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ハナ

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  • 1:

    名無しさん

    ハナが、口の右端だけを上げて笑う。



    何か企んでいる証拠。

    2006-11-27 03:04:00
  • 451:

    名無しさん


    PM3:30
    −…ガチャリ

    ドアが開く音に、夢の世界から意識が解放される。しかし目は閉じたまま、全身で准の行動を感じ取る。

    2007-01-22 22:20:00
  • 452:

    名無しさん

    昔から、狸寝入りは得意だった。だってそれは、幼かったあたしにとって、唯一無二の、自分の身を守る方法だったから。別に、あの人を恨んでなんかいない。ただ、可哀相な人だったと思うだけだ。       


    准は、真っすぐあたしの元に来るとベットの前に座り、あたしの髪の毛にやさしく触れた。まるで、いつもあたしが准にするそれを、真似するみたいに。    
    しばらくたってから彼は、シャワーを浴び、テレビの前のソファーで横になると、すぐに寝息を立て始めた。しばらくそのまま時間が経つのを待ってから、あたしはようやく目蓋を開き、ベットから起き上る。

    2007-01-22 22:22:00
  • 453:

    名無しさん

    准はあたしとは正反対に、一度眠りに着くとちょっとやそっとの物音では起きない。特にここ最近は、常連は元より、新規のお客さんとのアフターやら、オーナーとの話し合いなどで睡眠時間が大幅に減り、疲れも溜まっている様子だった。


    それと関係があるのかないのか、ここ最近准と一緒に寝ることはなくなった。彼はあの飲み会の日以来、ベットではなくソファーで寝るようになり、それはあたしを何故か不安にさせた。

    2007-01-22 22:22:00
  • 454:

    名無しさん



    もう、あまり時間がない。

    出来れば、残されたこの時間を、あたしは彼の隣で眠って過ごしたいのに。

    2007-01-22 22:23:00
  • 455:

    名無しさん

    きっと、愛情よりも母性本能に近かった。あたしの准へ寄せる愛しさは。

    だから、彼に抱き締められながら、彼の少し癖のある髪の毛を撫でている時だけは、あたしは何の闇にも不安にも襲われず、安心して眠りに着くことが出来た。

    2007-01-22 22:24:00
  • 456:

    名無しさん

    そっとクローゼットを開け、奥に閉まった鞄の中から、サイレントにしていた携帯を取り出した。慣れた手つきでメールを確認し、次から次へと返信する。

    〔あと2ヵ月やな?〕

    咲君からのそのメールで、忙しく動いていた親指が止まる。しばらく眺めた後、返信せずに削除した。

    2007-01-22 22:26:00
  • 457:

    名無しさん

    真っ白なはずのボディには、たくさんのラインストーンが貼り付けられ、少しでも動かせば眩しいほどにキラキラと光る。

    これはキャバ嬢【ココ】の携帯。あのマンションに置いていった、正確に言えば置いて行こうとした、咲君とおそろいの携帯だった。

    2007-01-22 22:26:00
  • 458:

    名無しさん



    …−あの日。       
    つかまれた左手を、
    あたしは結局振りほどけなかった。

    2007-01-22 22:29:00
  • 459:

    名無しさん

    その場に立ちすくむことしか出来ないあたしの代わりに咲君が運転手に誤り、そしてタクシーは行ってしまった。          
    ブーン…−

    信号がまた青に変わり、たくさんのエンジン音で、やっと我に返った。     
    「何?急いでるんやけど」

    2007-01-22 22:30:00
  • 460:

    名無しさん

    ようやくあたしの口から出たのはそんな言葉で、ひどくそっけなかったのが自分でもわかった。      
    『心…聞いてくれ。ちゃうねん、本間に。あれは…』
    「聞きたくない。」
    『なんで!』
    「どうでもいいしな。知ってるやろ?あたしCRUWならもう辞めた。もうこれ…」

    2007-01-22 22:32:00
  • 461:

    名無しさん

    あたしにはやっぱり、あの女の血が流れていて、どんなに違うと、違いたいと思っていても、結局は…− 一緒なんだろう。     
    寂しくて、可哀相な女。  
    だってこうして、突然抱き締められただけで、あたしは何も話せなくなってしまう。寂しくて、可哀相で。弱い女だ、あたしも。

    ただただ、最愛だった人の腕の中で、涙だけは流すまいと、必死に堪えるだけが精一杯だった。

    2007-01-22 22:34:00
  • 462:

    名無しさん

    たった数秒。あたしの顔には丁度咲君の胸元があって、セッタの香りが香水にまじって鼻に付いた。

    『あの…』

    自分達に向けられただろうその言葉に、二人同時にパッと離れた。

    2007-01-22 22:34:00
  • 463:

    名無しさん

    『すいません…』
    気まずそうにそこに立っていたのは、引っ越し業者の作業服を着た若い男。

    『これ…。忘れてたみたいだったんで…』
    そう言って、差し出された手にあったのは、携帯だった。今目の前にいる、咲君とおそろいの、あの携帯。

    2007-01-22 22:36:00
  • 464:

    名無しさん

    「あ、いらないんです。それも…『貸してください、ありがとう』」

    言い終わる前に、また咲君があたしの言葉を遮る。
    男から携帯を受け取ると、咲君はあたしの腕をつかんで、そのまま歩きだした。
    向かった先はマンションからすぐ近くの喫茶店。

    2007-01-22 22:36:00
  • 465:

    名無しさん

    今更引き返したってもう遅い。咲君の手を、振りほどけなかったあの瞬間に、あたしの負けは決まっていたのだ。


    『ホット二つ。』
    店員の会話すらも聞かず、店の一番奥のテーブルにあたし達は座った。咲君が口早に頼んだ、それが来るまで、二人とも何も話さなかった。

    2007-01-22 22:37:00
  • 466:

    名無しさん

    『お待たせしました〜』  
    店員の、強弱のない声と同時に、テーブルの上にホットコーヒーが二つ並ぶ。それを手に取り、店内とは真反対に冷えきった手を暖めた。

    『心?辞めたことはもうとやかく言わん。俺はそういうつもりでお前と付き合ってたわけじゃないから。』 
    彼は、はっきりとそう言った。だけど…−

    2007-01-22 22:38:00
  • 467:

    名無しさん

    「信じられへ…」
    −…バンッ
    『何でなん?!』     
    テーブルに手の平を強く叩きつけ、また、あたしが言い終わる前に声を荒げて彼が言い返してくる。                
    《咲君て、こんなにせっかちやったっけ…−。》

    2007-01-22 22:39:00
  • 468:

    名無しさん

    何事かと、視線があたし達に集まったのがわかったけど、彼は気にする様子もなくあたしを睨む。

    根拠があるわけじゃない。ただのケンカなら、あたしはきっと笑って許してただろう。

    だけど恋愛なんて、タイミングが全てだから。

    2007-01-22 22:40:00
  • 469:

    名無しさん

    あの日あたしは咲君のために宮崎と寝た。
    その日に咲君はあの言葉を発した。


    もしもあれが、本当にあたしの事じゃなかったとしても、それでも、それだけで…−幸せのピークだったあたし達は、もう既にダメになってしまったんだと思う。

    2007-01-22 22:42:00
  • 470:

    名無しさん

    今、こうしてあたしを睨む咲君の瞳は、ママの瞳と似ていた。
    恐くないって言ったら嘘になる。黒い闇は、すぐそこまで来ている。
    足が震える。今すぐにでも目を逸らして、この場から消え去りたい。

    2007-01-22 22:43:00
  • 471:

    名無しさん

    だけど…−

    初めて会ったときの准ちゃんの瞳を思い出す。彼は力強く、真っすぐあたしを見つめた。そしてあっという間に、あたしは惹かれたのだ、その瞳に、救い上げられたのだ。

    あたしには、帰る場所がある。あの頃とは違う。いつまでも、寝た振りして震えているだけの、子供じゃないんだ。

    2007-01-22 22:43:00
  • 472:

    名無しさん

    しっかりと睨み返す。准ちゃんを真似た、力強い目で。逸らされるまで、逸らさない…−

    睨み合ったまま、何も話さないあたし達は、どんな風に映ってたんだろう。

    2007-01-22 22:44:00
  • 473:

    名無しさん

    『お前の誕生日まで待つ。迎えに行くわ。』     
    目を逸らさないまま、咲君はそう言って、伝票を持って立ち上がった。変わりに、捨てようと思っていたあたしのあの携帯をテーブルに置いた。        
    「は?なんで?どこに?」 
                 
    『club RAINに。』

    2007-01-22 22:46:00
  • 474:

    名無しさん

    …−彼はその言葉を残して、出ていった。

    そしてあたしは

    残された携帯を見つめ、固まったまま、中々その場から動けなかった。

    2007-01-22 22:47:00
  • 475:

    名無しさん





    2007-01-22 22:47:00
  • 476:

    名無しさん

    准ちゃんが寝返りを打ってこっちを向いた。思わず携帯を背中に隠した。…−大丈夫。起きてない。

    新地 CRUW。あれだけ大きな店の店長なら、あたしを捜し出すことくらい、簡単だったんだろう。

    2007-01-22 22:48:00
  • 477:

    名無しさん

    咲君はきっと、本当にあたしを迎えにくる。
    2ヵ月後の今日、あたしの誕生日に…−


    自分の気持ちの変化に、追い付けない。

    2007-01-22 22:49:00
  • 478:

    名無しさん

    あんなに好きだった咲君。最愛の人だと思っていた咲君。
    彼の隣にいることも、彼のためにがんばることも、少し前のあたしにとっては、当たり前のことだった。  
    あたしはまだ彼が好き…? 

    わからない。

    2007-01-22 22:50:00
  • 479:

    名無しさん

    だけどきっとあたしは、彼に着いていくしかないのだ。

    結局、決められた運命の歯車には逆らえない。それがどんなに狂っていたとしても、着いていくしか…−。

    それをわかっているからこそ、2ヵ月後の、その日が来るのが恐い。

    2007-01-22 22:51:00
  • 480:

    名無しさん



    …−あたしは一体、どんな顔して准に別れを告げるんだろうか。

    行くところがなかったあたしを、何も言わず、そっと抱き締めてくれた彼に。全てを、受け入れてくれた准ちゃんに。

    2007-01-22 22:51:00
  • 481:

    名無しさん

    なぁ准ちゃん。

    黒猫にだって、大切なものくらいあると思うねん。

    黒猫だって、やさしくしてくれた人のことくらい、覚えてると思うねん。

    2007-01-22 22:52:00
  • 482:

    名無しさん

    なぁ准ちゃん。

    黒猫だって
    恩返しくらいするよ−…? 

    2007-01-22 22:53:00
  • 483:

    名無しさん





    暗くなっていた小さな液晶に光が灯り、さっき打ったメールの返事が届く。

    2007-01-22 22:54:00
  • 484:

    名無しさん

    〔わかった。近くになったら電話するから、場所教えてな?〕

    〔うん。でも、電話はこっちにして?090-xxxx…−。例のあれ、ちゃんとしてや〜?〕

    〔わかってるわ!ココに会えるんも久々やな!楽しみにしとくわ!〕…−

    2007-01-22 22:57:00
  • 485:

    名無しさん

    メールを読み終えると、またしっかりと鞄の中に携帯をしまい、クローゼットの奥の方にその鞄を隠すように置いた。さてと。


    《あたしも、もうちょっと寝ようかな…−》

    2007-01-22 22:57:00
  • 486:

    名無しさん

    おもろい?

    2007-01-23 00:44:00
  • 487:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    何で?ママ。
    痛いよ。熱いよ。

    何で?ココ、何かした?

    2007-01-23 06:20:00
  • 488:

    名無しさん

    ママ?
    あたしはそんなに
    “悪い子”なの?

    〔そんな目で見るな!本間にあんたは、花にそっくりやな!〕

    2007-01-23 06:20:00
  • 489:

    名無しさん

    〈花〉?
    花…−パパ?


    あたしは、パパに似てるから悪い子なの?

    2007-01-23 06:21:00
  • 490:

    名無しさん



    『ハナ?ハナ!』
    パパ?
    『ハナ!!!』

    2007-01-23 06:22:00
  • 491:

    名無しさん

    力強い、その声でなんとか、目が覚める。
    准の声でやっと、黒い闇から解放される。

    寝汗がすごい。久々に見た、昔の夢。

    2007-01-23 06:22:00
  • 492:

    名無しさん

    『ハナ?むっちゃうなされてたみたいやけど、大丈夫か?恐い夢でも見た?』

    心配そうにあたしを見つめる彼のその顔に、荒くなっていた呼吸も自然と落ち着く。最後に一度だけ深呼吸してから、彼に笑って頷いてみせた。

    『そか…。よかった。』

    2007-01-23 06:23:00
  • 493:

    名無しさん

    准は安心した顔を見せてから、あたしの頭をポンポンと撫でると、また急いだ様子で準備に戻った。    
    「ごめ…ご飯まだ用意できてないわ…」
    『大丈夫やで!食べてる時間もないしな!』

    その言葉に、時計に目をやる。

    2007-01-23 06:24:00
  • 494:

    名無しさん

    PM7:30…−

    《もうそんな時間か。》  
    『それにしてもめずらしいな。よく考えたら初めてかもな、俺がハナより先に起きるの。』
    「そういえばそうやなぁ」

    2007-01-23 06:25:00
  • 495:

    名無しさん

    『も〜ハナちゃん、イビキうるさい♪』
    「うるさいねんバカ准!死んでしまえッ!笑」
    『だから、それ言いすぎやろ!笑』

    悪夢すらも吹き飛ばす、准の笑顔。

    2007-01-23 06:26:00
  • 496:

    名無しさん

    「けど…それにしても准ちゃん。最近ちゃんと寝てるか?ご飯も、三食ちゃんと食べなあかんよ?」

    『…わかってるって!オカンか!笑 あと、准ちゃん言うなって!』

    その言葉にあたしも思わずにやける。

    2007-01-23 06:26:00
  • 497:

    名無しさん

    《ほんま、かわいい奴♪》


    そういえばあたしだって急いで準備をしなきゃ、仕事に間に合わない。少し焦って、シャワーを浴びるためバスルームへ向かった。

    2007-01-23 06:27:00
  • 498:

    名無しさん

    PM11:00

    黒一色の真新しい携帯が振動して、手にもったポーチごと揺らし、着信を知らせる。
    「ちょっとだけ失礼します。すみません。」
    にっこり笑い、客にそう告げてから、少し足早にトイレへ向かう。

    2007-01-23 06:28:00
  • 499:

    名無しさん

    案の定、着信は今日の夕方に連絡をいれていた、関ちゃんからだった。

    「もしもし?関ちゃん?」

    彼は、CRUWで働いていた時の客。どっかの建設会社の社長らしく、出会った時から店に来る度、違う会社下の子を、何人か連れて来てくれる人。そこまで太い人ではない。だけど、枝をたくさん持ってる、そんな人だ。

    2007-01-23 06:29:00
  • 500:

    名無しさん

    『おうココ!これから向かうわ!』
    「了解〜。でも関ちゃん。ココって言うの禁止やで?わかってる?」
    『おう、せやった、せやった♪ごめんやで』
    「もう!頼むで本間!」  
    それから、RAINの場所を詳しく教えて、手短に電話を切った。

    2007-01-23 06:32:00
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