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ハナ

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  • 1:

    名無しさん

    ハナが、口の右端だけを上げて笑う。



    何か企んでいる証拠。

    2006-11-27 03:04:00
  • 340:

    名無しさん

    なぁハナ。        
    幸せにしてやりたいと
    どんなに思っても

    俺じゃ咲君には勝たれへんのか。

    2007-01-17 08:32:00
  • 341:

    名無しさん


    PM6:00

    セットしていた携帯の目覚ましが鳴って、そのけたたましい音で目が覚めた。

    2007-01-17 08:33:00
  • 342:

    名無しさん

    今日からまた仕事か。



    《−−……だるっ。》

    2007-01-17 08:33:00
  • 343:

    名無しさん

    『あ、起きた?』
    ガチャリとドアを開ける音を立てて、キッチンから顔を出し、ハナが言った。


    『ご飯出来てんで?』

    2007-01-17 08:34:00
  • 344:

    名無しさん

    朝はやっぱり、味噌汁に限る。もう、夕方やけど。

    コンビニやインスタントばかりだった食生活が、どんどん正されていくのがわかる。だってなんか、最近調子がいい。

    2007-01-17 08:35:00
  • 345:

    名無しさん

    時間が気になって、不在やらメールを確認しようと携帯を手にとった。

    『ご飯食べてる時に携帯とかさわらんとって!行儀悪いで』

    2007-01-17 08:36:00
  • 346:

    名無しさん

    「お前はおかんか!笑」
    『死んでしまえ!おかんちゃうわ!笑』

    その会話に、今日初めてハナの顔をちゃんと見た。うん、今日も綺麗、綺麗。

    2007-01-17 08:36:00
  • 347:

    名無しさん

    視線を手元に戻し、母親の言うことを聞かない子供みたいに、ハナの言葉を聞かずに携帯を開いた。…と同時に、そのまま固まる。



    《えっ…−何これ。》

    2007-01-17 08:38:00
  • 348:

    名無しさん


    −不在着信28件。全部、非通知。

    『どうかした?』
    俺の驚いた顔を見てか、ハナが心配そうに俺に話し掛ける。

    2007-01-17 08:38:00
  • 349:

    名無しさん

    「いや、思った以上に時間無かったからびっくりしただけやで」
    そうごまかした。

    また嫌な予感がして、俺は急いで飯をたいらげて、早めに用意して家を出た。

    2007-01-17 08:39:00
  • 350:

    名無しさん

    『ちょっ…准〜?』
    「悪ぃ、先出るわ。
     はい、鍵。」

    キーケースからマンションの鍵だけを外してハナに渡した。

    2007-01-17 08:40:00
  • 351:

    名無しさん

    『ああ、うん。行ってらっしゃい!』

    ハナのその声を背中に聞いて、家を出た。車を飛ばして店に向かう。

    2007-01-17 08:40:00
  • 352:

    名無しさん

    気になる?

    2007-01-17 14:28:00
  • 353:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    ありがとうございます??これから更新します?

    2007-01-18 04:29:00
  • 354:

    名無しさん

    …−2年前から変わってない、とペイントされた白い扉。緊張混じりに、それをそっと開けた。同時に、とりつけられたベルがカランと鳴る。休み前と、何ら変わりのない見慣れた風景が目に映る。

    《…−って、何を心配してるんやろ、俺。》

    2007-01-18 04:30:00
  • 355:

    名無しさん

    −PM7:00         
    開店まで、十分に余裕がある。俺はタバコに火をつけて、一番奥のテーブルに座った。営業中とは全く違う、静かな店内で、おれは自然と、昨日のハナの話を思い出していた。


    『むっちゃ好きやってん。むーっちゃ。』

    2007-01-18 04:31:00
  • 356:

    名無しさん

    あの言葉だけは、はっきりと言い切った、ハナ。
    笑い方は、あの笑顔と同じハズなのに、すごく悲しそうだった。

    思い出せば出すほど、何かが心にひっかかった。
    それは胸を苦しく締め付けたし、行き場のない苛立ちすら感じさせた。

    2007-01-18 04:32:00
  • 357:

    名無しさん

    俺にはいつだって、ハナに対する消えない不安があった。…多分、出会った時からずっと。
    そしてその不安は、余計に俺を切なくさせる。


    2007-01-18 04:33:00
  • 358:

    名無しさん





    2007-01-18 04:33:00
  • 359:

    名無しさん

    なぁハナ。        
    物語は、ハッピーエンドのほうがすっきりするのに、人は悲恋ばかりを聞きたがる。


    多分、いつかの自分と重ねてしまうから。

    2007-01-18 04:34:00
  • 360:

    名無しさん

    なぁ、ハナ。       
    あの時、お前が重ねてた物語は何?
    今、お前が重ねてる物語は何?

    ハッピーエンドか、それとも悲恋か…−

    2007-01-18 04:35:00
  • 361:

    名無しさん





    2007-01-18 04:35:00
  • 362:

    名無しさん

    ハナはきっと、いついなくなるかわからない。
    むしろ、絶対にいつかいなくなる。
    それはそんな不安。

    だから多分、ハナが明日いなくなったとしても、俺はそんなに驚かないと思う。

    2007-01-18 04:36:00
  • 363:

    名無しさん

    だってハナは黒猫やから。理由なんて無い。ただの気まぐれで俺の側にいるだけやから。
    だけど…−


    《どうすれば、お前を引き止めることが出来る?》

    2007-01-18 04:37:00
  • 364:

    名無しさん

    −…


    『あれ?准おったん!今日早いねんなぁ〜?』
    突然の声が聞こえ、入り口の方から現われたのは啓太。気付けば開店1時間前。いつの間にそんなに時間が経ったのか、だけど目の前の灰皿には、吸い殻が何本もたまっていた。

    2007-01-18 04:39:00
  • 365:

    名無しさん

    「お、おう。ちょっとな」
    そう短く答えて立ち上がった。別に、何をするわけでも無かったんやけど。

    『はよ〜っす!』
    カランカラン…また入り口のベルが鳴り、今度はのりちゃんが入ってきた。

    2007-01-18 04:40:00
  • 366:

    名無しさん

    『あ。店長!はよ〜っす!いたんすか?今日いつもの出勤前の電話なかったから、何かあったんかなとか思ってました!』

    …電話?

    「うわッ!!しまった!忘れてたわ〜…。」

    2007-01-18 04:41:00
  • 367:

    名無しさん

    急いで携帯を取出し、嬢達に電話をかける。     
    「あ。もしもしリナ?」  
    『おいおい。頼むで准ちゃん!』笑いながら、啓太がちゃかす。        

    《…准ちゃん言うな。》

    2007-01-18 04:42:00
  • 368:

    名無しさん

    「おう、おう。わかった、ありがとう。今日連絡遅なってごめんな?ん。ほなまた後で。」

    いつも通り、みんなに同じような電話を掛け終え、今日の出勤嬢の人数を確認する。1、2、3…発信履歴を見ながら、指を折って数える。後は…−

    2007-01-18 04:43:00
  • 369:

    名無しさん

    あれ?そういえば俺、ハナの携帯番号を知らない。…なんて、あの日から毎日一緒にいるのに、聞いてるほうが不自然か。まぁいっか。今日出勤したら聞いておこう。

    カランカラン。
    またベルが鳴る。キャバ嬢達のご出勤。
    今日も始まる、黒くて綺麗な、長い夜…−

    2007-01-18 04:43:00
  • 370:

    名無しさん

                 


                 

    2007-01-18 04:45:00
  • 371:

    名無しさん





    《まじか−…》

    2007-01-18 04:46:00
  • 372:

    名無しさん

    寒さで、指がかじかみ、感覚はもうない。だけど、手をポケットなんかに突っ込む余裕はない。
    だって、人は途切れず通り過ぎる。いつもなら来てくれる常連客も、暇だと泣き付いたら入ってくれる顔馴染みの客も、飲み遊んでそうな新規も、いつもと同じ様に、それなりに通り過ぎる。決して人がいないわけじゃない。なのに。

    2007-01-18 04:46:00
  • 373:

    名無しさん


    AM0:00

    Club RAIN
    −…来店客数0。

    2007-01-18 04:47:00
  • 374:

    名無しさん

    『今日は飲まんとくわぁ〜』−申し訳なさそうにそういった常連客。
    『もう話しかけんとってくれ。』−何故か切れ気味の顔馴染み客。
    『えッ?RAIN?なら辞めとくわぁ』−店前で引き返す新規客。       
                 
    《おかしい。絶対、何かおかしいって−…。》

    2007-01-18 04:48:00
  • 375:

    名無しさん

    ジージー
    丁度、嬢達の営業の様子を聞こうと手を伸ばしたインカムが鳴った。それから流れる啓太の言葉を聞き終える前に、俺の足は動いた。 
    エレベーターが上の階から降りてくる、その数秒さえ待ちきれずに階段を駆け上った。
    勢い良くRAINの扉を開ける。

    2007-01-18 04:49:00
  • 376:

    名無しさん

    「どういうことやねん!」             

    …あの、嫌な予感は当たった。           

    《玲花…》

    2007-01-18 04:50:00
  • 377:

    名無しさん

    [お前、ボーイの啓太と付き合ってるらしいやんけ]受信、リナ。       
    [もう行かんとくわ。俺等が行ってた時も、ぼったくりやったんか。]
    受信、美々。       
    [どうせ俺が帰った後には俺の文句を他のキャバ嬢達に言ってるんやろ?]
    受信、奈々。

    2007-01-18 04:53:00
  • 378:

    名無しさん

    完全な、潰し。


    そして、客引きに必死で気付かなかった、俺の携帯にも−…

    2007-01-18 04:54:00
  • 379:

    名無しさん

    [今まで可愛がってやっとったのに、恩を仇でかえしやがって、覚悟しとけ。]
    [19やそこらで舐めてんちゃうぞ糞ガキが。]
    [ずっと脅して殴ってたらしいな。お前最低やな。]
    [絶対潰したるからな!]

    2007-01-18 04:54:00
  • 380:

    名無しさん

    いざ携帯を手にとって見ると、それはひっきりなしに続き、なかなか携帯は鳴り止まなかった。

    看板の電気を消し、扉に鍵をかけた。うるさく響いていた店内のユーロビートも消した。
    静かになったRAIN。
    それぞれの携帯が出す、バイブの音だけがやけに響いて、そうでなくとも薄暗い店内を、空気ごと暗くする。

    2007-01-18 04:56:00
  • 381:

    名無しさん

    困惑した表情を隠せないボーイ。客達の、ひどい言葉や脅しに近いメールに、怯えた顔を見せる子もいる。みんな、自然と俯き、誰も何も話さない。

    ほんで俺は今、どんな顔をしてるんやろう。

    ただ一人、ハナだけが心配そうにずっと俺を見ていた。

    2007-01-18 04:57:00
  • 382:

    名無しさん

    こんなローカルで、噂が回るのは風のように早い。潰しを受けて、実際に潰された店の話だって少なからず聞いてきた。       
    けど、なんでこんな…ここまで、ひどいもんなんか。

    『玲花やろ。』
    誰が言ったのかはわからない、だけど誰かが言った。

    2007-01-18 04:58:00
  • 383:

    名無しさん

    《ぼったくり、客への悪口、質が悪い》そんなことは誰でも言える。

    だけどリナと啓太のことについては、店の奴らにしかわかるはずない。それも、昔からいた奴。

    犯人は、玲花に間違いない。

    2007-01-18 04:59:00
  • 384:

    名無しさん

    だけど、どうやって?   
    ブーッブーッ
    メールとは違うリズムで、俺の携帯が鳴った。携帯を開き、発信者の名前を見る。
    着信》》佐々木さん
    RAINの常連客。

    2007-01-18 04:59:00
  • 385:

    名無しさん

    「はいもしもし、准です」自分で、自分の声がひどく沈んでいることに気付いた。

    『准か?その声の様子じゃ、早速潰しの洗礼受けてるみたいやな!』

    反対に、少し楽しんでいるかのような明るい佐々木さんの声に、むやみに腹が立った。声を出した瞬間に怒鳴ってしまいそうで、それを押さえるために何も答えなかった。

    2007-01-18 05:00:00
  • 386:

    名無しさん

    『玲花、今SIXで働いてるわ。』

    佐々木さんのその言葉で、すぐに全てがつながった。

    SIXとは、店から100メートル程離れた所にあるキャバクラで、オープンした時期や、店のキャパ、セット料金など、全てが同じ、言ってみればライバル店だった。そのせいか、開店当初からなにかと張り合うことになり、オーナー同士も仲が悪かった。

    2007-01-18 05:01:00
  • 387:

    名無しさん

    絞りだすようにお礼だけ言って、電話を切った。
    「玲花、今はSIXで働いてるらしいわ…。」

    わざわざ言わなくたってわかる、その最悪な現状と、予想できるこれから先の店の状態に、皆はますます暗い顔に変わった。…もちろん、俺も。

    2007-01-18 05:03:00
  • 388:

    名無しさん

                                                    



    《俺のせいや…》

    2007-01-18 05:03:00
  • 389:

    名無しさん

    玲花のわがままにさえ目をつぶっていたら
    あの日、あんなやり方で玲花を切らなければ
    もっと先手を打っとけば
                 
    今更しても遅い後悔が俺を襲う。けど、俺は店長なんやから。しっかりせな、しっかり…−

    2007-01-18 05:04:00
  • 390:

    名無しさん



    手が震える。怒りか、不安か、後悔か。そんなことすらわからない。
                 
    《みっともねぇ。》

    2007-01-18 05:05:00
  • 391:

    名無しさん





    2007-01-18 05:11:00
  • 392:

    ゆいこ

    玲花…ヽ(*`Д´)ノ

    2007-01-18 08:18:00
  • 393:

    名無しさん

    しおりン(σ・∀・)σ

    2007-01-18 10:10:00
  • 394:

    名無しさん

    ??

    2007-01-19 05:00:00
  • 395:

    続き待ってます?

    2007-01-21 22:55:00
  • 396:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    遅くなりました。これから更新します??応援等、ありがとうございます??頑張ります??



    2007-01-22 03:24:00
  • 397:

    名無しさん





    2007-01-22 03:24:00
  • 398:

    名無しさん

    数えきれない程ある色とりどりのネオンは、余りにも眩しすぎて直視出来ない。

    その癖、一つ一つで見ればただの小さな電球にしか過ぎなくて

    切れたら交換するだけ。

    2007-01-22 03:25:00
  • 399:

    名無しさん

    夜の象徴のネオンは、
    おれ等と一緒。

    輝かない電球なんていらない。使えなくなったら捨てるだけ。
    それが嫌なら…−

    2007-01-22 03:26:00
  • 400:

    名無しさん

    力尽きても光り続けるか
    それともそのまま消えていくのか…−
                 
    なぁハナ。        
    お前なら、どうする?

    2007-01-22 03:27:00
  • 401:

    名無しさん

    店中に広がる、重たい空気はますます重たくなるばかりで。その暗い雰囲気に、誰も口を開けなかった。
    このままじゃ、確実に潰れるclub RAIN。

    しばらく続いたその沈黙を、破ったのはハナだった。

    2007-01-22 03:28:00
  • 402:

    名無しさん

    『なぁ店長!今日はもう店閉めて、みんなで飲みにいこか!』



    「はぁっ…?!」

    2007-01-22 03:29:00
  • 403:

    名無しさん

    唇の、右端だけを上げて笑った。
    今、確かに見た。ハナのあの、癖のある笑顔。


    《何企んでる?》

    2007-01-22 03:29:00
  • 404:

    名無しさん

    想像すら出来なかったその言葉に、みんなが顔をハナに向けた。


    『啓太くんとりなさんの馴れ初めも聞きたいし!ねっ!』

    2007-01-22 03:30:00
  • 405:

    名無しさん

    なぁハナ         

    助けてもらったのは
    俺の方。

    2007-01-22 03:31:00
  • 406:

    名無しさん

    ハナ?          
    だから…−

    俺が重ねた物語は
    悲恋なんかじゃないで

    2007-01-22 03:32:00
  • 407:

    名無しさん





    2007-01-22 03:32:00
  • 408:

    名無しさん

    『やからなぁ〜、啓太は!信用出来ひんねん!でも好きやねんも〜…!!』   
    もしかしたらこいつは、明日意識が戻った瞬間、恥ずかしさで死ぬかもしれない。
    そんなことを考えながら、酔っ払いリナの発言に俺は笑い、ハナもにやにや。みんなも笑う。啓太だけがあきれ顔やった。      
     
    《この光景、死ぬほど玲花に見せたりたいわぁ…−》

    2007-01-22 03:34:00
  • 409:

    名無しさん

    笑い転げてはしゃぐ俺等は、たった2時間前の俺等とは、別人みたいやった。
    ハナのあの言葉に、重たい空気はあっという間に軽くなり、俺の中でも何かがはじけた。

    「よし、行こか!笑」   
    みんな口々に何か言いながら、それでも嬢達はドレスを脱ぎ、ボーイは車を回しに外へ出る。

    2007-01-22 03:36:00
  • 410:

    名無しさん

    レギュラー嬢五人、ボーイ二人、そして俺とハナ。
    みんな揃って、向かうは店から大分離れた小さな居酒屋。仕事とは違う酒は、いつもより一段とうまかった。

    それぞれ誰に煽られる訳でもなく、だけど大量に酒を飲んだ。酔っていても客席に着きさえすればしっかりするリナですらも、今はもうこの状態。眠そうにうつむせになり、机に顔を付けていた。

    2007-01-22 03:36:00
  • 411:

    名無しさん

    『準君…あたし、がんばるわぁ。RAIN、潰したくない。玲花なんかに

       …負けたくない。』 

    呟くようにそう言ったのが、確かに聞こえた。啓太も少し驚いたようにリナを見下ろし、だけどすぐにやさしい顔でほほ笑むと、彼女の頭をポンポンと撫でた。

    2007-01-22 03:37:00
  • 412:

    名無しさん

    『よっしゃぁ!負けるかこらぁ〜!』
    ろれつの回ってない舌で、のりちゃんがグラスを上げた。           
    美々と奈々はコクコク首を縦に何度も振る。なんかのおもちゃみたいで可愛かった。

    他の嬢達も、今まで見たことなかったいい笑顔。

    2007-01-22 03:39:00
  • 413:

    名無しさん

    『協力したるわ!しゃぁなしやで!笑』
    自信満々の顔を見せて、ハナはそう言った。


    《何様やねん笑》

    2007-01-22 03:39:00
  • 414:

    名無しさん

    「よっしゃ!はい上がんでRAIN!かんぱ〜い!」 
    グラス同士が勢い良く音を立てて、中に入った酒が揺れる。こぼれた水滴は照明にキラキラ反射して、白く眩しく綺麗だった。

    別に、力を合わせてとか、友情だとか、そんなん言うつもりもないけど。
    俺はここにいれて良かったと思った。それだけ。

    2007-01-22 03:40:00
  • 415:

    名無しさん

    《噂やで?なんでそんな噂信じるん?信じられへんわ…−》リナ。

    《そう思うんやったら、伝票でも何でも見せるよ?》美々。

    《あたしはただ、大切なお客さんやって、そう思いながら接客してるつもりでした》奈々。

    2007-01-22 03:41:00
  • 416:

    名無しさん

    一度失った信用を取り戻すのは簡単なことじゃない。だけど取り戻すしか道はない。

    《いろんな噂が出回ってますが、信じてください。それしか言えません。》

    俺はそれだけ伝えた。

    2007-01-22 03:42:00
  • 417:

    名無しさん





    2007-01-22 03:43:00
  • 418:

    名無しさん

    なぁハナ         
    お前とあの笑顔を、忘れられるわけない。      
    待ってるから。       
    俺はここでずっと
    待ってるから。

    2007-01-22 03:44:00
  • 419:

    名無しさん


    いつでも
    帰ってきてええよ

    2007-01-22 03:46:00
  • 420:

    名無しさん





    2007-01-22 03:46:00
  • 421:

    名無しさん





    2007-01-22 03:47:00
  • 422:

    名無しさん


    Return
    SIDE ハナ

    2007-01-22 03:52:00
  • 423:

    名無しさん





    2007-01-22 03:53:00
  • 424:

    名無しさん

    なぁ准ちゃん

    あの場所に帰りたい。

    今更、虫がよすぎるかもしれへんけど

    2007-01-22 03:53:00
  • 425:

    名無しさん

    ごめん、准ちゃん。

    それでも、あたしはあんたに会いたい。

    2007-01-22 03:54:00
  • 426:

    名無しさん

    詳しい事情を、少しだけリナさんに聞いた。あたしがRAINに来たその日にいなくなった、元 NO.1…−‘玲花ちゃん’

    会ったこともないその子に対して、あたしは別に何の感情も湧かない。だけど、RAINを、准ちゃんの店を、潰したくない。それだけははっきりと思った。

    『飲みに行こか!』あの日、あの言葉は気付けば口から自然と出ていた。言った直後には、さすがに少しの後悔もあったけど、今更引き下がれるわけもなく、そのまま強引な理由を付け足した。

    2007-01-22 03:56:00
  • 427:

    名無しさん

    だって准が、なんだか今にも泣きそうな顔をしていたから。あの日、あの瞬間。あたしを動かしたのはきっと、自分の中に生まれて初めて出来た、たった一つの感情だったと思う。



    《守ってあげたい。》

    2007-01-22 03:57:00
  • 428:

    名無しさん

    あたしは彼を好きなんだろうか。ううん、多分違う。 
    笑っててほしい。
    幸せでいてほしい。
    それだけだ。       
    例えばそこに、あたしはいなくても…−。

    2007-01-22 03:58:00
  • 429:

    名無しさん

    あの飲み会から一週間。准やリナさんを始めとするみんなの努力の甲斐あって、RAINは少しずつ、だけど着実にお客さんを取り戻していた。それでも、前ほどの売り上げには到底及ばないらしく、准は毎日のように、あれやこれやと忙しく走り回っていた。


    最近では、あたしがご飯を作っても食べたり食べなかったりで、心配になる。
    そしてあたしは、口いっぱいに頬張りながら、おいしそうに食べる准のあの顔が、大好きだった。だからそれを見れないのも、ちょっと淋しかったりした。

    2007-01-22 04:00:00
  • 430:

    名無しさん

    〜〜♪

    なんて、そんなことを考えていると携帯が鳴った。画面を開き、慣れない手つきでボタンを押して、新着メールを開いた。

    〔遅くなりそうやから、先に寝てていいで。〕

    2007-01-22 04:01:00
  • 431:

    名無しさん

    なぜ出たのか分からないため息を一つ着いてから、お風呂に入ろうとバスルームに向かった。少し熱めに設定してから、蛇口から出る水の温度を指先で確かめる。

    〔ごはんは?〕

    タオルでその濡れた指先を拭いた後、そう一言だけ返信した。その後、光沢のあるシンプルな黒色のそれを、ポンとベットの上に軽く投げ置いた。

    2007-01-22 04:02:00
  • 432:

    名無しさん



    …−『えっ?!お前携帯持ってないん?!』

    准は、ひどく驚いてあたしにそう聞き返した。黙ってうなずくあたしに、彼は何かを言い掛けたけど、すぐに辞めた。

    2007-01-22 04:03:00
  • 433:

    名無しさん


    彼のこういう所が、一番嫌いだった。
    だけど、一番助けられている所でもあった。

    2007-01-22 04:04:00
  • 434:

    名無しさん

    そして、次の日、『こっちやって!お前は絶対この色!』そう言って、あたしにこの携帯を買ってくれたのだ。

    機械音痴なあたしは、今まで着信音を変えたことがなく、いつも初期設定のままだった。だけど准は、それじゃ携帯の意味がないとかわけのわからんことを言い出して、勝手に変えた。  

    《電話とメール以外に何の意味が携帯にあんねん。》

    2007-01-22 04:05:00
  • 435:

    名無しさん

    〜〜♪
    また、携帯が鳴った。

    准が設定した着信音は、題名は知らないけれど冬のバラードで、とりあえず、幸せな歌ではなさそうだった。そういえば、准本人の携帯の着信音も、切なそうな失恋歌だったっけ。

    2007-01-22 04:07:00
  • 436:

    名無しさん

    返信の内容は見なくても分かる。
    〔今日は飯いいわぁ〜〕


    《今日は、じゃなくて今日も、やろがボケ!》

    2007-01-22 04:07:00
  • 437:

    名無しさん

    なんて、彼女でも何でもない、勝手に住み着いてるだけのあたしに、そんなこと言える権利なんてない。だけど、作った料理をこうしてバレないように捨てるのは、やっぱり悲しい。

    〔了解〜♪〕

    送信したと同時に、お風呂が調度良いタイミングで沸き、着替えを片手に、バスルームへ向かった。

    2007-01-22 04:09:00
  • 438:

    名無しさん

    《…汚い体。》

    お風呂は、あんまり好きじゃない。見たくないものを、どうしても見てしまうから。

    細いだけで、胸もお尻も小さい、貧相なこの体系は、あの人には似ても似つかない。だけど、お腹と胸下にある大きな切傷も、背中にいくつもある小さな火傷跡も、全部。あの人にもらった。

    2007-01-22 04:09:00
  • 439:

    名無しさん

    だから、どうしても…−。思い出さずにはいられないのだ、あの闇を。


    【…ママ?】

    2007-01-22 04:10:00
  • 440:

    名無しさん

    あたしは知っている。   
    どれだけ追い掛けても、受け入れられない愛を。
    どれだけ傷つけられても、追い掛けずにはいられない愛を。
    どれだけ受け入れて貰えても、傷つけられる愛を。  
    それは、永遠に終わらない堂堂巡り。黒い黒い闇。

    2007-01-22 04:12:00
  • 441:

    名無しさん





    2007-01-22 04:12:00
  • 442:

    名無しさん

    ねぇ准ちゃん。      
    この体に、たくさんのキスをありがとう。
    腕に、背中に、胸に、お腹に。頬に、唇に。

    暖かいキスをありがとう。

    2007-01-22 04:13:00
  • 443:

    名無しさん

    ねぇ准ちゃん

    もしもあたしが雪だったなら、溶けて消えてしまえたのにね。

    准ちゃんの、暖かいキスで、いなくなれたのにね。

    2007-01-22 04:14:00
  • 444:

    名無しさん

    准ちゃん。        
    あたしは今、口癖みたいに貴方の名前を呼んでるよ。 
    准ちゃん准ちゃん。    
    もうあたしには
    雪は降らない。

    2007-01-22 04:15:00
  • 445:

    名無しさん





    2007-01-22 04:22:00
  • 446:

    名無しさん

    ぉもろぃ!頑張って下さい!!

    2007-01-22 10:51:00
  • 447:

    名無しさん

    ??
    めちャおもろぃ

    2007-01-22 13:17:00
  • 448:

    名無しさん

    おもろぃ??続き待ってます

    2007-01-22 15:40:00
  • 449:

    更新お疲れさまです。この話、1番好きです?また続き楽しみにしてます。

    2007-01-22 18:57:00
  • 450:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    ありがとうございます?本間に励まされます?更新します??



    2007-01-22 22:20:00
  • 451:

    名無しさん


    PM3:30
    −…ガチャリ

    ドアが開く音に、夢の世界から意識が解放される。しかし目は閉じたまま、全身で准の行動を感じ取る。

    2007-01-22 22:20:00
  • 452:

    名無しさん

    昔から、狸寝入りは得意だった。だってそれは、幼かったあたしにとって、唯一無二の、自分の身を守る方法だったから。別に、あの人を恨んでなんかいない。ただ、可哀相な人だったと思うだけだ。       


    准は、真っすぐあたしの元に来るとベットの前に座り、あたしの髪の毛にやさしく触れた。まるで、いつもあたしが准にするそれを、真似するみたいに。    
    しばらくたってから彼は、シャワーを浴び、テレビの前のソファーで横になると、すぐに寝息を立て始めた。しばらくそのまま時間が経つのを待ってから、あたしはようやく目蓋を開き、ベットから起き上る。

    2007-01-22 22:22:00
  • 453:

    名無しさん

    准はあたしとは正反対に、一度眠りに着くとちょっとやそっとの物音では起きない。特にここ最近は、常連は元より、新規のお客さんとのアフターやら、オーナーとの話し合いなどで睡眠時間が大幅に減り、疲れも溜まっている様子だった。


    それと関係があるのかないのか、ここ最近准と一緒に寝ることはなくなった。彼はあの飲み会の日以来、ベットではなくソファーで寝るようになり、それはあたしを何故か不安にさせた。

    2007-01-22 22:22:00
  • 454:

    名無しさん



    もう、あまり時間がない。

    出来れば、残されたこの時間を、あたしは彼の隣で眠って過ごしたいのに。

    2007-01-22 22:23:00
  • 455:

    名無しさん

    きっと、愛情よりも母性本能に近かった。あたしの准へ寄せる愛しさは。

    だから、彼に抱き締められながら、彼の少し癖のある髪の毛を撫でている時だけは、あたしは何の闇にも不安にも襲われず、安心して眠りに着くことが出来た。

    2007-01-22 22:24:00
  • 456:

    名無しさん

    そっとクローゼットを開け、奥に閉まった鞄の中から、サイレントにしていた携帯を取り出した。慣れた手つきでメールを確認し、次から次へと返信する。

    〔あと2ヵ月やな?〕

    咲君からのそのメールで、忙しく動いていた親指が止まる。しばらく眺めた後、返信せずに削除した。

    2007-01-22 22:26:00
  • 457:

    名無しさん

    真っ白なはずのボディには、たくさんのラインストーンが貼り付けられ、少しでも動かせば眩しいほどにキラキラと光る。

    これはキャバ嬢【ココ】の携帯。あのマンションに置いていった、正確に言えば置いて行こうとした、咲君とおそろいの携帯だった。

    2007-01-22 22:26:00
  • 458:

    名無しさん



    …−あの日。       
    つかまれた左手を、
    あたしは結局振りほどけなかった。

    2007-01-22 22:29:00
  • 459:

    名無しさん

    その場に立ちすくむことしか出来ないあたしの代わりに咲君が運転手に誤り、そしてタクシーは行ってしまった。          
    ブーン…−

    信号がまた青に変わり、たくさんのエンジン音で、やっと我に返った。     
    「何?急いでるんやけど」

    2007-01-22 22:30:00
  • 460:

    名無しさん

    ようやくあたしの口から出たのはそんな言葉で、ひどくそっけなかったのが自分でもわかった。      
    『心…聞いてくれ。ちゃうねん、本間に。あれは…』
    「聞きたくない。」
    『なんで!』
    「どうでもいいしな。知ってるやろ?あたしCRUWならもう辞めた。もうこれ…」

    2007-01-22 22:32:00
  • 461:

    名無しさん

    あたしにはやっぱり、あの女の血が流れていて、どんなに違うと、違いたいと思っていても、結局は…− 一緒なんだろう。     
    寂しくて、可哀相な女。  
    だってこうして、突然抱き締められただけで、あたしは何も話せなくなってしまう。寂しくて、可哀相で。弱い女だ、あたしも。

    ただただ、最愛だった人の腕の中で、涙だけは流すまいと、必死に堪えるだけが精一杯だった。

    2007-01-22 22:34:00
  • 462:

    名無しさん

    たった数秒。あたしの顔には丁度咲君の胸元があって、セッタの香りが香水にまじって鼻に付いた。

    『あの…』

    自分達に向けられただろうその言葉に、二人同時にパッと離れた。

    2007-01-22 22:34:00
  • 463:

    名無しさん

    『すいません…』
    気まずそうにそこに立っていたのは、引っ越し業者の作業服を着た若い男。

    『これ…。忘れてたみたいだったんで…』
    そう言って、差し出された手にあったのは、携帯だった。今目の前にいる、咲君とおそろいの、あの携帯。

    2007-01-22 22:36:00
  • 464:

    名無しさん

    「あ、いらないんです。それも…『貸してください、ありがとう』」

    言い終わる前に、また咲君があたしの言葉を遮る。
    男から携帯を受け取ると、咲君はあたしの腕をつかんで、そのまま歩きだした。
    向かった先はマンションからすぐ近くの喫茶店。

    2007-01-22 22:36:00
  • 465:

    名無しさん

    今更引き返したってもう遅い。咲君の手を、振りほどけなかったあの瞬間に、あたしの負けは決まっていたのだ。


    『ホット二つ。』
    店員の会話すらも聞かず、店の一番奥のテーブルにあたし達は座った。咲君が口早に頼んだ、それが来るまで、二人とも何も話さなかった。

    2007-01-22 22:37:00
  • 466:

    名無しさん

    『お待たせしました〜』  
    店員の、強弱のない声と同時に、テーブルの上にホットコーヒーが二つ並ぶ。それを手に取り、店内とは真反対に冷えきった手を暖めた。

    『心?辞めたことはもうとやかく言わん。俺はそういうつもりでお前と付き合ってたわけじゃないから。』 
    彼は、はっきりとそう言った。だけど…−

    2007-01-22 22:38:00
  • 467:

    名無しさん

    「信じられへ…」
    −…バンッ
    『何でなん?!』     
    テーブルに手の平を強く叩きつけ、また、あたしが言い終わる前に声を荒げて彼が言い返してくる。                
    《咲君て、こんなにせっかちやったっけ…−。》

    2007-01-22 22:39:00
  • 468:

    名無しさん

    何事かと、視線があたし達に集まったのがわかったけど、彼は気にする様子もなくあたしを睨む。

    根拠があるわけじゃない。ただのケンカなら、あたしはきっと笑って許してただろう。

    だけど恋愛なんて、タイミングが全てだから。

    2007-01-22 22:40:00
  • 469:

    名無しさん

    あの日あたしは咲君のために宮崎と寝た。
    その日に咲君はあの言葉を発した。


    もしもあれが、本当にあたしの事じゃなかったとしても、それでも、それだけで…−幸せのピークだったあたし達は、もう既にダメになってしまったんだと思う。

    2007-01-22 22:42:00
  • 470:

    名無しさん

    今、こうしてあたしを睨む咲君の瞳は、ママの瞳と似ていた。
    恐くないって言ったら嘘になる。黒い闇は、すぐそこまで来ている。
    足が震える。今すぐにでも目を逸らして、この場から消え去りたい。

    2007-01-22 22:43:00
  • 471:

    名無しさん

    だけど…−

    初めて会ったときの准ちゃんの瞳を思い出す。彼は力強く、真っすぐあたしを見つめた。そしてあっという間に、あたしは惹かれたのだ、その瞳に、救い上げられたのだ。

    あたしには、帰る場所がある。あの頃とは違う。いつまでも、寝た振りして震えているだけの、子供じゃないんだ。

    2007-01-22 22:43:00
  • 472:

    名無しさん

    しっかりと睨み返す。准ちゃんを真似た、力強い目で。逸らされるまで、逸らさない…−

    睨み合ったまま、何も話さないあたし達は、どんな風に映ってたんだろう。

    2007-01-22 22:44:00
  • 473:

    名無しさん

    『お前の誕生日まで待つ。迎えに行くわ。』     
    目を逸らさないまま、咲君はそう言って、伝票を持って立ち上がった。変わりに、捨てようと思っていたあたしのあの携帯をテーブルに置いた。        
    「は?なんで?どこに?」 
                 
    『club RAINに。』

    2007-01-22 22:46:00
  • 474:

    名無しさん

    …−彼はその言葉を残して、出ていった。

    そしてあたしは

    残された携帯を見つめ、固まったまま、中々その場から動けなかった。

    2007-01-22 22:47:00
  • 475:

    名無しさん





    2007-01-22 22:47:00
  • 476:

    名無しさん

    准ちゃんが寝返りを打ってこっちを向いた。思わず携帯を背中に隠した。…−大丈夫。起きてない。

    新地 CRUW。あれだけ大きな店の店長なら、あたしを捜し出すことくらい、簡単だったんだろう。

    2007-01-22 22:48:00
  • 477:

    名無しさん

    咲君はきっと、本当にあたしを迎えにくる。
    2ヵ月後の今日、あたしの誕生日に…−


    自分の気持ちの変化に、追い付けない。

    2007-01-22 22:49:00
  • 478:

    名無しさん

    あんなに好きだった咲君。最愛の人だと思っていた咲君。
    彼の隣にいることも、彼のためにがんばることも、少し前のあたしにとっては、当たり前のことだった。  
    あたしはまだ彼が好き…? 

    わからない。

    2007-01-22 22:50:00
  • 479:

    名無しさん

    だけどきっとあたしは、彼に着いていくしかないのだ。

    結局、決められた運命の歯車には逆らえない。それがどんなに狂っていたとしても、着いていくしか…−。

    それをわかっているからこそ、2ヵ月後の、その日が来るのが恐い。

    2007-01-22 22:51:00
  • 480:

    名無しさん



    …−あたしは一体、どんな顔して准に別れを告げるんだろうか。

    行くところがなかったあたしを、何も言わず、そっと抱き締めてくれた彼に。全てを、受け入れてくれた准ちゃんに。

    2007-01-22 22:51:00
  • 481:

    名無しさん

    なぁ准ちゃん。

    黒猫にだって、大切なものくらいあると思うねん。

    黒猫だって、やさしくしてくれた人のことくらい、覚えてると思うねん。

    2007-01-22 22:52:00
  • 482:

    名無しさん

    なぁ准ちゃん。

    黒猫だって
    恩返しくらいするよ−…? 

    2007-01-22 22:53:00
  • 483:

    名無しさん





    暗くなっていた小さな液晶に光が灯り、さっき打ったメールの返事が届く。

    2007-01-22 22:54:00
  • 484:

    名無しさん

    〔わかった。近くになったら電話するから、場所教えてな?〕

    〔うん。でも、電話はこっちにして?090-xxxx…−。例のあれ、ちゃんとしてや〜?〕

    〔わかってるわ!ココに会えるんも久々やな!楽しみにしとくわ!〕…−

    2007-01-22 22:57:00
  • 485:

    名無しさん

    メールを読み終えると、またしっかりと鞄の中に携帯をしまい、クローゼットの奥の方にその鞄を隠すように置いた。さてと。


    《あたしも、もうちょっと寝ようかな…−》

    2007-01-22 22:57:00
  • 486:

    名無しさん

    おもろい?

    2007-01-23 00:44:00
  • 487:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    何で?ママ。
    痛いよ。熱いよ。

    何で?ココ、何かした?

    2007-01-23 06:20:00
  • 488:

    名無しさん

    ママ?
    あたしはそんなに
    “悪い子”なの?

    〔そんな目で見るな!本間にあんたは、花にそっくりやな!〕

    2007-01-23 06:20:00
  • 489:

    名無しさん

    〈花〉?
    花…−パパ?


    あたしは、パパに似てるから悪い子なの?

    2007-01-23 06:21:00
  • 490:

    名無しさん



    『ハナ?ハナ!』
    パパ?
    『ハナ!!!』

    2007-01-23 06:22:00
  • 491:

    名無しさん

    力強い、その声でなんとか、目が覚める。
    准の声でやっと、黒い闇から解放される。

    寝汗がすごい。久々に見た、昔の夢。

    2007-01-23 06:22:00
  • 492:

    名無しさん

    『ハナ?むっちゃうなされてたみたいやけど、大丈夫か?恐い夢でも見た?』

    心配そうにあたしを見つめる彼のその顔に、荒くなっていた呼吸も自然と落ち着く。最後に一度だけ深呼吸してから、彼に笑って頷いてみせた。

    『そか…。よかった。』

    2007-01-23 06:23:00
  • 493:

    名無しさん

    准は安心した顔を見せてから、あたしの頭をポンポンと撫でると、また急いだ様子で準備に戻った。    
    「ごめ…ご飯まだ用意できてないわ…」
    『大丈夫やで!食べてる時間もないしな!』

    その言葉に、時計に目をやる。

    2007-01-23 06:24:00
  • 494:

    名無しさん

    PM7:30…−

    《もうそんな時間か。》  
    『それにしてもめずらしいな。よく考えたら初めてかもな、俺がハナより先に起きるの。』
    「そういえばそうやなぁ」

    2007-01-23 06:25:00
  • 495:

    名無しさん

    『も〜ハナちゃん、イビキうるさい♪』
    「うるさいねんバカ准!死んでしまえッ!笑」
    『だから、それ言いすぎやろ!笑』

    悪夢すらも吹き飛ばす、准の笑顔。

    2007-01-23 06:26:00
  • 496:

    名無しさん

    「けど…それにしても准ちゃん。最近ちゃんと寝てるか?ご飯も、三食ちゃんと食べなあかんよ?」

    『…わかってるって!オカンか!笑 あと、准ちゃん言うなって!』

    その言葉にあたしも思わずにやける。

    2007-01-23 06:26:00
  • 497:

    名無しさん

    《ほんま、かわいい奴♪》


    そういえばあたしだって急いで準備をしなきゃ、仕事に間に合わない。少し焦って、シャワーを浴びるためバスルームへ向かった。

    2007-01-23 06:27:00
  • 498:

    名無しさん

    PM11:00

    黒一色の真新しい携帯が振動して、手にもったポーチごと揺らし、着信を知らせる。
    「ちょっとだけ失礼します。すみません。」
    にっこり笑い、客にそう告げてから、少し足早にトイレへ向かう。

    2007-01-23 06:28:00
  • 499:

    名無しさん

    案の定、着信は今日の夕方に連絡をいれていた、関ちゃんからだった。

    「もしもし?関ちゃん?」

    彼は、CRUWで働いていた時の客。どっかの建設会社の社長らしく、出会った時から店に来る度、違う会社下の子を、何人か連れて来てくれる人。そこまで太い人ではない。だけど、枝をたくさん持ってる、そんな人だ。

    2007-01-23 06:29:00
  • 500:

    名無しさん

    『おうココ!これから向かうわ!』
    「了解〜。でも関ちゃん。ココって言うの禁止やで?わかってる?」
    『おう、せやった、せやった♪ごめんやで』
    「もう!頼むで本間!」  
    それから、RAINの場所を詳しく教えて、手短に電話を切った。

    2007-01-23 06:32:00
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