-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
包帯人形
-
1:
岬 ◆rYagzMs.go
久しぶりに書きます。よろしくお願い致します。
2006-05-24 02:09:00 -
37:
岬 ◆rYagzMs.go
「おれさ、実は、漫画家を目指していたんだよ。でも、才能ないみたいだ。田舎から独りで出てきて2年になるけど、まったくダメなんだ・・・。『絶対売れっ子の漫画家になってやる!』なんて大見得きっちゃったもんだから実家にも帰りづらくてさ・・・。あ、今はもう漫画もやめちゃったよ・・・」哀愁たっぷり、男の夢を語った。語ってやった。が、
「ふーん」『何だかよくわからない』という顔をされただけだった。
2006-05-24 03:08:00 -
38:
岬 ◆rYagzMs.go
お互い、話し疲れた。かれこれ3時間も話していた。会話もなくなってきた。やはりここは『2人のこれからについて』を話しあうべきだろう。そう思ったが、何て切り出したらいいか言葉が見つからない。沈黙に苦しんでいると、
「ねえ、コウちゃん。アヤ、もう少しここに居てもいい?」アヤは寂しそうに、申し訳なさそうに、そう言った。喜びで目眩がした。飛び上がって叫びたかった。しかし、ここは格好良く、
2006-05-24 03:10:00 -
39:
岬 ◆rYagzMs.go
顔から火、いや、炎が出た。
「お前なあ、人が真面目に・・・」と、言ったところで気が付いた。アヤの目から涙が溢れていた。
「ありがとう、ありがとう・・・」小声で何度も何度も繰り返していた。一瞬、戸惑ったが、
「まったく、涙ながすほど笑うことないだろ・・・」アヤの頭も『ポンッ』と叩いて、2006-05-24 03:13:00 -
40:
岬 ◆rYagzMs.go
「よし!そうと決まったら忙しくなるぞ!必要な物を買い揃えないとな!ええと、茶碗にコップに、ええと、ええと、あ、布団!え?布団?あちゃ!もうこんな時間だ!」とにかく楽しそうにはしゃいだ。
「アヤ、急げ!銀行が閉まっちまうぞ!」アヤは元気に立ち上がり、
「ありがとう!コウちゃん!」そう言いながらボクに抱きついた。2006-05-24 03:14:00 -
41:
岬 ◆rYagzMs.go
第5章:布団の中
駅前で買った1番安い布団のセットを、狭い部屋に敷きながら考えていた。『 なんで布団なんか買ってしまったのだろう?こんなものを買わなければ嫌でも1組の布団に2人で寄り添って寝れたのに・・・』そう。アヤを布団に誘う手段を、自ら潰してしまったのである。 ボクは自分の失敗に気付き、落ち込んでいた。
2006-05-24 03:15:00 -
42:
岬 ◆rYagzMs.go
「何て言ったっけ?アヤの劇団・・・えーと・・・」豆電球のぼんやりとした赤い明りの中、お互い布団から首だけ出し、天井を見ながら話していた。
「サントラハウス」確かに『サントラハウス』と言っている。2006-05-24 03:16:00 -
43:
岬 ◆rYagzMs.go
ビデオのラベルには『パンドラハウス』と書かれていたのに。なんでそんな嘘をつくのだろう?
「あ、そうそう、キョウゲキ団サントラハウス。『キョウゲキ』って中国だっけ?あの『京劇』のこと?」
「うん・・・そんな感じかなぁ・・・よくわかんない・・・」ビデオには『狂劇団』と書いてあった。2006-05-24 03:17:00 -
44:
岬 ◆rYagzMs.go
明らかに何か隠している。
「わかんないって、やってたんだろう?」アヤは答えない。押し黙ったまま天井を見つめている。少しイライラしたボクは更に続けた。
「見てみたかったなぁ。アヤの劇。アヤは何をやっていたの?」するとアヤは天井に向けていた視線をボクにうつした。
「え?・・・なにって?」その表情は何かに怯えているように見えた。
「ほら、歌とか、踊りとか。京劇なら楽器かな?」また答えない。そのかわりに、
2006-05-24 03:19:00 -
45:
岬 ◆rYagzMs.go
「寒い・・・」
そう言ってボクの顔を見ている。
「寒い?ああ、安かったもんなぁ、この布団。ペラペラだし・・・」この雰囲気。今だ!今しかない!チャンスだ!
「あ、えと・・・」アヤの目を見ていると、『一緒に寝よう』この1言が喉から出ない。2006-05-24 03:20:00 -
46:
岬 ◆rYagzMs.go
「布団かわってあげようか?」『馬鹿な!何を言っているんだ自分!なさけない!違うだろ!』自分の馬鹿さ加減に落胆していると、
「ねえ、こうしようよ!」アヤは飛び起き、
「ちょっとどいて」ボクを布団から追い出すと、2組の布団を1組にまとめた。その中に潜り込み、
「これなら2人共あったかいよ」そう言ってニコッと微笑んだ。2006-05-24 03:21:00