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なっちゃんはね♪

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  • 1:

    みぁさ

    うちの名前は夏江。皆には「なっちゃん」って呼ばれてる。
    なんでな、やら、さ、やらが頭についてる名前は「なっちゃん」やら「さっちゃん」やら呼ばれるねんやろなぁ。
    まぁ……ええけど…。

    2006-10-23 01:52:00
  • 2:

    みぁさ

    頑固な父と、脳天気な母、ヤンチャな兄と、気の強いあたし…。
    そんな普通な四人家族に生まれたあたし。
    中学生になるまでは、ごく平凡で単調でそれなりに幸せな毎日を送っていた。
    ………中学校に入るまでは。

    2006-10-23 01:58:00
  • 3:

    みぁさ

    夏江…小学6年生…。もうすぐ卒業をひかえた3月…。
    「なっちゃぁん♪中学楽しみやんなぁ!!はよ制服着たいわぁ♪」
    学校から帰りながら、幼なじみのミカと中学について熱く語らいあっていた。
    「ほんまやわ!!なんか中学生とか大人やでな!?ドキドキしてきたわ〜」
    夢いっぱい、希望いっぱい…あたしは、中学生活に多大なる期待をしていた。

    2006-10-23 02:07:00
  • 4:

    みぁさ

    まだまだ幼稚なあたしは、中学生になると、背が伸びるんだ…!!などと勝手な決めつけをしていた。
    ちなみに、身長は、143cm……。ミカは146cmで、何でも人に勝っていないと嫌なあたしにとって、この3cmはかなり屈辱だった。
    「ほな!なっちゃん、また明日学校でなぁ♪」
    手を振りながら去っていくミカの後ろ姿を見送ってから、家の中に入った。
    「ただいま〜!!おかぁん!キナコ牛乳!!キナコ牛乳出してや〜!!」

    2006-10-23 02:20:00
  • 5:

    みぁさ

    ミカを追い抜くための必殺…キナコ牛乳。別にキナコは入れなくていいのだが、あたしは牛乳をそのまま飲めないためキナコを入れるのだ。
    健康にも、便秘にも、お肌にもいいらしいのでオススメしておこう。
    そんなことはさておき、いつもあたしがこう叫ぶと母は、キナコと牛乳を持ってきて「自分で作れ!めんどい…」と言ってくるのだが、どうしたことかいっこうに、キナコと牛乳は出てこない。

    2006-10-23 02:29:00
  • 6:

    みぁさ

    「おか〜ん??キナコ牛乳!!」
    そう言いながら、ちっさい家の中を捜してみる。洗濯機の中やら、押し入れの中やら、タンスの中…………………いない。
    ……おかしい。
    おかんが、この時間に出かけていることないてほとんどない。
    あったとしても、家の鍵は必ずしめて行くはず……学校から帰った時に、玄関は開けっぱなしだった。

    2006-10-23 02:35:00
  • 7:

    みぁさ

    ………まさか、誘拐!?
    ないわ〜!!うちみたいな貧乏な家に、誘拐にくるもの好きおれへんやろし。
    そんなことを思いながら、キナコ牛乳をクピクピ飲むあたし。
    ………平和やねぇ。
    この時はまだ、平和な日常がこんなに幸せだなんて思ってもみなかった。

    2006-10-23 02:50:00
  • 8:

    みぁさ

    夕方を過ぎても、おかんは帰ってこない。
    ………何してんのやろ。
    そう思った瞬間、玄関が開く音がした。
    …おかんや!!
    あたしはすぐさま玄関に走った。

    2006-10-23 02:55:00
  • 9:

    みぁさ

    「おかぁああん!!どこ行っててん!?」
    そう言いながらおかんを見ると、おかんは疲れきった表情で玄関に座っている。
    さっきまで泣いていたかのような、真っ赤な目…腫れ上がったマブタ。
    「………おかん?どうしたん?」
    いつもの脳天気なおかんとは全く違う…。

    2006-10-23 03:02:00
  • 10:

    みぁさ

    「夏江…お兄ちゃん…警察に捕まってん」
    おかんは、下を向いたままポツリと呟いた。
    …捕まった?
    あたしは、おかんの言葉の意味がいまいち飲みこめない。
    確かに、お兄ちゃんはヤンチャだ。

    2006-10-23 03:08:00
  • 11:

    名無しさん

    実話ですか?

    2006-10-23 03:14:00
  • 12:

    みぁさ

    「お兄チャン何したん!?」
    おかんは、大きい溜め息を一つつくとお兄チャンがしたことをポツポツ語り出した。
    お兄チャンは、ヤンチャ仲間達と一緒にいつものように学校をさぼってたまり場にいたそうだ。
    お兄チャンは、中学2年。仲間達も、中学生。お金もなければ、足もない。
    「車乗りたいわ…」

    2006-10-23 03:15:00
  • 13:

    みぁさ

    >>11サン 書き込みありがとうございます♪夏江のモデルはいますが、フィクションです☆他にも質問等あれば遠慮なくお聞き下さい(´∀`人)

    2006-10-23 03:17:00
  • 14:

    みぁさ

    お兄チャンは、そう言うと近くに止まっていた車に向かって歩き出した。
    「ちょ、運転させてや。」
    車の運転席にいた男に向かって、話しかけたお兄チャン。
    ………この時点で、お兄チャンは頭が大丈夫なのか?と疑問を持ったものの、真剣に話し続けるおかんの邪魔もできずに、黙って耳を傾けた。
    「あぁ?何言ってんねん!ガキに車かせるわけないやろ!!」

    2006-10-23 03:26:00
  • 15:

    みぁさ

    ボコッッ…バキッッ…ガツンッッ…

    「ほな、皆ドライブ行こうやぁ♪」
    お兄ちゃんは、車の持ち主をボコボコになるまで殴って、車を強奪したらしい。
    これが、あたしの中学ライフをぶっこわしにする出来事の始まりとなる…。

    2006-10-24 02:37:00
  • 16:

    みぁさ

    その事件から約一ヶ月後……。
    あたしはめでたく中学生になった。
    喜びもつかの間…。
    「あの子…しゅうじさんの妹やねんて…」
    「ほんまや!!顔めっちゃ似てる…怖いわ…」

    2006-10-24 02:57:00
  • 17:

    みぁさ

    あちらから…こちらから…そちらから。ボソボソヒソヒソ、あたしの方を見ながら話す人達。
    しゅうじ…そう。あたしのお兄ちゃん。
    入学そうそう、あたしは先輩達の有名人になってしまった。
    皆から向けられる視線…。
    職員室への行き方を聞こうとして、何故かあやまられたり…。

    2006-10-24 03:13:00
  • 18:

    みぁさ

    …お兄ちゃん。あんた、学校で何してたんだよ。

    あたしの周りには、普通の子は全く寄り付かなくなった。
    話しかけてくるのは、ヤンキーな方達ばかり。
    教室でも、皆あたしに寄り付かない。

    2006-10-24 03:22:00
  • 19:

    みぁさ

    「なぁなぁ!何の話ししてるん〜!?夏江も話し入れてや♪」
    元々、社交的なあたし…。クラスの女子に話しかけてみる。
    「ひっっつ!!!あっ……あの……特に…話してなくて……すいません。」
    ……あたしは化け物か?みんなこんな反応。
    誰一人としてマトモに話してくれる子はいなかった。

    2006-10-24 03:28:00
  • 20:

    みぁさ

    ━━━━孤独。

    親友だったミカですら、あたしを避ける。
    ………あたし、何にも悪いことしてないのに。
    必然的に、ヤンキー達と一緒にいることが多くなった。

    2006-10-24 03:31:00
  • 21:

    名無しさん

    エリートヤンキー三郎の女バージョンみたぃでオモロイ(^○^)♪
    頑張で??

    2006-10-24 03:32:00
  • 22:

    みぁさ

    シンナー・喧嘩・窃盗。
    どうせするように見えるんでしょ?
    だったらやってやろうじゃん?
    あたしは、自らつっぱっていった。

    2006-10-24 03:35:00
  • 23:

    みぁさ

    脱色した髪の毛に、長いスカートを引きずってくわえ煙草。
    キナコ牛乳の成果はなく、145cmで止まってしまった身長のために、なめられることはしばしば…。
    人に負けること、なめられることがキライなあたし。
    売られた喧嘩には、絶対に勝った。
    中3になる頃には、知らない人はいないくらいの有名人にとなっていた。

    2006-10-24 03:41:00
  • 24:

    みぁさ

    お兄ちゃんはお兄ちゃんで、喧嘩をしては鑑別所、単車に乗っては少年院…。
    そんな生活。
    あたしの家は、もうボロボロだった。
    真面目で頑固な父は、「お前のせいだ」と母を殴る。
    …こんな家、居たくない。

    2006-10-24 03:46:00
  • 25:

    みぁさ

    >>21サン カキコありがとう(>∀

    2006-10-24 03:49:00
  • 26:

    みぁさ

    あたしは、中学卒業と同時に、住み込みで就職した。
    シンナーや喧嘩とはおさらばな生活。友達はやっぱりヤンキーが多かったけれど、だいたいの奴が就職したり、結婚したりで、あたしと同じように落ち着いていった。
    あたしも、なれない仕事と、安い給料に四苦八苦しながらもそれなりの毎日を送っている。
    お兄ちゃんはと言うと、極道の道にと進んでいた。
    少しあきれたものの、前と違いあたしには優しくなったお兄ちゃんとは、時々会ったりしていた。

    2006-10-24 04:00:00
  • 27:

    名無しさん

    書いてね?前作から読んでるよ

    2006-11-01 01:42:00
  • 28:

    みぁさ

    27サン遅くなりすみませんm(__)m携帯無し生活を送っておりました(PД≦q゚)また復活するのでよければ読んでやって下さい☆

    2007-01-29 20:53:00
  • 29:

    みぁさ

    そんなあたしも恋愛をした。

    相手は、お兄ちゃんの同僚…とでもいうのだろうか。そう、あぶない系の方。
    初めての彼氏ではなかったけれど、初めてあたしが本気で惚れた男。
    あぶない系とは一見分からないくらいの、優しい笑顔と口調。彼の名前は、ヤス。

    2007-01-29 20:59:00
  • 30:

    みぁさ

    色素の薄い栗毛色の髪の毛、鼻筋はスッ…と通っていて目は切長の二重…まさに!王子様顔。
    世に言う面食いのあたしは、一目見て体に落雷が落ちたのを感じたのだ。
    まぁ…簡単に言えば、一目ボレをしてしまったのです( ̄ω ̄)

    2007-01-31 02:11:00
  • 31:

    みぁさ

    でも…恋愛には奥手なあたし(o_ _)o一目ボレしました!なんて簡単に言えるはずもないし、言ったところであたしなんて…
    チビで、丸顔…兄貴そっくりのタラコ唇に、普通すぎる目と鼻。
    芸能人に例えると、ドラ〇ちゃん…ちなみに兄貴はド〇えもん。
    そんなあたしを王子様が好きになってくれるわけない!!…もっと手足が長けりゃなぁ…。
    なんて考えているうちに、ヤスと出会って1年が経っていた。

    2007-01-31 02:20:00
  • 32:

    みぁさ

    この1年でヤスとはかなり仲良くなれた…が、自分の外見のコンプレックスに告白することの勇気はかき消されてしまっていた。
    「お前、何悩んどんねん!暗い顔して!わしにゆうてみい!」
    イカツイド〇えもん顔の兄貴でも、心配してくれることはあるようで、よくこう言ってくれたのだが、あたしに似てお節介な所がある兄貴には相談したくなく、いつも無視していた。
    「なっちゃん?何か悩みあるん?しゅうが心配してたで?」

    2007-02-02 04:58:00
  • 33:

    みぁさ

    ある日、いきなりヤスがこう言ってきた。兄貴が相談でもしたのだろう。
    …いや、悩んでるけど…ヤスが好きで悩んでます…とか本人に言えるわけないし。どないしよ…。
    足らない脳みそをフル回転させるあたし。
    「彼氏のことで悩んでるん?」
    「彼氏!?おらへんよ!!!」

    2007-02-02 05:03:00
  • 34:

    みぁさ

    あたしは、勢いのあまりかなりの大声で叫んでしまった。
    「なっちゃんは本間元気やな〜。そうか…彼氏いてないねんや…よかった…」
    ヤスはニコニコしながらそう言うと、あたしの髪の毛を撫でて兄貴の方に行った。
    …よかった!?よかったってどういうこと?

    2007-02-02 05:07:00
  • 35:

    みぁさ

    話しの流れ的に言うと、あたしが彼氏いないことが良かったって…あたしを気に入ってるってこと!?
    こう思ってから、なっちゃんの行動力は凄まじいものになったのです。
    元々、行動派の自己中なあたし。次の日には、ヤスとデートをする約束まで取りつけたのだ。
    女の子らしいワンピースに、クルンクルンの髪の毛…。バッチリだ( ̄〜 ̄)ξ

    2007-02-02 05:20:00
  • 36:

    名無しさん

    もう書かんのかな?

    2009-01-27 18:25:00
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