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ハナ

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  • 1:

    名無しさん

    ハナが、口の右端だけを上げて笑う。



    何か企んでいる証拠。

    2006-11-27 03:04:00
  • 351:

    名無しさん

    『ああ、うん。行ってらっしゃい!』

    ハナのその声を背中に聞いて、家を出た。車を飛ばして店に向かう。

    2007-01-17 08:40:00
  • 352:

    名無しさん

    気になる?

    2007-01-17 14:28:00
  • 353:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    ありがとうございます??これから更新します?

    2007-01-18 04:29:00
  • 354:

    名無しさん

    …−2年前から変わってない、とペイントされた白い扉。緊張混じりに、それをそっと開けた。同時に、とりつけられたベルがカランと鳴る。休み前と、何ら変わりのない見慣れた風景が目に映る。

    《…−って、何を心配してるんやろ、俺。》

    2007-01-18 04:30:00
  • 355:

    名無しさん

    −PM7:00         
    開店まで、十分に余裕がある。俺はタバコに火をつけて、一番奥のテーブルに座った。営業中とは全く違う、静かな店内で、おれは自然と、昨日のハナの話を思い出していた。


    『むっちゃ好きやってん。むーっちゃ。』

    2007-01-18 04:31:00
  • 356:

    名無しさん

    あの言葉だけは、はっきりと言い切った、ハナ。
    笑い方は、あの笑顔と同じハズなのに、すごく悲しそうだった。

    思い出せば出すほど、何かが心にひっかかった。
    それは胸を苦しく締め付けたし、行き場のない苛立ちすら感じさせた。

    2007-01-18 04:32:00
  • 357:

    名無しさん

    俺にはいつだって、ハナに対する消えない不安があった。…多分、出会った時からずっと。
    そしてその不安は、余計に俺を切なくさせる。


    2007-01-18 04:33:00
  • 358:

    名無しさん





    2007-01-18 04:33:00
  • 359:

    名無しさん

    なぁハナ。        
    物語は、ハッピーエンドのほうがすっきりするのに、人は悲恋ばかりを聞きたがる。


    多分、いつかの自分と重ねてしまうから。

    2007-01-18 04:34:00
  • 360:

    名無しさん

    なぁ、ハナ。       
    あの時、お前が重ねてた物語は何?
    今、お前が重ねてる物語は何?

    ハッピーエンドか、それとも悲恋か…−

    2007-01-18 04:35:00
  • 361:

    名無しさん





    2007-01-18 04:35:00
  • 362:

    名無しさん

    ハナはきっと、いついなくなるかわからない。
    むしろ、絶対にいつかいなくなる。
    それはそんな不安。

    だから多分、ハナが明日いなくなったとしても、俺はそんなに驚かないと思う。

    2007-01-18 04:36:00
  • 363:

    名無しさん

    だってハナは黒猫やから。理由なんて無い。ただの気まぐれで俺の側にいるだけやから。
    だけど…−


    《どうすれば、お前を引き止めることが出来る?》

    2007-01-18 04:37:00
  • 364:

    名無しさん

    −…


    『あれ?准おったん!今日早いねんなぁ〜?』
    突然の声が聞こえ、入り口の方から現われたのは啓太。気付けば開店1時間前。いつの間にそんなに時間が経ったのか、だけど目の前の灰皿には、吸い殻が何本もたまっていた。

    2007-01-18 04:39:00
  • 365:

    名無しさん

    「お、おう。ちょっとな」
    そう短く答えて立ち上がった。別に、何をするわけでも無かったんやけど。

    『はよ〜っす!』
    カランカラン…また入り口のベルが鳴り、今度はのりちゃんが入ってきた。

    2007-01-18 04:40:00
  • 366:

    名無しさん

    『あ。店長!はよ〜っす!いたんすか?今日いつもの出勤前の電話なかったから、何かあったんかなとか思ってました!』

    …電話?

    「うわッ!!しまった!忘れてたわ〜…。」

    2007-01-18 04:41:00
  • 367:

    名無しさん

    急いで携帯を取出し、嬢達に電話をかける。     
    「あ。もしもしリナ?」  
    『おいおい。頼むで准ちゃん!』笑いながら、啓太がちゃかす。        

    《…准ちゃん言うな。》

    2007-01-18 04:42:00
  • 368:

    名無しさん

    「おう、おう。わかった、ありがとう。今日連絡遅なってごめんな?ん。ほなまた後で。」

    いつも通り、みんなに同じような電話を掛け終え、今日の出勤嬢の人数を確認する。1、2、3…発信履歴を見ながら、指を折って数える。後は…−

    2007-01-18 04:43:00
  • 369:

    名無しさん

    あれ?そういえば俺、ハナの携帯番号を知らない。…なんて、あの日から毎日一緒にいるのに、聞いてるほうが不自然か。まぁいっか。今日出勤したら聞いておこう。

    カランカラン。
    またベルが鳴る。キャバ嬢達のご出勤。
    今日も始まる、黒くて綺麗な、長い夜…−

    2007-01-18 04:43:00
  • 370:

    名無しさん

                 


                 

    2007-01-18 04:45:00
  • 371:

    名無しさん





    《まじか−…》

    2007-01-18 04:46:00
  • 372:

    名無しさん

    寒さで、指がかじかみ、感覚はもうない。だけど、手をポケットなんかに突っ込む余裕はない。
    だって、人は途切れず通り過ぎる。いつもなら来てくれる常連客も、暇だと泣き付いたら入ってくれる顔馴染みの客も、飲み遊んでそうな新規も、いつもと同じ様に、それなりに通り過ぎる。決して人がいないわけじゃない。なのに。

    2007-01-18 04:46:00
  • 373:

    名無しさん


    AM0:00

    Club RAIN
    −…来店客数0。

    2007-01-18 04:47:00
  • 374:

    名無しさん

    『今日は飲まんとくわぁ〜』−申し訳なさそうにそういった常連客。
    『もう話しかけんとってくれ。』−何故か切れ気味の顔馴染み客。
    『えッ?RAIN?なら辞めとくわぁ』−店前で引き返す新規客。       
                 
    《おかしい。絶対、何かおかしいって−…。》

    2007-01-18 04:48:00
  • 375:

    名無しさん

    ジージー
    丁度、嬢達の営業の様子を聞こうと手を伸ばしたインカムが鳴った。それから流れる啓太の言葉を聞き終える前に、俺の足は動いた。 
    エレベーターが上の階から降りてくる、その数秒さえ待ちきれずに階段を駆け上った。
    勢い良くRAINの扉を開ける。

    2007-01-18 04:49:00
  • 376:

    名無しさん

    「どういうことやねん!」             

    …あの、嫌な予感は当たった。           

    《玲花…》

    2007-01-18 04:50:00
  • 377:

    名無しさん

    [お前、ボーイの啓太と付き合ってるらしいやんけ]受信、リナ。       
    [もう行かんとくわ。俺等が行ってた時も、ぼったくりやったんか。]
    受信、美々。       
    [どうせ俺が帰った後には俺の文句を他のキャバ嬢達に言ってるんやろ?]
    受信、奈々。

    2007-01-18 04:53:00
  • 378:

    名無しさん

    完全な、潰し。


    そして、客引きに必死で気付かなかった、俺の携帯にも−…

    2007-01-18 04:54:00
  • 379:

    名無しさん

    [今まで可愛がってやっとったのに、恩を仇でかえしやがって、覚悟しとけ。]
    [19やそこらで舐めてんちゃうぞ糞ガキが。]
    [ずっと脅して殴ってたらしいな。お前最低やな。]
    [絶対潰したるからな!]

    2007-01-18 04:54:00
  • 380:

    名無しさん

    いざ携帯を手にとって見ると、それはひっきりなしに続き、なかなか携帯は鳴り止まなかった。

    看板の電気を消し、扉に鍵をかけた。うるさく響いていた店内のユーロビートも消した。
    静かになったRAIN。
    それぞれの携帯が出す、バイブの音だけがやけに響いて、そうでなくとも薄暗い店内を、空気ごと暗くする。

    2007-01-18 04:56:00
  • 381:

    名無しさん

    困惑した表情を隠せないボーイ。客達の、ひどい言葉や脅しに近いメールに、怯えた顔を見せる子もいる。みんな、自然と俯き、誰も何も話さない。

    ほんで俺は今、どんな顔をしてるんやろう。

    ただ一人、ハナだけが心配そうにずっと俺を見ていた。

    2007-01-18 04:57:00
  • 382:

    名無しさん

    こんなローカルで、噂が回るのは風のように早い。潰しを受けて、実際に潰された店の話だって少なからず聞いてきた。       
    けど、なんでこんな…ここまで、ひどいもんなんか。

    『玲花やろ。』
    誰が言ったのかはわからない、だけど誰かが言った。

    2007-01-18 04:58:00
  • 383:

    名無しさん

    《ぼったくり、客への悪口、質が悪い》そんなことは誰でも言える。

    だけどリナと啓太のことについては、店の奴らにしかわかるはずない。それも、昔からいた奴。

    犯人は、玲花に間違いない。

    2007-01-18 04:59:00
  • 384:

    名無しさん

    だけど、どうやって?   
    ブーッブーッ
    メールとは違うリズムで、俺の携帯が鳴った。携帯を開き、発信者の名前を見る。
    着信》》佐々木さん
    RAINの常連客。

    2007-01-18 04:59:00
  • 385:

    名無しさん

    「はいもしもし、准です」自分で、自分の声がひどく沈んでいることに気付いた。

    『准か?その声の様子じゃ、早速潰しの洗礼受けてるみたいやな!』

    反対に、少し楽しんでいるかのような明るい佐々木さんの声に、むやみに腹が立った。声を出した瞬間に怒鳴ってしまいそうで、それを押さえるために何も答えなかった。

    2007-01-18 05:00:00
  • 386:

    名無しさん

    『玲花、今SIXで働いてるわ。』

    佐々木さんのその言葉で、すぐに全てがつながった。

    SIXとは、店から100メートル程離れた所にあるキャバクラで、オープンした時期や、店のキャパ、セット料金など、全てが同じ、言ってみればライバル店だった。そのせいか、開店当初からなにかと張り合うことになり、オーナー同士も仲が悪かった。

    2007-01-18 05:01:00
  • 387:

    名無しさん

    絞りだすようにお礼だけ言って、電話を切った。
    「玲花、今はSIXで働いてるらしいわ…。」

    わざわざ言わなくたってわかる、その最悪な現状と、予想できるこれから先の店の状態に、皆はますます暗い顔に変わった。…もちろん、俺も。

    2007-01-18 05:03:00
  • 388:

    名無しさん

                                                    



    《俺のせいや…》

    2007-01-18 05:03:00
  • 389:

    名無しさん

    玲花のわがままにさえ目をつぶっていたら
    あの日、あんなやり方で玲花を切らなければ
    もっと先手を打っとけば
                 
    今更しても遅い後悔が俺を襲う。けど、俺は店長なんやから。しっかりせな、しっかり…−

    2007-01-18 05:04:00
  • 390:

    名無しさん



    手が震える。怒りか、不安か、後悔か。そんなことすらわからない。
                 
    《みっともねぇ。》

    2007-01-18 05:05:00
  • 391:

    名無しさん





    2007-01-18 05:11:00
  • 392:

    ゆいこ

    玲花…ヽ(*`Д´)ノ

    2007-01-18 08:18:00
  • 393:

    名無しさん

    しおりン(σ・∀・)σ

    2007-01-18 10:10:00
  • 394:

    名無しさん

    ??

    2007-01-19 05:00:00
  • 395:

    続き待ってます?

    2007-01-21 22:55:00
  • 396:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    遅くなりました。これから更新します??応援等、ありがとうございます??頑張ります??



    2007-01-22 03:24:00
  • 397:

    名無しさん





    2007-01-22 03:24:00
  • 398:

    名無しさん

    数えきれない程ある色とりどりのネオンは、余りにも眩しすぎて直視出来ない。

    その癖、一つ一つで見ればただの小さな電球にしか過ぎなくて

    切れたら交換するだけ。

    2007-01-22 03:25:00
  • 399:

    名無しさん

    夜の象徴のネオンは、
    おれ等と一緒。

    輝かない電球なんていらない。使えなくなったら捨てるだけ。
    それが嫌なら…−

    2007-01-22 03:26:00
  • 400:

    名無しさん

    力尽きても光り続けるか
    それともそのまま消えていくのか…−
                 
    なぁハナ。        
    お前なら、どうする?

    2007-01-22 03:27:00
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