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ハナ

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  • 1:

    名無しさん

    ハナが、口の右端だけを上げて笑う。



    何か企んでいる証拠。

    2006-11-27 03:04:00
  • 551:

    名無しさん

    気になるあげ

    2007-01-25 03:43:00
  • 552:

    紅音◆LTrx1cGfeo

    俺はもぞもぞと体を動かし、ベットのすぐ側にしゃがみこんだ。丁度、こっちを向いてるハナと顔が近い。



    「…マジで言うてる?」

    2007-01-25 15:23:00
  • 553:

    名無しさん

    そう聞いた俺に、
    ハナは…−口の右端だけを上げて、笑った。     
    「あんま、舐めてたらあかんで?笑」

    俺はそれだけ言うと、一気にベットに上がり、横を向いていたハナの両手を、まとめて片手で抑えつけ、体ごと正面に向けると、そのまま彼女の上に膝を立てて乗っかった。

    2007-01-25 15:24:00
  • 554:

    名無しさん

    真っすぐ、ハナを見下ろす。ハナも、真っすぐ俺を見上げる。おれの瞳に映るその顔に、あの笑顔はもうない。
    その代わり、出会ったあの日と同じ、力強い目があった。           
    《−…負ける?》

    その言葉が頭に浮かんだと同時に、俺はハナにキスをした。

    2007-01-25 15:25:00
  • 555:

    名無しさん

    ハナの唇はやわらかくて、そして冷たい。

    何もかもが真っ白になる。何も考えられないし、何も考えたくない。

    唇のその奥に、夢中になって舌を絡ませた。

    2007-01-25 15:26:00
  • 556:

    名無しさん

    唇と相反した、暖かいそれに俺はますます欲情し、もっと激しく強引に、少し遠慮がちに動くハナの舌を求めた。『んッ…−』何も聞こえない静かな部屋に、ハナのその声だけが異様に響いた。

    …−

    2007-01-25 15:27:00
  • 557:

    名無しさん

    ふと、重なり合った唇を離して、ハナを見つめる。

    『手…痛いって。』
    やさしく笑って、ハナが言った。気付けば、俺は自分で思っていたよりもきつく彼女の手を握り、抑えつけていたみたいて同時に手をパッと離した。
    ハナはまたふっと笑うと、離されたその両手をそのまま俺の首に回した。

    2007-01-25 15:28:00
  • 558:

    名無しさん

    また、顔が近づく。

    さっきの、激しいだけのキスは、やさしい、ゆっくりとしたキスに変わり、暖かい何かが、俺とハナを包み込む。唾液が、ピチャピチャと音をたてる。

    立てていた膝をねかし、全身でハナの上に覆いかぶさる。すぐ近くに感じる、ハナの体温で再確認する。

    2007-01-25 15:28:00
  • 559:

    名無しさん

    俺はずっと、触れたくて触れたくて仕方なかったんだ、ハナに。

    切れ長でつり目の、猫みたいな目。鼻筋が通った、形のいい小さな鼻に、少し広いおでこ。肩まで伸びた、細くてやわらかい髪に、ピンク色のアヒル口。華奢な肩から伸びる細い腕。割と小っこい胸に、すらりと真っすぐ伸びた長い足に。

    ハナのその全てに。

    2007-01-25 15:29:00
  • 560:

    名無しさん


    触れたかったんだ、
    ずっと。

    2007-01-25 15:30:00
  • 561:

    名無しさん

    どちらからともなく、顔を離し、長いキスが終わった。
    ハナを見つめると、虚ろな目に、少し乱れた呼吸。紅潮した頬。
    全てが色っぽく、少しだけ戻ってきていた俺の理性をまた吹き飛ばす。

    今度は短いキスを何度も繰り返しながら、右手をハナの胸へと伸ばし、そっと触れた。俺の手のひらにすっぽりと納まる、丁度いいサイズ。布団から出ていたその手は冷たく、ハナは少しだけビクッと体を震わせた。そんな小さなことが、やけに愛しく感じる。

    2007-01-25 15:30:00
  • 562:

    名無しさん

    自分の膝を、ハナの足の付け根まで上げ、軽く刺激する。
    キスを止め、舌を首元に移動させた。ツーッと、舌先で首筋をなぞる。ハナのサラサラの髪の毛を、もう片方の手でかき上げ、そのまま指で耳を触る。たまに零れるハナの甘い声に、我慢し切れず下に手を伸ばした。パンツの上からハナのそこに触れると、ハナはまた体を震わした。もう一度、キスをするためハナに顔を近付けた。指先には、湿った感触。

    「…濡れてるん?笑」

    2007-01-25 15:31:00
  • 563:

    名無しさん

    そう聞いて、数センチしか離れていないハナの顔を覗く。その瞬間、ハナは閉じていた目を開き、無表情でじっと、俺を見つめた。



    2007-01-25 15:32:00
  • 564:

    名無しさん

    …−そこで、辞めた。



    ハナの潤んだ瞳にはっきりと映る俺はみじめだ。

    2007-01-25 15:32:00
  • 565:

    名無しさん





    2007-01-25 15:34:00
  • 566:

    名無しさん

    なぁ…ハナ。

    なんで泣きそうなん?

    2007-01-25 15:35:00
  • 567:

    名無しさん


    ハナ。

    俺の後ろに、誰を見てる? 

    2007-01-25 15:36:00
  • 568:

    名無しさん

    なぁ、ハナ。

    口の右端だけ上げたあの笑顔も、綺麗な顔から吐き出すきつい口癖も、心配性な性格も、あっという間に作ってしまう旨い手料理も、

    2007-01-25 15:37:00
  • 569:

    名無しさん

    見えないところで支えてくれる強さも、
    隠し通した弱さも、
    残酷な程の一途さも。

    …−全部。

    2007-01-25 15:38:00
  • 570:

    名無しさん

    ほんまは、
    それすらも全部、

    俺だけのもんに、
    したかってん。

    2007-01-25 15:39:00
  • 571:

    名無しさん





    2007-01-25 15:39:00
  • 572:

    名無しさん

    PM2:00ー         
    〜♪           
    永遠を、あなたは信じてた?奪わないで、いなくならないで。あたしは君の隣にいたいよ。叶わなくても届かなくても私は…ープツッ  
    メロディーコールが途切れ、彼女はやっと電話に出た。   
    『はい?』

    2007-01-25 15:41:00
  • 573:

    名無しさん

    電話越しに聞こえるその声は、やけに懐かしく感じた。−…玲花。       
    「もしもし?准やけど。わかる?」
    『…うん。』       

    「これから、会えるか?」

    2007-01-25 15:42:00
  • 574:

    名無しさん

    PM2:30

    ハナは、俺に背中を向けた状態で、ベットで眠っている。起こさないように、そっと家を出た。

    何となく歩いて、玲花と待ち合わせしている喫茶店へ向かう。

    2007-01-25 15:43:00
  • 575:

    名無しさん

    寒冬らしい、今年は。そりゃ、雪もよく降るはずだ。 
    かじかむ手をいつものようにポケットに突っ込んで、俺は昨日のことを思い出していた。

    《さっき、ハナ起きひんくて、よかった…−。》   
    なんてどっちにしろ、すぐに顔は会わすのだから、今安心したところでしょうがないんやけど。

    2007-01-25 15:44:00
  • 576:

    名無しさん

    昨日は結局、一睡も出来ないまま、ソファーの上で時間が経つのをひたすら待っていた。         

    『…−准?』
    これからって時に、手を止めた俺を、ハナは何とも言えない表情で見つめて、そっと俺の名前を呼んだ。
    確かに‘准ちゃん’ではなく‘准’と呼んだ。

    2007-01-25 15:45:00
  • 577:

    名無しさん

    だからきっと、なんとなくわかってたんやろうと思う。ハナも。        
                 
                 
    ハナの瞳には、俺じゃない誰かが映ってた。     
    ‘俺じゃない、誰か’が。

    2007-01-25 15:47:00
  • 578:

    名無しさん

    結局、「付き合ってないしやっぱり我慢する」なんて当たり障りのない理由をつけて、昨日のあの場は取り繕った。「好き」とも言ってない癖に。

    別に、そのまま最後までやろうと思えば出来た。

    やけど…気付かない振りして俺は腰を振るんか?そんなの…そんなん、みっともなさ過ぎるやろ。

    2007-01-25 15:48:00
  • 579:

    名無しさん

    喫茶店につき、コーヒーを注文した。玲花はまだ来ていないようだ。どーせあいつのことやから、遅刻するに決まってる。



    −…ハナは俺を‘咲君’の代わりにしているんだと思う。ハナは俺なんか見てない。俺の後ろにいる‘咲君’を見ている。

    2007-01-25 15:49:00
  • 580:

    名無しさん

    全く気付いていないわけでもなかった。予感が確信に変わっただけで、そんなにダメージはない。

    元々、恋愛に本気になることなんてなかった俺が、いきなりこんな不毛な恋愛をするなんて、想像すら出来なかった。

    《俺は、どうしたらいいんやろ。てか、どうしたいんやろか。》

    2007-01-25 15:50:00
  • 581:

    名無しさん

    PM3:30

    約束の時間から30分が過ぎた頃、やっと玲花が表のガラス越しに見えた。
    俺に気付いて、俺の前の席に座る。『ミルクティー、ホットで。』店員にそう言った後、すぐにタバコに火を点けた。
    遅刻したことを謝る素振りはない。しかしこれも、わかっていたことで、別になんとも思わなかった。

    2007-01-25 15:51:00
  • 582:

    名無しさん

    「電話出てくれてよかったわ。久しぶり、玲花。」  

    まるで台詞みたいにすらすらと言葉が並び、そのまま口から出した。

    今も、頭ん中は、ハナのことでいっぱい。だけど、何か用事を作って、あの家から出たかった。

    2007-01-25 15:51:00
  • 583:

    名無しさん

    『…何の用なん?』
    ふてこく、玲花が一言だけ返事をした。       
    けどその用事に、こいつを選んだのは間違いだったかもしれない。やっぱり…  

    《相変わらず腹立つわ。》

    2007-01-25 15:52:00
  • 584:

    名無しさん

    さっさと終わらして、スロットにでも行ってこようかな…−          
    「これ、先月分の給料。遅れてごめんな?あと、少ないけど、俺が沈めてもた携帯の修理代も入ってるから。あの時も、ごめんな?」 
    少し間を開けてみたものの、玲花は何も言わない。  

    《…はぁ。あっそ。》

    2007-01-25 15:54:00
  • 585:

    名無しさん

    「んな、それだけやから。…じゃぁな?」

    そう言って、席を立とうとした、瞬間。

    『何で怒らへんのッ?』

    2007-01-25 15:54:00
  • 586:

    名無しさん

    そう、小さな声で玲花が言った。          
                 
    座り直して、玲花をまっすぐ見つめた。明るかった長い金髪は、落ち着いた茶髪に変わっていて、今日はクルクルの巻き毛じゃなくて、ただのストレートロングだった。         
    日曜。SIXも、今日は休みだ。          
    久々に見た玲花は、暗くした髪色のお陰か、大人っぽくなっていたけど、少しやつれた感じもした。

    2007-01-25 15:57:00
  • 587:

    名無しさん

    「何が?遅刻?」     
    少し笑ってそう答えた。  
    『違くて…、いや、それもやけど…。』       

    俯き、黙りこくった玲花が、何を言いたいのかくらいわかる。

    2007-01-25 15:58:00
  • 588:

    名無しさん

    「えぇよ、別に、もう。あれは俺もやりすぎたし。気にすんな。」       
    『でも…』        
    そういえば、ふてこいイメージしかもう残ってなかったけど、玲花だってRAIN開店当初は、今みたいにか弱そうな女の子やったっけ。                       

    『あたしっ…』

    2007-01-25 16:00:00
  • 589:

    名無しさん

    顔を上げ、玲花は一瞬俺を見たけど、すぐに目を逸らした。

    「いいって、それ以上言わんでも。んな俺行くな?」

    もう一度、立ち上がろうとしたその時やった。

    2007-01-25 16:01:00
  • 590:

    名無しさん




    『好きやってん!
        准のこと…!!』

    2007-01-25 16:02:00
  • 591:

    名無しさん

    驚いて、玲花の顔を見下ろすと、耳まで真っ赤になっていた。

    『ずっと、好きやった。』 

    また、目が合ってから、玲花はそう付け足すと、少し悲しそうに笑った。

    2007-01-25 16:03:00
  • 592:

    名無しさん





    2007-01-25 16:03:00
  • 593:

    名無しさん

    きになる!!

    2007-01-25 17:14:00
  • 594:

    名無しさん

    ???????????????????

    2007-01-25 21:48:00
  • 595:

    名無しさん

    なぁハナ。        
    人を好きになることは
    いいことばかりじゃない。 
    ‘好き’だなんて、
    うまくいかなきゃただの不安にしか過ぎなくて

    2007-01-27 01:34:00
  • 596:

    名無しさん

    伝えとけばよかったのかな 
    伝わらなくても、
    伝わるまで。       
    そしたら、
    こんなに、後悔せんくてすんだんかな。

    2007-01-27 01:35:00
  • 597:

    名無しさん

    なぁハナ         
    もう届かないん?     
    お前が隣にいないなら、
    春なんていらない。
    来なくていい。

    2007-01-27 01:36:00
  • 598:

    名無しさん

    冬だけに降る
    真っ白な雪で、
    全部…−

    隠してしまえばいいねん。

    2007-01-27 01:38:00
  • 599:

    名無しさん





    2007-01-27 01:39:00
  • 600:

    名無しさん





    2007-01-27 01:40:00
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