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ハナ
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1:
名無しさん
ハナが、口の右端だけを上げて笑う。
何か企んでいる証拠。2006-11-27 03:04:00 -
671:
名無しさん
「もうすぐクリスマスやなぁ〜…」
車の中、俺はハナに話し掛けた。新人の子の送り先は反対方向だったため、ここから俺の家までとなると結構遠い。暖房が効いてきたお陰で、フロントガラスの端が少しだけ曇った。
『せやなぁ…。』
ハナから零れた言葉はそれだけで、居たたまれなくなってラジオをかけた。
今年一番流行った歌のサビが、タイミングよく流れる。2007-01-31 19:24:00 -
672:
名無しさん
永遠を 貴方は信じてた?奪わないで いなくならないで あたしは 君の隣にいたいよ 叶わなくても 届かなくても あたしは あたしには 貴方しかいないの
毎晩 何を祈るの? 真っ白な雪が君を隠して 見失ってしまう 好き それすらもう 伝えられないの?
…−
いつか聞いた、玲花のメロディーコールはこの歌だった。2007-01-31 19:25:00 -
673:
名無しさん
『ずっと、好きやった。』2007-01-31 19:26:00 -
674:
名無しさん
悲しそうに笑った彼女を見て、気付けば俺は玲花の手を取り、半分引きずる様に、足早に歩いていた。
『ちょっ…准?!准!どこ行くん!…ってかお金!』
玲花の声にはっとして、喫茶店の出口で立ち止まった。驚いた顔した店員に、急いで財布から金を出し、会計を済ませた。
《何やってるねん俺…》2007-01-31 19:27:00 -
675:
名無しさん
そんな俺を見て玲花は笑い、どこ行くん?ともう一回俺に聞いた。
だけど俺は、別に何か考えていたわけじゃなくて。
ただ、さっきのあの悲しそうな笑顔が、今の自分とかぶって、見ていたくなかっただけやった。
「どこ行きたい?」
そう聞き返すと、玲花は元気良く『飯!』と答えた。笑う玲花はうれしそうだ。2007-01-31 19:28:00 -
676:
名無しさん
『見て欲しかってん、うちを。だから、准を困らせることばっかしてた。』
彼女がそっとそう話し始めたのは、飯を食い終わり、玲花の要望で夜景を見に行く車の中でだった。
『クビなって、なんでわかってくれへんねんって、ムカついた。やけになって、SIX入店して、悪い噂流して…。あたしがいなくなってどんだけ困るか、教えたんねんって思ってた。』
「最低やな!笑」
『うちもそう思う。笑』2007-01-31 19:29:00 -
677:
名無しさん
『…−なぁ、准はさ、冷たくてやさしいよね。』
彼女がそう言ったのは、丁度夜景スポットに車を止めた時だった。
「何それ、どういう意味な…『きれー!!』」
玲花は少し大きな声でそういうと、会話を止めた。2007-01-31 19:31:00 -
678:
名無しさん
ぱっちりした大きな目を余計大きく見開いて、窓を開けて身を乗り出した。同時に、冷たい風が入ってくる。
「…寒っ!」
思わずそう言うと、玲花は慌てた様子でドアを閉めた。
「ははっ、ええよ、別に。開けとき。」
そう言って笑うと、玲花は恥ずかしそうにうつむく。気付かない振りして、ハンドルに顎を乗せ、綺麗なぁ、と呟いた。2007-01-31 19:33:00 -
679:
名無しさん
夜景なんて約2年ぶりぐらいで、久々に見た大阪の街は、前よりも明るくなった気がする。
《なんか、こうして見るとやっぱり…−
小せぇな、人って。》
『准?』玲花が俺をそっと呼んだから、おれは助手席へ顔を向けた。2007-01-31 19:34:00 -
680:
名無しさん
『准は、やさしいよ。』 そしてまた、ポツリと言った。
『馬鹿なこと、聞いてもいい?もう、わがまま言わへん。困らせるようなこともせぇへん。やから、嘘でも、何でもいいから…−
《好き》って言って?
そしたらあたし、めっちゃ頑張れる。RAINに、戻る。』2007-01-31 19:35:00