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小説:砂の城
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1:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
フィクションです。よかったら読んでみてください。
2005-05-03 21:23:00 -
169:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
172さん、読んでくれてありがとー???
2005-05-09 20:53:00 -
170:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
客に対して嫌悪に近い感情を抱いていた。何故相手がいるのにこんな所に来るのだろう、と。蔑んでいた。
だけど今ならわかる。結局あたしも主馬との、僅かなお金の上に成り立つ儚い関係に安らぎを感じているのだから。
客もあたしも、夢が見たいのだ。日常の中で感じる不平不満。それを非日常的な世界に行く事で忘れてしまいたいのだ。2005-05-09 21:43:00 -
171:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
あたしに客を蔑む権利などない。
贋物の色気。
贋物の愛情。
贋物の言葉。
贋物だからこその魅力。それに酔い痴れるのは、男も女も同じなのだから。2005-05-09 21:46:00 -
172:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
「舞…誰とメールしてるん?」
あたしが携帯をいじっていると、他の席を廻ってきた主馬が座りながら手元を覗き込んだ。
「んー?この前仕事場の先輩に連れて行ってもらったホスクラの指名した子。」2005-05-09 21:50:00 -
173:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
「何それ。聞いてない…」 主馬の顔が曇る。怒ったように、拗ねるように口を尖らす。まるで小さい子供のようだ。
「あぁ、言ったら怒ると思って。」
「後でも怒るわ!!浮気ですか〜」
主馬が恨めしそうにじーっとあたしの顔を見る。2005-05-09 21:53:00 -
174:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
「そんなんじゃないよ。」 あたしはそう言って携帯を閉じて鞄の中に投げた。
「はいっ!もういじりません!」
そう言って万歳をするように両手をあげる。それを見て主馬は少し機嫌を直したようだった。2005-05-09 21:57:00 -
175:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
「ふわ…眠ぃ。。」
あたしは機嫌を直してまた他の席に行った主馬を見送って、携帯を掴むと店の外に出た。2階分ぐらい下に降りる。たまに店の従業員が外に出てきて電話するからだ。2005-05-09 22:00:00 -
176:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
時刻はもう午前5時を過ぎている。同ビルでまだ開いているのは、主馬の店だけだ。
店の音は2階下に降りても微かに聞こえてくる。
あたしは携帯を開いてリダイヤルを押した。
発信>>>>優真くん2005-05-09 22:04:00 -
177:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
優真、というのはさっきメールをしていたホスト。店の先輩と仲良くなって連れて行ってもらったホストクラブの男の子。入店してまだ半年も経っていないという彼は、初々しさに溢れていた。
主馬とはまったく違う、正反対のタイプの男の子。マメなタイプで、店にほとんど行っていないのにメールや電話をしてくれる。2005-05-09 22:21:00 -
178:
サクラ ◆sfmh9zaJHs
営業してくる訳でもなく普通に連絡をくれる。ホスト用語にある、育て、というやつかもしれないけれど、あたしはよく主馬の相談をしていた。
「はいはーい!もしもし」
優真が元気よく電話に出た。2005-05-09 22:24:00