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‐Narratage‐

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  • 1:

    みう

    ナラタージュ
    過去の出来事を物語る事。

    2006-09-12 13:53:00
  • 2:

    みう

    制服のまま繁華街をブラついて、思ったことはただ一つ。『ここじゃないどこかにいきたい』
    よく使うバスターミナルの、いつも通り過ぎるだけの名古屋行きの停留所。
    時刻表をみると、あと10分で出てしまうみたいだ。行くしかない・・・・なぜかそう思ったわたしは切符を買いバスに乗り込んだ。
    ずっと友達や彼氏から鳴り続けている携帯の電源を切って、やっと家を出れる解放感と少しの不安を胸にずっと窓の外を見ていた。

    2006-09-12 14:36:00
  • 3:

    みう

    なぜあの時名古屋を選んだのかは今でもわからない。小さい頃、親戚がいたから来たことがあるくらいで土地勘もなかったし頼れる人もいなかった。
    多分、どこかにいきたいと思った瞬間に見えたものが名古屋行きのバスだったから。それに乗ればどうにかなるような気がしたんだ。今思えば、わたしの第六感は当たってたんだろう。
    名古屋でわたしは初めて実家以外に『ただいま』と言える場所を手に入れることが出来たのだから。

    2006-09-12 14:44:00
  • 4:

    みう

    名古屋に付いたのは夜中だった。コンビニで私服に着替えて、たまたまバスで隣に座った二十歳過ぎくらいのお姉さんの遊ぶなら栄あたりに行ったらいいという言葉を信じてタクシーに乗り込んだ。
    栄のどこらへん?と聞かれとりあえず賑やかな所へ、と答えた。苦笑しつつ運転手サンは賑やかな所へ連れていってくれた。それはホストのキャッチばかりな通りだったけど。ワラ

    2006-09-12 14:56:00
  • 5:

    みう

    それも今思えば、運がよかったんだろう。
    ほかの道をうろついていたら、きっと裕也には出会えなかったから。裕也に会わなければどうなっていたんだろう・・・・多分、たちの悪いホストに食い物にされていたはずだ。
    だって田舎育ちでホストのことなんてなんにもわかっていなかったからね。
    裕也だったからよかったけど、顔が好みで初回2千円って言葉でホイホイとホスクラデビューをしちゃうような馬鹿だったからね。
    しょうもない・・・・ワラ

    2006-09-12 15:09:00
  • 6:

    みう

    裕也に付いて初めて足を踏み入れたホストクラブは、思っていたより狭くて暗くて時間が早いのもあってホストが数人しかいないのもあってガッカリだった。
    わたしのその時のホストクラブのイメージはテレビで見た『クラブ愛本店』だったから。ワラ

    2006-09-12 15:19:00
  • 7:

    みう

    それでも裕也の話は面白かったし、いつも仕事で飲むお酒と違っておいしく飲めたし、すごく楽しかった。わたしはあんまり記憶にないけれど、あとから裕也に聞いた話によると、二人して恋愛や友情についてなどとめちゃくちゃ熱く語り合ったらしい。ワラ

    2006-09-12 15:37:00
  • 8:

    みう

    そしてチェックの時間。
    まだいたいけど、これからのこともあるから我慢だ。み「ごめんね?もうみう帰るわぁ」
    裕「え?どこ帰るの??」
    み「わかんないけど、とりあえずあんまり無駄遣いは出来ないし??」

    2006-09-12 15:44:00
  • 9:

    みう

    そういうと裕也は素早くチェックして送り出してくれた。ふらつきながらエレベーターに乗ると手をつないで支えてくれた。
    裕「そんなんで外にいたら危ないし、安全な場所連れて行くからそこで俺が仕事終わるまで待って??」
    み「え、なんか悪いし気にせんといて??」
    裕「いいから!!」有無を言わさない気迫に押されて、手を引かれてタクシーに乗せられた。
    (どこ行くんやろう)

    2006-09-12 15:58:00
  • 10:

    みう

    考える暇もないくらいすぐに着いたそこは、大きくも小さくもない小綺麗なマンション。
    み「え、ここなんなん??誰の家??」
    裕「俺の家??一人暮らしだし気兼ねしないで?」
    相変わらず手をつなぎながら笑顔でオートロックを解除する裕也クン・・・・どこかお店に連れていってくれるものだと思っていたわたしは大慌て。ワラ

    2006-09-12 16:12:00
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