小説掲示板キミと毎日キスしたかったのスレッド詳細|夜遊びweb関西版

夜遊びweb掲示板 関西夜遊びweb掲示板 関西
エリア選択

夜遊び掲示板を検索する

スレッドタイトルを対象とした検索ができます。※スペースのあり、なしで検索結果は異なります。

掲示板リストメニュー

キミと毎日キスしたかった

スレッド内検索:
  • 1:

    緋恋

    なぁ…あんたと出逢って丁度一年たつんやな。
    今どうしてる?
    誰かと一緒にいるん?
    あたしの疑問もため息も全部
    毎日の中に沈んでいく。あんたと過ごした短い時間と一緒に

    2006-12-01 18:54:00
  • 251:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はフラフラ歩いていた所を従業員に捕まえられて、オーナーのところに連れてこられたらしい。
    未収も飛んでるけどオーナーはもう一留にホストは向いてないと思い、自分の系列の仕事を紹介した。一留は、はい明日から来ますと言ったのに、ブチって仕事に来てないらしかった。

    2006-12-17 22:35:00
  • 252:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    オーナーは一留を無理やりどうこうしようとは思ってないみたいだった。
    「あいつはほんまにあかん…」と苦い顔して言った。
    あたしはオーナーと場所を事務所に変えてしばらく話し込んで、オーナーが席を外した後一人で泣いた。
    一留が色んな人に見捨てられていくのが悲しかった……

    2006-12-17 22:40:00
  • 253:

    ニャー?

    おもろい、続き気になる?頑張って??

    2006-12-17 22:44:00
  • 254:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    散々泣いて泣きつかれてあたしはぐちゃぐちゃになった顔を直して仕事にでた。
    仕事中、いつも通りにがんばった。休憩時間の僅かな間がしんどい。一留の仕草とか笑い顔とかもちろん冷たい表情も……頭を必死で回してないと勝手に浮かんできて混乱する。

    2006-12-17 22:47:00
  • 255:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    255さん>有り難うございます?やる気でます??

    2006-12-17 22:50:00
  • 256:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事が終わってあたしは飲みにでた。
    あたしはすぐお酒に逃げてしまう。その日もしこたま酔っ払って家に帰ったのは朝6時くらい。

    2006-12-17 22:53:00
  • 257:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    酒に任して一留にメイルした。
    結局こうかよ!
    あたしは涙腺が弱い、単なる泣き虫ともとれるけど。もうメイルを打っているだけで涙はポロポロと涙腺が壊れたみたいに流れ続ける。
    送信?『何してんの?』

    2006-12-17 22:58:00
  • 258:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    たったこれだけのメイル。こんなしょうもない一文を送るのに送信ボタンがなかなか押せなかった。
    なんだかんだと携帯と格闘しているうちに………送ってもた…
    心が幾分か落ち着いて着替えて寝ようとパジャマを探していた時…………

    2006-12-17 23:03:00
  • 259:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    早朝の静かな部屋にヴァイブ音がガー、ガーと響く。
    体が強張る。今は朝の6時…返信がくるとも思ってなかった。…これでくだらんメイルか広告メイルやったら……えいっ
    思いきって画面をみる。一留や……
    着信?『お〜柚奈』……………

    2006-12-17 23:10:00
  • 260:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはその時思った。逆らえへんような何かが働いてる時があるような気がすんねんな。
    だって今あたしあり得へんくらいの衝動に突き動かされてる。
    こんなんどうしていいかわからへん。止められへん。
    心臓ですらな自分のじゃないみたいやねん。その位バクバクしてんねん。

    2006-12-17 23:15:00
  • 261:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留から電話してと新しい携帯の番号が送られてきた。
    「久しぶりやんけ!」
    ほんまにほんまに久しぶりに聞く一留の声。かなり狼狽するあたし。
    けどホステス魂で自分の気持ちを隠しまくって普通にした。
    「俺な、今外おんねん。いくとこないねん。ねれるとこ連れてって―」

    2006-12-17 23:19:00
  • 262:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    考えるより先に体が動いた。電話しながら用意して帰ってきたばかりの家をでた。会いたい…それしかなかった。
    物凄く焦った、今会わなければ一留とはきっともう会えない。
    一晩中飲み明かしてボロボロな体も汚いメイクも厳しい家もなにも気にならなかった。
    重いはずの体で朝の静かな住宅街を走って抜けてタクシーをひろった。

    2006-12-17 23:27:00
  • 263:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまでにします?読んでくれてる人嬉しいです?有り難う

    2006-12-17 23:37:00
  • 264:

    ゆう?

    ずっと読んでるョ?
    頑張ってね??

    2006-12-18 02:06:00
  • 265:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ゆうさん>ずっと読んでてくれたんですかっ??めちゃ嬉しいデス?

    2006-12-18 16:39:00
  • 266:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    タクシーの中からも一留と電話した。切りたくなかった。一留はひつこく、オーナーに連絡するなよと念を押してきた。
    あたしは最近連絡もとってないと嘘をついた。今はややこしい事は一切避けたい。
    早朝なのでタクシーはすぐに目的地についた。

    2006-12-18 16:44:00
  • 267:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    一留や…………

    2006-12-18 16:46:00
  • 268:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    待ち合わせ場所のバスの停留所の椅子にポツンと一留が座っていた。疲れた様子でだいぶ痩せてしまっているけど一留だ。
    あたしが駆け寄ると一留はおぅと言った。あたしはあんまり何も言えない。ほんとに胸がいっぱいで何か話したら涙が飛び出しそう。
    「ちょお、疲れた〜これ持ってぇ〜俺ここまで歩いて来て死にそうねーん」
    「なんでうちがあんたの荷物持ったらなあかんねん!!」
    キレながらも、ほんまにフラフラな一留の荷物を持った。

    2006-12-18 16:54:00
  • 269:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    しっかし何が入ってるんやろぉ…紙袋を覗くと
    「おまえ!みんなや!」と一留が怒る。チラッと見えたけど中身は服とアイロンと整髪剤と香水のビンがゴロンとそのまま入っていただけ。
    「隠すほどのもんかょ?」
    「思い出がつまっとんねん?」
    相変わらずアホでどうしようもない。あたし達の再会はあっけなく終了した。

    2006-12-18 17:00:00
  • 270:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    とりあえずローカル色全開のラブホに来た。綺麗ずきの一留は速攻お風呂に入って歯磨きまでしていた。ご飯を頼んでもぐもぐ食べながらあたしにもオニギリを食べさしてくる。
    「ん(食えの意味)」
    「昨日飲んでて食べられへん」
    「食えって?うまいで?」
    うちらはまるで前に戻ったみたい。ほんまに一留だけは何考えてるかわからへんわ………

    2006-12-18 17:06:00
  • 271:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは何から話していいものかわからなくて、けど一留に会えた嬉しさでそんなのも後回しでただニコニコしていた。
    一留はというとこれもまた同じでニコニコしていた。ニコニコしながら足が痛いだの、疲れただの子供みたいに言っている。
    うちらはほんまに久しぶりにキスした。あたしは、色んな事が一気にありすぎて夢なんじゃないかと思ったりした。

    2006-12-18 17:15:00
  • 272:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしの鎖骨あたりに顔をうずめながら一留が聞く。
    「俺と別れてから誰かとヤッた?」
    「ヤッてへん」
    「はい、絶対嘘やし!」

    2006-12-18 17:22:00
  • 273:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「あんたと一緒にスルナ!!!」
    「はぁ???俺お前と別れてから4人に告られたけど誰ともやってへんわ!」
    そんな事がほんまじゃない事くらいわかる。今まで一留は女の所転々としてたと思うし。。

    「……柚奈、俺とやり直して……」

    2006-12-18 17:29:00
  • 274:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留と一緒にいる事はきっと大変な事。やけど離れ離れはもう嫌や…
    一留の目をじっとみた。動揺と不安が見て取れた。けどその目はキラキラしてた。夕くんの話をしている時みたいに。
    「…うん」
    一留の頭を抱きしめた。もう会えないかもしれないと思っていた一留が今ここにいる。現実と夢が一つになったみたい。いくらでも元気がでてくる。いくらでも夢がみれる。
    一留、ほんまに大好き。あたしをこんなに強くするのも弱くするのもあんただけ。

    2006-12-18 17:57:00
  • 275:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はしばらく友達の所かそれができないときはお姉ちゃんのところに世話になる事にすると言った。
    今までの事はあまり聞かなかった。聞きたい気持ちもあったけど一留は今ここにいる。
    それだけで十分。

    2006-12-18 20:30:00
  • 276:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    しばらくは穏やかに日々は過ぎた。喧嘩もたくさんしたけど。下らない事で爆笑した
    一留は仕事して店にお金も送るつもりやと話した。
    あたしはそーしーと言って笑った。今は大した事何もできないけど別になにもいらなかった。
    貧乏やから満喫にいって一緒にDVDみたりオススメの漫画を読み合ったり、銭湯に行ったり…不動産屋の前を通れば貼ってある部屋の広告を見ながら、どこに住もうとか言い合った。

    2006-12-18 20:39:00
  • 277:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留といるとプライドとか下らないもの全部関係がない。
    本気で怒って泣いて笑って……自分がとても純粋になっていくのを感じた。

    2006-12-18 20:42:00
  • 278:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    でもこれも長くは続かない……

    一留、あんたはほんまにどうしょうもないなあ……

    今はどうしてんの?
    元気?…幸せ?

    2006-12-18 20:44:00
  • 279:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留からメイルが来た。
    内容は携帯代を貸してくれって。正直うんざりしたけれどまあしゃあない思って貸した。
    思えばその時から態度がおかしかったのに。

    2006-12-18 20:48:00
  • 280:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    心配事は的中した。連絡が2、3日取れなかった一留から電話がきた。一留はつらそうな声であたしに話した。
    「柚奈、俺、お前と別れてた間にヤクザの事務所入ってん」
    「嘘やろ!!うちそんなん嫌やで!!!辞めてや!」
    「ほんまやねん、ごめんな」

    2006-12-18 21:02:00
  • 281:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はつらそうに申し訳なさそうに途切れ途切れ話す。
    殴られて口が切れたのか時々ッツと痛そうに息を吐く。

    なんでなんで??
    訳がわからん。けどうろたえてる場合じゃない…

    2006-12-18 21:07:00
  • 282:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまでデス?頑張っててコメントくれた方々ありがとおございます?とても嬉しいです?

    2006-12-18 21:10:00
  • 283:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ちょっと時間があるのでもう少し書きます?

    2006-12-19 01:45:00
  • 284:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は先輩の紹介で事務所に入り、早速下手をうったらしい。一留の先輩だという男が電話を変わった。
    「親父がすごい怒ってな…なんとかとめたんやけど、50万いるねん。コイツまだ未成年やから金融も行けへんし、一応回らすけど大して借りれへん思うねん。俺もコイツ可愛がってるしな?助けたろと思うねんけど限りあるし、少しでもだしたって欲しい」
    あたしは緊張しすぎて訳の分からない事を聞いたりした。とりあえずあと十万足りないということで、出来るだけ用意すると言った。

    2006-12-19 01:53:00
  • 285:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    あと4日で十万…!!

    また一留が代わる。「ほんまにすまん…」
    涙声だった。つられたのと興奮したのとであたしも泣いてた。

    2006-12-19 01:57:00
  • 286:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    とりあえず次の日、兄貴の計らいで会わして貰える事になった。とりあえず道端で出来る話じゃないので満喫にきた。一留の顔は左側が腫れ上がっている。
    「今日は痛いしチュー出来んから!」
    …こんな時に呑気になんの宣言やねん。
    「痛い?」
    「当たり前や!笑」

    2006-12-19 02:01:00
  • 287:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    訂正 満喫→漫喫

    2006-12-19 02:03:00
  • 288:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は話していると口の中の傷がまた切れたみたいで灰皿に血を吐いたりしていた。
    「なんで事務所なんか入るねんよ!!!」
    「いや…ちょっとヤクザなろかなー思て笑。」
    いつもと変わらんこの調子。昨日は泣いてた癖に。

    2006-12-19 02:06:00
  • 289:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は自分を大事にしない。後先考えず飛んだりとかほいほいヤクザになったりとか…アホというより、色んな事がどうでもいいみたいだった。
    あたしはそれが腹立つ。
    それに……悲しい。

    2006-12-19 02:10:00
  • 290:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしが泣いているのを見て、何故か笑顔で
    「泣くなや!お前の泣き顔みてたらほんま俺頭イタなんねんけど!」
    「泣かしてんのお前やんけ!!!」

    2006-12-19 02:12:00
  • 291:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    喧嘩しててもボケとツッコミみたいになってしまってる。ハア〜と溜め息を吐いていると、また一留が灰皿に血を吐いた。
    「俺、お前とより戻すとは思ってなかったし…………」
    自分で吐いた血をマジマジと見ながら
    「ど〜でもよかったねん。別に」
    あたしはまた泣いていた。悔しくて。あたしの大事なこの人はあたしがこんなに大事に思ってる一留を、自分を…そんな風にしか思っていない。

    2006-12-19 02:19:00
  • 292:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「だから泣くなて!頭イタ通り越してイラッとくんねん」
    「だから泣かしてんのはお前!!!」
    なんとなく笑えてきて二人で笑った。
    「別に今がどーでもいいとか言ってへんやんけ」
    一留が子供みたいに言う。

    2006-12-19 02:24:00
  • 293:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    つくづくアンバランスな人。人間みんな敵や!みたいな事を言う割に極度の寂しがりで。頭いい癖にこんなどうしようもない事をしでかす。諦めているようで何かをすごく欲しているように見える。
    そしてそんな一留をどうしようもない程好きなあたしも、
    バランスの悪い人間なんだろう。

    2006-12-19 02:29:00
  • 294:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ここまでにします?

    2006-12-19 02:33:00
  • 295:

    名無しさん

    書ぃて?

    2006-12-19 22:05:00
  • 296:

    名無しさん

    書ぃてくださぃ?

    2006-12-20 17:04:00
  • 297:

    。セノマコ」ヤツア

    2006-12-20 17:33:00
  • 298:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ありがとうございます?今日の夜中か明日中には更新します?

    2006-12-20 20:39:00
  • 299:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ―――――――

    なにはともあれ、仕事だ。あたしは昼キャバにいき、夜はコンパニ…今までのバイトの給料を前借りしたりして、なんとか四日で十万作った。

    2006-12-21 01:24:00
  • 300:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    待ち合わせの場所で一留と会う。
    四日の間、一留とはほとんど連絡がとれなかった。
    不安だった。殴られていないか?酷い目にあっていないか?…そればかり考えていた。

    2006-12-21 01:27:00
  • 301:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その時の事は思いだそうとしてもあまり覚えていない。一留がなにをどんな顔で話していたか。
    あたしがどんな風に答えたか。。。
    覚えているのは結局一留がお金を用意出来なくて、あと二十万必要な事。事務所から飛ぶのに四十万ほど必要な事。
    ……六十万。
    しかも近日中。

    2006-12-21 01:33:00
  • 302:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は親もいないし、今までの生活がたたって誰もお金なんて貸してくれない。
    六十万…学生が短期間…二週間程で作れる金額じゃない…

    一留はどうなるん??

    2006-12-21 01:37:00
  • 303:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    色んな事が頭を駆け巡った…
    あたしはヤクザ業界の事なんて知らないけれど六十万ぽっちで殺されないだろうと思ってはいた。
    けど、ずるずるそっちの業界に取り込まれていってしまったら一留の将来はどうなるん???
    それと同時に沸いた感情があった。

    2006-12-21 01:41:00
  • 304:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …ほんまの話なんかな…………??
    一留が嘘を吐いているような気もした。一留は下手打ちの分のお金を払って
    兄貴に個人的に四十万渡したら、兄貴が飛ばしてくれると言った。しかも速く話を進めないと正式に構成員になるため、辞めるに辞められなくなるって……

    2006-12-21 01:47:00
  • 305:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    話がおかしいような気がしてならない…
    もしほんまに事務所に入っているとしたら四十万程度で抜けれるのか?
    払ったとしてもそれで終わるのか?

    嫌な予感がした―。

    2006-12-21 01:51:00
  • 306:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはそっち関係に詳しい知り合いに相談する事にした。考えた末、オーナーにも。
    二人の答えは同じ。「柚奈、お前は騙されてる。」
    二人とも、あたしを昔から可愛がってくれた人だ。あたしに気を使って言葉を選んでその結論の理由を説明してくれた。

    2006-12-21 01:58:00
  • 307:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一つは、ヤクザの構成員っていうものはすぐになれるものじゃないらしい。組の一員になるわけだからそれ相応に組に認められなければなれいけないという事。
    二つ目は、あたしも思った事だけど、その話が本当なら六十万とかそんな金額で話はつかないという事。
    でもこれはそこそこ大きい一般的な組の話。…俺も全部の組知ってるわけじゃないし、とりあえず入れて変な金の取り方してるとこもあるかもしれない。いうたらその男もカモられてるかもしれんし…と付け加えてくれた。

    2006-12-21 02:06:00
  • 308:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留とはあまり連絡がつかなくて、ついても朝方の限られた時間だけ。
    どこの組?と聞いてもそれは言われへんと言われるだけ。
    嘘か本当かが判断できるだけの情報が得られない。

    2006-12-21 02:11:00
  • 309:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    判断もつかず、時間もない…。

    あたしはとりあえず、今までのコンパニオン事務所を辞めて、時給のいい事務所に移った。
    新しいバイトも二個始めた。

    2006-12-21 02:15:00
  • 310:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    時間がない、時間がない………!!!

    2006-12-21 02:17:00
  • 311:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは一留を信じたかった。周りに何を言われても。
    信じたいからこそ、疑わしい部分が引っかかりそれも追求できない状況で、それでも時間は迫ってくる。
    嘘かもしれない…
    でも本当だったら?

    2006-12-21 02:26:00
  • 312:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    嘘だったらあたしが騙されただけですむ。でも本当だったら取り返しがつかない。
    信じたいっていう気持ちと疑う気持ち、そして何よりもう既に信じてしまっている気持ち。

    2006-12-21 02:30:00
  • 313:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    心配…不安…愛してる…ムカつく…怖い…裏切られたら…裏切りたくない…守りたい…大切…
    もう頭の中はグチャグチャだった。

    2006-12-21 02:38:00
  • 314:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留を守りたい。
    けど、あたし弱い人間やから何もかもをあんたの為に投げ出したりできひんねん。
    自分も守りたい。
    こんな中途半端なあたしが何かを守ったりできんのかな…今まで自分ばっかり守ってきたから、傷つくのが怖くて怖くて仕方ないねん。

    2006-12-21 02:44:00
  • 315:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    一留に裏切られた時の事を考えたら怖くて怖くてしゃあないねん………

    2006-12-21 02:46:00
  • 316:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはストレスと仕事で忙しくしているせいで、みるみる痩せた。そのせいで体力も落ちた。
    体力がなくなったら困るから食欲がなくても無理やり食べた。それでも痩せた。
    けど泣かなくなった。泣いている暇も無かったから。泣いても何にもならないとわかったから。強くなろうと思ったから。

    2006-12-21 02:52:00
  • 317:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまでです?実体験もいれて書いてるんですがこん時の事は正味自分で自分がなにしてるかもわかんないくらいだったんで、すごくわかりずらくなってしまって?読んでくれてる方すいません?

    2006-12-21 02:57:00
  • 318:

    名無しさん

    おもしろいよ^^
    主さんが感じるままに書いてくれたほうがいいです!
    がんばって

    2006-12-21 12:32:00
  • 319:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    323サン??ありがとうございます??
    伝えたい事が伝えられるように上手く書ければいいんですが?

    2006-12-21 14:57:00
  • 320:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    相談した人から助け船があった。
    「そいつの組の名前と兄貴の名前わかったら言え、そしたら上にゆーたるわ」
    あたしは一留にそれを伝えた。そしたらお金もかからないし、穏便に事が運べばそれが一番いいと思った。
    一留は激怒した。

    2006-12-21 15:03:00
  • 321:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「なんで周りにベラベラ話すねん!!!信じられへんわ!!」
    「心配してんやん!連絡も全然とれへんしどうしていいかわからんかったんやんか!!!」
    「ほんだらお前、兄貴どおなんねん!!ただでさえ、やばいのに色々してくれたはんねん。俺庇って腹蹴られはった事もあんねん!!!逃げる手引きもしてくれたはんのに、上いったら兄貴やばいやろうが!!!」
    「……下のもんから金とるような人やろ?」

    2006-12-21 15:09:00
  • 322:

    名無しさん

    ?

    2006-12-21 15:14:00
  • 323:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…お前は自分がよかったらそれでいいんか?ついてけへんわ、その考え。それやったら俺もう戻らん。こっちでがんばるし」
    「……………」
    「お前のいうヒト等かて後でなんかいうてきよるかもしれん。俺、かかわりたない。なんしもういーですわ。ほっといて。」
    一留は怒って強がってる時、何故か敬語になる。いーですわとか語尾にです、ますを付ける

    2006-12-21 15:17:00
  • 324:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    いつからか気づいた一留の癖。


    一留の意見にも一理あると思った。一留には一留の事情がある。。

    2006-12-21 15:20:00
  • 325:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ごめん…」
    とりあえずあたしはそれしか言えなかった。一留の怒りは収まらない。
    「またお前は納得してへんのに誤るやろ!納得してないならそれでいいねん。。んま、うざい。もう当分連絡もせんから」
    「お金の事とかどうする気???………もう別れるていう事?」
    「うっさい!んな事いうてへんやろが!!!ウザい!お前みたいな女信用せんで良かったわ。どーせこんなんやと思ってて正解やわ!!!」

    2006-12-21 15:28:00
  • 326:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …一留の気持ちがわからん。勝手に動いたのは悪かったかもしれん。けど…
    一留の言ってる事もムチャクチャや。あたしの事をそんなに悪くいうなら別れたらいいやんか。
    「……………そこまでいうなら、あたしがそんな嫌なら終わりにしたらいいやんか。」
    「……………柚奈。」

    2006-12-21 15:34:00
  • 327:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    電話なのに笑ける程長い時間、あたし達は無言だった。
    怒鳴り合いで荒くなったお互いの息の音だけ受話器から聞こえる。
    一留が先に口を開いた、
    「俺はお前の事信じたいとも信じようとも思わん。お前にも信じてほしいと思わん。ヒトなんて簡単に信じるもんちゃう。」
    「…………何が言いたいねん?」

    2006-12-21 15:40:00
  • 328:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    あたしは一留の事信じたい………
    その気持ちが好きやってことなんちゃうの???

    2006-12-21 15:43:00
  • 329:

    ゆう?

    ぁげ?

    2006-12-24 00:28:00
  • 330:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留のその時言った言葉………………


    きっとずっと忘れへん。

    2006-12-26 02:27:00
  • 331:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    きっぱりとした声で一留は話す。
    「俺にはお前の言ってることがわからへん、俺には愛とかそういうのようわからん。お前の事好きかもわからへん……けど…」

    2006-12-26 02:33:00
  • 332:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    「お前と一緒にいたいなと思うねん…」

    2006-12-26 02:35:00
  • 333:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしだってな、一留の事愛してる、好きって思う事に疑いはないけど、愛が何かなんてわからへん。あんたを信じたいで、あんたに信じて欲しいで。

    あんたを守りたい……あんたに守って欲しい…
    けどこの思いが愛なんかただの執着なのか。。そんなんわからへんよ誰にも。

    2006-12-26 02:42:00
  • 334:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「あたしも一緒にいたいで」

    あたしの願いは一個だけ。一留と毎日キスしたい。
    ほんま子供みたいやけど心からそう思ってた。

    2006-12-26 02:47:00
  • 335:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはお金を一人で用意して渡す事に決めた。
    MAXに働いて、足りない分は消費者金融で借りた。
    借金なんて今までした事もなかったけど、なんとか審査も通った。

    2006-12-26 02:53:00
  • 336:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    なんとか期日までにお金を用意する事ができた。どうかうまくいきますように。
    一留にお金を渡して、そのお金で兄貴が話をつけてくれるけど、ほとぼりが冷めるまで一留は他府県に逃げるという話になっていた。

    2006-12-26 03:00:00
  • 337:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………………

    2006-12-27 01:16:00
  • 338:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    約束の日がきた。
    夜待ち合わせの場所に向かう。一留は電話であたしが一人かどうかしきりに確認してきた。
    いまだにオーナーの事を気にしてるみたいだった。
    一留と再会してからも確かにオーナーと連絡はとっているけど、一留の為に働きづめになっているあたしに対してあまりにも失礼だと思った。

    2006-12-27 01:21:00
  • 339:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その時のあたしは、色んな事が多すぎて、一留のことが好きすぎて色んな事が見えなくなっていた。見ないようにしていたのかもしれない。一留が側にいれるように。


    これはずっと後になってから気づいた事------。

    2006-12-27 01:28:00
  • 340:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留とはいつも泊まっていたホテルの近くで会った。
    一留にお金を渡す。一留はお金を数えてしまった後、タバコに火をつけた。
    「俺明日の今頃には、もう前の職場戻ってるわ。柚奈ありがとう。俺頑張るわな」
    行き先は岸和田。あたしはほっとして、そして不安で言葉もなく一留の顔をみた。

    2006-12-27 01:35:00
  • 341:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は視線に気づいてくしゃっと笑うと自分の吸ってるタバコをあたしにくわえさせた。
    煙を吸って吐き出す。普段あたしはメンソールは吸わない。季節は忙しくて気づかずにいたけれどもう春になっていた。最後の悪あがきの寒さの中に冷たい煙が心地よかった。

    2006-12-27 01:41:00
  • 342:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「それ吸ったらもう行くわな」
    一留はタクシーを拾ってくるとあたしを乗せた。
    あたしはタクシーの中からいつまでも一留をみていた。
    これでなにもかもややこしい事は終わったと思っていた。

    2006-12-27 01:45:00
  • 343:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………………………………

    2006-12-27 01:46:00
  • 344:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は昔、土方をしていた時の親方の所で寮に入って働いている………はずだった。それから毎日、今から夜勤やとか朝早くに今から仕事やとかメールがくる。お昼どきには電話もかかってくる。休みの日には地元にも帰ってきた。
    一留が岸和田に行って二週間くらいして、落ち着いたしこっちにそろそろ遊びにこいと言われて楽しみにしていた。

    2006-12-27 01:52:00
  • 345:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはその時、一留がホストじゃなくて昼の仕事をしている事が嬉しかった。
    まだ一留がホストだった頃、二人の時間はいっぱいあった。
    二人でゴロゴロテレビを見ていた時の一留の言葉を思い出す------

    2006-12-28 02:14:00
  • 346:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「俺、昼の仕事したいわ。朝でて、夕方帰ってきて、こうやってテレビみて、お前がいて…………」

    あん時、一留はなんでか悲しい顔してたなあ………
    あたしは黙ってあんたの肩に額をつけた…………そうなるよと思って………

    2006-12-28 02:17:00
  • 347:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あの頃の願いが叶ったような気がしていた。

    あたしが彼を少しでも救えたって
    そう思っていた…

    2006-12-28 02:24:00
  • 348:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    そんな事ありはしなかったのに。

    2006-12-28 02:26:00
  • 349:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……………………………………………

    2006-12-29 10:46:00
  • 350:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留、あんたは何が欲しかった?
    お金?
    愛情??
    あんたの欲しいもの持ってる女になりたかったなあ。。
    あんたに愛されたかったなあ………………………

    2006-12-29 10:49:00
  • 351:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………………………

    2006-12-29 10:52:00
  • 352:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は結局、1ヶ月もしないうちに地元に帰ってきた。親方と揉めたらしかった。
    給料も貰わないで帰ってきた一留には行く所もお金もない。一留はちゃんと働いてたと言っていたけど、あたしはその頃から一留を完璧に疑うようになっていった。

    2006-12-29 10:56:00
  • 353:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それからは喧嘩と傷つけ合いの毎日。疑って揉めて、話し合って、泣いて、泣かれて。

    人間て不思議だなとおもった。喧嘩なんてしなくても仲良くできる方がいいのに、傷つけられた分だけ傷つけた分だけ、どんどん好きになっていく。

    2006-12-29 11:02:00
  • 354:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留に癒される、救われる。

    けれどそもそも、あたしをイライラさせているのも傷つけているのも一留だ。

    2006-12-29 11:06:00
  • 355:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    わかっていても
    離れる事なんか考えられなかった。

    2006-12-29 11:07:00
  • 356:

    ?

    ?

    2006-12-31 13:26:00
  • 357:

    ゆう?

    待ってるから頑張ってね??

    2007-01-03 22:15:00
  • 358:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    すいませんm(u_u;)m年末年始バタバタしていて更新できませんでした?
    少しですけど更新したいと思います。
    ?サン?あげてくれてありがとう
    ゆう?サン?いつもどうもです?

    2007-01-04 00:43:00
  • 359:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたし達の関係が少しずつおかしくなっていく。
    けれど何故?
    どこから?
    修正しようとすればするほどおかしくなっていくような気がする…………
    なんでやねん?

    2007-01-04 00:46:00
  • 360:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は一緒にいる時が続くと優しくなって無邪気な顔を見せるようになる。
    けれどどこにいっているのか会う間が開くとまた、よそよそしく冷たい一留になって帰ってきた。
    縮まった距離が振り出しにもどったようなかんじ。
    それはヤクザから帰ってきた時もそうだしこの先にも度々起こった事。

    2007-01-04 00:54:00
  • 361:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は変わった。
    前にも増してすれた事をいったり、機嫌良くしていると思うと急に切れだしたり…
    そして一留の左肩から腕にかけて、ヤクザでいれられたらしあ竜が泳いでいた。
    怖い顔した和彫りの竜。

    2007-01-04 01:01:00
  • 362:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    訂正
    入れられたらしあ?らしいです

    2007-01-04 01:04:00
  • 363:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は初めてそれを見せた時、ごめんなって言った。あたしは、なんのごめんかわからなくて適当にいいよって流した。一留はしばらく黙り込んで家族ができるまでに消すからな…って……………

    あたしはなんでかその竜をみた時から変な愛着が沸いた。
    怖い顔してるけどなんか間抜けで馬鹿そうで可愛い。
    一留に似てるなって思った。

    2007-01-04 01:11:00
  • 364:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    一留と一緒にあの竜もいなくなってしまったんやな……

    2007-01-04 01:13:00
  • 365:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………

    2007-01-04 01:14:00
  • 366:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は結局なかなか働かず、働いているような事を言う割にはお金は一銭も帰ってこない。
    何度となく喧嘩になったけれど平行線。
    ある日、一留が言った
    「お前の知り合いのとこで働くわ??」

    2007-01-04 01:20:00
  • 367:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ほんまにっっ?」
    あたしは正直すごくびっくりした。一留は未成年だし住所不定だし仕事がなかなか決まらない事も仕方ないと思って幾度となく、知り合いに紹介するとは言ってきた。
    一留はなんで女の世話ならなあかんねん!お前にもぐちぐち言われてお前の知り合いにもぐちぐち言われるのわかったるやんけ!とかなんとか言って頑として聞かなかった。
    だからこんな事言い出すなんて…
    ほんまに嬉しかった。知り合いの所なら安心だし一留も嘘をつきようがない。

    2007-01-04 01:26:00
  • 368:

    サキム

    2007-01-04 01:38:00
  • 369:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    すぐ知り合いに連絡をとる。一留の事を相談したりしていた人なので喜んでくれた。だいたいの事情をわかっていてくれて、面接が終わった日から寮に入れるようにかけあってくれると言ってくれた。
    一留に相談してまた連絡する事にして電話を切る。
    なんだか何もかも上手くいく気がした。

    2007-01-04 03:58:00
  • 370:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の部屋で当たり前に一緒にゴロゴロできる。
    プレステ買ってDVD借りてきて、あたしはカレーを作ろう。。。。。
    そんな普通の時間が過ごしたかった。
    それだけ。

    2007-01-04 04:03:00
  • 371:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    それだけ………

    2007-01-04 04:05:00
  • 372:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………………

    2007-01-04 22:27:00
  • 373:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留と漫喫で待ち合わせして、仕事の話をする。
    「あんな、あたしの友達が寮とかも全部用意するように親方に頼んでくれるて言うてんねん。やし最初に条件とか全部話すから、よく考えて決めて。中途半端な事は辞めて欲しいし。」
    「わかってるって!」
    仕事の待遇や条件をなるべく詳しく説明した。寮は市内で面接をとうればその日からいれてくれるという事。給料面。仕事自体は朝からでしんどい事。

    2007-01-04 22:34:00
  • 374:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    考え込む一留。
    「最初はみんな怖い言うてたで。若いんやからすぐ慣れるて!」
    あたしにはなんとしてでも働いて欲しい気持ちがあった。友達の会社はかなりきっちりした会社で待遇もいいし、免許とかも会社から取らせてくれるらしい。一留は中卒やし身分証とか後ろ盾もない。ちゃんとした会社で働くのが一留にとっていい事だと思った。
    「どーしょー」
    「働くんは一留なんやから一留が決め。」

    2007-01-04 22:44:00
  • 375:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はしばらく黙ってた。あたしは働いて欲しいけど無理強いはしたくなかったから、それ以上何も言わず漫画を読んでいた。
    一冊読み終わりかけてページをめくろうとした時、一留が言った。
    「…やるわ」
    きっぱりさっぱりとした表情だった。
    あたしは一留に抱きついた。

    2007-01-04 22:48:00
  • 376:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ほんまに〜〜?!嫌や言うと思った!!!」
    一留は照れて顔をくしゃくしゃにしながら言う
    「…やるわ!……柚奈に金返す言うてなんもしてないし働かな」
    一留が笑った。服からはみ出た鎖骨のしたの竜の顔も笑ってるみたいに見えた。

    2007-01-04 22:55:00
  • 377:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その日、喧嘩してばっかりだったから久しぶりにキスをした。ちゅっちゅって何回も。2人して、にへって笑って。
    「柚奈〜」
    「何?」

    2007-01-05 00:38:00
  • 378:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…なんもない」
    「そ〜かあ笑」
    一留は笑う。
    「何がそ〜かあや!んまお前はいつもほんっま適当や」
    2人で笑った。

    2007-01-05 00:44:00
  • 379:

    名無しさん

    あげ?

    2007-01-05 13:47:00
  • 380:

    名無しさん

    ??

    2007-01-09 11:12:00
  • 381:

    名無しさん

    あげ?

    2007-01-11 10:12:00
  • 382:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あげてくれてる人同じ人かな?ありがとう??最近更新遅れ気味ですが今日か明日また更新します??

    2007-01-11 13:00:00
  • 383:

    名無しさん

    待ってます???

    2007-01-11 23:32:00
  • 384:

    ゆう?

    待ってるね??

    2007-01-12 00:06:00
  • 385:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ありがとう?読んで貰えるて嬉しいね?ゆう?さん?いつもありがとうです
    386、387、389サンもありがとう〜???短くなるけど更新します。

    2007-01-12 03:16:00
  • 386:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……………………………………………

    2007-01-12 03:17:00
  • 387:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    数日後、知り合いから残念な連絡があった。
    寮に入れなくなったらしい。出ていくはずの予定の入居者が出ていけなくなって空きが無くなった。
    知り合いは、色々良くしようと尽力してくれて奈良なら空きがあると探してくれていた。
    けどそこはコンビニも車で20分くらいのど田舎らしい。

    2007-01-12 03:24:00
  • 388:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    すごく謝ってくれて、親方にも頼んでくれると言ってくれた。
    その人は、親方に自分の後輩だからと言っていたらしく、地元の違いから、知り合いでもなんでもない事が親方にばれ、親方の覚えが良くなく頼んでも難しいと思うと話した。
    働く事も寮もあるけれど奈良。
    一留に話してもう一度連絡する事にした。

    2007-01-12 03:30:00
  • 389:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    訂正?働く事もできるし寮も…です

    2007-01-12 03:31:00
  • 390:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    気が重い……
    あたしが一留の立場なら働くのがどこだって、例えば奈良でも日本海でも働く。
    けど一留は嫌がるだろう。話す前から見えている結果に一歩一歩の足取りがとてつもなく鈍く感じる。
    一留と待ち合わせのいつもの漫喫。

    2007-01-12 03:37:00
  • 391:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    もうここの店長にもすっかり顔を覚えられてしまった。あたしをみるなり、一留が先に入ったペアシートの部屋番を打ち込む。
    いつもすごい喧嘩して険悪な空気で出ていったり、かと思えばラブラブだったり……
    お金をいつもあたしが払っている事とか、どういう風にまわりにはみえているんだろう…。

    好きっていう気持ちだけで必死でここまできて、でも確実に現実に追い越されそうになっている。

    2007-01-12 03:45:00
  • 392:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    扉を開けるとふてこい顔して漫画を読んでいる一留。
    少女マンガが好きらしい一留が読んでいるのは『優しい子供の作り方』。
    …あ〜なんか殴りたい…………
    珈琲を飲んで、煙草を吸って一休みしてからあたしは話し始めた。
    この話、長くなるに違いないから……

    2007-01-12 03:51:00
  • 393:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一通りの事を話終えた。
    「一留、どうする?」
    見るからにイラついてる一留。
    「俺、お前が市内に寮あるして言うから決めたんちゃうんけ?話ちゃうやん」
    「だから嫌やったら断るから」

    2007-01-12 03:55:00
  • 394:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「俺、嫌やで奈良とか。」
    「ほな、断るわ」
    「友達のおかんに家でるいうてもうたんやけど?」
    一留は居候先の家から早く出ていけと言われていた。
    「もっかい頼んでおいて貰うか、漫喫泊まるかするしかないやん。」

    2007-01-12 03:59:00
  • 395:

     

    2007-01-12 04:03:00
  • 396:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「はあ!?そんなんもっかい置いてくれなんて言うたらあのオバハン切れよるわ!お前が言うからもう出ていく言うたんや!!」
    「事情は説明したやろ!!奈良やったら寮ある!とりあえず奈良おって、市内の寮空き次第こっち入れて貰えるっていうのもゆったよな!?それも嫌なんやからしゃあないやん!あたしにできんのはここまでや!」
    …頭にくる。あたしが全部悪いのか。そもそも仕事のひとつやふたつ必死になれば見つかるわ。それもしんで文句ばっかり…………

    2007-01-12 04:10:00
  • 397:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「お前は俺が嫌でもなんでも働けばいい思ってるやろ?」
    「そういう気持ちもあるけど、あんたの事やし強制できひんけど?」
    「あーあ!!!!」
    それだけ言って一留がしばらく黙った。苦い沈黙。
    「柚奈、お前ほんまにうざいって………ぐちぐちぐちぐち…そんなんやったら俺」

    2007-01-12 04:17:00
  • 398:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    「ヤクザ戻るわあ」

    2007-01-12 04:19:00
  • 399:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …信じられへん一言やった。
    ただでさえ既に強張った頬がみるみる硬直していく感覚がリアルにわかる。今までの怒りが力と一緒に抜けていく。
    「………本気で言ってんの?」
    「本気やで〜別に寝るとこも食うもんもあったしなあ」
    「………お金は?」

    2007-01-12 04:24:00
  • 400:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「うっさい。返すやんけ」
    今までのあたしの気持ちと誠意と時間…すべて裏切られた気がした。
    「あたしやくざとか無理やで………?」
    「………おぉ。」

    2007-01-12 04:29:00
  • 401:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはへたりこんだ。
    長い間そうしていたと思う。いつもだったら怒ってくってかかるか泣くかするあたしの様子の違いに戸惑っている一留。
    おい?と一留があたしの肩をぽんと叩いた。その瞬間、あたしは泣き崩れた。
    「……………ッウ」

    2007-01-12 04:36:00
  • 402:

    名無しさん

    更新楽しみにしてます?

    2007-01-13 22:59:00
  • 403:

    私も

    2007-01-14 04:14:00
  • 404:

    名無しさん

    あげときます?

    2007-01-14 11:54:00
  • 405:

    名無しさん

    主さん待ってます?

    2007-01-14 23:29:00
  • 406:

    名無しさん

    あげときます??

    2007-01-15 22:07:00
  • 407:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あげてくれた皆様?ありがとう??
    更新します?

    2007-01-16 01:06:00
  • 408:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    声もでず、涙だけが滴り落ちる。伝えたくて、なんとしてでも伝わって欲しくて頑張ってきた気持ち。少しは伝わっていると思っていた。

    何も一留にとどいてへん……!!

    心の内側、あたしの中の柔らかい部分が引っ掻き回されるように痛んだ。

    2007-01-16 01:11:00
  • 409:

    名無しさん

    更新あれてるぅ?完結まで主さんのペースで頑張ってぇ?

    2007-01-16 01:14:00
  • 410:

    名無しさん

    されてるぅ?の間違えた?

    2007-01-16 01:15:00
  • 411:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    うちはな、一留がやりたいんやったらヤクザでもホストでもやればいいと思う。
    あんたはなんもやる気ないやんか。適当に周りに流されてるだけやん。自分の事なんも大事にしてないやん。
    裏の仕事は普通の仕事以上に覚悟と器量がいると思う。それがなかったら落ちぶれてくだけや。

    今の状況みてみいや。覚悟も器量も努力もないあんたの結果が今やんか。

    2007-01-16 01:19:00
  • 412:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    仕事もない。金もない。友達もいない。信頼もない

    ほら、いろんな物なくしてるんちゃうの?

    2007-01-16 01:22:00
  • 413:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の事、信じてんのはあんたが色かけてる女くらいちゃう?

    ひょっとしたらそこに含まれてるかもしれんあたしをいれてな……………

    2007-01-16 01:24:00
  • 414:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …………………………………………………………………

    2007-01-16 01:25:00
  • 415:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…………一留」
    なんとか自分を取り戻してやっと言葉が出た。一留はというと不機嫌そうな顔をしてはいたけれど対応に困っているだけで怒りは冷めているのがわかった。

    「ヤクザ戻るっていうなら最初からやめんかったらいい話。いややって辞めたいていうたのは一留やで。今更そんな事蒸し返して、うちにどうせ―いうねんな?」
    「……………」

    2007-01-16 01:34:00
  • 416:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ほんまにもっかい戻りたいん?本気ならもう止めへん。けど戻るんやったらうちと別れてな?」
    「俺と別れたいんけ?」
    「別れたくないよ。けどあたしヤクザとはつきあわれへんねん。あんたがほんまにその道行きたいなら仕方がないから言うてんの」

    まるで幼稚園の先生やな…。あたしはなるべく言葉に誤解のないようにゆっくり言葉を選びながら話した。子供に聞かせるように優しく。あたし自身も冷静になれるように。

    2007-01-16 01:41:00
  • 417:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の茶色い目が揺れてる。
    「俺はな……………………………」

    「俺はおまえとより戻したしやめたねん。」

    2007-01-16 01:45:00
  • 418:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…ガリガリやな。ごめんな」
    「ただのダイエットや!!」

    急に悲しくなった。なあ、そんな事はどうでもいいねんよ。痩せたとか忙しいとか、金がないとか………
    そんなんに気づいた時反省してやさしくなんてしなくていいから。ごめんなんて言わなくていいから。あたしにありがとうって言わせてや。

    2007-01-16 01:56:00
  • 419:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留にごめんて言われる度に、謝られることに慣れたなて気づく度に

    あたしは終わりに怯えるんよ。

    2007-01-16 01:59:00
  • 420:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    短いですけどここまでです?
    書き込んでくれた人本当にありがとう?上がってんの見て嬉しかったデス

    2007-01-16 02:03:00
  • 421:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    次は明日か明後日に更新します?

    2007-01-16 02:32:00
  • 422:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    次は明日か明後日に更新します?

    2007-01-16 02:33:00
  • 423:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……………………………………………………………

    2007-01-16 11:29:00
  • 424:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それから何週間か経った。一留は結局、居候先の家に幾らか入れるという条件で置いて貰えることになった。月に五万以上。食費は別。もちろんあたしが払った。

    借金の返済もあって一留にちょくちょくお金を渡すのはきつかった。

    借金は増える事はあっても減ることはなかった……。

    2007-01-16 11:39:00
  • 425:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ストレスで胃がキリキリ痛む。煙草の量が増える…。一留ともまた喧嘩ばかりだった。

    貸し借りの話なんてしたくないけれど、向こうが貸してくれと言って借りた以上お金の話になる事はしょっちゅう。
    「あんたは口ばかりでなんもしいひんやんかあ!!!」
    「うっさい!ほな今すぐ返したるわあ!」

    2007-01-16 11:45:00
  • 426:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「どうやってやねん!!!」
    「金融行って!もうすぐ二十歳やし借りて返したるわあ!!」

    一留はいつもそんな事を言う。あたしがお金の事をつくと、借りてきて返すし黙れ、恩着せがましいって……………
    わかってるでほんまは行く気ないことくらい。だいたいあんたは消費者金融とか借りれへんから。審査に通るわけないから。

    2007-01-16 11:52:00
  • 427:

    緋恋◆lZf.ArgVp2




    なんか疲れた………

    2007-01-16 11:56:00
  • 428:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………………………………

    2007-01-16 11:58:00
  • 429:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「お疲れ様です〜」
    夜1時。仕事が終わる。2時には家について珈琲をいれて煙草を吸う。最近の一番落ち着く時間。次の日8時には起きないといけないからほんの30分くらいだけど。

    ふ―っと煙を長く吐く。自分でもわかるくらい疲れきっていた。どこにいてもイライラするし、感情の起伏が激しい。
    仕事が終わって疲れてぼーっとする寝る前の一瞬だけが心地良い時間。

    2007-01-16 12:11:00
  • 430:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    疲れた頭で考える。
    一留はあたしの事好きなんかな??

    普通、好きな女に金なんて借りないし、借りててその態度はない……周りにも言われるしあたしもよくわかっている事。
    けどあたし一留に全く愛されてないとは思わへんねんけどな??

    2007-01-16 12:16:00
  • 431:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    それとも、真実がわかってんのに認められへん程、あたしは一留に惚けてんのかな……………

    2007-01-16 12:18:00
  • 432:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    もう…なんか色々わからへんわ………

    2007-01-16 12:20:00
  • 433:

    ゆいこ

    頑張ってください(T^T)

    2007-01-16 12:42:00
  • 434:

    ゆう?

    頑張ってね??応援してるょぉ??

    2007-01-16 23:28:00
  • 435:

    名無しさん

    ?

    2007-01-17 07:51:00
  • 436:

    名無しさん

    続き待ってます??

    2007-01-17 17:49:00
  • 437:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    応援コメントくれたひとほんまにありがとう??今テストとレポート?の真っ最中で?少し間あくと思いますがあんまりあきすぎないようにするんで?

    2007-01-18 06:26:00
  • 438:

    名無しさん

    あげ

    2007-01-18 16:53:00
  • 439:

    名無しさん

    ぁ-げっ(・∀・)/゛

    2007-01-21 22:40:00
  • 440:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    時間?が少しできたので書きます
    上げてくれた方々ありがとう?
    不定期でごめんなさい?

    2007-01-24 02:29:00
  • 441:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………………………

    2007-01-24 02:30:00
  • 442:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    相変わらず毎日は慌ただしく過ぎていく。一留と一緒にコンビニにいた。季節はもうすっかり春。
    一留とコンビニの角で中学生みたいにしゃがんで話していた。
    それが恥ずかしいのと一留と三つも年が離れているから姉弟にしか見えないだろうと感じるのとで、付き合い始めの真冬はそわそわしていたっけ。
    そんな事を思いながらタバコの煙の先を見る。春の空気の中で煙は暖かそうに揺らめいて消えていく。

    2007-01-24 02:42:00
  • 443:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは一留に学校の話をしていた。停留所でバスを待っていた時にみた毛虫の話。
    あたしは、度重なる不安でどんよりしていた。その時、木から落ちたのか歩道を一心不乱に這う毛虫を見つけた。

    2007-01-24 02:46:00
  • 444:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    毛虫は人が行き交う道でいつ踏みつぶされるかもわからないのに力強く進んでいった。あんなに小さいのに。こんなにまわりの世界は大きいのに。
    あたしはなんか励まされて、一留にこの面白くともなんともない話を話していた。
    一留はぼけーっとタバコを吸っている。けどちゃんと聞いてくれてるのはわかった。

    2007-01-24 02:51:00
  • 445:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

               「…………柚奈、やっぱお前かわってんねぇ」
    一留があたしの顔をまじまじと見た。バカにするわけでも、ましてやすごいと思っているわけでもなさそう。ただまじまじと。
    「俺やったら、毛虫なんてうわぁーキモチ悪っっ!て踏み潰して終わりやけど?」
    「別に毛虫をきもちいいとか思てるわけちゃうよ。ただなんかすごいな思てん」

    2007-01-24 02:58:00
  • 446:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「あっそういえば…」
    一留が道路の方を指差した。
    「俺、今日朝あそこで人ひかれたんみた」
    「えっ…どうなったん」
    「救急車きて、運ばれていったけど…あれは逝ったやろー」

    2007-01-24 03:03:00
  • 447:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「なんかキモいおっさんやったけど」
    あたしは悲しくなった。あたしを今日励ましてくれた毛虫も一心不乱に進んだ結果、バスに踏み潰された。世の中は甘くないのだ。
    「ま〜いいやんけ、おっさんも毛虫も別に生きたい思とったわけちゃうかもやし」
    一留の言うとおり、何も知らないあたしがかわいそがったりする事じゃないのかもしれない。
    「………………」

    2007-01-24 03:10:00
  • 448:

    名無しさん

    俺もこんなん思われてたんかな・・・自分を外から見られた感じやわ

    2007-01-24 03:13:00
  • 449:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「俺はお前の、そんだけ人にはいりこめるとこすごいと思うけどな。俺にはできんし。」

    一留は優しい部分もほんまに持ってる。今あたしが自分の事を浅はかに思って恥じたのをわかって、そう言ってくれたんだと思う。
    わけのわからん理屈で切れる一留。
    人の微妙な心の変化に気づける一留。

    2007-01-24 03:18:00
  • 450:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の色素の少し薄い茶色の目は天気のいい春の日差しでビー玉みたいに綺麗だった。あたしのまっ黒で輪郭のハッキリした目とは全然ちがう。
    その目を本当にすきだと思った。一留の中にある優しくて綺麗な所。それがそのまま現れたような瞳だと思った。

    2007-01-24 03:38:00
  • 451:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その時電話がなった。一留に仕事を紹介してくれたあたしの友達だった。
    「もしもし〜今?一留とおんねん」
    ?「あっほないいわ〜ごめんごめん」
    「あっちょっと待って!」
    あたしは一留に小声でこの前のお礼を言ってと頼んだ。結局仕事の話は無くなったけど色々お世話になったから。

    2007-01-24 03:46:00
  • 452:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「は?いいって。しゃべりたない」
    一留ははねのけるように言うと一気に最強に機嫌の悪い時の顔になった。
    すごく腹がたったけどとりあえず友達と少しだけ話して電話を切った。
    案の定、その後はまた喧嘩であたしは後味の悪いまま仕事先に向かった。

    2007-01-24 03:52:00
  • 453:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまでにします?読んでくれてる人、不定期なのにありがとう?

    455さん>これはあたしの実体験を元にしたフィクションであたしの大好きだった男の子の話です。
    もし似てるところがあらはるなら読んでて嫌と感じはる部分もあるかもしれませんが、許して貰えたら幸いです

    2007-01-24 03:58:00
  • 454:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ………………………………………

    2007-01-25 00:40:00
  • 455:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その頃あたしは週5〜6日バイトをしていて、月二十万弱は収入があった。それでも借金は減らないし手元に残るお金もない。昼間は学校。たまっていく課題。
    このままでいいのかな?先があるのかな?

    いいわけない。
    あるわけない。悲しいのはそれをあたしが一番わかっているっていう事。

    2007-01-25 00:47:00
  • 456:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事から帰ってきて一留に電話をかけた。でない。すぐに一留からメールがきた。
    ?「今連れ寝とるから電話できん。?して」
    ……なんだそれ。でたくないのか、女といるのか……………………。
    あたしはとても疲れていたのでその事には触れずに要件を送った。

    2007-01-25 00:57:00
  • 457:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    要件はあたしの友達の事。仕事がだめになったのを気にしてくれていて、何度かご飯に誘ってくれたりした。一留にそれとなく伝えるといつも行きたない、の一言だった。それはしょうがないとしてお礼ぐらいは言って欲しかった。一留のそういう態度も一留から色んなチャンスを遠ざけているような気もしたから。
    ?「あんな、電話でもいいからうちの連れに一回ちゃんとお礼言って欲しいねん」
    ?「だからいってるやん。俺別に関わりたないし」
    ?「関わるとか関わらんとかじゃなくて、うちらの為に色々してくれはったんやから、お礼くらい言って欲しい。」

    2007-01-25 01:04:00
  • 458:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ?「ぐちぐち言うなや。そんなにその人がいいならそいつと付き合えば」

    頭がくらくらする。なんでそんなくだらん事言うん?そんな事あるわけないのに。今のあたしの生活すべて一留で回っているのに…………

    それもわからん?何が不満?伝わらへんの?

    2007-01-25 01:10:00
  • 459:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ?「そんな事あるわけないやん。なかいい友達やから一留にも紹介したいねん」

    あたしの気持ち。あたしの好きな友達、家族、あたしの生活に触れて欲しい。一留が大好きやから。
    美味しい物を食べたら一留と食べたいと思う。楽しい場所に来たら一留がいればいいと思う。みたい映画があれば一留とみたいと思う。綺麗な景色をみたら一留に見せたいと思う。

    2007-01-25 01:18:00
  • 460:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    一留はまるで野良猫みたい。
    拾ってくれって甘えてくる癖にふとした瞬間、
    おまえのとこには飼われたくないって目をする。

    2007-01-25 01:21:00
  • 461:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留からメールの返信がくる。みるのが怖い。
    絶対みたらあたしは悲しい。

    …なんとなくわかる。

    2007-01-25 01:24:00
  • 462:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ?「紹介されたないわ!お見合いか!」

    くだらない。ガキくさい。
    ほんましょうもない。こんな事に傷ついてる自分もどうしようもなく思えた。
    とても疲れていたあたしはなんて返事を返そうか悩んでいるうちに眠ってしまった……

    2007-01-25 01:28:00
  • 463:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまで?

    2007-01-25 01:30:00
  • 464:

    名無しさん

    ?

    2007-01-28 21:39:00
  • 465:

    名無しさん

    またあげ?

    2007-01-30 22:27:00
  • 466:

    緋恋

    あいてしまっていてごめんなさい??
    ちょっとたてこんでいましてm(u_u;)m
    来週の始めにはたくさん書こうとおもうので?

    2007-01-31 14:52:00
  • 467:

    ?

    待ってます?

    2007-01-31 17:37:00
  • 468:

    名無しさん

    ?

    2007-02-01 09:31:00
  • 469:

    さゆみ

    しおり(≧▽≦)

    2007-02-01 15:40:00
  • 470:

    あおい

    全部読みました。すごい話しで涙が止まりませんでした。これを書かれた方凄い性格だなぁと尊敬します。器が大きいとゆうかそれだけその彼が大事だったんですね。次回楽しみにしています☆忙しい中大変だと思いますが頑張って下さいm(__)m

    2007-02-01 16:24:00
  • 471:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    474、475さん?いつもみてくれてありがとう。少し予定があいたので更新しようと思います?

    さゆみさん?ありがとう?

    あおいさん?あたしは器でかくないです?これから最低な部分もでてきます??けど大好きな気持ちで本当に一生懸命だったしそういう時の人間はとても強いと思います?

    2007-02-02 03:54:00
  • 472:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …………………………………………………………

    2007-02-02 03:55:00
  • 473:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    目が覚める。随分と寝てしまっていた。朝方眠って昼の2時くらいだった。
    携帯をみる。一留からは何の連絡もない。あたしは昨日の一留からのメールを見直した。

    もう無理だと思った。
    機械的にカタカタメールを打つ。たった6文字。

    2007-02-02 03:59:00
  • 474:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    別れよっか

    2007-02-02 04:00:00
  • 475:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    涙がにじんだ。

    深く色んな事を考えてそうしたわけじゃない。ただもうどうしようもなくて何の未来も見えなくて苦しかった。発作的で衝動的な行動だった。
    時計をみる。もうすぐ仕事だ。あたしは支度をして家をでた。

    2007-02-02 04:04:00
  • 476:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……………………………………………………………

    2007-02-02 04:05:00
  • 477:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事が終わってタクシーに乗り込む。ホテルのパーティーの仕事だった。お客さんがそのままバイト先に飲みにきてくれるというのでさっきまで一緒に働いていた友達と全部で四人。
    走る車内で携帯チェック。起きた時と変わらず一留からの連絡はない。
    一留の性格から考えてあんなメールを見たらすぐに連絡してくるはずだ。
    あたしが働いてる間寝てるのかと思うとうんざりした。

    2007-02-02 04:11:00
  • 478:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    バイト先のBARは週一回だけ入っている。コンパニオンに比べたら安いけど店長とも仲が良くて楽しい職場は癒やしみたいなものだった。
    友達が来てくれたので楽しくて、加えて忙しかったので色んな事を考えずにすんだ。
    それでも涙が飛び出しそうだったけれど仕事に集中した。

    2007-02-02 04:17:00
  • 479:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    お客さんが回転しだすちょっとした空き時間。洗い物も一段落してちょっと一服。
    ほんとは携帯の電源なんて切っておきたいくらいだけどお客さんからもかかってくるので、そうもいかない。
    携帯をみると一留から鬼のように着信とメール。
    メールをみようとした瞬間、一留から電話がかかってきた。

    2007-02-02 04:22:00
  • 480:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一瞬迷ってとった。
    「もしもし…」
    「お前電話でろや!」
    凄い剣幕を予想していたから、えっ?と思うほど一留の声は弱々しい。
    「あたし仕事中やし、後にして」

    2007-02-02 04:25:00
  • 481:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    自分でもびっくりする程冷たい声で言った。
    「…………ごめん、待ってるし終わったらいうて」
    一留の声は優しいような怯えているようなかんじ。
    電話を切って仕事に戻る。仕事中も一留のことが頭を離れなくなった。
    それでもあたしはうまく笑えていたと思う。

    2007-02-02 04:33:00
  • 482:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ここまでにします?

    2007-02-02 04:34:00
  • 483:

    名無しさん

    どこからの続きか書いて

    2007-02-02 04:44:00
  • 484:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    469からの続きです?次からどこからの続きか書きますね

    2007-02-02 05:03:00
  • 485:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    寝られないのでもうちょい更新します
    488からです?

    2007-02-02 06:35:00
  • 486:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……………………………………………………………

    2007-02-02 06:35:00
  • 487:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事が終わった。その日は近くのBARとかそのお客さんらでバーベキューに行くことになっていた。
    いつも誘いを断っていたのでその日は行くことにしていた。
    店長と二人で店を閉める。店長は他の店へバーベキュー用のオニギリを作りにいったけど気を使ってあたしを店に残してくれた。

    2007-02-02 06:40:00
  • 488:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    誰もいない店で一留に電話をかけた。一留はすぐにでた。
    「今すぐ金融いくから後悔すなよ」
    「はあ?何しに金融とかいくん?意味分からん」
    「お前と別れるんやし返さなあかんやろが」

    2007-02-02 06:47:00
  • 489:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「借りてきたようなお金で返していらんわ!利子もつくのにあんたが困るだけやんか」
    「うっさい!!俺と別れたいんやろ!関係ないやんけ!」

    ため息しかでない。
    「仕事とかなんもせーへんとか言うってないから。何勘違いしてんのかしらんけど。だるいとか言うんも口癖や!んなんで別れるとかいうんやったらしゃーないわ!」

    2007-02-02 06:57:00
  • 490:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「あたしは別れたくて言ったわけちゃう。あんたに色々考えて欲しかったんや。このままやったらもうあかんくなるから」
    「別れたるわ!お前が別れよう言うし別れるんやんけ!そう言うたらこうなんのわかってたやろ、俺は」
    「その程度なんやな、あんたのキモチは」
    「駆け引きで軽々しくそんな事言う奴に言われたない。…………友達でいれるんやろ?ほなそれでいいわ」

    2007-02-02 07:03:00
  • 491:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「友達?!意味分からんわ!!!どういうつもりで言ってんの?」
    「うるさい!別に切る必要ないから言っただけや!ストーカーとかする気ないしな」

    論点がどんどんずれていっている。何を話していたかもうよくわからない。

    2007-02-02 07:08:00
  • 492:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「なんで別れて切る必要ないとかいう言われかたされてまで友達とかでおる必要あるん?」
    「……………今は無理でもまた付き合おう」
    「は?」
    「何ヶ月後か何年後なるかわからんけど…………」

    2007-02-02 07:12:00
  • 493:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「何言ってんの?あほちゃう」
    「…………」
    沈黙が続く。
    そんな言葉いらんねん。そんな確証のない未来の話なんて。今が大切にできひんのにどうやってそんな未来がくんねんな。
    「柚奈」

    2007-02-02 07:17:00
  • 494:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「なんやねん!」
    あたしが別れるとか言って騒いでまで聞きたかった言葉。喧嘩して怒って泣いても聞きたかった言葉

    「柚奈と一瞬にいたいねん」

    2007-02-02 07:20:00
  • 495:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    そうきっとこの一言

    2007-02-02 07:21:00
  • 496:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「一緒におって」


    それだけの言葉で涙がでた。
    「わかった」

    2007-02-02 07:24:00
  • 497:

    名無しさん

    じゃなくて>>503てして

    2007-02-02 07:25:00
  • 498:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「仕事ちゃんと探すんやで?闇金の話とかもうしやんやで?」
    「わかった」

    あたし達は結局別れられへんかった。

    2007-02-02 07:26:00
  • 499:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは多分、あたしが完璧に一留を見限らない限り一留がついてくるってきっとどっかでわかってた。
    別れられへんかったことにほっとしている自分がいた。
    「一緒におって」
    この言葉が例え嘘でもあたしにはねのける事ができたんかな?

    2007-02-02 07:34:00
  • 500:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ここまでにします?
    505さん?それですか??やり方がわからないのでこれをみはったらやり方かきこんでもらえますか?すみません???

    2007-02-02 07:36:00
新規レスの投稿
名前 (8文字まで)
E-mail
必須本文 (750文字まで)
キミと毎日キスしたかったを見ている人におすすめの掲示板

スレッドタイトルを対象とした検索ができます。
※スペースのあり、なしで検索結果は異なります。