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水商売の変貌

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  • 1:

    名無しさん

    1 名前:杏奈:05/09/09 06:58
    夜の世界ではでも耳にしたことがありますよね?突然の変貌や変身って言葉を。そしてその世界に入ってくる約七割が心に何らかの闇を抱えていることを。
    つかればつかる程変わっていく。これは本職ホストの彼氏の実話を元にした話。

    2006-09-07 14:29:00
  • 81:

    杏奈

    携帯番号が書かれてある名刺にはClubやLoungeと書かれてあった。飲み屋さん?そう光輝は今でゆうキャバクラに行っていた。
    『この名刺なに?』
    『あ、違う店やけど仲いいホストの代表さんと付き合いで飲みに行っただけ。あと営業がてらな』
    光輝は平然と私にそう言った。前なら少し焦ってあたふたしながら言い訳も考えたりしてくれたのに。

    2006-09-08 17:33:00
  • 82:

    杏奈

    私ばっかり一人で必死になってた。ただでさえ光輝の周りには女の子がいっぱいやのに飲みにまで行ってるなんて…。
    『光輝おかしいわ。なんで平気なん?こんな名刺見て嫌な気なんの分からん?持って帰ってこんといてよ』
    私はまた光輝に強く言ってしまった。

    2006-09-08 17:34:00
  • 83:

    杏奈

    『あーうるさいなぁもう。しゃーないやん仕事やねんから。いいやんけ。こうやってお前と付き合って一緒に住んでんねんぞ?』
    光輝はだるそうに私にそう言うとベッドに入り、背中を向けて寝てしまった。
    な、なんなん…一緒に住んでんねんから文句ゆうなみたいなこと言って。私は光輝の考えてることが、だんだん分からくなっていった。

    2006-09-08 17:36:00
  • 84:

    杏奈

    水商売に慣れ、味をしめ、そこにつかりつつある光輝は少しずつ嫌な男に変貌をとげていく。
    そして私と光輝の間には見えない溝ができてしまった。二日帰って来ない日ができたり、帰ってきても一言も話さない日があったり。
    私と一緒にいる意味があるのかと疑問を抱くようになっていく。

    2006-09-08 17:37:00
  • 85:

    杏奈

    何か話せばケンカになり、まともに話すことすらなくなっていった。それでも私は嫌いにはなれなかった。優しかった頃の光輝の面影だけをずっと支えに我慢できた。
    その頃もずっと光輝はナンバーワンやった。雑誌に出るようにもなった。光輝の飛躍とは裏腹に私達の距離は少しずつあいていく。
    そして付き合って二年目の日は光輝は家に帰ってこなかった。

    2006-09-08 17:38:00
  • 86:

    杏奈

    二年目の記念日。一人ぼっちで待ってた。去年の同じ日はあんなに幸せに満ち溢れてたのに…。
    苦しかった。寂しかった。こんなにも変わってしまうものなんだと思うとはがゆかった。
    二年目を迎えて私はちゃんと話をしようと思ってた。話すことも一生懸命考えた。今なら間に合うって。まだ光輝を元の光輝に戻せるかもって。

    2006-09-08 17:39:00
  • 87:

    杏奈

    そんな私の気持ちや期待すらあっけなく終わった。もうあかんなぁ…私も疲れてしまってた。
    こんな思いしながら一緒におる意味なんてない。もう疲れた…。
    二年目の記念日の翌日、私は家を出た。一年で増えた物は多すぎて、軽くいる物だけを袋につめて実家に戻った。
    期待してたから。すぐ迎えに来てくれるって。だから大丈夫やろうって。

    2006-09-08 17:40:00
  • 88:

    杏奈

    でもそんな私の期待もまたはずれてしまった。一週間たっても連絡がなかった。私はお父さんやお母さんにも何かあったんか?って聞かれるようになった。
    そりゃそうだ。同棲してるはずの娘が一週間も家に帰ってきてるんだから。でも何もないって話を流してた。
    私は家にもいずらくなり、八日目の朝、しかたなくマンションに帰ることにした。

    2006-09-08 17:42:00
  • 89:

    杏奈

    帰るのは悔しかったけど…かっこわるいけど…でも帰るしかなかった。
    家に帰るとあまり変わらないままの部屋だったけど、光輝は帰ってきてた。でも私はベッドで見つけてしまった。
    長いつけマツゲ。私は嫌な予感がした。ごみ箱を見た。あんな脱力感を味わったのは初めてだった。

    2006-09-08 17:43:00
  • 90:

    杏奈

    実家に帰る前に空にしておいたごみ箱の中に、ゴムとティッシュが入ってたのだ。
    紛れも無い事実。私は信じたくない現実と向き合うしかなかった。信じてたのに…アースさんの嘘つき…信じてたって何もいいことなかったやんか…。
    どうしようもできない気持ちを誰かのせいにすることで私は逃げ道がほしかった。

    2006-09-08 17:44:00
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