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キミと毎日キスしたかった

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  • 1:

    緋恋

    なぁ…あんたと出逢って丁度一年たつんやな。
    今どうしてる?
    誰かと一緒にいるん?
    あたしの疑問もため息も全部
    毎日の中に沈んでいく。あんたと過ごした短い時間と一緒に

    2006-12-01 18:54:00
  • 2:

    緋恋

    11月、あたしは二年間思い続けた人に振られた。
    初めて自分から
    思いを告げた人だった。寒そうな細身の背中を抱きしめたくなる、そんな人。
    二年間バレないように見つめ続けた。
    でも、もうそれも終わり。

    2006-12-01 19:01:00
  • 3:

    緋恋

    あたしは毎日
    何故かとても焦っていた。体中がサミシイカナシイとちっぽけなあたしをますます小さくした。あんなに大好きなあの人に拒絶された……
    たかが恋愛。そう思い直そうとして馬鹿みたいにハシャいでた。

    2006-12-01 19:07:00
  • 4:

    緋恋

    そんな時、またお水のバイトを始めた。やる事がないよりある方がいい。
    どうせクリスマスとかなんの予定もないし…
    あっても働くほうがいい。
    働けばその分お金だけは貰える。

    2006-12-01 19:10:00
  • 5:

    緋恋

    仕事場のキャバクラは有名店。

    あ〜今日も混んでるわm(u_u;)m

    8時入りの2時上がりで丁度終わって一息ついた…
    その時電話がなった

    2006-12-01 19:13:00
  • 6:

    緋恋

    「柚奈、最近仕事でてきてるらしいやん。奢ったるし飲みにこい」
    知り合いのオーナーやった。そこのホストクラブに飲みに行く事に…
    内心そんな気分ちゃうわ…思ったけど一人になるのが寂しかった。

    2006-12-01 19:18:00
  • 7:

    緋恋

    「柚奈!久々やんけ〜」
    「ほんまやなあ」
    オーナーはうちにとって面倒くさい兄貴のような存在。
    最初は警戒していたけど妹みたいに可愛がってくれるオーナーに今では少し懐いていた。

    2006-12-01 19:21:00
  • 8:

    緋恋

    それから代わる代わるホストの子が挨拶しにきてくれたけどホストクラブが実は苦手でついツンツンしてしまう。

    みんな馴れ馴れしいなぁ〜〜…

    2006-12-01 19:25:00
  • 9:

    緋恋

    電話で呼び出されたオーナーがコートを着ながら
    「柚奈、俺でなあかんし行くわ。適当に飲んでて。」
    と慌ただしく店をでた。ええ〜一人とか嫌やあ…

    2006-12-01 19:28:00
  • 10:

    緋恋

    仕方ないので
    あたしは残った焼酎を飲み干して帰り支度を始めた。
    「もう帰らはるんですか??」

    その時は気づかなかった。予感もなかった。あたしの一番愛する人に出会ったて事に。

    2006-12-01 19:32:00
  • 11:

    緋恋

    「うん…オーナーも帰ったし。うちも帰るわ」
    そのホストくんは笑って
    「今暇やしおって下さいよ☆あっ迷惑ぢゃなかったら…」

    あたしは割と飲んだらイケイケゴーゴーなところがあって酔いが回ってきてたから言ってしまった
    「ぢゃあおるわ☆」

    2006-12-01 19:38:00
  • 12:

    緋恋

    新人みたいやけどあんまり馴れ馴れしくないし、きっちり敬語使えるし。。ええ子やなあ☆
    うちは犬っころみたいなそのホスくんをまじまじ見た。

    2006-12-01 19:42:00
  • 13:

    緋恋

    ちっこい背に犬顔。明るい伸ばし途中の猫っ毛。割とがっちりめで低い声。
    ……あたしどうせならガリガリ細身のイケメンがいいんやけど…とホスト苦手な割にそんな事を考えながら

    2006-12-01 20:23:00
  • 14:

    緋恋

    「なあ名前聞いてへんかったよな?」

    「本名?源氏?」

    「いやいや源氏やん」
    ………
    押し黙るホスくん

    2006-12-01 20:25:00
  • 15:

    緋恋

    …「…助」
    「え?何???」
    「……コロ助!!」
    「ころすけぇ!」
    笑ってしまった。変な源氏なよりはにかんだあんたが可愛くて。。

    2006-12-01 20:30:00
  • 16:

    緋恋

    「んな笑わなくていいぢゃないですか!」少し怒ったように困ったようにコロ助も笑う。あたしは酔いが回ってケラケラ笑う。……コロ助………
    うん、なんかぴったり。

    2006-12-01 20:33:00
  • 17:

    緋恋

    この日、確かに君と出会った。特別印象的な事もない、ロマンチックでもなんでもない出会い。でも確かに天国も地獄もその時始まった。
    何も気づかず私たちはその時笑っていた。。

    2006-12-01 20:36:00
  • 18:

    緋恋

    よんでくれた方ありがとう。初めてでつたないですが…
    また書きますのでよろしく?

    2006-12-01 20:38:00
  • 19:

    緋恋

    数日が過ぎた…
    あたしはバイト先の友達と何気ないお喋りをしてた。
    「なんか語る事ありすぎやな?」
    「柚奈の失恋話も聞かなあかんし今日は飲みやな!?」
    上がり後オーナーに行くわと電話をかけた。

    2006-12-01 20:53:00
  • 20:

    緋恋

    2時になった。
    友達は指名のお客さんがきていて
    「今日は長なるわ?ごめん?」とメールがきた。あたしはオーナーに電話した。

    2006-12-01 20:55:00
  • 21:

    緋恋

    「ごめん!今日キャンセル!」
    「なんでえ?」
    「友達こんいうてるし」
    「んなら一人できや!俺今店おるしお金心配しやんでいいから」…ほないこかな?

    2006-12-01 20:58:00
  • 22:

    緋恋

    ただ酒に弱いあたし……。
    店につくとオーナーが「こないだはすまんなあ」「今日俺店の女の子連れてきてるしここ座っとき」
    VIP席はオーナーが連れてきた女の子がいっぱい。
    ……盛り上がってるやん

    2006-12-01 21:01:00
  • 23:

    緋恋

    ………なんかまっすぐ帰るんが寂しくてよったけど余計さみしいわ…………
    あたしは焼酎飲みながら煙草を吸う。。うちって寂しい女…

    2006-12-01 21:03:00
  • 24:

    緋恋

    オーナーはオーナーで盛り上がってるしはよ帰って寝よ…
    その時「しけてるやん笑。おはよう」
    あっコロ助…
    うちはまだ酔いが回ってなくてつっけんどんに一言
    「おはよ…」

    2006-12-01 21:06:00
  • 25:

    緋恋

    コロ助はヘルプ椅子に座ると丁寧にテーブルを片付けて、水割りを作ってくれた。「おしぼりまだやん!?」とおしぼりも持ってきた。

    2006-12-01 21:08:00
  • 26:

    緋恋

    うちはオーナーに連れて来られてるだけやから客ちゃうし先輩ホストもほったらかしやのに律儀なコロ助…
    「ありがとう」

    2006-12-01 21:10:00
  • 27:

    緋恋

    それから盛り上がる店内でテキパキ動きつつあたしを構ってくれた。
    「いいよ。ほっといてくれて。笑一応オーナー口座やねんし」
    その言葉を遮って
    「俺と遊びに行くの嫌??」

    2006-12-01 21:14:00
  • 28:

    緋恋

    色かよ!!!
    心の中で突っ込んだ。あたしの心にコロ助に対する拒否反応が生まれた。
    「いいけど。(嫌やなあ)」
    あたしはいつもちぐはぐな事を言ってしまう。

    2006-12-01 21:17:00
  • 29:

    緋恋

    「酒好きやんな??BARすきてこないだ言ってたやん。俺いいとこ知ってんねん」
    とここは?それともここは?色々聞いてくるコロ助は一生懸命で可愛い。
    コロ助のいってる店の中に知ってる店があった。

    2006-12-01 21:23:00
  • 30:

    緋恋

    「そこ○○さんの店や☆最近言ってないから行く?」
    と言うと
    「いいわ」
    と何故かヘソ曲げてしまったコロ助。
    …まあいい言うならいいか…

    2006-12-01 21:25:00
  • 31:

    緋恋

    「柚奈ちゃんが知ってるとことか嫌や。」
    意味わからん。。
    「なんで?」
    「行った事ないようなとこ連れてきたいねん。いつもいってるとことか面白ないやん」
    メンドくさいなあ…またさっきの拒否反応がでてきた。素直に喜べない…ちょっとだけ嬉しい思ったような気がしたけどきっと気のせい……

    2006-12-01 21:31:00
  • 32:

    緋恋

    うちはコロの事を店に行っても避けるようになった。ホストに限らず男はいつも最初だけ…そう思ったから。ややこしくなりたくない、親しくなりたくない。他のホストみたいに当たり障り無い話で時間潰さしてくれたらそれでいい。

    2006-12-01 21:36:00
  • 33:

    名無しさん

    読みやすいです?頑張って?

    2006-12-01 21:38:00
  • 34:

    緋恋

    コロはあたしの事を色々聞いてくるし事あるごとに絡んでくる。他のホストは接客に必要な事しか聞かないのに。今思えばコロもなんて事ないありきたりな事を聞いてきていたのかもしれない。けどコロと話してると心を覗かれてるような見透かされているような不快感がした。…なんでかな。

    2006-12-01 21:41:00
  • 35:

    緋恋

    日に日にコロに対して表面上は隠していたけど嫌悪感が募った。
    自分でもわかってる。あたしは自分に興味や好意を持って接せられるのが嫌だ。
    でも別にコロに何言われたわけでもないのに自惚れ屋できしょい女やで…

    2006-12-01 21:48:00
  • 36:

    緋恋

    今までつらい恋をしてきた。この間振られた人も何年かぶりかにできた好きな人で二年間の片思いだった……
    あたしは恋の気配に怯えてたんだ。
    あの時は気づいてなかったけれど……

    2006-12-01 21:51:00
  • 37:

    緋恋

    12月23日。
    いつものようにオーナーと店に行き例の如くオーナーは帰っていった。
    すかさずコロが席にくる。
    「明日クリスマスやなあ」
    「せやな」
    「予定は?」

    2006-12-01 21:58:00
  • 38:

    緋恋

    「仕事やん!」あたしは答えた。クリスマスてなんでかキャバクラは忙しい…物悲しいことに笑
    あたしみたいな寂しい人が世の中にいっぱいいるんやな。

    2006-12-01 22:01:00
  • 39:

    緋恋

    「明日来いひん?」
    「クリスマスにホスクラなんて絶対嫌やわ笑」
    …寂しすぎやろ笑
    「いや…店来んでいいし」
    「?」

    2006-12-01 22:04:00
  • 40:

    緋恋

    コロがマジメな顔で言った
    「俺ケーキ買っとくし、店くんの嫌やったら店下来てくれたら持ってく!」
    「絶対来んて!」
    「柚奈甘いもんすきやろ?」

    2006-12-01 22:08:00
  • 41:

    緋恋

    好きやけど好きやけど…なんで??

    そんな事してもらってもな……
    あたしはきっぱり
    「こおへん」
    「買っとくから。来んくてもいい。気い変わったらきたらいーし」とコロ

    2006-12-01 22:11:00
  • 42:

    緋恋

    12月24日クリスマスイブ。バイト先はレギュラー陣の休みが目立つ中大盛況…
    みんな彼氏とクリスマスか…
    同じく、お客さんに時計買って貰うねん☆とかいって休んでる友達からメール…時計の写メでも送ってきたか?笑

    2006-12-01 22:16:00
  • 43:

    緋恋


    ……しょーがない奴やなあ笑

    2006-12-01 22:20:00
  • 44:

    緋恋

    あたしは友達に付き合う事にして“了解“とメールを返信した。
    行かへんいうてたのに…まあいいか♪
    あたしはまたしてもほろ酔いでいけいけゴーゴーな感じだった

    2006-12-01 22:23:00
  • 45:

    名無しさん

    読んでます?がんばってくださぃ?

    2006-12-01 22:27:00
  • 46:

    緋恋

    オーナーに今日べっぴん連れてくわと電話。仕事上がって迎えに来た友達と店へ。ほんまに寒い日やった。 うちのべっぴんの友達にハシャぐオーナー。出前頼んでささやかなクリスマスパーティー…

    2006-12-01 22:27:00
  • 47:

    緋恋

    …ん、コロは?
    今日は早い時間から忙しそう。コロもばたばたしてて話さなかった。あたしも久々に友達とワイワイするのが楽しくて気にしてなかった。
    また例の如く出ていくオーナー。いつもと違って名残惜しそうに…べっぴん効果やな笑

    2006-12-01 22:32:00
  • 48:

    緋恋

    オーナーが帰って少しもしんうちに友達が気持ち悪い言い出した。うちも途中から友達が無理してるんかな??思てたから「チェックで」(払ってないけど笑)
    「ごめんなあ」
    「いいって☆」

    2006-12-01 22:35:00
  • 49:

    緋恋

    いちもくさんにコロが飛んできた。
    「どしたん?もう帰んの?」
    「友達が気分悪なってもて…空気悪いしとりあ出て落ち着いたら帰るわ」
    コロはなんかキョドってた。後ろで鳴り始めるシャンパンコール…

    2006-12-01 22:39:00
  • 50:

    緋恋

    「ありがとう。大丈夫やからいって☆シャンパンコールやで」
    コロは「とりあ出しとく」て一万だした。
    「いや、いいでって(おごりやん)」
    「タク代」

    2006-12-01 22:43:00
  • 51:

    緋恋

    「ちょっ…」
    返す間もなくコロはシャンパンコールに走ってった…なんか悪いな…ケーキ買ってくれててんかな?
    友達が心配そうに
    「約束しててんろ?いたら?」と言う

    2006-12-01 22:46:00
  • 52:

    緋恋

    「約束してへんから☆空気悪いしはよでた方がいいわぁ」
    きっとどうせケーキなんてない。昨日来ないって言ったから。月並みな言葉だけれど期待しなければ裏切られる事はない。
    今思い返すとね、あの時素直に喜べるあたしでありたかった。

    2006-12-01 22:51:00
  • 53:

    緋恋

    けどそれが答えだと思ってたのもあの時のせいいっぱいのあたし。そうやって一生懸命だったから。傷つきたくなくて
    傷つけたくなくて

    2006-12-01 22:55:00
  • 54:

    名無しさん

    更新早いし読みやすい。
    頑張って!

    2006-12-01 22:58:00
  • 55:

    緋恋

    それからコロと会う事もなく新しい年が来た。胸には確かに溶け残った何かみたいにちょっとだけひっかかっていたけれど。あたしコロの携帯番号だって知らない。

    2006-12-01 23:02:00
  • 56:

    緋恋

    そこの店ではメイン以外番号交換しちゃいけなかった。
    そんなの関係ないけど避けてた。距離を縮めるのも離すのもなんだかとても面倒臭くて…

    2006-12-01 23:07:00
  • 57:

    緋恋

    追わなければ逃げられる事もないし
    逃げなければ追われる事もない。
    あたしはとりあえず惨めな思いだけはしたくない。

    2006-12-01 23:09:00
  • 58:

    緋恋

    でもなんでかな?
    楽したくて傷つきたくなくてそう思ってるはずなのに
    そう思い続ける事がなんだかとても疲れる………
    けど新しい一歩ってどうやって踏み出せばいいの?

    2006-12-01 23:13:00
  • 59:

    緋恋

    ………………………本当の事なんて誰になら言えるん?……………………………

    2006-12-01 23:15:00
  • 60:

    緋恋

    あーどうでもいいやっ仕事仕事♪
    結果がお金なりなんらかの形で現れるものは簡単にあたしに答えをくれる。

    2006-12-01 23:19:00
  • 61:

    緋恋

    電話が鳴る
    「あけおめ?オーナー」…いつものようにオーナーと店に行く。この日の出来事があたしをいい方へ悪い方へ変えていく。

    2006-12-01 23:22:00
  • 62:

    緋恋

    この日事がなければあたしはあの時のままだったかも。
    あんたとキスする事も付き合う事も

    こんな思いも全部
    なかったかもしれへんな

    2006-12-01 23:25:00
  • 63:

    緋恋

    和やかに飲んでたはずだった…
    いつもと違うのは普段飲まないオーナーが結構酔っていた事。「蕎麦食べよっ蕎麦☆年明け蕎麦笑」
    「なんやねん、それ」

    2006-12-01 23:28:00
  • 64:

    緋恋

    店は正月休み開けで賑わっていた。
    連続で続くシャンパンコール
    …お年玉効果?
    …とうちはつまらない事を考えて「ナイな」と一人で受けていた…きも…

    2006-12-01 23:30:00
  • 65:

    緋恋

    「うるさいし蕎麦、事務所で食べよか?」
    「うん☆」
    あたしらはすぐ近くの事務所へ…
    「あ〜うるかさった」

    2006-12-01 23:32:00
  • 66:

    緋恋

    もともとオーナーとは茶飲み友達みたいなもんで
    付き合いも三年くらいになる。すっかりオーナーに懐いていた。
    「柚奈、相変わらずの肩こりやな〜」

    2006-12-01 23:36:00
  • 67:

    緋恋

    「せやろ?凝りすぎて頭痛が酷いねん」
    「もんだるわ」
    オーナーは肩もみがうまい笑。
    ……………………………………けど???

    2006-12-01 23:38:00
  • 68:

    緋恋

    急に押し倒された。オーナーはあたしのデニムをストッキングごと脱がすと
    パンツの上からアソコを触った
    「嫌やて!!!」
    酔いが一気にひいていった…

    2006-12-01 23:42:00
  • 69:

    緋恋

    指がパンツの横から入ってくる
    不覚にもちょっと喘いでしまったけど
    ものすごく嫌やった。ジタバタしたけど無駄…これやから男は嫌や。ろくな事がない。
    「離してや!!」

    2006-12-01 23:45:00
  • 70:

    緋恋

    「これが一番ストレス解消なるし体ほぐれんねん☆」
    その瞬間あたしは切れた。
    オーナーを蹴っ飛ばし「嫌や!辞めて!触んな!」
    とか大声で喚いた気がする。大泣きしながら。

    2006-12-01 23:48:00
  • 71:

    緋恋

    男て最悪やな…
    自分が悪くてもそんな優しい声だして守りにはいるんやな。あたしの心をものすごい速さで何かが覆う。暗い暗い冷たい何かが…

    2006-12-01 23:56:00
  • 72:

    緋恋

    オーナーはまるでさっきの事なんて知らないみたいに泣くあたしをあやす。
    あたしも阿呆やなあ…うかうかしとったで。
    あたしは苦々しくいった「頭沸いてんちゃうか」
    オーナーにそしてあたしに

    2006-12-02 00:00:00
  • 73:

    緋恋

    その時オーナーの携帯が鳴る
    「蕎麦来ましたけど」「事務所…」
    言いかけたオーナーに店で食べるといって先に事務所をでた。

    2006-12-02 00:03:00
  • 74:

    緋恋

    ぽつんとほんまにぽつんと世界にあたし一人だけのような気がしながら蕎麦をすすった。横で同じように蕎麦をすすっているオーナーをみて世界にあたし一人でよかったのに…と思った。一瞬だけだけど。

    2006-12-02 00:07:00
  • 75:

    緋恋

    蕎麦を食べ終えると言葉もなくオーナーは店を出ていった。あたしはなんだかぴくりとも動けないでいた…

    2006-12-02 00:09:00
  • 76:

    緋恋

    店をぼんやりと見回す。もう店の子はほとんど顔なじみだ。違う卓のホストくんがちょいちょいと手招きした。
    多分店がいっぱいやって放置なってたから気を使ってくれたんだ。

    2006-12-02 00:14:00
  • 77:

    緋恋

    その子のお客さんにも悪いし帰らな……と思うものの、一人で店出るのも怖かった。お客さん、すごくいい子で嫌がりもせずニコニコいっぱい話しかけてくれた…
    「おす☆」背中をたたかれてビクッと振り返る。…コロや…

    2006-12-02 00:18:00
  • 78:

    緋恋

    コロ…ベロベロやん笑
    オーナーと来た時から連続で鳴ってたシャンパンコールはコロのお客さんみたいやった。
    あたしは話しながらタバコを出した。。…ないわ
    「こおてくるわ☆」

    2006-12-02 00:21:00
  • 79:

    緋恋

    席をたつとコロが
    「俺行くわ!☆」と立った。
    「いいって!お客さんいるやん!!!!」
    「いいって俺自分のも買いたいし、さっきからトイレで吐いてんねん。すぐやしちょっと行ってくる」
    …いってもた

    2006-12-02 00:25:00
  • 80:

    緋恋

    ほんまに何分もせんうちにコロが帰ってきた。はい☆とコンビニ袋ごと渡されて受け取った。……なんか重い??
    中には………

    2006-12-02 00:28:00
  • 81:

    緋恋

    煙草と…………
    コンビニのケーキが入ってた。
    「こないだ渡せへんかったから」
    「ごめん…」
    「ほんまに…なんでコンビニのケーキやねん。」「俺甘いもんとか嫌いやけど地元にいっこ食える店があってそこの買ってきててんで。」

    2006-12-02 00:32:00
  • 82:

    緋恋

    「ごめん………」
    ううん、ありがとお…
    苦しかった。さっきまであたしの心を冷たく冷たくしていたものが剥がれてゆく……さっきな心がこの冷たいもんに覆われいくときは不快やったけど平気やってんで。今かわりにあったかいもんが満たしていく。
    なんか胸が痛い、苦しい…

    2006-12-02 00:37:00
  • 83:

    緋恋

    コメント下さったかたありがとお?絶対最後まで書きます?更新遅れたりするかもしれないですけど?またみて下さいね。

    2006-12-02 00:40:00
  • 84:

    緋恋

    営業終了を告げるマイクのアナウンスと共に店内の電気がつく。 明るい所で見たらホストも客もボロボロ笑 コロがあたしの所に来る。 「お客さんは?」 「もう送りいった☆」あたしは気付いたらコロの袖を掴んでた。

    2006-12-02 03:02:00
  • 85:

    緋恋

    「今日一緒に帰ろ?」
    コロがびっくりした顔した      「ちょっ柚奈それはまずいて…」 
    「何が?」  
    「だってオーナー……あ〜…」

    2006-12-02 03:08:00
  • 86:

    緋恋

    「俺は嬉しいけど笑」
    先輩ホスが送り出しからぞろぞろ戻ってくる。…やば!最後や。とりあえずでんと…
    外にでて太陽が眩しくてうけた
    「俺ミーティングあるから柚奈、そこの喫茶で待ってて」

    2006-12-02 03:12:00
  • 87:

    緋恋

    あたしはホットミルクをスプーンで意味無くかき混ぜる。
    痛かったな…うち…
    ほんま迷惑かけてしまったわ。別に今一緒にいてくれるなら、あそこにおった誰でもそのへんの兄ちゃんでもだれでもよかった
    でもコロは絶対来てくれる思ってた。思ってたかな??
    いや、思ってたなあたしは。男に無駄てわかってる頼み事はせん。あたしは卑怯や

    2006-12-02 03:19:00
  • 88:

    緋恋

    そんな事考えてるうちにコロが来た。
    うちらは近くのラブホテルに行った。
    ほんまになんでもない話しをした。
    一緒に眠った。

    2006-12-02 03:22:00
  • 89:

    緋恋

    ちゅーもした。
    そのまま……………………                   なんてことはなかった笑
    コロはまだぴちぴちの19歳。やりたい盛りやろうけど。
    嫌ていうたら何もしなかった。
    別にやってもよかったけどややこしくなるのが嫌やった。

    2006-12-02 03:27:00
  • 90:

    緋恋

    うちらは普通にバイバイして、それぞれの家路についた。
    別れ際に
               今更番号を交換した。

    2006-12-02 03:32:00
  • 91:

    緋恋

    あたしは決めていた……絶対期待しないでおこうって
    こんな事特別な事でもなんでもない。
    だからうちらはこのまま店で会ったら話したりする…それだけ。求めないでおこう。今日はほんとにありがとお。それだけの事

    2006-12-02 03:36:00
  • 92:

    緋恋

    着信が何回かあった全部ブチった。
               叶わない恋におぼれて夢から冷めなくても Letgo 我が儘でもいい ただキミの愛が ここに欲しいよ                 着信コロ………

    2006-12-02 03:41:00
  • 93:

    緋恋

    どうしよう…とろかな…
    なんかうろたえてるんがダサい気がしてでた
    …はい。                あっさりうちらは明日会うことになった。待ち合わせは9時半

    2006-12-02 03:44:00
  • 94:

    緋恋

    朝から飲み屋街に来るのも変な感じやな…          朝の街は完璧に昼の人が暮らすべく機能していた。あたしはこないだの喫茶でまたホットミルク…
    ほんまに来るんかな…張り切って用意して朝からでてきた癖にあたしは少し来なければいいのにと思っていた。

    2006-12-02 03:49:00
  • 95:

    緋恋

    一時間待ち合わせの時間が過ぎた。
    連絡はない           ほらな、期待しんくてよかった…アホらし、帰ろ〜とっ                      チクチク胸が痛んだ。
    ほんとは会いたくてきたんやもんな

    2006-12-02 03:55:00
  • 96:

    緋恋

    携帯がなる
    あっコロや
    タイミングよすぎやろ…………
    「ごめん!まだ営業してんねん!鬼シャンパンおりてて!あと30分以上かかるようやったらブチってそっちいくわ。」                 帰れへんようになった…けどうちあん時嬉しくてしゃあなかったなあ

    2006-12-02 04:00:00
  • 97:

    緋恋

    またこないだのラブホかあ……
    まあうち実家やし
    コロは店泊やし
    無難よなあ。                コロがうちをじっとみる…     「何?」       「俺らどうする?」

    2006-12-02 04:06:00
  • 98:

    緋恋

    どうするて何が…
    また心を何かが覆い始めた。あたしはどうにもなりたくないねん。このままがいいねん。
    「気にしてんの?別にこないだのことならいいで。無理に付き合ってくれてありがとお☆犬に噛まれた思といて」
    「俺、、手ぇ出したやんか」       「なんもしてないやん」 「なんでそんなんいうねん」          「手ぇ出してたとしても考えてくれんでいいよって☆」

    2006-12-02 04:13:00
  • 99:

    緋恋

    水掛論が続いた…
    そろそろイライラしてきたうちは行った
    も〜どうでもいいわ  「じゃあ付き合う?」
    …………はぁ〜と溜め息のコロ

    2006-12-02 04:17:00
  • 100:

    名無しさん

    叶わない恋に溺れてもこのまま夢から覚めたくないcan't let go
    ですょ

    2006-12-02 04:17:00
  • 101:

    緋恋

    水掛論が続いた…
    そろそろイライラしてきたうちは言った
    も〜どうでもいいわ  「じゃあ付き合う?」
    …………はぁ〜と溜め息のコロ

    2006-12-02 04:17:00
  • 102:

    緋恋

    なんなんもう愛想つきたんかよっ!?

    コロはじっとあたしを見て言った
    「なんで柚奈が言うねん………………………付き合って」
    「…うん」

    2006-12-02 04:21:00
  • 103:

    緋恋

    あたしの負けや
    この瞬間、恋に落ちた。今まで張ってた意地が全部なんの意味もなくなった。
    あたしはコロに抱かれた。出会って2ヶ月もたってなかったけど長い道のりだったような気がした。
    すぐ眠りこけてしまったコロは余りにも無防備でずっと前から一緒にいたような気持ちにさせた。

    2006-12-02 04:29:00
  • 104:

    緋恋

    この時ハッピーエンドならよかった。けどあたしの毎日もあんたの毎日も今も続いてる。
    1月11日…この日からうちらは恋人になった。
    あたしは何も気づかなかったけどあんたにはこれからが見えてたんかな?

    2006-12-02 04:36:00
  • 105:

    緋恋

    101さん、ご指摘どうもです?

    2006-12-02 04:38:00
  • 106:

    名無しさん

    1月11日わたし誕生日??

    2006-12-02 05:12:00
  • 107:

    名無しさん

    ↑だから??

    2006-12-02 07:06:00
  • 108:

    緋恋

    それからコロの色んな部分を知っていった。親がいないこと。少年院からでてすぐ店で働きだして店泊している事。
    あたしは店に行かなくなった。
    オーナーにはつき合いだしたことは黙っていた…

    2006-12-02 12:54:00
  • 109:

    緋恋

    いつのまにか

    コロ とは
    呼ばなくなっていた。コロの名前は一留。

    2006-12-02 12:57:00
  • 110:

    緋恋

    時間を見つけて会った。営業終わりに近くまで迎えにいって安いホテルを家のようにして過ごした。
    それからあたしは

    一留の闇の部分を覗いていく事になる…

    2006-12-02 13:01:00
  • 111:

    緋恋

    あたしの知っている一留は犬っころみたいで、子供っぽい…けどどこか陰のある優しい一留。
    一緒にいるときの一留とホストとしての一留は全然違う人みたいだった。

    2006-12-02 13:05:00
  • 112:

    緋恋

    「先月は始めたばっかやし給料全然なかったけど今月売上100はあるし、俺部屋借りるわ!」
    「うん♪」
    一留のエースはこないだシャンパン卸しまくってた若い子…あの子そんなにお金あるんかな??

    2006-12-02 13:10:00
  • 113:

    緋恋

    一留は俗にいうオラ営だった。一緒にいる間もひっきりなしに携帯がなる。
    「柚奈、しぃ〜な…もしもしお前こないだなんで来おへんかってん!!もうお前みたいな約束守らん奴いらんしな!」
    プチっと電話を切る。……なんか怖い。

    2006-12-02 13:15:00
  • 114:

    緋恋

    また掛かってくる…
    女の子が必死にごめん!ごめん!て誤り続けんのが聞こえた。
    「お前今日店拉致やからな。覚えとけよ。あと言い訳考えてから電話してこい。もう今日営業まで電話でんから」
    聞きたくない…あたしは布団に潜り込んだ……

    2006-12-02 13:20:00
  • 115:

    緋恋

    「柚〜奈何すねてんねん〜」
    一留はまた優しい一留になる。簡単なスイッチで切り替わるみたいに……
    拗ねてない…拗ねてるだけならどんなにいいかと思った。
    あたしは思った……

    2006-12-02 13:25:00
  • 116:

    緋恋


    いつかあたしにもそんな風に

    冷たい一留になるん?

    2006-12-02 13:26:00
  • 117:

    緋恋

    一留はあたしの考えている事を見透かしたみたいに言った
    「柚〜奈…コイツはな、こういうのが好きやねん。」
    その時の一留の表情は感情をどこかに置いてきたみたいな、      笑ってるけど冷たい、顔の形が笑っているだけの笑顔。
    携帯が鳴る…

    2006-12-02 13:33:00
  • 118:

    緋恋

    「ほらな☆もうかかってきたわ。まあ出えへんけど…」

    こういうのが好き…確かに一理あるかもしれない。けど…
    その日のキスは唇が触れるのも少し怖かった

    2006-12-02 13:38:00
  • 119:

    緋恋

    あたしの勝手なイメージで一留は純粋で明るくてちょっと馬鹿な優しい子だと思っていた。。。
    一留はあたしが思っていたよりずっと頭が良い。
    女の扱いがうまい
    無邪気に振る舞うのがうまい。

    2006-12-02 13:45:00
  • 120:

    緋恋

    あたしの肌と心と本能で予感していた

    コノヒトハ アブナイ
    でももう遅い…
    あたしはもう一留と一留と過ごした時間が大切になっていた

    2006-12-02 13:50:00
  • 121:

    緋恋

    だってあの日
    初めて一留と眠ったあの日
    あたしは一留に確かに救いあげられた。
    悲しくていじけてた毎日から。

    2006-12-02 13:54:00
  • 122:

    緋恋

    誰でもいいと思ったなんて嘘。
    本当は一留と一緒にいたいと思ってた。
    腕と指は正直に
    あんたの袖を引っ張ったもんね

    2006-12-02 13:56:00
  • 123:

    緋恋

    きっと離れた方がいい
    けど無理な話
    あたしは隣の一留の肩に頭を寄せた。
    一留はあたしの肩を何も言わずにぎゅっと抱いた。
    大事なものみたいに

    2006-12-02 14:02:00
  • 124:

    緋恋


    これが幸せな時の記憶

    目が合う度にキスしてた幸せな時間

    2006-12-02 14:04:00
  • 125:

    緋恋

    コメントくれた人ありがとう?途中改行とか失敗して若干読みにくい所もありますが…??
    107さん?1月11日は単にゾロメなんでくけました笑誕生日?もうすぐですね?

    2006-12-02 14:12:00
  • 126:

    名無しさん

    一留ってなんて読むんですか??

    2006-12-02 14:54:00
  • 127:

    緋恋

    説明不足でした?
    一留です
    ちなみに柚奈です?一留くんは昔幼稚園一緒の男の子の名前をもらいました?

    2006-12-02 17:30:00
  • 128:

    緋恋

    冬休みがあけ学校が始まり慌ただしく前より会えなくなった
    一留は仕事終わりと起きた時、出勤前に電話してくる
    営業中も酔っ払ってかけてくる事があった。飲むと機嫌が良いとき悪い時の差が激しい……酒乱なんかな??

    2006-12-02 17:36:00
  • 129:

    緋恋

    その日も朝方電話が鳴った。あたしは電話の音で寝ていてもすぐ目が覚めるようになっていた…
    確か6時前
    「柚奈〜ぁぁ〜」
    …酔っ払いや……
    眠くて頭がぼんやりしつつも酔っ払い特有のあんまり意味のない話をウン、ウンと聞く

    2006-12-02 17:41:00
  • 130:

    緋恋

    「あっやばい!行かな…」
    そして最後に
    「あいつ(一留のエース)今日も未収やねんなあ。」と呟いてあたしにお休みを言って電話を切った。あたしはなんとなく嫌な予感がした。……エースて確か前見た子やんなあ??

    2006-12-02 17:47:00
  • 131:

    緋恋

    あたしと一留は喧嘩が増えた。一留は先月の給料なんて雀の涙ほどで食費も前借りや従業員に借りて賄っていた。
    あたしの出費も増えた。
    このまま生活が安定しいひんかったら
    うちらどおなるんかな…

    2006-12-02 17:55:00
  • 132:

    緋恋


    悪い予感っていうのは何故か当たるもんゃねんな

    そん時もうあんたは……………

    2006-12-03 16:38:00
  • 133:

    緋恋

    オーナーには隠し続けていたし連絡もとらなくなっていた。
    オーナーはあたし達が付き合ってる事を知ったって、きっと何も言わないし、しない。わかってたけど一留が気にするので黙っていた

    2006-12-03 16:44:00
  • 134:

    ルナ

    更新楽しみ?

    2006-12-04 00:08:00
  • 135:

    緋恋

    ありがとう?今から更新します

    2006-12-04 04:31:00
  • 136:

    緋恋

    不安が募っていく…一留がホストだからとかじゃなくて、あたしは恋に臆病になっていた。
    どんどん一留が好きになる。
    なのになぜか失う事を考えてしまう。

    2006-12-04 04:40:00
  • 137:

    緋恋

    けど一留に会うとき不安を振り払って行ったし、一緒の時は不安なんて感じなかった。

    「俺のどこがすき?」「…ない?笑」
    「冷たっ?」

    2006-12-04 04:57:00
  • 138:

    緋恋

    「柚奈?お前な〜」
    「嘘やって〜笑」

    うちはあんたの
    好きなものを見た時や自分の好きな友達の話するときほんまに子供みたいにキラキラした目するとこがすき。でかい口がすき。声がすき。寝てるとくっついてきて、うちが離れたら無意識に探してるとこがすき。

    2006-12-04 05:04:00
  • 139:

    緋恋

    うちの話聞いてないようで聞いてるとこがすき。甘え上手なとこがすき。

    そんなん言えへんよ。照れくさくて…
    それにあたしがあんたの事そんなに大好きて知られたくない。

    2006-12-04 05:09:00
  • 140:

    緋恋


    知られたら一留があたしに興味なくなるようなきがするねん…………離れてく気がするねん

    それが怖い…………

    2006-12-04 05:14:00
  • 141:

    緋恋

    一留は街でも手を繋いだりしてくれた。スーパーにお弁当を買いに行った。貧乏なうちらの晩御飯。一留が唐突にハシャぐ
    「今夜はカレ〜?」
    「はぁ???」

    2006-12-04 05:19:00
  • 142:

    緋恋

    一留はなんかへらって笑った。
    「そういうのしたくない???」
    「ほな、鍋買わな?」
    「先、部屋やろ〜笑」

    2006-12-04 05:23:00
  • 143:

    緋恋

    一留はうちの手をずっと握ってた。
    あたしはそんなほのぼのした時間がこそばゆくて嬉しくて…
    早くそうなればいいって強く強く思った。

    一留の部屋でカレーを作る、、、そんなたわいない事がその時のあたしの小さな夢

    2006-12-04 05:32:00
  • 144:

    緋恋

    うちらが丸一日一緒にいれるのは日曜日だけ。平日もあたしが学校があるから
    たまにサボったりして週3くらいで会った。

    2006-12-04 05:41:00
  • 145:

    緋恋

    サボったら一留は怒るけど。。

    寒い寒い夜、
    あたしは朝方から店から脱走した一留を迎えに行った。

    2006-12-04 05:46:00
  • 146:

    緋恋

    会うのが4日ぶりくらいで会った瞬間
    「なんか懐かしいな」って
    笑った。
    タクシーのおっちゃんもニコニコして
    「仲良しやなあ」てゆって来るほど無邪気にじゃれ合った。

    2006-12-04 05:51:00
  • 147:

    緋恋

    タクシー内に響く着信音。
    「柚奈…しぃ〜やで……ああ。店おんで今屋上おるけど…」

    …相変わらずしらこいなぁ…
    「はっ…ちゃうしな。んなんゆってへんやんけ。とりあ店戻る」

    2006-12-04 05:58:00
  • 148:

    緋恋

    ……「…なんかもめた?」
    「俺のエースな、未収回収ちょっとだるそうやねん…さっきもあたしが風俗行ったら言いねんろとか言い出して…」
    …なんとなく危なそうな予感はしてた
    「とりあえずこれ以上は未収は辞めときや?」

    2006-12-04 06:05:00
  • 149:

    緋恋

    「いやまだいけるやろぉ〜」
    「は?あの子もう80くらいいってるやん!!!これ以上やめてや…怖いわ」
    …もし未収が飛ばれたら給料どころかマイナスになる…
    あたしは一留の生活がはやく落ちついて欲しかった

    2006-12-04 06:10:00
  • 150:

    緋恋

    一留はしばらく考えてた。
    「未収にせんでどやって売上あげんねん?もし飛ばれても住所も親も知ってるし大丈夫や☆あ〜ぁほんまアイツ、つべこべ言わず頼むし風俗言ってくれ!」

    「一留………」
    あたしは無邪気に、まるで明日晴れたらいいのにな☆みたいな感じで言ってのけた一留を前にして、少し足が震えた。

    2006-12-04 06:22:00
  • 151:

    緋恋


    その日は、今までにないくらいの大喧嘩になる………

    2006-12-04 06:27:00
  • 152:

    るる?

    見てます?すごい気になります?がんばってください??

    2006-12-05 00:01:00
  • 153:

    緋恋

    ありがとうございます??あたし自身こういう形で文章をかくのが初めてなので? なんかこれでいいのか悩みながらで、面白いかとか伝わってるかとかわからないので応援嬉しい…励みになります??アドバイスとかあればそれもお願いします?なんし未熟者なんで…

    2006-12-05 23:48:00
  • 154:

    緋恋

    今から更新します?

    2006-12-05 23:52:00
  • 155:

    緋恋

    いつも来るホテル…一留と初めてきた時からずっとここを家みたいに使ってた。笑けるな、こんな場所でこんな安っぽい部屋なのに
    二人してここにいたら帰ってきたみたいな気持ちになる。

    2006-12-05 23:55:00
  • 156:

    緋恋

    スーツをベッドに脱ぎ捨ててお風呂に入る一留。「スーツかけといてぇ〜〜」
    一留は綺麗好きだ。
    スーツをハンガーに掛けながら思う
    さっきの一留の無邪気な顔………

    2006-12-06 00:03:00
  • 157:

    緋恋

    それがホストの仕事かもしれん………けどあのエースの女の子はあんたと同じ19歳なんやてな…

    仕事かもしれへん
    けど同じ年の女の子に体売れて平気でいえるん………
    あんたには女兄弟もいるて言うてたやん…

    2006-12-06 00:08:00
  • 158:

    緋恋



    何も思わへんの??

    2006-12-06 00:10:00
  • 159:

    緋恋

    バスルームから水音がしてる。あたしはそれを聞きながら

    2006-12-06 00:15:00
  • 160:

    緋恋

    胸がザワザワした。「柚奈〜?洗顔料とって〜」
    扉を開けると満面の笑みの一留
    「えっち??」
    「あほ…?」

    2006-12-06 00:19:00
  • 161:

    緋恋

    犬っころみたいで
    ガキっぽくて
    可愛くて心配で抱き締めたくて抱きしめて欲しい…そんないつもの一留。
    「みんとってぇ?」
    子憎たらしく笑ってるいつもの…その時感じていた胸騒ぎは今思うと一留に対する恐れだった…

    2006-12-06 00:36:00
  • 162:

    緋恋

    胸騒ぎが止まらない。ザワザワザワザワ…
    あたしはホテルの冷蔵庫からビールをだして開けた。
    …モルツしかないゎ
    プシュッ…ごくごくと一気にに半分くらい飲み干す。止んではまた湧き上がって消えていくビールの泡。なんだかあたしの不安みたい

    2006-12-06 00:43:00
  • 163:

    緋恋

    一缶丁度飲み干した時、一留はバスタオルを腰に巻いただけの格好で出て来てあたしの横に座る。
    二人掛けのラブソファだけど二人座ると狭い。
    ラブホテル特有の変な絨毯みたいな柄。あたしはそれを見ながら言う
    「狭いわ笑」

    2006-12-06 00:53:00
  • 164:

    緋恋

    一留の指が頬にかかる。恐る恐る見上げた一留の目は優しかった。
    唇が近づく。
    …………………
    「酒くさっ??」

    2006-12-06 01:01:00
  • 165:

    緋恋

    一留は仕事以外でアルコール類は飲まない。……というか飲めない。あたしはというとお酒は友達☆ようはただの酒飲み。
    「お前いつの間に飲んでん??俺もう酒の匂い嗅ぎたないわあ〜」
    とか言いつつあたしの唇にチュッと軽くキスをした。
    「やっぱ酒くさ笑?」

    2006-12-06 01:06:00
  • 166:

    緋恋

    「じゃあ辞めたら?」あたしは今までそんな事大して思ってなかったのに不意に口をついた。
    …でもそうしたらこんな思いしなくていい。あんな冷たい顔の一留見なくてもいい………
    「まだ始めたとこやし未収も回収しなあかんし…生活落ち着くまでもう少し時間かかるなあ」
    ……そんなんいつよ

    2006-12-06 01:12:00
  • 167:

    緋恋

    一留のお金が無くなってからホテル代とか、会う時にかかるお金はあたしがだすようになっていた。
    店泊している一留と実家のあたし。
    厳しい家なので実家に男をあげるなんてできなかった。
    うちらはいる居場所がない

    2006-12-06 01:20:00
  • 168:

    緋恋

    ホテルに行くにしても満喫に行くにしても
    落ち着ける場所がないうちらが、一緒にいるには何かしらお金がかかる。

    あたしはお水でバイトをしてたけどあまり夜出る事ができないから大した金額じゃなかった。

    2006-12-06 01:29:00
  • 169:

    緋恋

    あたしがお金を出すのを一留が嫌がるから会うのも控えめにしようと話し合った事もあったけど
    結局どちらかが会いたいってゴネてあんまり意味がなかった……

    2006-12-06 01:36:00
  • 170:

    緋恋

    このままだったらうまくいかなくなる。うちはお客さんに妬いてるわけでもないし仕事を否定しているわけでもない。

    安定が欲しかった。

    2006-12-06 01:39:00
  • 171:

    緋恋

    「わからんやん!〆日もうすぐやのに最近連絡つきにくいねんろ?!」
    …うちには確信があった。ちらっとしか見たことないけどあの子は飛ぶ…勘やけど
    「あいつが払わんかったら親んとこ言うたらええやんけ!!」
    一留は気が短い。こうなったら話しなんてもう無理。

    2006-12-06 01:53:00
  • 172:

    緋恋

    …なんもわかってへんな、コイツ…
    「あのこ19やろ?未成年やん……親言うたってな、警察いかれたら飲み屋のツケなんて多分とれへんで」
    「ごちゃごちゃ言うなや」
    一留の怒声が部屋に響く。家のように居たって生活感のカケラもない部屋に。
    「俺ができるいうたらできるやんけ!」

    2006-12-06 02:04:00
  • 173:

    緋恋

    怒鳴り合いになった。セックスする為の部屋でなんだか馬鹿みたい。薄暗い趣味の悪い部屋は出口のない牢獄のように思えた 。罵り合いは続く、酷い事を言った。酷い事を言われた。

    2006-12-06 02:16:00
  • 174:

    緋恋

    沈黙が流れる

    二人共もう言葉が出てこない…

    あたしは涙目になってたけど一留を睨んだ

    2006-12-06 02:23:00
  • 175:

    緋恋

    「絶対できるて言うたな?絶対できるんやな……」
    「………できる」
    ………言ってしまう、言いたくないのに言ってしまう…!
    「じゃあ、もし回収できひんかったら別れるで」

    2006-12-06 02:26:00
  • 176:

    緋恋

    「……………わかった」
    その時の一留の顔は見てない。怖くてみれへんかった。すぐ一留に背を向けてベッドに潜った。
    あたしがこんなにもヒスを起こしてまうのは失いたくないから。

    2006-12-06 02:31:00
  • 177:

    緋恋

    一留を失いたくない。 仕事に口出して一留が怒るのは当たり前。
    ただなぁ…うまくいかへんかったらあたしにも負担がかかる以上あかんかった時の話もしときたかった。
    そしたらいざそうなっても喧嘩しなくてすむやんか…

    2006-12-06 02:37:00
  • 178:

    緋恋

    あたしは一留より歳は3個上。二十歳前後の歳の差は大きい。あたしはもう根拠のない自信とかその時どうにかなるっていう考え方でうまくいくとは思えない。
    例えは単純やけどあんたとは危ない橋渡りたない。

    2006-12-06 02:43:00
  • 179:

    緋恋

    無言で一留が横に寝転ぶ。
    「…ごめん」
    一留がぼそっと言った。
    「…うん」
    …あたしもアホで子供やな。なんでもっとうまく伝えられへんやろ。

    2006-12-06 02:47:00
  • 180:

    緋恋

    失いたくない、失いたくない。そう思ってるのになんで自分から壊すような事をしてしまうのか…

    壊れる不安に耐えられないから自分で壊してしまうんだろう

    2006-12-06 02:51:00
  • 181:

    緋恋

    ちいさな子供が絵を描いていて、上手くできないからって

    わざとぐちゃぐちゃにするみたいに…

    2006-12-06 02:53:00
  • 182:

    緋恋

    あたしはだいぶ時間が経ってから寝息をたて始めた一留を起こさないように

    泣いた

    2006-12-06 02:55:00
  • 183:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それから締め日までいつもと変わら過ごした。一留も変わりない。
    締め日当日。
    九時前…一留からの習慣になっている出勤前の電話。

    2006-12-06 05:31:00
  • 184:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はカラッとした声で言った


    「俺、未収飛ばれた、別れよう」

    2006-12-06 05:34:00
  • 185:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「本気?」
    「別れようていう約束や」
    「いくら飛ばれたん?」
    「100万」
    うちらにしたら途方に暮れる額やった。

    2006-12-06 05:40:00
  • 186:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    うちらは別れた。

    その時の事はあんまり覚えてない。
    電話を切った後、泣いた。泣くしかできなかった。

    2006-12-06 05:49:00
  • 187:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    けどここからが始まりやった。
    そしていまだ終わってもいない。
    騙し騙され
    愛して哀する
    恋より恋らしい恋愛のようなもの

    2006-12-06 06:01:00
  • 188:

    緋恋◆lZf.ArgVp2




    2006-12-07 17:20:00
  • 189:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしの日常はもとの日常に戻っていく。夜中の電話はもう鳴らない。
    あたしはバイト前にドトールコーヒーでお客さんにメールして暇を潰す。
    街は人で溢れ、騒がしい。この間までそんな風景も色鮮やかに見えていた。
    今は霞んでしまったようだ。

    2006-12-07 17:27:00
  • 190:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …もう夜やめようかなあ…
    コーヒーのゆらゆら揺れる湯気を見つめながら考える。
    もともとお金に不自由はしてなかった。あたしは空っぽの自分を飾りたてる為に働いていた。
    そして一留と出会ってからは一留と会う為に働いていた。

    2006-12-07 17:34:00
  • 191:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    もう理由がない。

    最初はキラキラしている様に見えた夜の世界。夜の蝶気取って飛び回って自分もキラキラしてる気がしてた。
       もういい。
    もうあたしの寂しさは一留といた事で癒やされていた。かわりに一留のいない寂しさが広がる。

    2006-12-07 17:45:00
  • 192:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留でいっぱいだった着信履歴。新しい着歴でもう消えそうだ。
    一留に会うまでずっと寂しかった。
    一留はそれを癒してくれた。
    一留と別れて寂しい。前の寂しさとは違うけど。
    この寂しさはどうやってやり過ごしていったらいいの?

    2006-12-07 17:50:00
  • 193:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事を終え、帰り道へと急ぐ。暦の上では春でもまだ街は真冬の温度だ。
    「……」
    あたしは携帯の発信ボタンを押した。

    2006-12-07 17:57:00
  • 194:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ぉ〜柚奈♪何や?」
    電話をかけたのはオーナー。あんなことがあってからというもの連絡をとったのは1ヵ月ぶりだ。
    一留がどうしているか聞きたかった。

    2006-12-07 18:01:00
  • 195:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    オーナーに隠している手前、友達から未収飛ばれた聞いてんけどコロどうしてんの?とかそんな言い方をしたと思う。
    「俺今日そっち行かへんから、店の近くおるなら行ってこいよ」
    「……え?!」
    はっとした…そうか店にいけば会える。

    2006-12-07 18:06:00
  • 196:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    店には来るなと言われていた。
    でももう関係ない。別れたのだから。
    オーナーの電話を切った後急いで店に向かった。
    さっきまで芯まで冷えていた体が暖かかった。一留に会える!

    2006-12-07 18:10:00
  • 197:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「いらっしゃいませ〜〜!!」
    いつもながらびくっとする大音量のお出迎え。代表が近づいてくる。
    見た限りでは一留はいない。
    「柚奈ちゃん、オーナーは?」
    あたしはなんか恥ずかしくなった。一人で来るのは初めてだった。オーナーは今日来ないから適当にあいてる奴つけたって、とオーナーが言ってたと伝えた。

    2006-12-07 18:15:00
  • 198:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    まだ若い可愛らしい代表はニコッと笑う
    「誰つけよかあ?もしくわ俺とか俺とか俺がおるよ〜」
    「おまえだけかぃ!!」
    と軽くひと笑い。あたしはなるべく普通に…軽い感じで聞いた。
    「コロいる?いるならつけて」

    2006-12-07 18:21:00
  • 199:

    緋恋SWEet

    「ちょっと待ってな!呼ぶわ」
    一留はキャッチにでているみたいだった。何も知らずに呼び出された一留が帰ってきた。
    あたしと目が合う。見るからにその目は戸惑っていた。

    2006-12-07 22:17:00
  • 200:

    緋恋SWEet

    とりとめのない話をする。思っていたよりずっと普通。
    ふと沈黙……
    一留があたしの二の腕を冗談っぽく殴る。
    「…何?」

    2006-12-07 22:20:00
  • 201:

    緋恋SWEet

    「おまえといたら素になってまうわ…」

    「…………」
    「髪切ったん?」
    急に話題を変える一留。そういえば2、3日前に失恋にはイメチェンやろ!?とベタに髪型を変えた。

    2006-12-07 22:24:00
  • 202:

    緋恋SWEet

    「まさか失恋したしとか!?しかもおまえ微妙に太ってない??」
    「やかましいわ?」
    二人で笑った。
    …ほんまに誰のせいやねん…
    けらけら笑う一留。一留はもうとっくにふっきってしまったんだろうか……

    2006-12-07 22:27:00
  • 203:

    緋恋SWEet

    「一緒に帰ろ…」
    何を言い出すのか。はぎれの悪い。
    けどそう言えば一留が来てくれるような気がした。
    沈黙…トランスが鳴り響く店内。はしゃぐ女の子たち。あたし達の席だけ重い無言が支配する。
    「…無理や」

    2006-12-07 22:32:00
  • 204:

    緋恋SWEet

    「一緒に帰ろ…」
    何を言い出すのか。はぎれの悪い。
    けどそう言えば一留が来てくれるような気がした。
    沈黙…トランスが鳴り響く店内。はしゃぐ女の子たち。あたし達の席だけ重い無言が支配する。
    「…無理や」

    2006-12-07 22:36:00
  • 205:

    ?

    しおり?

    2006-12-08 22:26:00
  • 206:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしの目にみるみる涙が溜まる。一留から顔を背けて次の言葉を待った。
    「頼むしこんなとこで泣くな」
    無理やり視線を合わせられる。いつかあたしに向けられる事を恐れていた冷たい眼差し。。。

    2006-12-12 02:27:00
  • 207:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    体の力が抜ける。

    …うちは一留にとってなんでもない存在に成り下がったんやな…
    涙は一筋だけ流れて乾いて行った。切れられるなり無視されるなりされた方がまし。

    2006-12-12 02:32:00
  • 208:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「話がしたいねん」
    絞り出すようにやっとの思いで声を出した。
    「話してなに?おれは話すことはない」
    一留は席を立った。いつの間にか混み合う店内。オーナー客のあたしは後回し。
    …帰らないとアカン…けど足が動かへん。

    2006-12-12 02:39:00
  • 209:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………

    あたしはなんでこんなに弱いんやろう。

    2006-12-12 02:42:00
  • 210:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はヘルプに忙しそうだ。さっきとはうって変わって人懐っこい笑顔でお客さんをなだめている。
    携帯のランプがチカチカしている。
    こんな夜遅くにメイル???
    ぼんやりしながら携帯を開く。

    2006-12-12 02:47:00
  • 211:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …一留や。。。

    ?話しするか?

    あたしは速攻で返す。…うん

    2006-12-12 02:49:00
  • 212:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    すぐに返事が返ってくる。トイレでメイルしているんだろう。
    ?ほな今チェックしい!
    言われたとうりにした。一留が外まで送ってくれた。一留はめんどくさそうに話す。
    「今日、太客がアフターいうてるしお前とは帰れへん」
    それだけ言うとじゃっ…と店に戻ろうとする

    2006-12-12 02:55:00
  • 213:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「待って!」
    一留が振り返る。
    「話ってそれだけ…?」
    一留はあたしに顔を近づけてにっこり笑う。人懐っこい営業スマイル。
    「シャンパンコールや俺もう行かな」
    店のドアから漏れてくるシャンパンコールの前奏。
    「お前は俺口座でもなんでもないしな」

    2006-12-12 03:01:00
  • 214:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は振り返る事なく戻っていく。
    引き止める事すらできなかった…
    あたしは何故かその時笑っていた。…そおいう事か…わかったで一留…
    エレベーターに一発蹴りを入れる。

    2006-12-12 03:06:00
  • 215:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …ガンッ
    鈍い音が響く。それと同時にあたしの心のどこかが潰れた。
    客になれっていうならそれでもいい。

    2006-12-12 03:14:00
  • 216:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留が好き―――。

    あたしは情けなくても一留の側におりたい。客になってもいい。側にいられへんくらいなら…………

    2006-12-13 17:28:00
  • 217:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今までなら自分のプライドの方を選んできた。傷つきたくなかったし。
    けど今は一留を選ぶ。傷ついてもいい。傷ついたほうがいい。あんたのせいでならなんぼでも傷ついたるわ!!!
    ………やから側において。

    2006-12-13 17:32:00
  • 218:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはいつにも増して仕事に精をだした。一留に会いに行きたい。その時に着る可愛い服も欲しい。また一留が振り向いてくれるような女になろう。
    あたしはお気に入りの服を着てオシャレをした。
    可愛いインディゴのスキニーデニムにファーの付いたブーツ。パステルカラーの変形ニットのアウター。

    2006-12-13 17:40:00
  • 219:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    髪は綺麗にストレートにしてメイクは服と合わせてパステルカラーにした。

    一留をメインにするにはまずオーナーに話しをしないといけない…
    電話するとそのまま会うことになった。待ち合わせ場所の喫茶店に着く。

    2006-12-13 17:44:00
  • 220:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「柚奈、こっち」
    約束の時間まで随分あるのにもうオーナーは座ってコーヒーを飲んでいた。
    向かいに腰を下ろしてあたしもコーヒーを頼む。
    「柚奈と会うん久々やしはよ来てもうたわ」
    顔をにまっとさして笑った。

    2006-12-13 17:49:00
  • 221:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    そういえば会うのは随分久し振りだ。
    「オッサン久し振り」
    「誰がオッサンや!」
    そう言ってオッサンはまた笑った。
    あたしはメインをコロに変えたいっていう事を簡単に話した。あたしの目を伺うよう見てくるオッサン……

    2006-12-13 17:52:00
  • 222:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「……おまえ男できたやろ?」
    あたしはちょっとどぎまぎした…できたけどもうちがうし…オッサンはうちの言葉を待たずに続ける
    「しかもうちの店の子やんな?」

    「コロやろ?」……バレてる。。。

    2006-12-13 17:56:00
  • 223:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「もう別れたけどな!」
    カチャカチャとコーヒーカップが音をたてる。手がちょっと震えた。
    「全然柚奈のタイプとちゃうやん」
    そうやで、タイプじゃない。愛されても多分ない。
    「アイツは大変やで……」
    そう言いながらもオーナーはすんなり口座替えしてくれた。

    2006-12-13 20:29:00
  • 224:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    オーナーは店長を電話で呼んであたしを店まで遅らせた。
    「珍しいなあ。どしたん?」
    「コロメインで行こうかなと思って」
    ……
    店長はしばらく考えてから言った

    2006-12-13 20:33:00
  • 225:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「アイツ来てないで」
    「はっどういう意味?休んでるん?」
    「しらん。ここ一週間くらいずっと来てない」
    聞くところによると店に荷物も携帯も置きっぱみたいだった。
    …一留どこ行ってしもたん???

    2006-12-13 20:39:00
  • 226:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はホストだから店に行けば会えると思ってた。こんなにグダグダな関係なのに、どっか安心してた。。

    とにかく店に行った。店に一留の中学からの友達が働いている。もともと彼の紹介で一留は働きだしたのだ。
    名前は夕くん。

    2006-12-14 01:39:00
  • 227:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「夕くん、つけて。」
    どこか影のある一留と違って夕くんは天真爛漫な性格。ホストに不向きな感じがするくらい馬鹿正直な所がある。
    「柚奈ちゃん!」
    状況を察してくれて心配そうな顔ですぐにきてくれた。夕くんは唯一、最初から一留とあたしが付き合っているのを知っている。

    2006-12-14 01:45:00
  • 228:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたし達はまわりに聞こえない様に気を使いながら一留の事を話した。
    「夕くん、一留が今どこにいるんか知ってる?」
    「俺も連絡ない。あいつ携帯置いてってるしなあ…」
    あたしは夕くんに一留と別れた事、オーナーにバレた事を話した。

    2006-12-14 01:48:00
  • 229:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「まじで?!まあバレん訳がないと思ってたけど」
    夕くんはあたしを安心させるように柔らかい口調で話す。
    あたしは、夕くんがもしほんとに一留の様子を知っていたとしても本当の事を話してくれるとは思っていなかった。
    けどいろんな事を聞かずにはいられなかった。

    2006-12-14 01:52:00
  • 230:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    夕くんは、あたしに今までのいきさつを話してくれた。
    もともと一留はこの店にくるまでに他店で働いていてこの店に来るときも前の店と揉めたらしい。
    そのときも夕くんがオーナーに頭を下げて一留は助かったみたい。
    「ほんまオーナーに申し訳ない」
    夕くんにもオーナーにも世話になったのに一留は何も言わずいなくなった…

    2006-12-14 01:58:00
  • 231:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    お金もない癖に
    荷物も携帯もいろんな大事なもんも全部ほっぽいて

    一留、あんたはどこにいくん?

    2006-12-14 01:59:00
  • 232:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    夕くんはあたしに言った
    「柚奈ちゃん、俺はあいつと長いしあいつは好きやで?けど一留はほんまに信用ならんねん。」
    夕くんは多分、あたしを心配して一留と切れるように本当の気持ちを話してくれてると思った。
    ……でも

    2006-12-14 02:04:00
  • 233:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「一留が好きやねん」
    夕くんは少し悲しそうな顔をした。
    「俺もアイツ好きやねん!アイツはほんま可愛いねん、なんかしてやりたくなんねん。…けどやめたほうがいい。アイツの今までの女、みんなつらそうやったで」
    あたしは、夕くんにお礼を言って、もし一留から連絡が来たら教えてと頼んで店をでた。

    2006-12-14 02:09:00
  • 234:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は夕くんの話をいつもしてた。
    夕くんだけは友達だと思ってるっていつも…
    一留は夕くんが大好きであたし夕くんに嫉妬してしまうくらいだった。
    一留は好きなひとの話をするとき目がキラキラするから。

    2006-12-14 02:14:00
  • 235:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    けど一留、大好きな夕くんにさえあんたは信用されてないんやで……
    悲しくて涙がでた。
    一留、いい加減な事ばっかりして、このままじゃ失っていくで色んなもの……
    あたしはそれが心配やわ…

    2006-12-14 02:18:00
  • 236:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はめちゃくちゃ世の中とか愛とか、そういうものに冷めてる癖に可愛いいラブソングが好きやんな。
    すぐ喧嘩なって酷いこと言うけど寂しがりで寝るとき絶対ひっついてくる。暑がりの癖に。
    自分がご飯食べてたらいらんいうても食べさしてくるよな。

    2006-12-14 02:23:00
  • 237:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしには信じられへんねん。一留はあたしにとってめっちゃ可愛い男の子。
    こんな子がどうして危ない事とか
    いい加減な事とか
    ひどい事とかするんやろうって…

    2006-12-14 02:26:00
  • 238:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    冷たい所もみた。悪い所も知ってる。
    じゃあ、あのあったかい毎日の事どう思ったらいいん?
    あたしにはわからへん。そして、何もできひん。。。

    2006-12-14 02:30:00
  • 239:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    207さん?読んでくれて有り難うございます
    自己満で文もヘタでスイマセン?

    2006-12-14 02:49:00
  • 240:

    名無しさん

    なんかすごいわかる…
    状況にすぎや(*_*)

    2006-12-14 15:58:00
  • 241:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    242サン>似てますかあ〜(*_*)寂しいですよね。。?

    2006-12-17 17:06:00
  • 242:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それからだいたい1ヶ月。あたしは表面上は今までと変わりなく過ごした。
    結局仕事も辞めなかった。
    一留の事は今はしんどいけれどいつか思い出になる…と思っていた

    2006-12-17 17:13:00
  • 243:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    そんなある日。
    知らないアドレスからメイルがきた。
    ?誰かわかる?
    すぐに一留やと思った。
    わかるで、一留やろ。…送信

    2006-12-17 17:15:00
  • 244:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ?やるやんけ?元気にしてる?なんか変わった事ない?
    あたしは考えた末に元気にしてるよって返した。言いたい事は山ほどあったけど。
    着信?『俺、ごめんな。今更ながらおまえが大切やて気づいた。』
    会いたかった。けど会ったらあかんと思った。
    送信?『そう思うならもう連絡してこんといて。』

    2006-12-17 17:21:00
  • 245:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    送った瞬間、後悔した。けど同じくらいこれでいいんやと思った。一留から返信がくる。着信ウタは一留が好きだったやつのまま。ひとりじゃないのよ、わかるでしょ?そんなかんじの可愛い歌詞の歌。
    恐る恐るメイルを開く。
    着信?『幸せにな』
    涙がでた。どうしようもなく悔しかった。今更何?

    2006-12-17 17:28:00
  • 246:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    訂正?着ウタです?

    2006-12-17 17:29:00
  • 247:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今更何?今更何!!!

    返事は返せなかった。なんて送っていいかも思いつかない。
    完全にあたしの思考回路はぶっ潰れて、なんで?とか今どこ?とか単語だけが頭をぐるぐる回った。

    2006-12-17 17:35:00
  • 248:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……うん。一留幸せになりたい。
    けどうちの幸せっていうのは今んとこ一留と一緒にいたいって事やからな。。
    あんたから幸せになって欲しいっていうのはだいぶきつい一言やわ………

    2006-12-17 22:21:00
  • 249:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……………………
    あれからまた一週間くらい経った。うちは一留に今にもメイルしそうになるのを必死に我慢して過ごした。
    オーナーから久しぶりの電話。なんかよくわからないけどとりあえず待ち合わせして出かけた。

    2006-12-17 22:26:00
  • 250:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    いつもいく喫茶店。オーナーと近況報告しあってほのぼのとしていた。ふいにオーナーの顔が怖くなる。
    「コロ、捕まえたわ」
    「………ふーん」
    「店長が見つけたらしくてな、連れてきた」
    あたしは明らかに動揺してコーヒーカップを持つ手が震えた。

    2006-12-17 22:30:00
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