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ハナ
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1:
名無しさん
ハナが、口の右端だけを上げて笑う。
何か企んでいる証拠。2006-11-27 03:04:00 -
501:
名無しさん
今日もRAINは、相変わらずの不調。
今の時点で、客は2組。
1番テーブルに3名様。新規。
3番テーブルに2名様。リナとハナ指名客。2007-01-23 06:32:00 -
502:
名無しさん
昨日くらいから来ている、体験の子2人を含めて、今日の嬢数は全部で8人。内、席に着いてるのが5人。
《多分、いや、確実に足りない。》
1番テーブルの新規客はさっき入ったばかりで、盛り上がっている様子…となると。2007-01-23 06:33:00 -
503:
名無しさん
携帯を閉じ、唇にグロスを塗った。下品に見えない程度に、薄く。
「お待たせしました♪」またまた、にっこり笑って、席に戻った。様子を見てから、何度かカクテルのおかわりを繰り返した。何のことはない会話を続ける。あと、15分ってとこか…−。2007-01-23 06:34:00 -
504:
名無しさん
『失礼します!そろそろお時間の方なんですが、ご延長の方どうされますか?』
聞きに来たのは、啓太君。現在の値段と、延長後の値段を書いた紙を客に差し出す。紙を手に取りながら、どうしようかと考えている客に、わざと接近して耳元でささやく。
「明日もお仕事ですよね?無理だけはせんとってください。武田さんはいつもやさしいから、私の為に無理してないか、いつも心配になるんです。」
彼は少し驚いた顔であたしの顔を見つめた後、うれしそうに笑うと、『わかったよ』とだけ言った。
そのままチェック。2007-01-23 06:35:00 -
505:
名無しさん
「ご馳走様でした。ありがとうございました。」
コートはエレベーターが上がって来るまで着せないで持っておく。扉が開いてから、ゆっくりとコートを着せる。たった数秒のこと。だけどその数秒は、彼らにとって“特別”だったりする。
『さっき、耳元で何て言ったん?』
エレベーターが1階まで降りたのを確認してから、リナさんがあたしにそう聞いた。
「えっ…?別にそんな特別なことじゃないですよ?」『でも、引っ張ろうと思えば引っ張れたやん。そうやろ?』2007-01-23 06:38:00 -
506:
名無しさん
…−お客さんが来るから。なんて、言えない。まだ。
笑って、
「でも、無理やったみたいです。すみません。」−…そう言った。
『あぁそう。』
リナさんが、必死にがんばっていることぐらいわかっている。だから別に、あたしは…−2007-01-23 06:40:00 -
507:
名無しさん
冷たくそう言い残し、彼女は颯爽と店へと戻った。
今は、嫌われても、いいんだ。2007-01-23 06:41:00 -
508:
名無しさん
リナさんの背中を追って、店に戻ろうと扉に手を掛けたのと同時に、携帯がまた鳴った。
店には入らず、廊下の片隅に移動して通話ボタンを押した。2007-01-23 06:42:00 -
509:
名無しさん
『もう着くわ!』
「わかった。そのまま、黒服が二人立ってるハズやから、キャッチされて。」
『おぅ。しかし、面倒やなぁ。』
「えぇから!笑 ちなみに、何人?」2007-01-23 06:43:00 -
510:
名無しさん
…−ビンゴ!
《5名様、ご来店です。》2007-01-23 06:43:00 -
511:
名無しさん
ねぇ准ちゃん。
失ってからじゃないと気付けないことは
この世界に腐るほどあって
だけど、後悔しないのは
それだけの価値があるから2007-01-23 06:53:00 -
512:
名無しさん
准ちゃん。
准ちゃんの腕の温もりや
くしゃってなる、咲君と似たその笑顔や
やさしくて暖かいキスを
あたしは、一生忘れない。2007-01-23 06:54:00 -
513:
名無しさん
ねぇ、准ちゃん。
だけど
あたしは別に、健気に頑張る女の子なんかじゃない
だから、あたしのことは2007-01-23 06:55:00 -
514:
名無しさん
忘れていいよ。
2007-01-23 06:56:00 -
515:
名無しさん
2007-01-23 07:01:00 -
516:
名無しさん
切にゃぃ??
頑張ってくださぃ?2007-01-23 08:03:00 -
517:
名無しさん
2007-01-23 08:08:00 -
518:
名無しさん
2nd Return
SIDE 准
2007-01-23 08:09:00 -
519:
名無しさん
2007-01-23 08:09:00 -
520:
名無しさん
なぁハナ
お礼くらい、
言わして。
2007-01-23 08:10:00 -
521:
名無しさん
《寒い。寒すぎる。》
かじかむ手に、息を吹きかけてみるものの、その効果はないに等しい。
あっという間に冬は深くなり、今日で散々だった11月も終わる。2007-01-23 08:11:00 -
522:
名無しさん
とはいっても後半は、前半とは打って変わって順調で、今日もこうして客引きには出ているものの、店は満員で、そんなに焦る必要もない。
潰しの噂は回りきったのか、むしろ良い噂に変わって、また回る。
落ちるとこまで落ちた噂は、上がることしか出来なかったみたいだ。
〔club RAIN。
…−結構、優良店。〕2007-01-23 08:12:00 -
523:
名無しさん
あの飲み会以来、やる気満々になった嬢達の接客は、見る見るうちに上達したし、面白半分で来たのか、新規の客が突然増え、そのままリピーター客にも変わった。
客層も大幅に広がり、最近では結構遠くから、わざわざ足を運んでくれる客さえいる。2007-01-23 08:13:00 -
524:
名無しさん
なんて、言ってみただけで、これが偶然でないことぐらい、さすがに俺だって気付いてる。
だてに二年近く、ボーイをしてるわけじゃない。
…−《ハナのお陰だ》。2007-01-23 08:14:00 -
525:
名無しさん
だって、新規の団体の大蔵省と思われる客は、必ずハナを気に入り指名したし、何より彼らはみんな、以前では考えられないほど、ボトルやらシャンパンやらを卸す太客ばかりだった。
多分、新地CRUW‘ココ’の客だった人達なんだろう。
出会ったあの日に感じた直感は当たった。
ハナは、club RAINを見事に変えた。2007-01-23 08:16:00 -
526:
名無しさん
いつかハナは、携帯を持っていないと言ったけど、きっとあれも嘘なんだろう。じゃないと、彼らと連絡がとれるはずがない。
だけど、ハナが持っていないと言う以上余計な詮索はしないし、彼らが自分の客だったことを隠すなら、それにも騙されていてやる。
なんて、これも言ってみるだけで、実際は聞けなかっただけやねんけど。
はぁ。相変わらず…−
《かっこ悪ぃ。》2007-01-23 08:26:00 -
527:
名無しさん
それでもやはり、こぼした大量の常連客はSIXに移動し、売り上げは両店増え、相変わらず同じくらいだった。
けど別に、そんなことは気にもならなかった。2007-01-23 08:27:00 -
528:
名無しさん
あえて言うなら…−
一時期なくなっていた非通知が、ここ最近また増えだしたこと。
思い当たる人物は、例の一件で結構いるものの、まぁ誰よりも‘玲花’が近い。2007-01-23 08:28:00 -
529:
名無しさん
けどさすがに、あの時は頭に血が上って、今ではやりすぎたかなと思う。
《先月の給料も渡さなあかんし、そろそろ、手ぇ打っとくかな。》…−2007-01-23 08:28:00 -
530:
絢
更新お疲れさまです。
めちゃめちゃ切ない?楽しみにしてるんで頑張って下さいね?2007-01-23 10:12:00 -
531:
名無しさん
おもろい!頑張って!
2007-01-23 13:31:00 -
532:
紅音◆LTrx1cGfeo
絢さん、いつもありがとうございます??547さんも、ありがとうございます?もう本当、感謝です?? 更新します??
2007-01-25 00:30:00 -
533:
名無しさん
AM5:30
『お疲れ〜っす』
「はいお疲れ〜っ。」
いつも通りの一週間が終わり、みんな次から次へと店から出ていく。今日も売り上げはまぁまぁで、明日は一日、ゆっくりと休みを満喫出来そうだ。2007-01-25 00:31:00 -
534:
名無しさん
「送りもうちょっとだけ待ってな〜」
美々奈々とハナにそう告げて、集計が終わった売り上げ表をファイルに挿んだ。『『はぁーい。』』
息のあった三人の返事に軽くもう一度だけ誤り、ファイルを持ってリストへ移動する。
《え〜っと…あ、あった》2007-01-25 00:32:00 -
535:
名無しさん
−顧客ノート玲花−
何冊も積み上げられたたくさんのノートの中から、玲花のだったピンクのノートを引き抜いた。
確か、ここに…−ほら、やっぱり。
一番最初のページに書いてあった玲花本人の番号を、携帯に登録する。メルアドは…変わってるかもやけど、一応入れとくか。2007-01-25 00:34:00 -
536:
名無しさん
え〜っと…
re、i、ka、、hi、me...
《…姫?玲花姫?何ていうか、うわぁ〜(´Д`)笑》2007-01-25 00:34:00 -
537:
名無しさん
『何してるん!?』
玲花のアホみたいで、かつ無意味に長いメルアドを打ち込むのに手間取っている間に、ハナが痺れを切らしてリストに顔を出した。
「ん〜。もぉちょい待って…よしオッケ!行こか!」
質問には答えずそれだけ言った。携帯を閉じてハナがいるほうに目をやると、ハナは不思議そうに俺を見つめた後、
『はよ支度しろ!』とだけ言ってリストから離れた。2007-01-25 00:36:00 -
538:
名無しさん
AM8:00
「おやすみ〜…」
疲れた体でお腹いっぱいになれば、睡魔が襲ってくるのも早い。
少し落ち着いたここ最近では、ちゃんと毎日三食食べるのが当たり前になっていた。というか、食べないとハナが口うるさく怒る。2007-01-25 00:37:00 -
539:
名無しさん
だけどそれはほんまに有り難いことで、数日前に発見した、ハナが持ち込んだ何冊かの料理本は、キッチンに綺麗に並んでいる。
そしてそれはどれも『健康のための一ヵ月献立』だとか、『栄養バランスメニュー』なんてタイトルで、俺の体を気遣う料理を作ってくれているのが嫌味なくわかった。
今更やけど、ハナはほんまに家庭的な女やった。その見た目や言葉遣いからは、到底想像できないくらいに…−。2007-01-25 00:38:00 -
540:
名無しさん
「ふぁ〜あ。」
あくびと一緒に、涙腺が潤む。
そういえば、ソファーで寝る生活にも最近やっと慣れてきた。始めのうちは起きた時に体中が痛くて苦労したけど、人間何においても、慣れさえすれば平気なもんらしい。
今この瞬間も、毛布一枚にくるまって、体を丸めて眠りに落ちる、まさに直前。2007-01-25 00:39:00 -
541:
名無しさん
あったかい空間に、俺とハナ。その事実は、止めを刺すかのように俺の眠気をそそる。
数分か、数十分後。
『…准ちゃん?』2007-01-25 00:39:00 -
542:
名無しさん
暖かい部屋で、やさしい声で、ハナが俺の名前を呼んだ。
その声に、半分寝呆けながらも、寝返りを打って返事をした。
『…起きてる?』
「ん…」2007-01-25 00:40:00 -
543:
名無しさん
『准ちゃん…こっち。
−…おいで?』
ハナの擦れた小さな声で、ゆっくりとその言葉が、俺の耳に届き、その意味が理解できた瞬間に、軽く眠気は吹き飛んだ。2007-01-25 00:41:00 -
544:
名無しさん
ソファの上からじゃ、ハナの顔は見えない。今ハナが、どんな顔してその言葉を発したのか、すごく気になった。
正味、前みたいにハナと同じベットで寝なくなったのは、彼女といればいる程、距離が近くなれば近くなるほど…−彼女に惹かれ、彼女の全てに吸い込まれてしまうから。もう、理性を保つ自信がない。
…って、すでに今の可愛い一言で、そんなもんはなくなってしまってんけど。2007-01-25 00:42:00 -
545:
名無しさん
寝た振りをしようと思った。けどその考えとは反対に、口が勝手に動いた。
「…あかん。」
精一杯の、我慢。2007-01-25 00:42:00 -
546:
名無しさん
閉まり切ったカーテンは、少しの隙間すらなく、外はもう陽が登っただろうこの時間帯でも、部屋の中は真っ暗だ。
静かで、長い、長い沈黙。
先に口を開いたのは…−
2007-01-25 00:43:00 -
547:
名無しさん
「襲ってまうから。」
…−俺。2007-01-25 00:44:00 -
548:
名無しさん
何て言うか、拒否ってるわけじゃないことを、伝えときたかった。だけど、冷静に考える時間も余裕もなく、選べばいい言葉をバカ正直に発してしまったのだ。
しばらく何の返事もなく、やけに早く響く自分の鼓動で、手に汗を握っていることに気付かされる。
《寝たんかな…−》
そう思った、瞬間。2007-01-25 00:45:00 -
549:
名無しさん
『………−いいよ?』
確かに、そうハナが、言った。2007-01-25 00:47:00 -
550:
名無しさん
ぃっつも更新ありがとござぃます?
毎日楽しみにしてるんで??
ゅっくりでぃーんで書ぃてくださぃ?・゚2007-01-25 03:21:00