小説掲示板■元カノ■のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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■元カノ■

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  • 1:

    名無しさん

    俺が一番愛した女。よくわからん奴やった。

    2006-09-14 12:23:00
  • 2:

    名無しさん

    『ひさしぶり。なにしてる??』
    ある日突然知らないアドレスからメールがきた。
    『誰や』
    『ユキやけど』

    2006-09-14 12:26:00
  • 3:

    名無しさん

    俺は目を疑った。
    ユキ?あのユキ?俺は夢でもみてんねやろか?
    『おー久しぶり』
    それだけ返すのがやっとだった。

    2006-09-14 12:29:00
  • 4:

    名無しさん

    ユキは俺が今まで一番長く付き合った女。
    何回か別れたりヨリ戻したりして、4年の歳月を共に過ごした。
    ユキは浮気性で、大体ケンカや別れの原因はそれだった。
    『別れよか。ユキ、他に好きな人が出来てん』
    『‥‥ええんか?』

    2006-09-14 12:33:00
  • 5:

    名無しさん

    ユキはあの日、黙って頷いた。
    『わかった。好きにせぇや』
    またか…いつもの浮気や、どーせまたスグに戻ってくる。
    一時的な別れに慣れていた俺は止めようともしなかった。
    『今までゴメンな、ありがとう』

    2006-09-14 12:37:00
  • 6:

    名無しさん

    ユキは白い息を吐きながら笑顔で去っていく。
    違和感を感じた。
    いつもなら、半泣きになって別れるのに、妙にスッキリした顔をしていた。

    どーせ戻ってくる。

    2006-09-14 12:40:00
  • 7:

    名無しさん

    それが俺の思い上がりだったことに気付いたのは一ヵ月が経ってから。

    あれ、そーいや連絡ないな…いつもやったら、そろそろやねんけど…

    妙な胸騒ぎを覚え、電話してみた。

    2006-09-14 12:43:00
  • 8:

    名無しさん

    ―…けになった電話番号は現在使われておりません。お確かめになって…

    何度も繰り返される無表情なガイダンス。

    火をつけた事すら忘れたタバコは灰皿のナカでフィルムを焦がした。

    2006-09-14 12:46:00
  • 9:

    名無しさん

    それから2ヵ月が経っても、半年が経ってもユキから連絡がくる事はなかった。

    つながることのない番号を何度も押す。
    届く事のないメールを何通も送る。
    送信の数だけたまる、エラー通知に泣いた。

    2006-09-14 12:51:00
  • 10:

    名無しさん

    なんであの時、必死になってでもとめへんかったんやろ。
    なんでユキは最後に笑ってみせたんやろ。

    後悔ばかりで、ユキのいない毎日が苦痛で、喪失感に押し潰されそうだった。

    2006-09-14 12:56:00
  • 11:

    まや

    気になる小説発見???
    読ませてもらいま-す?

    2006-09-14 13:05:00
  • 12:

    名無しさん

    ユキと別れてから3年が経った今、俺は24歳になっていた。

    今更、なんやねん…

    喜びと戸惑いと、複雑に絡むこの感情をどう表現していいのかわからない。

    2006-09-15 02:25:00
  • 13:

    名無しさん

    『久しぶり。元気してた?』
    ユキからは数分とあかずに返事がくる。
    俺はユキと別れてから、一度もメアドも番号も変えてない。
    いつでもユキが戻ってこれるように。
    そんな事を思っていたのは別れてから1年くらいで、あとは変えるのがめんどくさかったってだけだ。

    2006-09-15 02:28:00
  • 14:

    名無しさん

    ものぐさな自分の性格に少し感謝した。
    いや、本当は心のどこかでユキからの連絡を待ち続けていただけかもしれない。
    『元気やったで。今、バイト中やから終わってからまたメールする』
    携帯を閉じてスグに震える。
    自然と顔がゆるんだ。

    2006-09-15 02:33:00
  • 15:

    名無しさん

    懐かしいな…

    少し鼻歌を口ずさみながら、ホールに戻った。
    客層は様々だが、みんな真剣な顔をしてジャラジャラとコインを投入する。

    2006-09-15 02:36:00
  • 16:

    名無しさん

    常連のおばさんが、ニコニコと押し続ける。
    この人は勝ち負けにこだわらず、朝から夕方まで打って帰っていく。
    暇な主婦の時間潰しなんだろう。

    『押しましょうか?』

    2006-09-15 02:40:00
  • 17:

    名無しさん

    『ホンマ?!』
    『すぐ動くと怪しいから、もう少しだけまわして移動しぃな』

    普段なら絶対こんな事はしないのだが、気分がいいせいか、つい。
    店長、スンマセン。ユキに免じて今日だけは許したってください。

    2006-09-15 02:46:00
  • 18:

    名無しさん

    バイトが終わってポケットから取り出したのは、小さく折り畳まれた5千円札。
    あのおばさんは、結局5万ほど勝ったらしく、さりげに帰りにチップをくれた。

    やっぱりね、うん。いいことをすると、いいことが返ってくるんやな。笑

    2006-09-15 02:51:00
  • 19:

    名無しさん

    俺は急いでユキにメールした。
    『今終わった。久しぶりに飯でも行くか?臨時収入や(^ .^)y-~~~』
    普段滅多に使わない顔文字までつけて送信。
    『めちぁ機嫌イイやん。気持ちわるっ!笑 うん、行くからパパん家まで迎えにきて』
    『了解(^!^)y~』

    2006-09-15 02:58:00
  • 20:

    名無しさん

    ユキの親父とお袋さんは、俺と付き合いだす少し前に離婚した。
    両親が離婚してからユキは、一応親父さんの姓を名乗ってはいるが、一年毎に家を行ったりきたりしている。
    今でも、その生活は続いている様だ。

    バイト先を出て、足早に駐車場に向かう。

    2006-09-15 03:04:00
  • 21:

    名無しさん

    今日は愛車も機嫌がいいようで、なかなか気持ちの良い走りだった。

    『もぅ着く』
    ハンドル片手にメールをうつ。
    送信と同時にブレーキペダルを踏んだ。

    2006-09-15 04:40:00
  • 22:

    名無しさん

    暗い中、鮮やかに光る小さな携帯のネオンがやけにまぶしかった。
    すぐそこに、懐かしい顔が見える。
    ゆっくりと近づいてきて、ドアに手を掛けるユキ。
    心臓が口から飛び出しそうなくらい、鼓動を大きく刻んだ。
    『ひさしぶりやね』

    2006-09-15 04:43:00
  • 23:

    名無しさん

    『おう』
    うまく笑えていただろうか?
    『車、かえたんだ。前のも好きだったんだけどな』
    ユキの白くほっそりとした左足から乗り込んでくる。
    バタン

    2006-09-15 04:47:00
  • 24:

    名無しさん

    ドアが閉まるとほぼ同時にギアをドライブにいれた。
    『俺も落ち着かなと思ってな』
    『あはは、確かに大人っぽくなったね。スウェットばっかりだったのに、今はお洒落だし』

    お前も可愛くなった。いや、キレイになったな。

    2006-09-15 04:51:00
  • 25:

    名無しさん

    照れ臭くて、口に出せなかった。
    『何食べたい?』
    『ん〜居酒屋!飲みたい気分やねん』
    『オッサンか、お前は。笑』
    『うっさいなぁ、女なんかとぅに捨ててるわ!笑』

    2006-09-15 04:54:00
  • 26:

    名無しさん

    まるで3年前に戻ったかのように感じた。
    『ほなら、どこ行く?』
    『いつもの所がええな』
    『りょーかい』
    いつもの店。ユキと俺の、行きつけの小さな居酒屋。

    2006-09-15 05:05:00
  • 27:

    名無しさん

    その店は個人経営で、店長はまだ30代前半のノリのいいチョイ悪オヤジ風。
    『ぇらっしゃーい!!』
    久々に聞く、店長の元気な声。
    ユキと別れてから、一度も顔をだしていなかった。
    『アツシ!お前なんや久しぶりやんか!ユキちゃんもえらいベッピンさんになって!』

    2006-09-15 05:10:00
  • 28:

    名無しさん

    『店長、久しぶり!』
    ユキははしゃぎながらカウンターに座った。
    『何年ぶりやぁ?おまえら急に来んようになったから、別れたんかと思ってたやんけ』

    アイタタタ…はい、その通り別れてますが……

    2006-09-15 05:17:00
  • 29:

    名無しさん

    きまずそうに俺も椅子をひくと
    『そんなワケないやん!ユキはアツシだけやもん』
    ユキが俺に抱きついてきた。
    ユキのふんわりと柔らかにウェーブがかった髪が、腕をかすめる。
    懐かしい、ユキのぬくもり。

    2006-09-15 05:20:00
  • 30:

    名無しさん

    ユキなりに、店長に気を遣ったのだろう。
    俺たちは、お互い恋人かのように接した。
    ユキは相変わらずカルピスサワーが大好きで、俺は焼酎を飲んだ。
    店長を交えての会話は途切れることなく、深夜をまわっても続いた。

    2006-09-15 05:23:00
  • 31:

    名無しさん

    閉店時間を2時間も過ぎた頃、他の客席を片付けおわったバイトの子が、あがってもいいかと店長にたずねてきた。
    ユキもふと腕時計を見て、そろそろ眠いと言いだしたので、店を出ることにした。
    酒がずいぶんまわっているらしい。
    ユキはおぼつかない足取りでスキップしながら駐車場に向かった。
    俺も相当呑んでいて、運転できるか不安だった。

    2006-09-15 06:49:00
  • 32:

    名無しさん

    俺たちは途中の自動販売機でジュースを買ってから車にもどった。
    時刻は明朝4時すぎ。
    微妙な時間だ。
    検問はもぅやっていないとは思うが、がらすきの道を走るのは恐怖だった。
    睡魔に負けてしまいそうで。

    2006-09-15 06:56:00
  • 33:

    名無しさん

    エンジンをかけ、少しだけ窓をあけて煙草に火をつける。
    ユキは喉をならしながら、緑茶を飲み干した。

    『アツシは明日は仕事?』
    ペコペコと空き缶の腹を押して音をたてて遊ぶユキ。

    2006-09-15 06:59:00
  • 34:

    名無しさん

    『いや、明日は休み。昼から用事あるけど。落ち着きねぇなぁ。笑』
    ユキから缶をとりあげようとしたら、ユキの白い小さな手が、俺の指先をつかんだ。
    『ユキは、アツシの事、この3年間忘れた事ない』
    急に真顔になって、ユキの手に力が入る。
    俺たちの間に、それからしばらく会話はなかった。

    2006-09-15 07:03:00
  • 35:

    名無しさん

    気付けばユキを抱き寄せ、無我夢中で唇を重ねた。
    長く、そして、途中息をするのも忘れるほど激しく。
    かすかにこぼれる吐息に、小さな声が交じる。
    酒に酔っていたせいもあって、理性などなかった。
    『抱きたい』

    2006-09-15 07:06:00
  • 36:

    名無しさん

    思わず出た言葉に、ユキは頬を赤らめながら頷いた。
    一番近くのホテルまで急ぎ、車庫入れはかなり斜めでいい加減だったが、気にもとめずにルームパネルを叩いた。

    部屋に入るなり、ユキをベットに押し倒して、肌を重ねた。
    久しぶりにユキと繋がったとき、胸がやたらと熱くなったのを覚えている。

    2006-09-15 07:11:00
  • 37:

    名無しさん

    ああ、俺はまだこんなにもユキの事を愛してる。


    目が覚めると、子供のような寝顔が隣にあった。
    起こさないように、そっと腕をまわして、ユキを抱き締めてまた眠りについた。

    2006-09-15 07:15:00
  • 38:

    名無しさん

    次に目が覚めた時にはユキは腕の中にはいなかった。
    シャワー音がかすかに聞こえる。
    『何時…?』
    携帯に手をのばすと、14時をまわったところだ。
    そして、不在着信7件にメール2件。

    2006-09-15 07:19:00
  • 39:

    名無しさん

    今日の約束の相手からだった。
    約束の時間を2時間もオーバーしている。
    『やっべ…!!』
    慌ててかけなおし、なんとか約束を16時からにずらしてもらう事ができた。
    携帯をたたむと、ユキが後ろに立っていたことに気付く。

    2006-09-15 07:23:00
  • 40:

    名無しさん

    『今日、用事あるって言っとったやんな?大丈夫?』
    タオル一枚巻いただけのあらわな姿に血圧があがる。
    『時間ずらしたから』
    髪からしたたり落ちる水滴がやたらと艶っぽくて、思わず目をそらした。
    俺が風呂から出ると、ユキは鏡を睨みながらメイクをしていた。

    2006-09-15 07:28:00
  • 41:

    名無しさん

    15時すぎにはホテルを出て、ユキを送っていった。
    『また遊ぼうね。後で今の番号おくっとく』
    ユキの顔が近くなって、かるく左頬に鼻の頭をかすめる。
    キスを期待した俺は自分が少し恥ずかしくなった。
    『あ、アツシは今オンナおらんの?』

    2006-09-15 23:02:00
  • 42:

    名無しさん

    『そんなんおらんて。ユキは?』
    少し微笑んで『さぁね』と言いながらドアを力強く閉める。
    『またメールするし、アツシも普通に連絡してな』
    『わかった。じゃあな』
    ユキの否定も肯定もしない態度に、腹の中がむずかゆくなった。

    2006-09-15 23:06:00
  • 43:

    名無しさん

    あの不敵な笑みが、余計な詮索を拒んでいるのは明らかだった。
    ミラーに映る彼女が徐々に小さくなっていく。
    後ろ髪ひかれながら、アクセルを踏みこむ。

    『アツシ、遅い!』

    2006-09-15 23:11:00
  • 44:

    名無しさん

    16時すぎには、ユキがさっきまで座っていた助手席に、もはや彼女のぬくもりはなかった。
    『ごめんて』
    『許さん。酒くさいし、飲みすぎ。じゃあ今日は赤信号で…』
    信号待ちでブレーキを踏んで、隣で可愛く喚く唇をふさいだ。
    『はいはい、赤信号チュウの日ね』

    2006-09-15 23:16:00
  • 45:

    名無しさん

    『チュウも酒くさっ!!…まぁいいけど…』
    文句を言いながらはにかむ姿に胸が鳴った。
    知ってるんだ、キスの後の小言は彼女なりの照れ隠しだって事を。

    今隣にいるのは俺の彼女。何故かユキに言いだせなかった、今一番大切な女。

    2006-09-15 23:22:00
  • 46:

    名無しさん

    ユキと一晩を過ごした罪悪感からか、いつも以上にリナが可愛く見えた。
    ちいさく、ごめんと言ってみた。
    ステレオの音楽を口ずさむ彼女の耳にははいらない。
    心の中で、何度も謝った。
    リナを好きなのは確かで、別れる気はないが、それ以上にユキは特別で、比べる次元が違う。

    2006-09-15 23:27:00
  • 47:

    名無しさん

    特別な思い出の続きを、少しみていたいだけ。
    誰にだって、忘れられない人や、別格の人っているもんだろ?
    俺の場合は、それはユキなんだ。
    少しだけ、ユキとの時間を延長させてくれ。

    2006-09-15 23:31:00
  • 48:

    名無しさん

    わかってる。ただの浮気の言い訳だって事。
    でも、俺の中じゃ違うから。
    少しはかなげなユキの表情が明るくなるまで。
    何かを今、思い詰めてる彼女を最後まで支えてやるだけだから。
    神様、見逃してください。

    2006-09-15 23:45:00
  • 49:

    名無しさん

    また赤信号で、俺は黙ってリナを抱き寄せた。



    2006-09-15 23:47:00
  • 50:

    名無しさん

    『ね、今日はどぅ?』
    『バイト終わったら迎えに行く』

    ユキと俺の情事は週に一回のペースで続いた。
    場所は決まってホテル。そして、毎週水曜日の晩。

    2006-09-16 08:51:00
  • 51:

    名無しさん

    ユキは俺に、俺はユキに。
    ささやく言葉に真の意味はなく、ただ口から出ては心に届く前に消えていった。
    ユキは俺に肌を見せようとはしなかった。
    真っ暗闇の中、手探りでの姓行為。
    ユキは俺の腕の中で、いったい誰をみているんだろうか。

    2006-09-16 08:55:00
  • 52:

    名無しさん

    リあるたいむ?
    よんでます?

    2006-09-16 08:58:00
  • 53:

    名無しさん

    ユキとそんな関係になって二ヵ月が過ぎた頃。
    リナと街を歩いていたら、リナがめずらしく腕を組んできた。
    外ではあまりベタベタするのが苦手だと言っていて、今までは遠出した時に手を繋ぐくらいだった。
    『なに?どーしてん?』
    『べっつに〜』

    2006-09-16 09:04:00
  • 54:

    名無しさん

    読んでくださってる方、ありがとうございますm(__)m

    2006-09-16 09:06:00
  • 55:

    名無しさん

    頑張ってください?

    2006-09-16 09:09:00
  • 56:

    名無しさん

    そのフテブテしい口調は明らか俺を挑発していた。
    『なに?俺、そーゆー態度キライて前から言ってるやろ。言いたいことあるならハッキリ言えや』
    『リナもアツシのイラちな所キライ』
    『……今日、朝からずっとそんな態度とられてみぃ。ごっつ気ぃ悪いでな』
    リナの絡み付いていた腕をひき離す。

    2006-09-16 09:12:00
  • 57:

    名無しさん

    『あっ…!』
    その弾みで、リナの鞄が落ちて中身を派手にばらまいた。
    『ごめん!』
    俺は慌ててしゃがみこんで、歩行者に謝りながら散らかった物を拾い集める。
    辺りを大体見渡して、とりこぼしがないことを確認すると、リナの姿を見て息が止まりそうになった。

    2006-09-16 09:17:00
  • 58:

    名無しさん

    リナはつったったまま、顔を覆う事無く泣いていた。
    周囲の人の視線が俺たちにつきささる。
    『どないしてん…』
    涙を拭おうと、顔に手を近付けると『やっ!』とはじかれた。
    『もぅイヤや…アツシが分からへん…』

    2006-09-16 09:21:00
  • 59:

    名無しさん

    『は?』
    『リナだけなんかなぁ、アツシの事好きなん…』
    泣いてる顔とは結び付かない程、その声は冷やかで無表情だった。
    『とりあえず、お前が何を思ってるか知らんけど、俺はお前が好きやねんけど』
    もう一度手を伸ばすと、彼女の頬の温もりと、小さな水滴を感じ取れた。

    2006-09-16 09:28:00
  • 60:

    名無しさん

    なんとか泣きじゃくる彼女をなだめて、とりあえず近くのホテルに入った。
    別にやましい気持ちがあったわけじゃない。人目を気にせずに話ができると思ったから。
    ティッシュを何枚も引き抜いては、涙や鼻をぬぐう彼女に、お茶を差し出した。
    黙って受け取ると、一気にのみほすリナ。
    俺は、リナの涙の訳はユキだと気付いていたが、やけに冷静な自分に鳥肌がたつ。

    2006-09-16 10:34:00
  • 61:

    名無しさん

    どれくらい無言のまま時間が経っただろうか。
    鼻をすする音が、次第に少なくなってきた。
    声を発することさえ躊躇わせるこの重い空気を打ち破ったのはリナだった。
    『浮気なん?本気なん?』
    視線は握り締めたペットボトルに落としたまま。

    2006-09-16 10:39:00
  • 62:

    名無しさん

    『……ごめん』
    『ごめんじゃわからへん…』
    浮気といえば浮気だし、本気と言えば本気なのかもしれない。
    否定の言葉は言い訳になり、肯定の言葉は彼女を傷つける。
    俺には謝ることしか出来なかった。

    2006-09-16 10:42:00
  • 63:

    名無しさん

    やがてリナは落ち着きを取り戻した様で、重々しい口調でゆっくり語りだした。
    『だいぶ前に、アツシが寝坊して約束が16時からになった事あったやん?
    あれ、寝坊ちゃうやんな?リナと会う直前まで他の女とおったんやろ?
    アツシはさ、どっか抜けてる所があるから気付いてないやろ。
    リナもアツシも持ってない香水の残り香がしてたんよ』

    2006-09-16 10:50:00
  • 64:

    名無しさん

    脳天にどぎつい一発をくらったようだった。
    そんな事、考えもしなかった。
    リナは今まで、ユキの残り香をかぎながら、何を思っていたんだろう。
    何度も何度も、無神経に俺がユキを乗せるたび、リナは傷ついていたはず。
    今日まで、責める事もせず、じっと一人で耐えていたんだ。

    2006-09-16 11:17:00
  • 65:

    名無しさん

    『黙っとこうと思ってん。浮気やったら、スグに飽きるかなって。
    ほら、リナ達付き合ってもうすぐ一年やし、そーゆーのがあっても仕方無い時期やと思っててん…
    でも、ごめん。我慢できひんかった。いつまでたっても消えない香水が不安で…
    アツシの気持ちも疑ってしまう自分に我慢が出来ひんかってん、ごめん…
    めんどくさい事言ってごめんやん…』

    2006-09-16 11:22:00
  • 66:

    名無しさん

    肩を震わせながら泣く彼女が愛しくて仕方がなかった。

    なんちゅー酷な事をしてたんや、俺は…

    ユキは確かに大事。でもそれは、あくまで過去をひきずっているだけ。

    2006-09-16 11:26:00
  • 67:

    名無しさん

    俺を信じて、黙って耐えてきた目の前のリナは、今一番大切な人。
    別れる気がなかった時点で、ユキよりリナを選んでいたはずなのに、自分に言い訳をしながらユキと会っていた最低な俺。
    世界中の女性に責められても仕方がないことをしていたんだ。
    『ごめん…俺にはお前しかおらん、ほんまゴメン。もぅユキとは会わんから』
    俺の目にも涙が溢れてきて、目の前で啜り泣くリナの輪郭がボヤけてきた。

    2006-09-16 11:34:00
  • 68:

    名無しさん

    結局過去は過去でしかない。
    今、目の前にいるリナが笑ってなきゃ意味がない。
    馬鹿な男でゴメン。
    こんな俺を好きになってくれてありがとう。
    これからは全力で君を守っていくから…今ここに誓うよ。

    2006-09-16 11:41:00
  • 69:

    名無しさん


    『ごめん、待った?』
    次の水曜日の晩、めずらしくユキは出てくるのが遅かった。
    『や、大丈夫』
    黙って車を出した。今日の行き先は決まっていた。

    2006-09-16 11:44:00
  • 70:

    名無しさん

    いつも入るホテルを素通りすると、ユキは何かに気付いたみたいで、俺を見た。
    『ドコ行くん?』
    『いい所』
    『えー何それ。笑』
    そのまま黙って数分車を走らせた。

    2006-09-16 11:47:00
  • 71:

    名無しさん

    着いたのは、俺とユキの母校。
    『うわっ、懐かしい』
    ユキははしゃいで、閉じた門を越えようとする。
    『危ないって』
    『大丈夫!』

    2006-09-16 11:51:00
  • 72:

    名無しさん

    パンプスだとは思えないほど身軽に門に登り、向こう側に飛び降りた。
    不法侵入もいいところだ。
    俺もユキに呼ばれるがままに門をこえた。

    校内に入れないか一周してみたが、この物騒な世の中、そんなに簡単に窓なんて開いていなかった。

    2006-09-16 11:55:00
  • 73:

    みぃ

    ハマった??頑張ってね??

    2006-09-16 13:12:00
  • 74:

    杏奈

    頑張って完結してね?ずっと見続けます??

    2006-09-17 11:30:00
  • 75:

    名無しさん

    ゥチも?

    2006-09-19 08:09:00
  • 76:

    名無しさん

    おもろい?

    2006-09-19 20:47:00
  • 77:

    名無しさん

    読んで下さっている方、ありがとうございます。

    2006-09-20 06:07:00
  • 78:

    名無しさん

    少し肩を落としたが、最初からあまり期待していなかったのもあって、『残念』の一言であきらめがついた。
    俺たちは渡り廊下に腰をおろして、煙草に火をつける。
    『なんか、めっちゃ懐かしい。ユキは学校嫌いやったけど、アツシがおるからちゃんと来ててんで』
    『いやいや、お前サボりまくってたやん。笑』
    『ん?そーやったっけ?笑』

    2006-09-20 06:15:00
  • 79:

    名無しさん

    『女はホンマ自分の都合のいい様に思い出をかえてまうからずるいわ』
    『へへっ』
    ユキは立ち上がると、何歩か廊下を進んで立ち止まった。
    俺の煙草は短くなって、熱を帯びた煙が喉と肺を刺激する。
    ユキの背中は、どこかもの哀しげに泣いているように見えた。

    2006-09-20 06:19:00
  • 80:

    名無しさん

    『なあ、アツシ。ユキ達、ここから始まってんよね』
    『…うん』
    『ユキはホンマに最低な女やったよね、ごめんね』
    『…うん』
    背中を向けたまま、ユキはこっちを向こうとしない。

    2006-09-20 06:22:00
  • 81:

    名無しさん

    『もしね、もし、ユキがヨリ戻したいって言ったら、アツシはどーする?』
    『浮気女はこりごりじゃ、ボケ。笑』
    煙草を地面にこすって顔をあげると、ユキは見たことのない真剣な目をして、俺を真っすぐにとらえていた。
    『もう、絶対に浮気はしぃひんから。もぅ一回やりなおしたい』
    少し声が震えているのに気付いた。

    2006-09-20 06:28:00
  • 82:

    名無しさん

    『…ごめん』
    ユキから視線をそらし、やわらかな風に揺れる木々を意味もなく見つめる。
    抱き締めたい衝動を押さえ、手をぐっと握り締めた。
    爪が手のひらに食い込む感触は、俺の胸を刺す痛みに似ていた。
    『俺、今日でユキと会うの辞めよう思って…』

    2006-09-20 06:33:00
  • 83:

    名無しさん

    言葉がそれ以上でなかった。
    ただ、リナの顔がチラチラと頭をよぎっては胸を締め付ける。

    『そーやと思ってん。これが最後やと思ったから、告ってみた。笑』
    リナの声は拍子抜けするほど明るかった。

    2006-09-20 06:37:00
  • 84:

    名無しさん

    すみません、訂正です。

    リナの声は
    ユキの声は の間違いですm(__)m

    2006-09-20 06:39:00
  • 85:

    名無しさん

    『アツシ、こっち見てや』
    ゆっくりと足先から徐々に視線をあげていく。
    ユキの顔は優しく微笑んでいた。
    『ユキな、実は結婚するねん』
    『?!』

    2006-09-20 06:42:00
  • 86:

    名無しさん

    『ユキはさ、色々とめんどくさい女やし、ちょっと複雑な事情もあって一生結婚なんか出来ひんて思ってた。
    でもな、そんなん全部ひっくるめてユキとおりたいって言う物好きがおったんやわ。笑
    正直、すごい嬉しかったけど、ちょっと複雑でまだ返事は保留にしてる。
    アツシの事、ずっと引きずってた。結婚ってなったら、アツシに会いたくて我慢できんくなって、メールしてん。
    アツシとやり直せるなら、結婚の話も断ろうかなって思ってたけど、フラれてもーた。笑』

    2006-09-20 06:49:00
  • 87:

    名無しさん

    淡々と語る彼女の言葉は、頭の中でからんで理解するのに時間がかかった。
    『でもな、最初からわかっててん、アツシに今は大切な誰かがおることくらい。
    それでもユキと会ってくれるアツシの優しさか下心に、少しの期待がどーしても捨てれんかった』
    『…ごめん』
    『いやいや、ユキの方がいっぱいゴメンやん』

    2006-09-20 06:56:00
  • 88:

    名無しさん

    『…ごめん』
    俺はいつの間にか泣いていて、それは滝のように溢れる涙で、自分が情けなくなった。
    『笑ってお別れしよーね』
    ユキは最後まで泣かなかった。3年前の別れと同じ顔をしていたんだと思う。
    引きずり合っていた過去は今日でふつりと、その延長線を切った。

    2006-09-20 07:01:00
  • 89:

    名無しさん


    最後にユキを送りながらきいた。
    『何で俺に女がおるってわかったん?』
    ユキは無造作に置かれているMDを指差して言った。
    『ラベル、可愛い字だね』

    2006-09-20 07:04:00
  • 90:

    名無しさん

    そのMDはリナが俺にくれたヤツで、ラベルには二人の似顔絵とハートマークが書かれていた。
    『ははっ。笑』
    つくづく抜けている男だな、俺は。やっぱり浮気なんて柄にもないことはするもんじゃない。

    ユキは最後まで笑って手を振っていた。

    2006-09-20 07:09:00
  • 91:

    名無しさん

    さぁ、それじゃどこかに車を止めてリナに電話でもしようかな。
    きっとリナの事だから、気になって携帯の前で正座でもしてるに違いない。

    繋がったら、真っ先に謝ろう。そして、愛してるって言おう。
    プルルッ…プチッ『はいっ!』

    2006-09-20 07:13:00
  • 92:

    名無しさん

    コール音が二秒も鳴らない内に聞こえてきた彼女の声に、自然と顔がゆるんだ。


    ■元カノ■ END

    2006-09-20 07:17:00
  • 93:

    名無しさん



    ■元カレ■

    2006-09-20 07:20:00
  • 94:

    名無しさん

    その日の目覚めは少し複雑だった。
    久しぶりに、元カレの夢を見たからだ。
    3年も前に別れた男の夢を見たのは、きっと昨日のアレが原因だ。

    『僕と結婚してほしい』

    2006-09-20 07:28:00
  • 95:

    名無しさん

    『えっ…』

    彼はなんとなしに引き受けたお見合いで知り合ったセイゴさん。
    5歳年上の彼は、言うなれば青年実業家だ。
    『あの、でも…アタシには子供もいますし…』

    2006-09-20 07:34:00
  • 96:

    名無しさん

    違う話し‥?

    2006-09-20 18:36:00
  • 97:

    名無しさん

    ■元カノ■
    ■元カレ■
    は二部作ですm(__)m
    男視点バージョンと、女視点バージョンになるので、読んでいって頂ければ繋がると思いますm(__)m

    2006-09-20 18:54:00
  • 98:

    名無しさん

    頑張って書いて下さい????

    2006-09-22 16:23:00
  • 99:

    名無しさん

    続き楽しみにしてたのに?

    2007-02-04 22:31:00
  • 100:

    名無しさん

    『もちろんアツシ君も僕の息子に!』
    アツシ。
    最愛の一人息子。
    元カレの名前をつけた。
    『‥‥少し、考える時間をください』

    2007-10-16 17:21:00
  • 101:

    名無しさん

    彼は気落ちしたように、椅子の背もたれに体重を捧げた。
    ピンと張っていた背中は丸くなり、俯きながら鼻の頭をかく。
    『ゆっくりでいいんです、僕はアナタの気持ちの整理ができるまで待ちます』
    下がり眉で、少し困ったような笑顔。
    『すみません‥‥』

    2007-10-16 17:26:00
  • 102:

    名無しさん


    プロポーズっていうのをされたのは人生で初めてだ。
    息子は居るが、旦那はいない。
    バツもない。
    アタシはシングルマザーだ。

    2007-10-16 17:30:00
  • 103:

    名無しさん

    元カレから名前はとったけど、息子の父親はハッキリいってわからない。
    3年前、アツシと付き合いながらも他に2人とも関係を持っていた。

    2007-10-16 17:35:00
  • 104:

    名無しさん

    結局ケツの軽い女の話やろ?同時に何人もの男に股ひろげて売女やな?

    2007-10-17 00:23:00
  • 105:

    名無しさん

    ↑お前はKYか

    2007-10-17 07:20:00
  • 106:

    名無しさん

    黙って読めやあほ

    2007-10-17 11:02:00
  • 107:

    名無しさん

    ■続き■

    アツシの事は本気で好きだったけれど、彼のそっけない態度で何度もケンカした。
    常に愛されてなきゃ駄目とか、若さ故の恋愛未熟者だったアタシ。
    浮気はあてつけでもあった。

    2007-10-17 12:51:00
  • 108:

    名無しさん

    最初の浮気は軽いものだった。
    職場の先輩と軽くキスをしたぐらい。
    それだけでアタシは罪悪感に耐え切れなくなって、自分が楽になりたくて‥‥隠し通せかった。
    アツシは黙って聞いていた。
    永遠とも感じる重い空気の中、アツシの鼻をすする音が聞こえたかと思うと小さく何か呟いた。

    2007-10-17 12:59:00
  • 109:

    名無しさん

    ■訂正■

    隠し通せかった
      ↓↓
    隠し通せなかった

    2007-10-17 13:02:00
  • 110:

    名無しさん

    ?

    2007-10-17 15:33:00
  • 111:

    ??

    おもしろ?い??

    続き気になる?

    2007-10-17 19:44:00
  • 112:

    名無しさん

    読んでくださっているかた、ありがとうございます

    2007-10-18 04:55:00
  • 113:

    名無しさん

    ■続き■

    『‥‥んでやろな』
    力無く、震える声に胸がしめつけられる。
    アツシは真っ赤な目をして、アタシはその刺さる視線に捕われていた。

    2007-10-18 05:00:00
  • 114:

    名無しさん

    『ホンマにムカついた‥‥別れようかと思った‥‥』
    目頭がぐっと熱くなる。
    しかし、この場面でアタシが泣くのはおかしい。
    後悔。
    それしかなかった。

    2007-10-18 05:05:00
  • 115:

    名無しさん

    『うん、ごめんなさい‥‥』
    耐え切れなくなって、その場から後退り、踵を返すと
    『それでも別れたくないんですけど!』
    『え?』
    『浮気されてもユキが好きなバカ男やねんけど!』

    2007-10-18 05:12:00
  • 116:

    名無しさん

    アツシの手は、力強くアタシの手を握りしめて離さなかった。
    我慢していた涙が溢れ、アツシと抱き合いながら泣いた。

    自分の軽率さが情けなかった。
    それでも好きだと言ってくれるこの人の愛情の深さをはかりかねていた自分を恥じた。

    2007-10-18 05:17:00
  • 117:

    名無しさん

    誰よりもこの人が好きだった。
    好きなはずなのに‥‥


    アツシはアタシに本気で惚れてる。

    2007-10-18 12:32:00
  • 118:

    名無しさん

    なんて思いあがってた。

    浮気しても大丈夫。
    浮気した時のアツシとのケンカ別れの繰り返し。
    アツシはいつだって、どんなアタシだって受け入れてくれる。

    2007-10-18 12:36:00
  • 119:

    名無しさん

    なんて傲慢な考え。

    それでもアツシが好きだった。
    浮気してケンカをする事でしかアツシの愛をはかれなかった幼いアタシ。
    最低な女。

    2007-10-18 12:39:00
  • 120:

    名無しさん


    調子にのって3股かけていた時。

    異変に気付いた。

    2007-10-18 12:42:00
  • 121:

    名無しさん

    男の子と遊ぶ事とバイト三昧の毎日で、気付けば2ヶ月も生理がきていない。



    ―――アタシはいつの間にか『母親』になっていた。

    2007-10-18 12:45:00
  • 122:

    名無しさん

    正直、その時は喜びなんて感情は一切なくて、戸惑い、焦り、危機感‥‥
    そしてなにより

    父親は誰?

    2007-10-18 12:48:00
  • 123:

    名無しさん

    3股だったが、全員きちんと避妊はしていた。
    誰の子かわからない。

    当時付き合っていた1番年上のKに泣きながら電話した。
    『俺、生でなんかヤッてないし』

    2007-10-18 12:59:00
  • 124:

    名無しさん

    『病院行ったん?俺金なんかないで』
    『俺、実はタネないから元カレとかちゃうん?』

    信じられない言葉の数々。薄っぺらいその場しのぎの嘘。
    所詮、この人にとってアタシはそれだけの女だったってこと。

    2007-10-18 13:03:00
  • 125:

    名無しさん

    もう一人の浮気相手は何かと忙しい男だった。
    『赤ちゃん出来たみたい。これからどーするか、話したいから電話頂戴』
    このメールを送ってから、着信も返事もなく3日が経った。
    深夜だったが、いてもたってもいれず、携帯を手にした。
    『忙しいん?』

    2007-10-18 13:10:00
  • 126:

    名無しさん

    メール送信直後、携帯は受信画面に切り替わる。
    イヤな予感がした。
    受信フォルダを開くと、案の定エラー通知。
    Sはアタシに何も言わずアドレスをかえたらしい。
    それどころか、番号までかわっていた。

    2007-10-18 13:15:00
  • 127:

    名無しさん

    男は逃げたのだ。

    憎悪。不安。悲観。後悔。

    様々な感情が渦巻く。

    2007-10-18 13:20:00
  • 128:

    名無しさん

    全てはアタシがまいた種。
    自業自得なのにね。

    一人でなんか、育てられない。
    でも、堕ろす事も考えられない。

    2007-10-18 13:24:00
  • 129:

    名無しさん

    浮気して喧嘩して愛情をはかるってゆうとこめちゃ共感できる

    2007-10-18 14:17:00
  • 130:

    名無しさん

    131さん、読んで下さってありがとうございます

    2007-10-19 16:04:00
  • 131:

    名無しさん

    ■続き■


    自分のお腹には、もぅ小さな命が宿っている。

    2007-10-19 16:08:00
  • 132:

    名無しさん

    ■続き■


    自分のお腹には、もぅ小さな命が宿っている。

    2007-10-19 16:08:00
  • 133:

    名無しさん


    ―‥ふとアツシの笑顔が浮かんだ。

    アツシなら、きっと喜んで生めと言ってくれる。
    アツシの子供だって言えば。

    2007-10-19 16:11:00
  • 134:

    名無しさん





    白く光るディスプレイは、やがて真っ黒になった。

    2007-10-19 16:19:00
  • 135:

    名無しさん

    発信ボタンを押せないまま、時計の秒針の音だけが耳に響く。

    声も無く、アタシはその場に泣き崩れた。
    異常ともいえる胸の動悸が苦しくて、細い声がたまに漏れる。

    2007-10-19 16:23:00
  • 136:

    名無しさん

    出来るわけない。
    どんな顔でアツシに言えばいい?
    あなたの子供よって笑顔で言えば正解?
    アタシはアツシと生涯を共にする。
    それで本当に幸せ?

    2007-10-19 16:27:00
  • 137:

    名無しさん

    アツシの子供かもしれないし、別の人との子供かもしれない。

    それも言えない。

    だって、アツシはそれでも受け入れてくれる。

    2007-10-19 16:29:00
  • 138:

    名無しさん


    アツシが本当に好きだから、それだけはやってはいけない。


    出来ないよ‥‥

    2007-10-19 16:32:00
  • 139:

    名無しさん





    『別れよか。ユキ、他に好きな人が出来てん』

    2007-10-19 16:34:00
  • 140:

    名無しさん

    『‥‥ええんか?』
    タメ息をつくような嫌気まじりの顔。
    口を開けばすがってしまいそうで、アタシは黙って視線を落とした。
    『わかった。好きにせぇや』

    2007-10-19 16:39:00
  • 141:

    名無しさん

    泣くな、アタシ。
    今日でアツシとはお別れなんだから‥‥

    『今までゴメンな、ありがとう』
    その言葉を発した時、アツシへの愛しさが込みあげて、自然と口の端が上がった。

    2007-10-19 16:44:00
  • 142:

    名無しさん

    好きな人を心から想うだけで、自然と笑顔になるんだね。

    アタシ、本当にアツシが好きだったな‥‥

    角を曲がってすぐ、アツシから見えなくなった所でへたりこんだ。

    2007-10-19 16:48:00
  • 143:

    名無しさん

    アツシを想うと、こんなにも切ない。
    マフラーを噛み締めながら、お腹を冷やさないように小さく丸まって泣いた。

    つめたい風が、泣き濡れた顔を刺すように刺激する。

    2007-10-19 16:51:00
  • 144:

    名無しさん



    さよなら、アツシ。

    .

    2007-10-19 16:53:00
  • 145:

    名無しさん

    アツシと別れてからは怒涛の日々だった。
    不仲の両親に報告すると、父親には手をあげられた。
    頬に走る痛みなんて、この子を生むためなら何ともない。
    両親はこの一件を機に関係悪化。
    母親にムリヤリ堕胎手術を受けさせられそうにもなった。

    2007-10-19 16:58:00
  • 146:

    名無しさん

    その時、すでに父は再婚していて、アタシは義母を疎ましく思っていた。
    それでも我が子を守る為、母親のところを飛び出し、父親の家に逃げ込んだ。
    これから、どこへ行こうか考えていると
    『一緒にここで暮らしましょう』
    義母からの思いがけない提案。

    2007-10-19 17:06:00
  • 147:

    名無しさん

    義母は、ヒステリックな母親とは真逆の、落ち着きのある人だった。
    父親から全ての事情を聞いての提案だった。
    アタシはありがとうございますと、心から2人に頭を下げた。

    義母と父親の協力のもと、無事安定期に入り、その頃には、義母をしっかりと『お母さん』と呼ぶ様になっていた。

    2007-10-19 17:16:00
  • 148:

    名無しさん

    出産予定日を一ヶ月後に控えた日、アタシはどうしようもない不安にかられていた。
    父親が誰かも知らないまま育つ我が子が、自分の環境に落胆しないだろうか。
    だらしない母親だと軽蔑されないだろうか。
    子供の事を考えると、生まない方が‥‥
    『お母さんがそんな事考えとったら、1番に赤ちゃんに伝わって居らんくなってまうで』

    2007-10-19 17:30:00
  • 149:

    名無しさん

    ?

    2007-11-01 17:15:00
  • 150:

    名無しさん

    続き書いて下さい
    お世辞抜きで小説が大好きで半端ない数の小説を読みあさってきましたが、作家さンですか?勉強されてましたか?ッて位に素人さンの小説には思えない位の構成と表現力ですョネ
    面白いですし
    文句無しで本当に良いです?

    2011-03-10 06:45:00
  • 151:

    名無しさん

    えっ何これめっちゃ面白いし

    2011-03-22 23:04:00
  • 152:

    名無しさん

    6年前か

    2013-11-13 21:07:00
  • 153:

    名無しさん

    続き気になる

    2014-09-01 13:42:00
  • 154:

    名無しさん

    ええ話やなー

    2014-09-15 07:41:00
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