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100回の幸せ
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1:
美羽
彼は可愛い人でした。
彼は最低な人でした。
彼は強い人でした。
彼は臆病な人でした。
美羽はそんな彼が大好きでした。
出会った日から今でもずっと…2006-06-08 06:32:00 -
2:
美羽
『お前と付き合う気ないから』
そう言うと大好きな人は足早に去って行った。
12月初め、この日はとても寒くてポケットに入れたカイロをずっと握り締めてた。大阪に来て初めて好きになった人に遊ばれて捨てられた美羽はひっかけの花壇に座ってひたすら涙がこぼれないように空を見上げてた。2006-06-08 06:44:00 -
3:
美羽
こんな寒い日はすごく星が綺麗で地元にいる時はよく友達と公園で空を見上げてた。
『星…見えへんやん‥』
都会の空は星が見えないって本間なんや‥そんな事を思ってた。2006-06-08 06:49:00 -
4:
美羽
『そんなにグリコ好きなん?』
いつのまにか隣に同じ年ぐらいの男の子が座っていた。
『え?』
『ずっと上見てるからグリコ見てるんか思って』2006-06-08 06:55:00 -
5:
美羽
彼はニッと笑った。
『あ〜、違うで、星見えへんなぁと思って』
私はまた上を見上げた。
『星は見えへんのちゃう?軽く雲ってるし。』
『ふぅん。てか何か用?』2006-06-08 07:04:00 -
6:
美羽
あきらかホストやん…
スーツにブランドのアクセ。少し伸びた襟足が印象的やった。
『寒いからキャッチしんどいねん』
“だから店きて”ってか?行くわけない。私はホストが嫌い。2006-06-11 22:08:00 -
7:
美羽
『悪いけど美羽ホスト行かんから他当たって』
私が冷たく言うと彼はキョトンとして私を見た。
『ははっ!違う違う、この寒い中一人でボーッとしてたから声かけただけ!美羽っていうんや?』
ニコっと笑う彼になんでか安心した。2006-06-11 22:16:00 -
8:
美羽
『うん…』
勘違いした自分が急に恥ずかしくなって目をそらした。
『俺ゆうとっていうねん。あ、本名ゆうてもたヮラ』
『アホやん、美羽も本名やで?』2006-06-11 22:22:00