やよいK、さおりK。私はこの時初めて知った。光輝が色恋だけではなく本当に付き合ってる形の本カノ営業とゆうことをしていたことを。
    やよいとさおりとゆう二人は、ソープ嬢ど飛田で働いている女の子だった。

    2006-09-21 21:13:00
  • 510:

    杏奈

    光輝はNo.1。当然、アースさんが引退してからずっとNo.1をキープしていた。
    たくさんのお客さんがいるのは知っていたけど、偽物の恋愛の型にはめて彼女とゆう立場にさせてお店に通わせる…
    ホストなら当たり前のことなのかもしれない。だけど自分の彼氏がそういうことを平気でしていると知って私は少しショックだった。

    2006-09-21 21:14:00
  • 511:

    杏奈

    そして一人、また一人と仕事を変えていってるのか考えると嫌な気分になった。
    光輝にはそんな仕事の仕方をしてほしくなかった。
    光輝は…やっぱり少し変わってしまってた。色ホストと呼ばれるような営業方針で色カノがたくさんいて。

    2006-09-21 21:15:00
  • 512:

    杏奈

    みんな素直に光輝のことが好きなんだろうな…そう思うと切なかった。
    「あっ…お前携帯チェックかよ(笑)なんもやましいもんなかったやろ?」
    お風呂から上がってきた光輝に携帯を見ていたのをバッチリ見られてしまった。

    「あ、ごめん」

    2006-09-21 21:16:00
  • 513:

    杏奈

    アースさんは色恋的な営業をしなかった。どちらかと言えばバカ騒ぎしたり笑わせたり、そういう感じの営業で。
    それなのに売上は上げるし人気もあった。それにアースさんのお客さんは長いお客さんが多くて、本当に単純に楽しみに来る目的で来ていたみたいだし。
    『客は自分の鏡やから』って言ってた。要するに自分の接客で客が決まるって。

    2006-09-21 21:18:00
  • 514:

    杏奈

    私は光輝がアースさんを抜いてNo.1になった時、素直に喜んだしアースさんも喜んでくれてたけど、アースさんが引退してしまったことは残念に思う。
    アースさんの下であのまま働いていたら、光輝も少しは違っていただろうなって。
    No.1になったことで光輝は変わっていったし、何より上に立つ人がいなくなってしまったせいで光輝は間違った道に進んでしまったから。

    2006-09-21 21:19:00
  • 515:

    杏奈

    「えーやん、そんなんどっちでも。俺は俺やしアースさんはアースさんやし。ちゅーか杏奈もうすぐ誕生日やんな?何欲しい?バーキンでも何でもこいやで」

    光輝には伝わらない。ホストにとって水商売にとって人間にとって何が大切なのかってことが。
    色恋なんてなくたって、人間性を磨けば男としてじゃなく一人の人間として好きになってもらえるのに…

    2006-09-21 21:20:00
  • 516:

    杏奈

    「なんも欲しくない。そんなんやったらどっか一緒に行きたい。一泊でもいいから旅行行こうよ」

    約一ヶ月後の私の誕生日。付き合ってからは初めての日曜日の誕生日だった。

    「別にいいけど。じゃあどこ行くか決めとけよ」

    2006-09-21 21:25:00
  • 517:

    杏奈

    「うん!分かった!」

    嬉しかったなぁ…なんか久しぶりにどっか行けるってゆうのが。

    「なぁ杏奈ほんまに何もいらんのか?欲しいもんゆわんかったら俺勝手に買ってくるで。センス悪いとか後からゆうなよ(笑)」

    2006-09-21 21:27:00
  • 518:

    杏奈

    欲しいもの…
    欲しいもの…?
    考えても全く思い付かなかった。あえてゆうなら昔の…ね。
    「なぁ、欲しいってゆったら何でもいいん?無理なものじゃないから」
    私の欲しいもの。それは…

    2006-09-21 21:28:00
  • 519:

    杏奈

    「えーでえーで。何でもゆってみろや」
    光輝は少し半笑いで半分は何を言われるのかと顔が少し引きつっていた。
    「んーとな、昔の光輝が欲しい」
    「はっ!?」
    「だからー、昔の光輝やってば。なんかさ、よく分からんねんけど…杏奈は昔の光輝に戻ってほしいなぁと思って。めっちゃお客さん大事にしてたやん。どんな細いお客さんでもみんなに優しかったやろ?」

    2006-09-21 21:28:00
  • 520:

    杏奈

    「意味分からん」
    「今の光輝は前と違う。あんなに大事にしてたお客さんを大事にしてるように見えへんねん…なぁ、今からでも遅くないやん?色だけのNo.1ってホストとしてもカッコイイもんじゃないと思うよ。お願いやから女の子を風俗行かせたりするようなホストにはならんといて」

    2006-09-21 21:29:00
  • 521:

    杏奈

    「なぁ…俺はな、お前のことは大事にしてるやん。お前だけは大事にしていくで。だから誰がどうなろうと別にいいやん?」

    ━どうなろうと━?

    「じゃあ何?光輝は自分のお客さんはどうでもいいん?自分のために風俗とか本番屋まで行ってる子…そんな子らに対して何も思わんの?」

    2006-09-21 21:30:00
  • 522:

    杏奈

    「知らんやんそんなん。勝手に流れていくだけなんやから。俺が行けってゆうてるわけちゃうねんし」

    光輝…
    なぁどうしたん?
    あの時の光輝はどこに行ったん?一人になるのが怖かったんじゃなかったん?店やお客さんに必要とされてるって分かった時、嬉しかったんじゃないん…?

    2006-09-21 21:32:00
  • 523:

    杏奈

    そんな光輝ならみんな離れて行っちゃうで…今はよくても…気付いたらみんないなくなっちゃうで…。

    「なぁ、光輝はお父さんみたいになりたかったんじゃないの?憧れやったんやろ?周りから必要とされてるカッコイイお父さんが目標やったんじゃないん?」

    2006-09-21 21:33:00
  • 524:

    杏奈

    「だから俺は今必要とされてるやん周りにも客にもお前にも。親父みたいになれてるやんけ」

    「じゃあ光輝はもし自分の子供がいたらそんな仕事のやり方してるの自慢できるんや?子供は光輝を見てカッコイイと思うんかな?人を騙してる姿を見て、憧れたりすると思う?」

    私はこの話にはふれたくなかった。だけど光輝を変えられるのはお父さんしかいないって思ったから…。

    2006-09-21 21:34:00
  • 525:

    杏奈

    しばらく光輝は黙ってた。沈黙が続いた。

    「売上げ落ちるで?」
    「えっ?」
    光輝の突然の言葉に意味が分からなかった。

    2006-09-21 21:36:00
  • 526:

    杏奈

    「お前といいもん食いに行ったり好きなもん買ったれんようになるかもしれんで?」

    「うん……えっ?」

    「もうやめるわ。色営業。なんか分からんけど親父の顔が浮かんだ。俺まだまだあんなにすげー男までは程遠いけど…小さい頃に俺の見てきた背中はめっちゃ大きかったから。親父みたいに…親父を越えれるような男になるわ俺」

    2006-09-21 21:37:00
  • 527:

    杏奈

    光輝の言葉を聞いて、私は少し目の前がにじんだ気がした。
    やっぱり光輝にとって、お父さんの存在は大きかった。私が言ってもあかんかったのに…そう思うと少し光輝のお父さんにヤキモチやいたなぁ(笑)
    でもお父さんに感謝もした。ありがとうございましたって。力を貸してもらった気がしたから…。

    2006-09-21 21:38:00
  • 528:

    杏奈

    「なっ和歌山にしよっか。杏奈の誕生日の一泊旅行♪なっそーしよっ」

    少ししんみりした雰囲気になっていた光輝に私はそう言った。
    和歌山には光輝の生まれた町がある。施設やお父さんのお墓も。私は一度も行ったことがなかった。
    光輝の生まれ育った場所に。

    2006-09-21 21:38:00
  • 529:

    杏奈

    「何で和歌山やねん?もっとええとこでいいやん。和歌山なんか何もないで」
    光輝は笑ってた。

    「お墓参り行ってないやろ?ずっと。手合わせに行こうよ。光輝の生まれた町も見てみたいし」
    「マジでゆってるん?ほんまにたいしたもんないで?まぁ別に俺はいいけど。お前のこと親父に紹介しなあかんしな」

    2006-09-21 21:39:00
  • 530:

    杏奈

    光輝はそう言うと私の頭をくしゃくしゃっとしてきた。会いたかったな…私も。光輝のお父さんに会ってみたかった。
    光輝がこんなにも心から想ってる人ってどんな人だったんだろう。
    多分めちゃくちゃ素敵なお父さんやったんやろうなぁ…。

    2006-09-21 21:40:00
  • 531:

    杏奈

    「じゃあ和歌山で決定!ついでに温泉とかもありやんなぁ♪」

    私と光輝は日が暮れるまでそんな話をしながらずっと話し続けてた。気付けば二人してそのまま寝ちゃってたりして。
    目が覚めると部屋は真っ暗だったけど、光輝の腕の中だったから安心できた。久しぶりの光輝のあったかさが心地よかった。

    2006-09-21 21:41:00
  • 532:

    名無しさん

    あげ?

    2006-09-22 11:00:00
  • 533:

    名無しさん

    久々に見たらめっちゃ更新されてるし??しかも二人戻ってるし??ょかった?

    2006-09-23 02:54:00
  • 534:

    名無しさん

    書いて?

    2006-09-23 11:31:00
  • 535:

    杏奈

    先に起きた私は光輝の寝顔を見ながら思った。人は人で変わることができる。
    人をよく変えるのも悪く変えるのも人次第なんやろうなって。

    人を好きになって見えたものは、人の温かさ、人の醜さ、人の切なさ、人の…優しさ。

    2006-09-24 07:22:00
  • 536:

    杏奈

    光輝は私にいろんな想いを教えてくれた。
    好きになるって気持ちにはいろんなプラスαがあった。くだらない嫉妬もそう。自分だけのものにしたくて焦って必死になった。

    空回りしてる自分がカッコ悪くて、もういいやって逃げたくなった時もある。

    2006-09-24 07:25:00
  • 537:

    杏奈

    喧嘩して言い合って、売り言葉に買い言葉。後になって後悔したり。
    うまくいかない時は自分が自分でなくなってしまう位泣いたり落ち込んだりもした。
    でも…信じることを諦めた時、多分人は人でなくなってしまうから。私は何度も光輝を嫌いになりそうだった。信じられなくなった時もあった。
    でも、やっぱり好きやったんかな…結局いつも光輝から離れられへんかった。

    2006-09-24 07:27:00
  • 538:

    杏奈

    「おはよ…起きてたん?もうちょっと寝よや…」
    光輝は一瞬目を覚ますと私を見てまた寝てしまった。寝ぼけてるんやろうなぁって可愛く見えた。

    伸びかけのヒゲもまぬけに開いた口も変な寝ぐせのついた髪も…全然かっこよくない。
    でも、私にとってはそんな姿が1番落ち着く。着飾ってかっこつけてないそのまんまの光輝が好きやから。

    2006-09-24 07:28:00
  • 539:

    杏奈

    光輝と付き合ってから三年半がたとうとした頃、私はやっと光輝と向き合えた気がした。
    遠回りして、やっと辿り着いた。私達は気持ちを表したり伝えることが苦手やったんかもしれん。
    でもそれが逆によかった気もする。終わりよければ全てよしってわけでもないけど。

    2006-09-24 07:29:00
  • 540:

    杏奈

    私はそんなこと考えながら寝ていた光輝を起こさないように部屋を出て行った。もちろん、ちゃんと置き手紙は置いてね。
    光輝へ
    真美の家に帰ってくるね。服とか荷物もあるからさ。真美にはお世話になったし今日は真美に光輝のことも話してまた明日帰ってくるわ。
    杏奈

    2006-09-24 07:30:00
  • 541:

    杏奈

    それからマンションを出ようとした時、見覚えのあるカバンを持った人がマンションの前でうずくまっているのが見えた。
    なに?大丈夫なんこの人…体でもおかしいんかな?
    「大丈夫ですか?」
    私は心配になって聞いた。

    2006-09-24 07:30:00
  • 542:

    杏奈

    「大丈夫で…す」
    そう言って顔をあげた人。それはルイやった。お互いびっくりした顔でとりあえず驚いてた。
    「何してんの?」
    私はルイに聞いた。

    2006-09-24 07:31:00
  • 543:

    杏奈

    「あ…杏奈こそ…もしかして光ちゃんとこおったん?なぁそうなん?」
    今にも泣きそうな顔で私に聞き返してきた。
    「…」
    私は何も言えなかった。ルイのことは嫌いやったしヒドイこともされてきたけど、こんな泣きそうな顔してずっとここで待ってたんや…って思ったら。

    2006-09-24 07:32:00
  • 544:

    杏奈

    「お願い…光ちゃんルイにちょうだい…あんなにルイのこと考えてくれる人おらんねん…大事にするって…ゆっ…くれて…ん」
    泣き声で声がかきけされてた。聞ける願いなら聞いてあげれたかもしれん。
    でも私それだけはできひんから。分かってた。ルイを色で引いてたこと。ルイはお客さんでしかないこと。ルイは風俗まで…行ったこと。

    2006-09-24 07:33:00
  • 545:

    杏奈

    人を好きになると壊れてしまうこともある。嫉妬に狂って嘘をついたり嫌な女になってしまうこともある。ルイも…そんな普通の女の子の一人やったから。
    「ごめん。光輝を好きな気持ちは分かる。でもな、杏奈も好きやねん。光輝じゃないとあかん…渡すことはできひん。あのな、ルイ今風俗行ってるんやろ?」

    2006-09-24 07:35:00
  • 546:

    杏奈

    「えっ…」
    ルイの顔が変わった。
    「なぁ、やめてくれへん?風俗掛け持ちしてるのって光輝のためなんやろ?」

    「ちが…ルイが行きたくて行ってるだけやもん。光ちゃんのためなんかじゃないしルイもう店なんか行ってないもん」

    2006-09-24 07:36:00
  • 547:

    杏奈

    ルイは嘘をついた。私は分かってた。だって昨日お店入るとこ見てたもん。

    「ごめん昨日見てんやん。ルイが光輝の店のビル入るとこ。こんなこと言いたくないねんけど光輝はルイを色で引いてたと思う。そんなん考えたら分かるやろ?ずっとナンバーワンやったルイにやったら分かるやん?」

    2006-09-24 07:37:00
  • 548:

    杏奈

    「ルイプライドもちぃや。ナンバーワンやろ?杏奈…ルイのこと抜くために頑張ったり目指したりしててんで?」

    ルイは多分情緒不安定な子やったと思う。感情移入しやすい。仕事中は完璧といっていいほど究極のホステスやのに、仕事が終われば別人やった。
    精神的に疲れる分、精神的に癒されるホストにはまりやすかったんかな…

    2006-09-24 07:39:00
  • 549:

    杏奈

    「だって…」
    ルイは言葉が出てこなかった。ただ…泣いてた。

    「だってじゃないやん。もういいやん?前みたいに戻りいや。光輝も多分変わってしまうと思う。もう色恋やらんって言ってたから。だから光輝のために風俗行ってるなら早くやめて。自分のために行くのと人のために行くのじゃ意味が全然違うねんから」

    2006-09-24 07:40:00
  • 550:

    杏奈

    「杏奈はせこいわ…光ちゃんと出会うのがルイより早かっただけやん…それやのに何で杏奈は光ちゃんに大事にされ…るん」

    確かに出会うのが早かったのは私。出会いのが遅かったのはルイ。でも私は思う。
    そんな時間のズレも運命やねん。一分一秒で変わってしまうものやから。

    2006-09-24 07:41:00
  • 551:

    杏奈

    「ルイのこと嫌いやで。めっちゃむかつくししばいたろかと思ったこともある。ほんまに許されへんと思ったし人を憎んだことも初めてやった。でもな、もういい。なんか分かるからさ。同じ女やねんから…。気持ちめっちゃ分かるから。光輝は最低なホストやったで。ほんまに…。でも分かって?もう光輝も変わるから。だからルイも変わってよ。自分をなくさんといて」

    2006-09-24 07:42:00
  • 552:

    杏奈

    「ルイ嫌や…そんなん嫌…ごめん杏奈…ごめ…うっぅぅ…ヒドイこといっぱいしてごめん…ル…光ちゃんのこと好き…ったから…」

    「もういいから泣かんとき。なっ」

    「分かっててん…ずっと光ちゃんが違う人見てること…ルイを見てないこと…でも優しいことゆってくれたから…だから…」

    2006-09-24 07:44:00
  • 553:

    杏奈

    「分かったから。ルイもう泣かんといて」

    「ほんまは風俗なんて行きたくなか…た…知ら…人に触られるの怖かった…嫌やってん…だか…」

    ルイは泣き崩れた。私も胸が痛かった。こんなになるまで苦しかったんやろうな…ほんまはずっとルイ自身は分かってたんかもしれへん。

    2006-09-24 07:46:00
  • 554:

    杏奈

    自分のためじゃなく、人のためってことが。

    「ほら、立って」
    私はルイに手を差し延べた。ルイは私の手をとり立ち上がった。
    「なぁルイ?杏奈ナンバーワン目指すけどどうする?張り合う相手がおらんかったらやる気でえへんねんけど。しおりさんとか相手ならんし」

    ルイは笑った。初めて会った頃の顔。素直なルイの笑顔やった。

    2006-09-24 07:48:00
  • 555:

    杏奈

    「しゃーないなぁ…ルイが相手なったるわ。ナンバーワンは渡さんよ」
    ルイはそう言うと私に手を伸ばしてきた。私はルイに手を伸ばし、私達は握手をした。
    ルイへの宣戦布告の日から長かった女の戦いがやっとこの日に終わった。
    私達には終わりであり始まりでもある。光輝をめぐっての件は終わったけど、次はナンバーワンをかけて。

    2006-09-24 07:49:00
  • 556:

    杏奈

    傷付け合うことで分かることもあるんやなってルイとのことで分かった気がする。
    人は誰でも嫉妬するし自分のことが一番やと思う。自分を守るために必死でたまに周りが見えんくなったりするから。
    傷付け合って、泣いたり怒ったりしたけど、ルイも私も今となれば笑い話。

    2006-09-24 07:51:00
  • 557:

    杏奈

    「真美ただいまぁ」
    「おかえりぃー。杏奈帰ってくると思わんかったって。今日日曜やし。ところでどーやったん?彼氏と」

    真美は休みやとゆうのに遊びにも行かず部屋にいた。もしかして待っててくれた?とかちょっと思った。

    2006-09-24 07:52:00
  • 558:

    杏奈

    「仲直りしたで。なんとかもちこたえたわ(笑)」
    「よかったやん☆じゃあ家出ももう終わりやな…ちょっと寂しいけど」
    真美はほんまに寂しそうに見えた。そりゃ実質二ヶ月も一緒におったしね。

    「何ゆってんの!めっちゃ遊びに来るしぃ」

    2006-09-24 07:53:00
  • 559:

    杏奈

    「絶対やでーっ。でもやっぱ寂しなるわぁ…まぁでも杏奈がまた元気なるなら私はいいけどさ☆」

    「真美ありがとう…。杏奈めっちゃ思ったわ。友達って大事やなって。やっぱりさぁ結局ずっと切れずに続く関係は友達しかないもん。だからこれからも仲良くしてな☆」

    2006-09-24 07:55:00
  • 560:

    杏奈

    友達って…離れていても想い合うことのできるもの。何かあれば助けてくれる。あほなことで笑い合える。一緒にグチこぼし合える。泣き顔だって見せ合える。

    喧嘩して嫌なところ見ても言い争っても…友達だから仲直りできる。

    2006-09-24 07:56:00
  • 561:

    杏奈

    「なぁもう今日光輝君とこに帰るん?」
    「うーん明日にするつもりやで。今日は真美とゆっくり話そうかと思ったから。これからは光輝との時間もまた増えるやろうからさ。でもたまには遊ぼな☆」

    「うん。ほんじゃあ今日は鍋でもしながら飲もか」

    2006-09-24 08:00:00
  • 562:

    杏奈

    私と真美はそのまま家で鍋をしながら朝まで語り明かした。光輝は置き手紙を見て気を使ってか、メールを一回入れてきただけだった。
    真美が寝てしまい結局私は朝、真美の家を出て光輝の待つマンションへと帰った。

    2006-09-24 08:01:00
  • 563:

    杏奈

    ━ガチャ━
    部屋に入ると朝っぱらから大きなテレビの音量が聞こえてきた。
    「ただいまぁー」
    「おかえりぃ」
    光輝の返事が可愛く聞こえた。しかも見てたのはわけの分からんアニメのテレビ。こういうとこが母性本能ってやつくすぐられたりする。

    2006-09-24 08:04:00
  • 564:

    杏奈

    それからは仕事の時間まで一緒に食事作ったりゲームしたり。布団たたいてもらったり洗濯したり。
    なんやろうなぁ…そうやって何気ない時間を共有できる相手がいるってことは幸せだなぁって思った。
    毎日が同じようで毎日は全く違う。そんな日々の中ではずっと何気ない幸せが溢れてた。一日一日が大切で思い出で。

    2006-09-24 08:11:00
  • 565:

    杏奈

    それからまた二人での生活が始まった。小さな喧嘩もあったりしたけど、光輝は変わっていったから…。

    前みたいによく笑うようになったしお客さんも大事にするようになった。
    色恋じゃなく中身のある楽しい接客をするためにお笑い系のビデオやテレビ見たり本を読んだりして。

    2006-09-24 08:12:00
  • 566:

    杏奈

    一度はそれてしまった道、曲がってしまった心が元に戻っていった。
    まっすぐな…光輝に。
    確かに売り上げは落ちた。色だけで引いてたお客さんは切れたりもした。でも、光輝は楽しそうやった。
    今日はこんなことがあった、○○ちゃんって子がこんなんでなぁ、って話してた。

    2006-09-24 08:14:00
  • 567:

    杏奈

    自分が変われば相手も変わる。相手が変われば自分も変わる。
    人って人で変わる。ほんまにそう思った。光輝が変わればお客さんも変わった人がおったし。

    2006-09-24 08:43:00
  • 568:

    杏奈

    「おーい用意できたんか?早くしろよー」

    「もうできるから待ってよもうすぐやから」

    部屋の中でバタバタ用意しながら動く私。誕生日を兼ねて一泊で和歌山に行くことになってた。

    2006-09-24 08:47:00
  • 569:

    杏奈

    仕事が終わった日曜の朝から二人とも寝ないで車でのんびりと出発した。

    「なぁどれくらいで着くん?遠い?」
    「そんなことないで。まぁ近いっちゃあ近いし。てか杏奈お前絶対寝んなよ」

    2006-09-24 08:48:00
  • 570:

    杏奈

    「寝えへんわっ」
    私達はそんな会話をしながら阪和道を走ってた。天気も絶好によくてまぶしいぐらいだった。
    大阪から離れていくうちにやっぱり少しずつ変わっていく景色。二人でどこかに出掛けることも久しぶりやったし、私はなんとなーく嬉しくてはしゃいでた。。

    2006-09-24 08:50:00
  • 571:

    杏奈

    光輝の隣にいることが幸せやなぁって思った。
    ほんまに色々あったってゆうか今までありすぎた。めちゃくちゃ疲れた。でも思ったよ…
    いっぱい嫌な想いや辛い想いしたからこそ、幸せを感じる気持ちが大きくなったなぁって。

    2006-09-24 08:51:00
  • 572:

    杏奈

    「おい!もうすぐ昔住んでた家見えるで」
    光輝は少し嬉しそうやった。それからしばらく進むと車の左側に周りの家の何倍もの大きさのめちゃくちゃ大きい家が見えた。
    ここ?まさか…

    「そこやで。俺が昔住んでたとこ。こうやって見たらやっぱすげーよな」

    2006-09-24 08:52:00
  • 573:

    杏奈

    「えっ?マジで?」

    ありえへん…敷地面積軽く私んちの5倍はあるやん…庭なんかめっちゃ広いし。家の前に着くと私達は近くに車を止めておりた。

    歩いて玄関の前まで行くと、表札には倉田と書かれてあった。今は全く知らない人がこの家の持ち主。光輝の幼い頃のお父さんとの思い出がいっぱい詰まった家やのにな…

    2006-09-24 08:53:00
  • 574:

    杏奈

    「ばり懐かしいわ…なんかあんま記憶ちょっとしかないけど。こんな広い家で親父とおかんと三人で住んでたって考えるとあほやんな。ムダに広いだけやし」

    光輝は笑ってた。でもやっぱり笑ってる横顔は少し淋しげに見えた。幸せな幼少期を過ごしたこの家に、大好きだったお父さんは…もういない。

    2006-09-24 08:54:00
  • 575:

    杏奈

    私は黙って光輝の手を握った。光輝は少しびっくりしてた。

    「なっ何やねん…お前どうしてん急に」

    「ん?いいやん。光輝には杏奈がおるから。これからもずっとそばにおる。絶対離れたりせえへんから。もう一人じゃないねんで」

    2006-09-24 08:55:00
  • 576:

    杏奈

    「うん…」

    光輝の返事はそれだけやった。たった二言の短い返事。でも握ってた手を強く握り返してくれた。
    私それだけで光輝の気持ちが全部伝わってきた気がする。
    大切なことは分かりあえること。何も言わんでも分かってあげれたらいいなって思った。

    2006-09-24 08:55:00
  • 577:

    杏奈

    「俺さぁ、将来ホスト引退したら自分で会社おこそうかと思ってんねん」

    初めて光輝の口から出た『将来』って言葉やった。

    「そうなん?」

    2006-09-24 08:58:00
  • 578:

    杏奈

    「ずっと金も貯めてきたやん?それに一生ホストは無理やん年齢的にも生活的にも。だから飲食店でもいいし広告代理店とかな、建築関係でも服飾関係でも。とりあえず何でもいいからいつかやる。だからずっと俺とおってな。俺はいつかこんなでっかい家をお前のために建てたるから」

    光輝が真剣にこんなこと言ってくれたのは初めてやったから、私あほみたいに泣いてた。

    2006-09-24 08:59:00
  • 579:

    杏奈

    でっかい家を建てたるって言われたことや、光輝が自分で将来設計をたててたことが嬉しかったわけじゃない。
    ただ単純に『俺とおってな』って言葉が嬉しかった。長く付き合ってきてるのに、当たり前なことを改めて言われたことがなんかめっちゃ心ん中に響いた。

    2006-09-24 09:00:00
  • 580:

    杏奈

    「泣くなやぁもう。お前ほんま泣き虫か(笑)ほらそんなんしとったら置いて帰んで」
    光輝は私の手を握ったまま車の方へと歩いた。
    私がいつも見てきた光輝の背中。色んなことを乗り越えてきた辛さや涙が、光輝をたくましくしたんかな。光輝の1番の強さは優しさやと思うから。

    2006-09-24 09:01:00
  • 581:

    杏奈

    車に乗り込んだ私に、光輝は『あほぉ…泣き虫』って一言ゆうと車を発進させた。
    「次墓参りやからな」
    そう言いながら意味の分からん作詞作曲自分やん!って感じの歌を気分よさ気に歌ってた。
    あほはどっちよ(笑)って思ってたけど黙っておいた。

    2006-09-24 09:03:00
  • 582:

    杏奈

    「いこか」
    水かけの用意と用意しておいたお線香とお花を持って私達は歩いた。
    一際立派なお墓には菅原家之墓と書かれてあった。光輝のお父さんの眠ってるお墓や…。
    でも?まだついたままの線香と新しいお花が献花されてあった。
    「あれ?誰が持ってきたんやろな?親父の兄貴のおじさんかな」

    2006-09-24 09:05:00
  • 583:

    杏奈

    とりあえず私達も花を飾ってお墓回りを掃除した。それから二人で線香をあげて静かに手を合わせた。

    お父さん聞こえてますか?光輝はこんなに大きく立派になってます。安心して下さい。私が一生光輝のこと、何があっても支えていきます。お父さんができなかったたくさんのこと…光輝にしていきますから。
    だから、見守っていて下さいね。

    2006-09-24 09:06:00
  • 584:

    杏奈

    その時、全くなかった風が一瞬だけ強く吹いて私の髪の毛がなびいた。
    もしかして聞いてくれてたんかな…なんとなくやけど返事をしてくれたようなそんな気がした。
    隣にいる光輝も目を開けると私をみてにこっと笑ってた。

    2006-09-24 09:09:00
  • 585:

    杏奈

    「親父聞こえるかー?俺の彼女連れてきたで。べっぴんやろ…今日も杏奈に言われて来たようなもんやねん。めっちゃしっかりしてる子やで。だから俺、多分こいつと結婚する。その時はまた報告しに来るから。待っててくれな」

    光輝はお墓を見ながら話してた。その顔は、なんやろ…なんかほんまにお父さんに話してるみたいに見えた。

    2006-09-24 09:10:00
  • 586:

    杏奈

    その時少し離れた場所からもう一人その姿を見ていた人を見つけた。短い髪の女の人。
    「なぁ光輝、知り合い?めっちゃ見てるけど」

    私は光輝に言った。すると一瞬で光輝の顔つきが急に変わった。

    2006-09-24 09:11:00
  • 587:

    杏奈

    「帰んぞ」
    そう言ってスタスタと反対の方向へと歩いていく。
    「待ってよ誰なん?」

    私は光輝を追いかけた。光輝はスッと立ち止まって背中を向けたまま言った。
    「おかんや…」

    2006-09-24 09:14:00
  • 588:

    杏奈

    おか…ん?え?お母さん?ってことは…さっきの線香とお花ってもしかして光輝のお母さんが供えたものなんちゃうん?

    「なんも話さんくていいん?お墓参り来てたんじゃないん?お母さんも」

    光輝は黙ってた。多分信じられへんかったんやと思う。お父さんを捨てたお母さんが墓参りに来たってことが。

    2006-09-24 09:14:00
  • 589:

    杏奈

    「光輝が話したくないなら何も言わん。帰りたいならもう帰ろう。でもお母さんってわざわざ富山から和歌山来たんじゃないん?」

    光輝が以前いなくなった時、富山に行ってたことは知っていた。お母さんに十何年ぶりかに会ったことも。

    2006-09-24 09:16:00
  • 590:

    杏奈

    でも深くは聞かなかったし光輝も話さなかった。ただもう会わないってことだけ…言ってた。
    私は黙ったままの光輝を置いてお墓までの階段を走って戻った。
    見えてくる墓場。髪の短い女の人は目をつむって光輝のお父さんのお墓の前で手を合わせていた。

    2006-09-24 09:17:00
  • 591:

    杏奈

    深々と頭を下げる光輝のお母さんはとてもきゃしゃで、か弱そうに見えた。
    「はい…あの、光輝と話さなくていいんですか?差し出がましいとは思うけど…やっぱりちゃんと話すべきだと思うんですよ。過去に何があったのかは分かってます、でも親子ですよね?それは変わらないものじゃないんですか?」

    2006-09-24 09:22:00
  • 592:

    杏奈

    「ごめんなさい…」
    ただそう言って頭を下げたままだった。でもなんとなくやけど分かる。きっとこの人の良心が苦しんでるって。
    過去のことは許されることじゃない。でも…多分時間がこの人の心を変えたんや。後悔してる…何か伝えたいことや思ったことがあったからここに来てるって思った。

    2006-09-24 09:23:00
  • 593:

    杏奈

    その時後ろから光輝が走ってきた。
    「勝手なことすんなって。喋んなこんなやつと」

    「いいん?じゃあこのまま一生こうやって怨んでいくつもり?裏切られた人を許すことはしんどいことやで。でも人を憎んで生きていく方がもっとしんどいねん。光輝の中に残ってる殻をキレイにせんかったらずっと自分の過去に背を向けることになんねんで?」

    2006-09-24 09:25:00
  • 594:

    杏奈

    光輝はしばらく黙ったあと静かにお母さんに向けて話し始めた。
    「何しにきたん?わざわざこんなとこまで」

    「あ…ごめんね…三年前から毎月来てたから…もう帰るから…ごめん」
    お母さんは小さな声でそう言った。

    2006-09-24 09:27:00
  • 595:

    杏奈

    「あーー!もーいらいらすんねん!何やねん!何がしたいねん!」

    「ごめ…ただ…謝りたくて…。お父さんを一人にしてしまったこと…後悔してる。許してもらえるわけないけど…一人で苦しんで死んでいったこと思うと…辛く…」

    最後のほうの言葉は聞き取れなかった。涙で枯れてしまってた。

    2006-09-24 09:29:00
  • 596:

    杏奈

    「俺だって辛いわ。もうちょっと大きかったら助けてやれたかもしれんのに足手まといなことばっかして…ちゅーか後悔するなら初めっからすんなや。親父の気持ち…もっと考えたってほしかったわ。もういいけど。過ぎたことは何ゆうても戻らんねんから。でも償いの気持ちあるならこれからも来たってくれよ。こんな山奥で一人かわいそうやから」

    2006-09-24 09:30:00
  • 597:

    杏奈

    「光輝…ごめ…ありが…う…ほ…まに…」

    お母さんは声が震えてた。光輝…あんたは偉い。自分自身に厳しいあんたが初めて自分の殻を破った。
    心の奥底にあった闇も、やっとこれでもうなくなったやんな…。
    「これ、俺の名刺やから。また大阪来たら連絡して。杏奈行こ」

    2006-09-24 09:31:00
  • 598:

    杏奈

    光輝はそう言うとまた一人で歩いて行った。
    私はお母さんにペコッとお辞儀をして光輝の後を追いかけようとした。その時、「あのっ…」とお母さんに呼び止められた。

    「杏奈さんでしたっけ?」「あ、はい」
    「ありがとうございました。光輝…変わりましたね。前に富山に来た時はあんなに穏やかな顔してなかった。変わったのは多分杏奈さんのおかげです…。光輝を支えてくれてありがとう。これからも仲良く頑張ってね」

    2006-09-24 09:33:00
  • 599:

    杏奈

    「はいっ。お母さんも。また大阪に来た時は光輝に連絡してあげて下さい。少しずつかもしれないけど親子に戻れると思うんで。じゃあ行きますね」

    私はそう言って光輝のもとへ走って追い付いた。

    2006-09-24 09:35:00
  • 600:

    杏奈

    「ごめんな」
    私が言うと光輝は笑いながら「おせっかいやなぁ」って言ってきた。
    「ごめん…」

    「でも…ありがとう」

    2006-09-24 09:36:00
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