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ハナ

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  • 1:

    名無しさん

    ハナが、口の右端だけを上げて笑う。



    何か企んでいる証拠。

    2006-11-27 03:04:00
  • 721:

    名無しさん

    背中の火傷は全部で12個。よく見ると、最近出来たものではなさそうだった。消えかけで、だけど決して消えないその傷の、一つ一つにキスをした。腹と胸元にも、切られたような傷があり、それは想像以上に大きなハナの黒い闇を俺に教える。指でそっとなぞり、キスを繰り返す。

    ハナの体はすごく暖かくて、愛しさばかりがこみあげる。ハナは何度も隠そうとしたけど、傷だらけの体は、汚くなんかない。柔らかくてきめ細やかな肌と相反したそれは、むしろハナの体を綺麗に飾っている気さえした。

    ハナは、ギュッと強く目を瞑り、何度か小さな声を上げた。

    2007-02-01 22:37:00
  • 722:

    名無しさん



    こんなにも、想いが溢れて止まらないSEXは初めてだった。

    2007-02-01 22:37:00
  • 723:

    名無しさん

    なぁハナ         
    冷たくて、寒いだけだ。
    だけど、心惹かれる。

    綺麗で、真っ白な雪。

    2007-02-01 22:38:00
  • 724:

    名無しさん

    何色にも染まるそれは、 本当はきっと、
    何色にも染められへんのかもしれん。        
    だって、降り積もった雪は 
    どれだけ汚く染まっても  
    それを隠すようにまた新しい雪が降る。

    2007-02-01 22:40:00
  • 725:

    名無しさん

    ハナ。          
    汚れてなんかないで

    何度見てもお前は
    綺麗やったから。

    2007-02-01 22:40:00
  • 726:

    名無しさん

    久々に、ハナの胸元に顔を埋めて目を閉じる。人の体温はこんなにも、あったかいもんなんか。      
    『准ちゃん…?』     
    ハナの声は、やっぱり幼くてやさしい。       
    『何で源氏名ハナにしたん?って質問、あたしちゃんと答えてなかったやんな』 
    その言葉で、ハナの顔を見上げる。目が合って、彼女はクスッと笑った。

    2007-02-01 22:43:00
  • 727:

    名無しさん

    『…−あたしの本名、覚えてる?』
    「心やろ?立花こころ。」
    『うん、そう。』

    そしてハナは、ゆっくりと話し始めた。

    2007-02-01 22:43:00
  • 728:

    名無しさん

    『幸せやってんで?パパが、あたしの10歳の誕生日に家を出るまでは…−なんで出ていったかなんて今だに知らへんけど。それからやねん、ママが変わったの。虐待…って言うんかな?今いち、ピンとこーへんけど。』

    『毎日パパの悪口言ってた。最低な奴や、お前とあたしは捨てられてんって。』 

    その言葉にふと、玲花の顔が浮かび、すぐに消えた。

    2007-02-01 22:44:00
  • 729:

    名無しさん

    『中学に上がる頃かな、ママに新しい男が出来てん。そいつがまた嫌な奴で、ほとんど家には帰らへんくなった。夜遅くまで出歩いてたら、自然と悪い友達も増えた。17の時、少年院に入れられて、そこ出てからも、男の家とか友達の家渡り歩いて、たったの一回も実家には帰らんかった。気付いたら18になってて… 
    何でやろうな、ふと、ママの顔が見たくなってん。』 

    関を切ったように続けるハナを横に、俺はひたすら、黙って聞くことしか出来なかった。         
    『何年ぶりかに帰った家は、売り家に変わってて、ママはいなくなってた。あぁ、本間に捨てられたんやって思ったわ。自分で家出といて何やけど。それから何ヵ月後かの…−雨の日にな、街で偶然、本間に偶然、親戚に会ってん。ほんで、むちゃくちゃ怒られた。』

    2007-02-01 22:45:00
  • 730:

    名無しさん

    ハナはそこで一度口を閉じた。無理せんでいいで、と言うと、してないよ、と笑った。ハナはやっぱり嘘つきだ。

    『ママな…自殺しててん。遺書も何も残さずに、首吊って。』

    ハナは、ようやく、泣きそうになっていた。

    2007-02-01 22:46:00
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