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夜のポチ。

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  • 1:

    名無しさん

    ポチは、お日様をあまり浴びないので、真っ白だ。
    そして、ポチの体はいつだって冷たい。
    雪の様なポチ。

    2006-09-22 21:27:00
  • 591:

    名無しさん

    この話泣きそうになる

    2006-11-16 20:01:00
  • 592:

    ◆r11LF9gUco

    >>597犬ポチはちょっとしかでてきません?すんません??
    >>598ありがとございます( ;ω;)がんばります?

    2006-11-17 07:25:00
  • 593:

    ◆r11LF9gUco

    薫は相変わらず、大泣きするあたしの頭を撫でてやさしい言葉を並べ、そんな彼に両親は株を上げ、もうそんなことはどうでもよかった。



    あたしにはポチという見方がいる。

    2006-11-17 07:30:00
  • 594:

    ◆r11LF9gUco

    薫はその晩、あたしにすごく優しかった。
    ひっついてきたり甘えたり、泣きながら、
    [俺心の病気じゃけぇいつもお前にひどいことしてしもぉとるけど、愛してるんじゃ。許してくれ。捨てんでや]
    と行ったりした。
    あたしは感動したふりをしながら、その場をやりすごした。

    2006-11-17 07:34:00
  • 595:

    ◆r11LF9gUco

    虚言症の彼氏といたら、演技というものが自然と身についていた。
    [ポチ、おいで。]
    ひとりでぬいぐるみと戯れていたポチを呼ぶと、嬉しそうにぬいぐるみをくわえてこちらへやって来た。

    『ポチは優しいねぇ、お友達も一緒に連れてきてあげたん??』

    2006-11-17 07:38:00
  • 596:

    ◆r11LF9gUco

    返事をするかわりに、尻尾をぶんぶんふりながら、ポチはあたしの膝の上に寝転ぶ。
    頭を撫でていると、
    『お前らぶち仲ええんじゃなぁ...』
    と、薫が寂しそうにつぶやいた。
    [薫も同じくらい大切だよ]とは、もう言えなかった。

    2006-11-17 07:42:00
  • 597:

    ◆r11LF9gUco



    それから数日間は暴力もなく、薫は毎日優しくて、まるで昔に戻ったような、平和な日々が続いた。

    2006-11-17 07:44:00
  • 598:

    ◆r11LF9gUco

    朝、薫を送り出せば、あたしは夕方までずっとポチと一緒。
    ごはんを一緒に食べたり、遠くまで散歩しに行ったり、お昼寝したり...
    ずっとひとりで寂しかった気持ちを解っているかのように、ポチはずっとあたしの側にいた。
    だから、あたしはずっと笑っていられた。

    2006-11-17 09:57:00
  • 599:

    ◆r11LF9gUco

    嬉しくて楽しくて、薫の微妙な変化に、あたしは気付かなかった。



    あたしは懲りもせず、目の前に広がった自分に都合のいい世界にだけ浸り、危機を感じ取ることに疎くなって、また、大事なものを失おうとしていた。

    2006-11-17 10:02:00
  • 600:

    ◆r11LF9gUco

    ――――その日は、静かにやってきた。

    2006-11-17 10:03:00
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