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ハナ
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1:
名無しさん
ハナが、口の右端だけを上げて笑う。
何か企んでいる証拠。2006-11-27 03:04:00 -
771:
去年の夏。
咲君は家を出ていった。
狂っていた金銭感覚が元に戻り始めたのと、あたしの時給が50円上がったのと、毎朝作っていた咲君へのお弁当のおかずが、ワンパターンになり始めた頃だった。2007-02-05 12:45:00 -
772:
別れたことに、これといって理由はなかったと思う。
ただ単純に、あたしは彼を好きだったけど、以前程愛してはいなかったし、咲君はあたしを愛していると言ってくれたけど、そこにはいつも不安があった。
そして何よりも、あたしは何度咲君に抱かれても、あの人の暖かいキスばかりを思い浮べていて、勘の鋭い咲君は、きっとそれにも気付いていたんだと思う。
…−何も、言わなかったけれど。2007-02-05 12:46:00 -
773:
少したってから、知り合いに、咲君は夜に戻ったと聞いた。それがいいよと、あたしは言った。
だって彼の細い腕は、どう見ても工事現場には向いていなかったから。
白く眩しいシャンデリアの下で‘がんばってこい’と、キャバ嬢の背中を軽く押す、そのやさしい仕草のほうが、その腕にはずっと似合っていたから。2007-02-05 12:46:00 -
774:
咲君が家を出ていく日、
『恋愛なんて、本間にタイミングが全てなんやなぁ』と、そう淋しそうに笑って彼は言った。
「そうやね」と、呟くように返事をした。
あたしは、咲君から一度逃げ、准ちゃんに出会って、恋をして、だけど咲君の元に帰った。
そして今度は、彼が二人の家を出て…−あたしは結局一人になった。2007-02-05 12:48:00 -
775:
想いが、届かなかったわけじゃない。叶わなかったわけじゃない。
受けとめなかったんだ。叶えなかったんだ。
そこにやさしいキスはあったのに。
きっと、タイミングを間違えてしまったんだ。2007-02-05 12:50:00 -
777:
PM8:00
「お疲れさまでした!」
朝も夜も、仕事終わりのこの言葉だけは変わらない。オーナーに頭を下げ、笑顔でそう行ってからカフェを出た。
路地を抜けて大通りに出れば、三年前と変わらない、イルミネーションで飾られた街がある。2007-02-05 12:52:00 -
778:
久々に、眩しいほどのネオンを見てみたいと思った。あたしのあの頃の象徴は、やっぱりあの光の中にある気がして。
駅前の、時計台がある公園に足を向ける。この街で、一番大きなツリーは、あそこに飾られてあるはずだ。
吐く息が白い。
変わらない気持ちなんてないと思っていたのに、あたしは知ってしまった。
それは、毎年寒くなれば白くなる息と同じで、当たり前のように変わらないんだなぁ、なんて。2007-02-05 12:54:00 -
779:
「うわぁ〜…」
クリスマスシーズンのせいか、やたらと多いカップル達の横で、あたしは思わず呟いた。
赤、青、緑、黄色。色とりどりの電球が、交互に光り合って、すごく綺麗だった。灰皿が置いてある、一番端のベンチに座って、セッタに火を付けた。2007-02-05 12:55:00 -
780:
准ちゃんの家を出てから、タバコの量は一気に増えた。自分から離れたくせに、今だに彼を想ってセッタを吸うあたしは、カップルだらけのこの公園で、今どんな風に写っているんだろう。
公園のあちこちで、手を繋いだカップルが、ツリーを前に微笑み合う。みんな、幸せそうだった。
2007-02-05 12:56:00