-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
?これが愛やと思ってた?
-
1:
桃
元カレと酷い別れ方をしたすぐ後の事でした。
冬の寒さに1人じゃ耐えられなかったのかな?心に開いた穴をどうしても塞ぎたくて、出会い系をやってしまった。
それがあたしの2年半の地獄の始まりだった。2006-12-22 07:11:00 -
2:
名無しさん
君って朝から濃いの書くんやねワラ
2006-12-22 07:13:00 -
3:
桃
毎日不特定多数の男達から大量に送られて来るメール。すぐに携帯の受信ボックスはいっぱいになったけど、それでも休みナシに送られてくるメールの返信を打ってる時は元カレの事を忘れられた。
2006-12-22 07:18:00 -
5:
桃
誰にも興味なんてなかった。今あたしが一番欲しいのは元カレの笑顔だけ…
それでも出会い系をやめられなかったのはあたしが弱くてこの寂しさが耐えられなかったカラ。2006-12-22 07:24:00 -
6:
桃
そのうち携帯のメモリは似たような名前の男達で埋め尽くされてデータフォルダの画像は決してカッコ良いとは言えないメル友達の写メでパンパンになった。
メールも写メも古い順から消して行く毎日。2006-12-22 07:30:00 -
7:
桃
会いたい?としつこいヤツは速攻拒否した。
会う事を求めない、でも毎日ちゃんとメールを送って来てくれてたわいない雑談が出来る人。
あたしは携帯越しの世界にそんな人を求めてた。2006-12-22 07:38:00 -
8:
桃
そのうち俗に言う『メルカレ』ってのも何人か出来て、会った事もない写メでしか見たことない人が毎日「好き」「愛してる」とメールを送って来る。
もう感覚なんて麻痺してた。2006-12-22 07:46:00 -
9:
桃
そのメルカレも当然会えないような遠い所に住んでる子ばかりだった。
あたしはそうやって自分を守ってたんだと思う。出会い系の怖さ、恋愛をする怖さカラ…
「愛してる」
沢山の人がそう言ってくれる事で満たされた気になって無理矢理元カレの事を忘れようとした。2006-12-22 07:51:00 -
10:
桃
その頃一番連絡を取っていたのは東京に住むメルカレのキョウちゃん。
あたしと同い年の17才で写メで見る限り茶色い髪が可愛い細身の男の子。
目の細さや顔立ちが少し元カレに似てる。2006-12-22 07:55:00 -
11:
桃
キョウちゃんからは毎日「愛してる」とか「桃可愛い」とかやたら??(ハートの絵文字)の付いたメールが来て、嬉しい反面他人事のような気がしてた。
人に愛されるのは誰でも嬉しいでしょ?だけどそれと同時に『気持ち悪い』って思う自分がいた。2006-12-22 08:01:00 -
12:
桃
それはキョウちゃんに限らずに。
どうして他人に「愛してる」なんて言えるんだろう??
でも、そのメールに「あたしも愛してるヨ」ってハートの絵文字を大量に使って返信するあたしも同じだった。
何が愛で何が恋いかなんて誰も分からなかった。少なくともあたしには…2006-12-22 08:06:00 -
13:
桃
そんな狂った生活を送ってたある日、あたしは友達と学校帰りに行ったカラオケ屋で元カレと再会した……
声が出なかった。2006-12-22 08:10:00 -
14:
桃
「久しぶり?」
あたしを見つけた彼は以前と変わらない目がなくなるような笑顔で優しく笑う。まるで何もなかったように。
「…………お久しぶりデス」
やっと絞り出したあたしの第一声。2006-12-22 08:17:00 -
15:
桃
元カレはあたしより3才年上で、20才で、さらに年上の22才の女と浮気されて1ヶ月前別れたのに。目の前で笑ってる。
よく見ると黒いエプロン姿で胸には名札まで付いている。
まさか…2006-12-22 08:19:00 -
16:
桃
「…なんでアンタがココにおるん?」
「俺ココでバイトしてんねん???最近やけど。あ、コレにカタカナで名前書いて下さいね」
そう言って元カレは慣れた手つきでボールペンを差し出す。
あたしは唖然としたまんま、言われるままに名前を書く。2006-12-22 08:28:00 -
17:
桃
「ってちゃうわ!バイトて夜の仕事してたやんっ!何でカラオケ屋で働いてるんよ!?」
「なんでって、家近いし楽しそうやし?夜は辞めた(笑)あ、電話番号も書いてな、んで今日は何時間で??」
あまりにも突拍子のない答え。
そして淡々と仕事を続ける彼。2006-12-22 08:35:00 -
18:
桃
受付で長話しをしても他のお客さんに迷惑なのでとりあえずあたしと友達はフリータイムで部屋に入る事にした。
部屋に入ってからは元カレがジュースを運んで来る事もなく代わりに可愛い女の子が注文を運んで来てくれて、帰りには受付にも彼の姿はなかった。2006-12-22 08:42:00 -
19:
桃
たった数分の再会だったけれど、あたしには十分だった。
あの元カレの気の抜けた笑顔。あたし一人がウジウジ悩んでたのがバカらしくなった。
もぅ元カレなんかどうでもいぃかもしんない……2006-12-22 08:44:00 -
20:
桃
きっと今の彼女が夜の仕事は辞めてとか何とか言ったんでしょ。
あたしが何回言っても辞めてくれなかったのに。せいぜい今の彼女と仲良くやって下さい。
何だかやっと吹っ切れた気がする。2006-12-22 08:47:00 -
21:
桃
帰り道一人で駅の駐輪場まで歩いてるとメールが来てる事に気付いた。
『未読メール5件』
またメル友達から。2006-12-22 08:54:00 -
22:
桃
いつもと変わらない、たいした内容もない雑談メールかと思ったらその中の1通に「今から会えない?」と書かれてあった。
『会いたい』なんて言って来るヤツはだいぶ切ったハズだけどなぁ…
送信相手の名前は『光(ヒカル)』。2006-12-22 09:01:00 -
23:
桃
はっきり言って全然タイプじゃない。普段ならこんなメール無視するのに、この時のあたしは何を思ったのか
「いいよ」
と返信してしまった。
光からの返事はスグ来た。
「まぢで!?じゃあ迎えに行くわ!!」2006-12-22 09:10:00 -
24:
桃
なんで会う事になったのか今でもわからないけれど、この時のあたしは何故か『別にいっか…』なんて軽く思ってた。
この決断がこれから2年半も続く地獄の始まりだなんて思いもしなかったし、あたしの人生をこんなにも狂わせる出会いだなんて知るよしもなかった……2006-12-22 09:15:00 -
25:
桃
メールで光の最寄り駅までの行き方を教えてもらい、あたしは今までほとんど乗った事のなかった路線の電車に乗り込んだ。
光が言うにはあたしの地元から電車で20分ぐらい。終点の駅。
電車に乗ってる間、あたしは今まで送られて来た光のメールを読み返していた。2006-12-22 09:19:00 -
26:
桃
そうこうしてるうちに20分…電車は一向に終点の駅に着く気配がない。次の駅に着いても、そのまた次の駅に着いても電車はまた新しい駅に向かって走り出す。
(ほんとにこの電車で合ってんのかな??)2006-12-22 09:27:00 -
27:
桃
心配になって光にメールする。
「全然着かへんねんケド?20分て言うたよね?」
相変わらず返事はスグに来た。
「もうちょっとかかるんちゃう?」
(なんかコイツ無責任やなぁ……)2006-12-22 09:29:00 -
28:
桃
それから更に10分。光からは
「遅い!まだ着かへんの??何分の電車乗ったん!?」
とキレ気味のメール。
(そんなん言ったって20分で着く言うたん自分やんっ)2006-12-22 09:32:00 -
29:
桃
「20分で着くて言うたん光やん!んなキレられても?」
そんなメールをやりとりして更に15分後、あたしが電車に乗って45分経ってやっと車内アナウンスが流れた。
『次は〜終点〜終点〜』2006-12-22 09:35:00 -
30:
桃
「今やっと着いた?」
光にメールを送信しあたしは電車を降りた。見たこともない駅、馴染みのない地名。改札への行き方も迷うぐらい広い。
なんとか人の流れに乗って駅を出ると駅前のコンビニの前に紺の学ラン姿の男の子が立っていた。2006-12-22 09:40:00 -
31:
桃
髪は明るい茶色で少し太ってる。あたしは一発でそれが光だと分かった。あまりにも写メのまんまだったカラ。
あたしが手を振ると男の子も手をあげてぶっきらぼうに近づいて来た。
「遅かったやん。もう時間ないなぁ、どっかでメシでも食う?」
光の第一声がソレ。2006-12-22 09:44:00 -
32:
桃
(はぁ?何やねんコイツ…)
「電車20分で着く言うたん光やんっ、45分もかかったし??ってか初対面でその言いぐさ…何か他に言う事ないん????」
光はあたしの目を見ようとしない。2006-12-22 09:47:00 -
33:
桃
「いや、めっちゃタイプやで」
ただそれだけ言うと光は歩きだした。
(アカン、絶対コイツ無理やわ…こんなヤツとご飯なんか食べに行きたくないな)
それでも仕方なくあたしは光の後ろに着いて行った。2006-12-22 09:49:00 -
34:
桃
連れて行かれたのはビクドン。適当に頼んで運ばれて来たハンバーグを2人で食べる。光は相変わらず自分のペースだし会話もギクシャクして楽しくない…
(えぇわもぅ…はよ食べて帰ろ)
あたし達はほとんど無言で食べきりスグに席を立った。2006-12-22 09:54:00 -
35:
桃
「半分出して」
レジに伝票を渡すと光は当たり前のようにそう言った。
(何やねんコイツ…メシ代ぐらい出せや。こっちは年下やしざわざ来てやってんねんぞ)
だけどこんな事言える訳もなく??
あたしは大人しく文句一つ言わずに自分が食べた分のお金だけ支払った。2006-12-22 09:59:00 -
36:
桃
それからあたしはそそくさと理由付けて帰る事にした。これ以上こんなヤツに付き合ってられない。んでこのまま無視して自然消滅させればいいや。向こうもあたしに良い印象ないだろーし。
ところが帰りの電車に乗っていると光からメールが来た。2006-12-22 10:05:00 -
37:
桃
「今日はゴメンな!緊張して全然喋れんかった!!(>_
2006-12-22 10:11:00 -
38:
桃
あたしは光からのメールを無視して他の返事を返してなかったメル友やキョウちゃんにメールを送る。
メル友の代わりなんていくらでもいるんだよ。2006-12-22 10:13:00 -
39:
名無しさん
気になる?いぱい書いて?
2006-12-22 10:14:00 -
40:
桃
家に着いた頃にはもう夜の10時を回っていた。服を着替えていると携帯が震えてるのに気付く――『着信 光 』。
あたしはバイブだけ切るとベッドの上に携帯を投げた。
(携番なんか教えんかったらよかった)2006-12-22 10:18:00 -
42:
桃
お風呂に入ってまた部屋に戻るとまだ携帯が光っていた。
着信――20件――
(20件??まぢで…うわっ、全部光やん?)
なんだか怖くなって電話が途切れたタイミングを見計らって光にメールを返した。
「なんなん??」2006-12-22 10:24:00 -
43:
桃
光からの返信は相変わらず早い。すぐに携帯が光った。
「なんなんて…??ちゃんと家帰ったかめっちゃ心配やってん。なんで連絡くれへんの??」
(なんでて言われても…そんくらい分かれよ)2006-12-22 10:27:00 -
44:
桃
「ちゃんと帰ったよ。心配なんかせんでいいカラ?」
返事を返すとすぐまた返事が返って来る。
「心配するよ?桃ちゃん可愛いねんから痴漢とかに会ったら大変やん?ってか今度いつ会える??」
光はまだ会う気でいる…2006-12-22 10:31:00 -
45:
桃
とりあえず
「しばらく無理かも、忙しいし。また時間あったらね」
と返してみた。
「じゃあ来週の金曜は?ちょうど1週間後??」2006-12-22 10:33:00 -
46:
桃
「空いてたら連絡するわ??」
これだけ言うとあたしは何とかメールを終わらせた。
携帯を見ると光からの着信履歴が20件残っている。呼び出し時間2分45秒、1分59秒、2分6秒…どれも鬼電…2006-12-22 10:37:00 -
47:
桃
それから1週間、光からは相変わらずメールが来てたけど無視しても電話が鳴る事はなく、このまま自然消滅するかなっと思ってたのだけどそんなに甘くはなかった…
「今日金曜日やけど会えるよね????」
金曜日。メールは当たり前のように送られて来た。2006-12-22 10:41:00 -
48:
桃
「今日は無理やわ。友達と遊ぶ約束してんねん?」
当たり障りなく言ってみる。すると電話がかかって来た?
着信――光――2006-12-22 10:43:00 -
49:
桃
あたしはあえて電話に出なかった。むしろ着信拒否。
「何回電話されても無理なもんは無理やねん?他の子探して」
メールを打つとすぐに返事。
「なんで無理なん!?先週金曜日遊べるて言うたやん!!約束破るん!?」2006-12-22 10:46:00 -
50:
桃
「誰が遊ぶ約束なんかしてん。空いてたら連絡するて言うただけやで?ちゃんとメール見返してみてや。やから今日は無理やって」
送るとスグ返って来る。
「そんなん知らんしっ?桃ちゃんが来られへんのやったら俺が行く!!1分でも良いから会いたいねんっ」2006-12-22 10:49:00 -
51:
桃
(もぅコイツ何話しても無駄やな…)
そのままあたしは携帯の電源を切って返事を返さなかった。2006-12-22 10:57:00 -
52:
桃
その日ま友達と元カレが働くカラオケに行ったけど元カレはいなかった。別に会いたい訳じゃないのだけれど…少しガッカリしたのは事実。
外がもうだいぶ暗くなった頃、あたしは友達と別れ1人で地元の駅まで電車に乗って帰っていた。2006-12-22 10:59:00 -
53:
名無しさん
主は出会い系でヤリまくったん?
2006-12-22 10:59:00 -
54:
桃
その日ま→その日は
です?2006-12-22 11:00:00 -
56:
桃
いつもの駅のいつものホームに降りて、いつもの改札を出る。
いつもと同じ風景なのに…今日は少し違和感があった。
「桃ちゃんっ!!?」
光の声!!2006-12-22 11:04:00 -
57:
桃
辺りを見回すと紺色の学生服を来た1週間前と何も変わらない光が少し向こうから手を振っていた。
「桃ちゃん今帰って来たん???あんま遅くまで遊んでたらアカンやん。よかったぁ〜会えて??」
そう言うと無邪気にはしゃぐ。1週間前会った時の無口な光とは別人な感じがした。2006-12-22 11:08:00 -
58:
桃
「いやいや…何で来てるん?」
(なんなん??気持ち悪い……)
「なんでって?行くって言ったやん俺???ってか腹減ったからマクドでも行こっ!この辺ないん??」
光はそう言うとあたしの手を掴んだ。2006-12-22 11:12:00 -
59:
桃
デブなだけあって力が強い…振り払う事も出来ず、あたしはただ口で反論するしかなかった。
「はぁ?誰が行くねんっ。あたし今から帰るんやけどっ」
「じゃあ俺家まで送るわ?桃ちゃんの家知りたいし??やったらいつでも迎えに行けるやんっ」
背中に悪寒が走る…
(家まで教えたらコイツ何やるか分からん)2006-12-22 11:15:00 -
61:
桃
「はぁ?家来るとかふざけんなよ!」
「やったらマクド行こや?」
一歩も引かない光としばらく言い合いした後折れたのはあたしだった。
(家に来られるよりはマシやろ……)
近くのマクドまで案内する。2006-12-22 11:19:00 -
62:
41です?
更新早い?これから毎回チェックするね??完結まで頑張れ?
2006-12-22 11:21:00 -
63:
桃
「いらっしゃいませ〜?」
ウィーンと自動ドアが開いてあたしと光はレジに向かった。
「ベーコンレタスバーガーのセットと単品でテリヤキバーガー、桃ちゃんは??」
嬉しそうに注文する光。
「あたしはジュースだけでいいよ…」2006-12-22 11:23:00 -
65:
桃
「今日は金俺が出すわ?」そう言うと光は2人分のお金を払ってトレイを受け取った。
…やっぱり先週の光とは別人な感じがする。
まぁ今回はあたしジュースだけだけど。
あたし達は店の奥にあるソファのある広い席に座った。2006-12-22 11:41:00 -
66:
桃
席に着くと光は夢中でハンバーガーにがっつく。そして時々
「今日は桃ちゃんと会えてヨカッタ」
「桃ちゃんて本間可愛いよなぁ」
とか言いながら。2006-12-22 11:43:00 -
67:
桃
あたしには光が何をしたいのかわからない。
会いに来たってよりはご飯を食べに来た感じ。
「ほんま携帯も繋がらんし。心配するやんっ?」
(あ、そー言えば携帯の電源切りっぱなしや…)2006-12-22 11:48:00 -
68:
桃
あたしはコーラにストローをさして一口飲んだ。そしてポケットから携帯を出し電源を入れる。
―未読メール7件―
メル友と学校の友達と、キョウちゃん。2006-12-22 11:51:00 -
69:
桃
「メール?メル友?」
さっきまでハンバーガー以外眼中になかったはずの光がボソっと短く言った。
「俺以外にもメル友おるん?」
目が怖い…2006-12-22 11:54:00 -
70:
桃
「アンタに関係ないやろ?」
精一杯の反論。言って目をそらす弱虫だ、あたしは。
「俺以外のメル友は止めてや。もう連絡せんとって」
「はぁ??」
(いやいや、あんたに何でそこまで言われないかんの??)2006-12-22 11:57:00 -
71:
桃
「やからアンタには関係ないやん。うちが何人メル友作ろうと関係ないやろ?」
「やから俺桃ちゃん好きやからメル友とか嫌やん。やめてや」
(意味がわからん…何コイツ??)2006-12-22 12:01:00 -
72:
ユウコ
はじめまして。内容が興味深いので一気読みしちゃいました?更新楽しみにしています?
2006-12-22 16:39:00 -
73:
名無しさん
見てるょ?
2006-12-22 20:04:00 -
75:
桃
その瞬間光はあたしの携帯を取り上げようとあたしに殴りかかるように手を延ばした。
―ガシャンッ―
反射的に拒否したあたしの手に光の手があたり携帯は床に転がり落ちる。「痛っ…!」2006-12-24 04:32:00 -
76:
桃
光は痛がるあたしを無視して落ちた携帯を素早く拾い上げる。
「ちょっ!やめてやッッ!」
その手を掴んで必死に携帯を奪い返す。
「なんやねん!見せてくれたっていいやん」
悪びれもなく逆ギレ口調でそう言い放つ光・・・2006-12-24 04:38:00 -
77:
桃
「なんでアンタなんかに見せなあかんねん!ホン最低!」
携帯を両手でしっかり握りながらもあたしの心臓はまだバクバクいっている。
「えーやん、どーせメル友やろ??見せてや」
そう言ってまた手を伸ばす光にあたしの頭中でプチッと何かがブチギレる音がした。2006-12-24 04:44:00 -
78:
桃
「えーわ、もう帰る。アンタなんかに付き合ったあたしがアホやったわ」
キレた時こそあたしはいつも以上に冷静になる。
1人席を立ちあたしは店の外に出た。光は引き留める事も追いかけて来る事もなく、ただ機嫌が悪そうな顔をしていただけ。2006-12-24 04:50:00 -
79:
桃
携帯はさっき落ちた衝撃で端っこの色がハゲて小さな傷が何個か付いていた。
お気に入りだったピンクの携帯…
あたしと世界を繋ぐ唯一のパイプ。友達や、家族や、今じゃいないと生きて行けないぐらいに依存し始めてるメル友達とあたしを繋ぐ唯一のパイプ。2006-12-24 04:55:00 -
80:
桃
そんな事をしても一度付いた傷が治る訳ないのにあたしは携帯をさすりながら冬の夜道を歩いた。
両手で包み込むように、大事な宝物を扱うように。2006-12-24 04:59:00 -
81:
桃
何故だか無性に寂しくて、キョウちゃんにメールを打つ。
イライラしてるのか、携帯が傷だらけになって悲しいのか、光が怖がったのか、何だか分からなかったけどキョウちゃんに話せば落ち着くことが出来ると思った。2006-12-24 05:02:00 -
82:
桃
キョウちゃんはメールを返すのが遅い。
地元の駅に戻るまでの間キョウちゃんから返事が来る事もなく、あたしは早くキョウちゃんと会話がしたくてしきりに携帯を見ながら歩いた。2006-12-24 05:09:00 -
83:
桃
駅に着くとタイミング良く手の中で携帯が震えた。
(キョウちゃんかな!?)
―新着メール1件 光 ―
光!?
自分でも分かるぐらい眉にシワが寄る2006-12-24 05:13:00 -
84:
「今どこにおるん??」
一言だけ。
(ほんまコイツ拒否ろぅかな…?)
あたしはそのままメールは消去して携帯を閉じる。
その瞬間後ろから声がした―" " "06/12/24 05:182006-12-24 05:18:00 -
85:
桃
「桃ちゃん!!」
振り向くとそこにいたのは…やっぱり光…
少し息を切らしながら、だけどまだ機嫌が悪そうな顔をしている。
目と目が合う。2006-12-24 05:20:00 -
86:
名無しさん
めっちゃ怖い?
2006-12-24 05:23:00 -
87:
桃
「何で勝手に帰るん??」
また意味の分からない事を言いだす光。もう何を言っても無駄だろう。あたしは無視して歩き出す。
「ちょっと待ってや!何で途中で帰るんって聞いてんねんッ」
肩をグッと押さえつけられる。
(痛いッ……)2006-12-24 05:24:00 -
89:
桃
「なんでって何がやねんッ、あたし帰るて言うたやん!あんたが人の携帯取ろうとするからやろ??」
顔を歪ませて答えると光は更に力を入れてあたしの体を自分の方に向けさせる。
「やからって何で勝手に帰るん??携帯見ようとしたのは確かに俺が悪いケドやからって勝手に帰る事ないやん!!」2006-12-24 05:34:00 -
90:
桃
(何コイツ…何言ってるん??)
「はぁ?やから勝手じゃないやん、あたしもうアンタと関わりたくないしッ!放してやッ!」
バカ力に必死に抵抗して振り払おうとするけれどあたしの力じゃびくともしない。
そんなあたしと光のもみ合いを見て駅にいた周りの人達がザワザワと騒ぎ始める。2006-12-24 05:40:00 -
91:
桃
さすがの光も人目を気にしだしあたしを掴む腕の力を緩めた。
その瞬間あたしは光の手から離れ腕を振り払った。
「ほら桃ちゃん人が見てるやんっ、どっか落ち着いて話ししよ」
光は言ってる事が支離滅裂だった。2006-12-24 05:43:00 -
92:
桃
自分がつかみかかって来たクセに今度は落ち着いて話ししようだなんて…何を考えてるのか分からない。
何を言っても話しの半分もちゃんと伝わらない。
(コイツどっかおかしいんちゃうん…??)2006-12-24 05:47:00 -
93:
桃
「うっさい!あたしは帰るて言うてんねんッ、これ以上いらん事するんやったら警察呼ぶで!」
警察なんて呼ぶ気はサラサラなかったけれど、『警察』の一言はちゃんと伝わったようで光はそれ以上あたしに近付くの事をやめた。2006-12-24 05:51:00 -
94:
桃
「わかった、わかったカラ大きい声出すのやめてやッ、帰るんやったら送って行くから!」
光はその場で諭すように言う。まるであたしの方が悪いみたいだ。
「はぁ?いらんわ気持ち悪いッ!」
あたしは光を睨みつけた。2006-12-24 05:54:00 -
95:
桃
「送らせてくれるぐらいいーやん!な?心配やねん」
光は困ったような顔で言う。
「はぁ?アンタ送る代わりにマクド行こうって言うたん違うん??アンタなんかに家知られたないわ!」
少しキツイ言い方かな?とも思ったけれどコイツにはハッキリ言うしかない。2006-12-24 05:57:00 -
96:
桃
そうこうしてるうちも駅にいる人達はあたしと光を避けるように道を歩き遠目でコソコソ言っている。
「なんでそんなん言うん??送って行くぐらいいいやんっ。ほらみんな見てるしとりあえずどっか行こや。マクド戻ってもいいし」2006-12-24 06:02:00 -
97:
桃
光はさっきの勢いとは打って変わって泣きそうな顔をする。
本当にコイツには何を言っても無駄だ…話は堂々巡り。2006-12-24 06:03:00 -
98:
桃
(うっとーしい…気持ち悪い……怖い)
あたしの頭の中はそんな思いで破裂してしまいそうだった。
それからも光の意味の分からない言い分や堂々巡りの話しが続いた。2006-12-24 06:08:00 -
99:
桃
でも話は思わぬ所で解決。
「わかった、じゃあ今日はもう送って行かん。」
光がいきなり折れた。2006-12-24 06:11:00 -
100:
桃
(……なんで??さっきまであんなに送って行くって言い張ってたのに…)
と思ってると光が言葉を付け加えた。
「ってかもう終電やから俺帰るわ」
(はぁぁぁあ!?)2006-12-24 06:14:00 -
101:
桃
駅で1時間近く言い合いしてたのが『終電』って理由だけでアッサリ帰るってか??
「早くしな電車行くから俺もう行くな。またメールするわ」
それだけ言い残すと光はあたしの事なんかどーでもいいようにそそくさと駅の改札に向かう。2006-12-24 06:16:00 -
102:
桃
(ほんま意味わからん!)
あたしは怒りでワナワナと震える。
まぁそのおかげでやっと光から解放されたのだけど…2006-12-24 06:17:00 -
103:
桃
このイライラをどこにぶつければいいのか…寒い夜道を1人で歩き家に帰るとあたしは速攻光の着信とメールを拒否した。
メールも写メも全て消去。
もう二度と関わりたくない。2006-12-24 06:22:00 -
104:
桃
これで光からの連絡が来る事はない。
あんな気持ち悪い男の事なんか早く忘れてしまおう。
これでもう関わらずに済む……2006-12-24 06:24:00 -
105:
桃
けれど光はそんな単純なヤツじゃなかった。
あたしはまだまだ光の恐ろしさを分かってなかったのだ………2006-12-24 06:26:00 -
106:
桃
それから数日、何回も光から電話がかかって来ていた。拒否してるのであたしの携帯には着信履歴しか残らないけれど。
多い日は1日に何十件も。2006-12-24 06:28:00 -
107:
桃
そんなある日体育の授業が終わって携帯を見るとメールが大量に来ていた。
―新着メール 12件―
メル友からかな??
受信ボックスを開くと電話番号でメールが届いていた。2006-12-24 06:31:00 -
108:
桃
しかも全部同じ番号で12件…。
(……誰やろ?電話番号教えてる人なんてメル友の中でもマメに連絡取る数人とキョウちゃんぐらいやんな…)
光の事なんてもう終わった事だとまったく頭になかった。2006-12-24 06:35:00 -
109:
桃
疑問に思いながらメールひ開く。
「なんで拒否するん??解除してや!」
一件目のメール。
この時初めてあたしはこのメールの送信相手が誰だか分かった。2006-12-24 06:37:00 -
110:
桃
メモリも消してしまってわからなかったけれど…間違いない。光だ。
「なぁ?なんでなんって聞いてるねん!返事返してや」
1件目のメールから5分後に来ていた2件目のメール。2006-12-24 06:39:00 -
112:
桃
そんな内容のメールがあと10件……
着信履歴を見るとメールの送信相手と同じ番号の着信がずらっと並んである。すべて着信拒否のアイコンが付いている。
あたしは返事を返す事なく電話番号からのメールを拒否設定に設定。
ここまで来ると本気で怖くなって来る。2006-12-24 06:46:00 -
113:
桃
けれどこんな事で光が諦める事はなかった。
どうしてそんなにあたしに執着するのか分からない……2006-12-24 06:48:00 -
114:
桃
その日から明らかに光だと分かるメールが何通も来た。
それもわざわざアドレスを変えて送って来る。あたしがそのアドレスを拒否するとまた違うアドレスで送られて来るメール……2006-12-24 06:49:00 -
115:
桃
電話も携帯が着信拒否されているならと非通知、公衆電話、家電と次々かかって来る。
一度光と分からずに電話を取ってしまったけれどスグに切ってそれ以来非通知電話も公衆電話からの着信も拒否。光の家電も拒否設定にした。2006-12-24 06:52:00 -
116:
桃
そんな日々が続き丁度前に光と会ってから1週間が経った金曜日。
あたしは友達と学校をサボッて地元でブラブラと遊んでいた。夜近くになり友達と別れた後家に帰ろうと歩いているとあたしの目の前に信じられないものがうつった。2006-12-24 06:56:00 -
117:
名無しさん
一番最初にレスしたものです?今この小説が一番気になるので頑張って下さい?
2006-12-24 11:23:00 -
118:
名無しさん
ォモロィ??
2006-12-26 04:05:00 -
120:
桃
冬の夜道に車のライトや道路に沿って並ぶ店の照明はとても綺麗に光って世界を照らす。
だからあたしには遠目でもハッキリわかった…それが光だと・・・。2006-12-26 05:11:00 -
121:
桃
紺色の学ラン。太った体。茶色い髪。そして、この背中に走る奇妙な恐怖間。
1歩1歩、確実にあたしに向かって来る。
頭の中が真っ白になる…2006-12-26 05:16:00 -
122:
桃
あたしはその場で固まったまま動けなかった。
(・・・なんでココにおるん・・・)
ギュッと強く携帯を握る。
(怖い。動け足ッ。逃げなきゃ)
心はそう叫ぶけど足は動かなかった。ここはあたしの地元なのに、光の家はココから凄く遠いはずなのに。2006-12-26 05:22:00 -
123:
桃
次の瞬間目が合った。光の顔はパァッと明るくなり少しはにかんだ笑顔を見せる。
光は走る事もなく、ただ少し歩くペースを上げてあたしに近付いて来る。2006-12-26 05:25:00 -
124:
桃
光との距離は後10メートルぐらい。8メートル…5メートル……3メートル。あたしは叫んだ。
「ッ!なんでッ、ココにおるん?」
詰まった。声がうまく出ない。2006-12-26 05:27:00 -
125:
桃
光は笑顔のまま言う。
「金曜やから会いに来てん??この時間に駅のそばおったらきっと会えると思って?てか腹減ったからマクド行こッ」
光はまるで1週間前から抜け出して来たように先週駅で会った時のまんまだった。2006-12-26 05:33:00 -
126:
桃
光はこの1週間の拒否したとか、無視したとか、そんな出来事なんてなかったかのように普通だった。
それがあたしにはとてつもなく怖い…2006-12-26 05:40:00 -
127:
桃
「はぁ?会いに来た??ふざけんなよ、気持ち悪いッ。完全にストーカーやんけ」
精一杯強がる。
だけど今日の光はそれでも笑顔を絶やさない。
「いーやん、会いたがってんから?桃ちゃんの顔見たかってん。」2006-12-26 05:45:00 -
128:
桃
「あんたが会いたくてもあたしは会いたないねん。二度と人の地元ウロウロすんなッ」
怖い…怖い…怖い……
「なんでそんなん言うん??ストーカーとかばり傷つくしな。」
光が今日始めてムッとしたような顔をする。2006-12-26 05:48:00 -
129:
桃
「完全にストーカーやんか!鬼電したり鬼メールしたり…人の地元で待ち伏せするとかマジありえんッ。」
光の顔からどんどん笑顔が消えていく。2006-12-26 05:51:00 -
130:
桃
「なんでそんな酷い事言うん?俺はただ桃ちゃんに会いに来ただけやのにストーカーとか、あたしは会いたくないとか、そんなん言われて俺がどんだけ傷つくと思ってるん??」
怒ったような口調。
光は自分にはまったく非がないように、あたしが全部悪いように言う。2006-12-26 05:55:00 -
131:
桃
光は完全に頭のどっかがイカれてる。コイツに何を話しても無駄だろう。
あたしは瞬時に持ってたスクール鞄を光に向かってブンッ!!っと振り回し、ひるんだ隙に思いっきり走った。2006-12-26 05:59:00 -
132:
桃
近くにあった信号は丁度青が点滅して赤に変わる所だった。
あたしはその信号をギリギリで渡りきると実家とは正反対方面へと逃げる。
とっさに『家がバレたら大変だ』冷静な思考が働いた。2006-12-26 06:02:00 -
133:
桃
いきなり逃げたあたしに唖然としながらも光は途中まで追って来たけれど、赤になってしまった信号にひっかかりそこで足止め状態。
光が止まった事を確認してもあたしは走り続けた。出来るだけ道路から離れた住宅街の方へ。2006-12-26 06:05:00 -
134:
桃
このまま逃げきれるだろうか?
いや、光の事だからきっと諦めが悪いはず…誰かに助けを求めなきゃ・・・
息を切らしてあたしは住宅街の近くにあるあまりお客さんのいない本屋に入った。2006-12-26 06:08:00 -
135:
桃
店員さんに
「スミマセン!メル友がストーカーで!今近くに来てて…追われてるんですッ、かくまって下さい!」
なんて言える訳もなくあたしはとりあえず自分が立ち読みしてても可笑しくない女性誌コーナーで息を落ち着かせる。2006-12-26 06:10:00 -
136:
桃
丁度そこからは本屋の入り口がよく見えた。
これで光がもし入って来てもすぐ分かる。第一店の中だし、店員さんもいらる。防犯カメラもある。
それにこれ以上安全な所が見当たらなかった。
下手に外に出たらきっとあたしを探してるであろう光とはスグに再会しそうな感じ。2006-12-26 06:14:00 -
137:
名無しさん
気になる?
2006-12-26 23:07:00 -
138:
名無しさん
めっちゃ面白い☆頑張って完結させてほしい(*^_^*)きっと毎日見ちゃうし…笑
頑張ってね♪2006-12-27 03:44:00 -
140:
桃
目の前にあった占い雑誌を手に取ってみたけど読む気にはなれない…
それよりも誰かに助けを求めたかった・・・
ポケットから携帯を取り出す。光からの着信はなかった。2006-12-28 03:13:00 -
141:
桃
(誰か…誰か助けて……)
震える手でメモリを開く。学校の友達、先生、家族、元同級生…誰にもメル友に追われてるなんて言えない。
あたしが頼れるのは、やっぱりメル友しかいなかった。2006-12-28 03:16:00 -
142:
桃
キョウちゃんにメールを打つ。数多いメル友の中でもあたしが一番信頼出来るのはキョウちゃんぐらい…そのキョウちゃんからは今日1度もメールが返って来ていない。
2006-12-28 03:19:00 -
143:
桃
キョウちゃんなんかに頼ったって所詮は東京の子。
助けに来てくれる訳じゃない。
守ってくれる訳でもない。
それでもあたしはキョウちゃんにすがりたかった。2006-12-28 03:22:00 -
144:
震える手を押さえてキョウちゃんに今あった出来事を簡単に説明する文を打つ。
それでもかなり長文になってしまったけれど。
―送信―" " "06/12/28 03:242006-12-28 03:24:00 -
145:
桃
返事が返って来るまでの間あたしは入り口の自動ドアを気にしながら立ち読みしているフリをした。
ドアが開く度にビクつき、ガラス張りの本屋の前を学生服の男の子が通る度に恐怖でいっぱいになる。2006-12-28 03:27:00 -
146:
桃
しばらくするとポケットの中で怒ったように携帯が震える。
(光だ!!)
とっさに思ったけれど違った。
―着信 キョウちゃん―
キョウちゃんだ!!2006-12-28 03:29:00 -
147:
桃
キョウちゃんには番号を教えてあった。
スグに通話ボタンを押して電話に出る。
「もしもし?キョウちゃん??」
あたしはもう泣きそうだった。2006-12-28 03:31:00 -
148:
桃
「桃?大丈夫??いまドコなの?相手の男は?」
優しい声…喋り方。キョウちゃんの標準語がそう感じさせるのかもしれない。
「今は近くの本屋さんに逃げて来た…どうすればいい?めっちゃ怖いよ・・光はきっとまだ近くにおると思う」
あたしは涙を必死にこらえた。2006-12-28 03:36:00 -
149:
桃
「わかった、落ち着いて。泣かないで桃。大丈夫だから…」
優しく諭してくれるキョウちゃん。あたしはただ頷いた。2006-12-28 03:41:00 -
150:
桃
「とりあえず外から見えないような店の奥に行って、しばらく様子を見よう。大丈夫、店員さんもいるんだから何の心配もないよ。」
あたしは言われた通りに店の奥に行く。そこはちょうど漫画本コーナーになっていた。2006-12-28 03:42:00 -
151:
名無し
更新して
2006-12-28 03:47:00 -
152:
桃
「来たよ…ココやったら店の外からは見えへんと思う。ただこっちからも入り口は見えへんけど…」
この位置からじゃまったくと言っていい程外が見えない。
「それでいいよ。そこでしばらく時間潰して、1時間ぐらい経ったら出来るだけ駅の近くを避けて家に帰えろう。きっと大丈夫だから」2006-12-28 03:48:00 -
153:
桃
キョウちゃんは最後に何度も何度もあたしを励まして電話を切った。
助けに来てくれる事はないけど、守ってくれる事はないけど、それでも嬉しかった。
キョウちゃんがいてくれて本当によかった…2006-12-28 03:52:00 -
155:
桃
やっと落ち着いて震えの止まった体。
あたしはキョウちゃんに言われた通り1時間そこで暇を潰す。
漫画コーナーには立ち読みをしている学生が何人かいて、あたしもそれに混ざって漫画本を読んだ。2006-12-28 03:56:00 -
156:
桃
あっという間に1時間が経ち、念の為に後30分本屋で立ち読みしてあたしはキョウちゃんに言われた通り外に出た。
時間はもう夜の9時を過ぎていた。
光からの着信やメールは一切ない。もしかしたら諦めてもう帰ったのかもしれない。2006-12-28 03:59:00 -
157:
桃
出来るだけ大通りを避けて駅から一番遠い道から家へと急ぐ。
(光がいたらどうしよう…今度はどこに逃げよう?そもそも逃げられないかもしれない…)
心は不安と必死に戦っていた。
それでも何とか家までたどり着きあたしは急いで鍵をかける。2006-12-28 04:04:00 -
158:
名無しさん
面白い☆この小説一番好き(*^_^*)
2006-12-28 04:06:00 -
159:
桃
―ガチャンッ―
そこでやっと体の中に安心感が溢れて来た。
よかった…光はいなかった…キョウちゃんの言った通りだ。
「桃?どうしたん?顔色悪いで?」
家の奥からオカンが顔を出す。2006-12-28 04:07:00 -
162:
桃
そのオカンの顔を見てまた涙が溢れて来る。
「何もないよ…外寒かったカラ、ちょっと血行悪くなったんちゃう?」
そんな事を言いながら必死で涙ぐむのをこらえて笑ってみせる。
「そう?ならいいけど。ご飯あるよ☆」
オカンはそう言って温かいご飯を出してくれた。2006-12-28 04:13:00 -
163:
桃
家の中はあたしの今日の出来事なんて関係なくて、家族はいつも通りあたしを迎えてくれる。
オカン。今日こんな事があって凄く怖くてさ、大変だったんだよ?
そんな事言える訳なかったけど、心の中でオカンに話した。2006-12-28 04:17:00 -
164:
桃
部屋に戻りキョウちゃんに無事に帰れた事を報告。
キョウちゃんからはまた電話がかかって来て、あたしはそこで今まで我慢してた分おもいっきり泣いた。
キョウちゃんはただ笑って慰めてくれて、優しい口調でなだめてくれた。2006-12-28 04:21:00 -
165:
桃
この一件であたしは出会い系の怖さを知った。
やっぱり出会い系なんかで直接会うべきじゃない。電話番号なんてむやみに教えるもんじゃない。
痛い目を見て初めて分かるこの恐怖。2006-12-28 04:24:00 -
166:
桃
光との事があってからあたしはすぐに携帯を変えた。
ボーダフォンからドコモへ。もちろん番号ごと。
駅に行けばいつ光と出会うか分からない。通学も電車から自転車にした。急に自転車通学にすると言い出したあたしにオカンも交通費が浮くと喜んで了承してくれた。2006-12-28 04:29:00 -
167:
桃
メル友は本当に信用出きる数人以外全部切った。もちろんその中の1人はキョウちゃん。
メモリの数は200件からいっきに2ケタまで減ったけど、なんだかそれもせいせぃした。2006-12-28 04:31:00 -
168:
桃
その恐怖を味わったからこそ変わる自分…
追われる側から追う側に回ろうとする気持ち
恐怖を感じるんじゃなく与える側に
だから私は計画する
まずはストーカーを消す方法を…2006-12-28 04:32:00 -
169:
桃
アドレスの変えた。番号も新しい。駅で出会う事もきっともうない。これでやっと光と縁がキレる。これでもう光と関わらずに済む。
2006-12-28 04:39:00 -
171:
桃
全てあたしが悪い。
出会い系をやった事も、軽はずみに光と会った事も…光の一件があったのに、それでもまだ出会い系をやめなかったあたしが悪い。
そう、あたしはドコモに変えてからも出会い系から足を洗えなかったのだ。2006-12-28 04:42:00 -
172:
桃
って言っても男を作る気なんてサラサラない。
あたしは光の一件以来すっかりキョウちゃん一筋。最初はメルカレなんてあんなに気持ち悪かったのに…あたしはキョウちゃんが好きになってしまっていた。
遠距離でもいい。会った事がなくたっていい。この気持ちは確かに『好き』って感情だって分かるから…2006-12-28 04:46:00 -
173:
桃
それでも出会い系を辞めれなかったのはただ女の子の友達が欲しかったから。
友達なら学校の同級生や地元の仲間が何人かいたけれどもっと心が許せる、何でも話せる友達が欲しかった。
その時期ちょうど学校であたしのグループの何人かが喧嘩して仲が悪かったのも原因の1つだった。2006-12-28 04:53:00 -
174:
桃
キョウちゃんとしたい
頭の中が想像でいっぱいになってた2006-12-28 04:54:00 -
175:
桃
そんな日常に疲れて出会い系で女友達を募集する毎日。
だけど女同士ってのは案外難しいもので、なかなかメールが続かない。2006-12-28 04:58:00 -
177:
桃
メル友の1人に相談してみたら
「女の子同士だったら欲がないから続かないちゃう?男と女やったら少なからず相手に気に入られたいって考えがあるからなぁ。男同士でもメールなんて続かんし、それがネットの世界じゃ尚更やろ」
って答えが帰って来た。そっか…なんか納得。2006-12-28 05:01:00 -
179:
偽桃
嫌だー
やめないよー2006-12-28 09:23:00 -
180:
名無しさん
偽桃止めて!!
2006-12-28 14:08:00 -
181:
名無しさん
更新楽しみ(*^_^*)
2006-12-31 12:38:00 -
182:
桃◆48AnMhjcn2
トリップつけました??遅そくなりましたが今から少し更新します??
2007-01-01 22:22:00 -
183:
桃◆48AnMhjcn2
人間ってのはどうしても同じ事を繰り返してしまうみたいで、あたしはまさにソレだった。
メル友が減ってガラ空きになったメモリ。何度問い合わせをしても誰からも来ないメール。消す事のなくなった受信ボックス。2007-01-01 22:30:00 -
184:
桃◆48AnMhjcn2
考えてみれば友達とは毎日学校で会うし、家族だってたいした用事でもなければメールなんてして来ない。
携帯なんて持ってるだけ。たまにサイトを開き、たまに人と連絡を取るだけ。
ただないと困るだけ。
ないと不安になるだけ…2007-01-01 22:39:00 -
185:
桃◆48AnMhjcn2
メル友を作る前ならこんなの当たり前だったのに今じゃもう耐えられなかった。あたしは完全に『依存』していた。
2007-01-01 22:40:00 -
186:
桃◆48AnMhjcn2
毎日出会い系のを開くけど手応えはなかった。
サイトに乗ってる女の子にメールしても続かない。自分が投稿しても返事はない。
なんだか自分が必要とされてないみたいだった…2007-01-01 22:47:00 -
188:
桃◆48AnMhjcn2
春休みになると一層暇を持て余したし、鳴らない携帯は世界から取り残されてる気分にさせる。
光との事も『過去』になりつつあった。
あたしの中では怖さも時間がとともに薄れて行くらしい・・・
そんな自分が怖かった。だけど寂しさはその何倍もあたしを苦しめる。2007-01-01 22:57:00 -
189:
桃◆48AnMhjcn2
だから、あたしはやってしまった。
教訓も生かせないバカなのは分かってる。
最初は少し尻込みしたけれどサイトに男友達募集と書けばすぐに大量のメールが舞い込んで来た。2007-01-01 23:00:00 -
190:
桃◆48AnMhjcn2
―新着メール 20件―
ちょっと目を離すとすぐにメールは溜まり受信ボックスを埋めていく。
それが自分の心に空いていた穴を塞いでいくのが分かる。2007-01-01 23:06:00 -
191:
桃◆48AnMhjcn2
そんな事で満たされるちゃちぃ心。
それからはまた前のような生活に逆戻り。
メモリは似たような名前の男達で埋め尽くされて受信ボックスもデータフォルダの写メもすぐにいっぱいになったし、メールも画像も古い順から消していく生活。2007-01-01 23:17:00 -
192:
桃◆48AnMhjcn2
最初は元カレのいなくなった寂しさを紛らわせる為に始めたのに、今じゃきっと元カレでもあたしの心を満たせない。
あたしを満たしてくれるのは不特定多数のメル友達だけ。2007-01-01 23:21:00 -
193:
桃◆48AnMhjcn2
メル友が増えるとキョウちゃんがなかなか返事を返さない事もなんだかそんなにイライラしない。
キョウちゃんじゃ補えない所は他のメル友が補ってくれたから。
あたしは異常だった。2007-01-01 23:24:00 -
194:
桃◆48AnMhjcn2
新しい学年になってもあたしのメル友依存は続き、そのうち四六時中携帯をいじっているあたしを友達や家族が心配し始めたけれど年上のメル友は先輩。年下は後輩。同じ年は友達だと言ってかわし続けた。
2007-01-01 23:29:00 -
195:
桃◆48AnMhjcn2
充電機はいつも持ってたし、学校でも家でも常に充電。寝る時も携帯を離さなかった。
そしてできたメル友の中で一番連絡を取り合っていたのが二十歳のユウタ。ユウタは九州に住んでいた。2007-01-01 23:37:00 -
196:
名無しさん
読んでます★頑張ってください??
2007-01-02 19:01:00 -
197:
名無しさん
?
2007-01-12 13:48:00 -
199:
桃◆48AnMhjcn2
ユウタは返事を返して来るのが異様に早い。キョウちゃんが1通返してくる間にユウタは10件以上メールを返して来る。
1日の大半をユウタとのメールで潰す毎日。2007-01-17 00:39:00 -
200:
桃◆48AnMhjcn2
普通ならこれだけ毎日メールしてると自然にメルカレのような関係になるのだけど…ユウタは違った。
彼からは毎日「好き」だの「付き合って」だのメールが来たけれど、あたしは何故かOKする事が出来なかった。2007-01-17 00:47:00 -
201:
桃◆48AnMhjcn2
あたしは確かに感じていた。ユウタへの『違和感』を…
ユウタは何かがおかしかった。2007-01-17 00:49:00 -
202:
桃◆48AnMhjcn2
「ユウタって九州のドコに住んでんの〜???」
「俺は長崎やで??桃ちゃん来た事ある??」
…やっぱりおかしい。2007-01-17 00:54:00 -
203:
桃◆48AnMhjcn2
「行った事ない…??じゃあ学校も長崎なん??」
「まぢかぁ?今度おいでや??そーやで???大学行ってんねん??」
あたしの違和感はどんどん膨らんで確信に変わって行く。2007-01-17 01:01:00 -
204:
桃
ユウタは九州の長崎住み。なのにメールは何故か関西弁。
東京のキョウちゃんはいつも標準語で、他のメル友はそれぞれの生まれ育った地方の方言を使う。なのにユウタだけは関西弁を使っていた。2007-01-17 01:06:00 -
205:
桃◆48AnMhjcn2
ただ住みを偽ってるのだろうか??何の為に??
他にもユウタは不思議な所がいっぱいあった。
やたらにあたしの元カレの事や今までの恋愛の事を聞きたがる。
時々まるで尋問を受けているような気分になる。2007-01-17 01:10:00 -
206:
桃◆48AnMhjcn2
「今まで付き合った人数は?」「今のメルカレの数は??」「体験人数は???」「今までメールした中で一番いいヤツは????」
ユウタはあたしが今まで作ってきたメル友の事を何でも知りたがった。2007-01-17 01:15:00 -
207:
名無しさん
読んでるよ・頑張って
2007-01-17 01:18:00 -
208:
名無しさん
ひかるやそいつ
2007-01-17 05:22:00 -
209:
名無しさん
気になる!!
2007-01-18 06:33:00 -
211:
桃◆48AnMhjcn2
正直気持ち悪かった。あたしにまだ正常な感覚が残っているとしたら素直にそう思えた事だと思う。
時間が経つにつれあたしはユウタと距離を取るようになった。
だけど反対にユウタは時が経てば経つ程あたしに対して異様なまでに執着していた。2007-01-23 03:43:00 -
212:
桃◆48AnMhjcn2
だけどある時ふっとユウタからのメールが途切れた。
今まで返事をしなくても連続して来ていたメールはパタリと止んだ。
それはちょうど6月の雨の多い時期。今でもハッキリ覚えている。2007-01-23 03:50:00 -
213:
桃◆48AnMhjcn2
雨になると自転車通学も厳しくてあたしはしばらく電車通学に切り替えた。時間が経って安心していたのだ。
もう光の恐怖は消えていた。
ユウタの事もあたしがあまりに素っ気ない態度を取っていたから自然消滅したぐらいにしか考えてなかった。2007-01-23 03:53:00 -
214:
桃◆48AnMhjcn2
中間テストが終わった金曜日。仲間内で恒例になっているテスト開けのカラオケの帰り道。
それは何気ない1日で、いつも通り学校のある駅から友達数人と電車に乗り地元の駅で1人降りる。
「バイバーイ」「また月曜な???」2007-01-23 03:57:00 -
215:
桃◆48AnMhjcn2
今日も大阪は雨。
駅の階段を下りながらキョウちゃんにメール。
「今日でテスト終わったよ☆明日から遊べるわぁ???今カラオケの帰りやねん??」
何気ない会話。何気ない平和な1日。2007-01-23 04:02:00 -
216:
桃◆48AnMhjcn2
すぐにバイブが鳴ってキョウちゃんから返事が来た。
「俺も今日でテスト終わったよ?明日から少しは勉強しなくて済むかも☆メールも返せるしね?」
こんなに早くメールが返って来るなんて珍しい。あたしはすぐに返信ボタンを押した。2007-01-23 04:05:00 -
217:
桃◆48AnMhjcn2
携帯ばかり見ていたあたしは階段を半分ぐらい降りた所ではじめて一番下の段に誰か座っているのに気付いた。
黒髪だけどいきりヤンキーのようなガタイがいい半袖のカッターシャツの子。そのデカい体で階段は半分以上塞がれている。2007-01-23 04:09:00 -
218:
桃◆48AnMhjcn2
(誰やねんホンマだるぃ…)
あたしはわざとその子の前で傘を開き迷惑そうに横を抜けた。
雨は思ったより大粒で歩きながら文字を打つとすぐに携帯の画面を濡らす。2007-01-23 04:17:00 -
219:
桃◆48AnMhjcn2
めげずに雨を拭き取りながらそれでもメールを打つあたしの根性も凄いけれど…
「大阪めっちゃ雨降ってるわぁ??まぢ携帯濡れるし…」
そこまで打ってあたしは急に凄い力で肩を掴まれた。2007-01-23 04:20:00 -
220:
名無しさん
いや〜?
2007-01-23 04:22:00 -
221:
桃◆48AnMhjcn2
ビックリして振り返る。さっき階段の下にいたカッターを着た学生??…傘で顔がよく見えない………
次の瞬間
「やっぱり桃ちゃんや」
その声を聞いたあたしの背中に何かが走った2007-01-23 04:23:00 -
222:
桃◆48AnMhjcn2
次の相手の瞬間顔が見えた。見たくなかった…
あの時と全然印象が違う。学ランはカッターシャツに、明るい髪の色は黒に。でもコイツだけは忘れはしない…この顔だけは…
はにかんだ笑顔がそこにあった。
………光…………。2007-01-23 04:28:00 -
223:
名無しさん
(;´д`)
2007-01-23 04:30:00 -
224:
桃◆48AnMhjcn2
声が出ない。一瞬で口の中が乾くのが分かる…
あたしの心臓はバクバクと痛いぐらいに鼓動していた。
「桃ちゃんッ?」
語尾にハートが付くような声で光がもう1度あたしに呼びかけた。2007-01-23 04:31:00 -
225:
桃◆48AnMhjcn2
「…………はぁ?」
あたしの口から出たのはその一言だけ。
頭がパニクって意味がわからない。
「会えてよかった☆」
光が言った。2007-01-23 04:32:00 -
226:
桃◆48AnMhjcn2
光はあたしの腕を掴んだ。
『逃げるなよ』
そう言うように。
「久しぶり。元気やった?俺がおらんくて寂しくなかった?」
まるで遠距離恋愛をしていた恋人のようにあたしに話しかける光。2007-01-23 04:35:00 -
227:
桃◆48AnMhjcn2
意味がわからない。なんでココにいるの?まるで今日あたしがココに来る事を知っていたみに。
気持ち悪い…気持ち悪い……気持ち悪い……………2007-01-23 04:39:00 -
229:
桃◆48AnMhjcn2
「触んな!!」
あたしは掴んでいる手を振り払った。頭で考えるより行動が先に出る。
あたしは向きを変えて歩き出した。
「桃ちゃんっ!」
光の声を振り払うように。2007-01-23 04:48:00 -
230:
桃◆48AnMhjcn2
しばらく歩いて振り返るとすぐ後ろをピッタリ光がついて来てる…
「気持ち悪いねん!何なん??」
言ってまたあたしは歩き出す。
光はその後ろを困ったような顔で着いて来た。2007-01-23 04:51:00 -
231:
桃◆48AnMhjcn2
最初に感じた恐怖がだんだんイラつきに変わる。
「何やねん!着いて来んなよ!キショいんじゃ!!」
業を煮やしたあたしは光につかみかかった。2007-01-23 04:52:00 -
232:
桃◆48AnMhjcn2
光は何も言わず途方に暮れたような顔をしてあたしを見た。まるでワガママな小さな子供の扱いに困っているみたいに。
それがまたあたしをイライラさせる。2007-01-23 04:54:00 -
233:
桃◆48AnMhjcn2
「何も言わんのやったら帰れや!これ以上何かやったらストーカーや言うて警察行くで!?」
あたしの声はどんどん大きくなる。
「桃ちゃんっ!」
光がそう呼ぶ事がもう気持ち悪くて耐えられなかった。2007-01-23 04:57:00 -
234:
桃◆48AnMhjcn2
「桃ちゃん!!」
それでも光はあたしの名前を呼び続ける。
「何やねん!」
興奮して今にも殴りかかりそうなあたしの肩を光が掴んだ。
「どっかで話ししよ」2007-01-23 04:59:00 -
235:
桃◆48AnMhjcn2
「誰があんたと話しなんかすんねん!話す事なんかないわっ」
「いーからッ」
「何がいーねん!ほんま警察行くで!?」
言い合いが続く。2007-01-23 05:01:00 -
236:
桃◆48AnMhjcn2
何分こんな事を言い合ったか分からない。だけどあたしの興奮がだいぶ落ち着くまで続き、冷静になったあたしはこのままじゃ永遠に光が帰ってくれる事がない事を悟る。
そして話しをする事を了承した。2007-01-23 05:03:00 -
237:
桃◆48AnMhjcn2
落ち着けて雨が当たらない所。
あたしは近くの住宅街にある大きな公園に光を案内した。
そこには屋根付きの休憩所みたいなベンチがあり何とか雨も当たらない。そこにあたしと光は離れて座った。2007-01-23 05:06:00 -
238:
桃◆48AnMhjcn2
しばらく沈黙が続く。
話す気がないのか光はボーっと遠くを見ているだけ。
しばらくして光はタバコを1本吸いそれを地面に投げ捨てると口を開いた。2007-01-23 05:09:00 -
239:
名無しさん
最初から読んだけど、めっちゃ恐いなぁ?がんばって、完結してください?
2007-01-23 05:10:00 -
240:
桃◆48AnMhjcn2
「なんで携帯変えたん?」第一声がソレ。
あたしは答えなかった。
「で、何の用??」
代わりにそう切り替えした。2007-01-23 05:11:00 -
241:
桃◆48AnMhjcn2
「何の用って…そんな言い方ないやん。用がないとアカンの?」
話ししよって言っときながらコレだ。意味が分からない。
「用ないなら帰ってくれん?迷惑」
あたしは冷たく言い放つ。2007-01-23 05:14:00 -
242:
桃◆48AnMhjcn2
「なんなんその言い方?そんなに俺と会いたくないん?来て喜んでくれると思ったのに!」
今度は光が興奮して声がデカくなる。
「俺ほんまに桃ちゃんの事好きやねんで?なんで分かってくれへんの?」2007-01-23 05:17:00 -
243:
桃◆48AnMhjcn2
「俺と付き合ってくれたら絶対幸せにさすし!欲しいもんも買ってあげるし!!」
光の熱弁は続く。
「じゃあ財布でも買って。ヴィトンのマルチカラー」
あたしはしれっと言ってのけた。2007-01-23 05:21:00 -
244:
桃◆48AnMhjcn2
「いーよ!じゃあそれ買ったら付き合ってや!!」
うっとーしいって言うのはこういう事を言うのか…
そう言うと光は満足したのか帰って行った。いつにもなく帰り際はあっさりしてる男だ。
あの言い合いが嘘のよう。2007-01-23 05:24:00 -
245:
桃◆48AnMhjcn2
それからというものあたしは雨の日でも自転車で学校に通った。
もうあんなにうっとーしぃ男に付き合うのはゴメンだ。
それが効いたのかそれから1ヶ月光と接触する事もなくあたしはまた平和で平凡な毎日を送っていた。2007-01-23 05:27:00 -
246:
桃◆48AnMhjcn2
放課後。
たまたま残っていたあたしは友達の部活に付き合いそのまま話し込んでいた。
そろそろ帰ろうかと数人で廊下を歩いていると同じクラスの女の子に呼び止められた。
「桃!校門で誰か呼んでるよ〜」2007-01-23 05:31:00 -
247:
桃◆48AnMhjcn2
(校門??誰???)
頭の中はハテナでいっぱいだった。
友達に先に行ってもらうように言いあたしは校門に向かった。
学校はもうほとんどの生徒が帰り残っているのは部活の生徒ぐらい。人もまばらだった。2007-01-23 05:34:00 -
248:
桃◆48AnMhjcn2
見ると校門の横、日陰になってる所に人がいる。1人は男の子…違う学校の制服を着てしゃがみ込んでいてもう1人は女の子。古着系の私服。
近づくと男の子が立ち上がり2人であたしの方に歩いて来た。2007-01-23 05:38:00 -
249:
桃◆48AnMhjcn2
日陰から出て来るとハッキリわかった。またあのはにかんだ笑顔。………光だった………。
なんで学校まで???ってかあたしは光にどこの学校に行ってる何て話した事もない。
それにこの女の子…2007-01-23 05:40:00 -
250:
桃◆48AnMhjcn2
「桃ちゃん!」
あたしを見つけて嬉しそうな光の笑顔。あたしは顔がひきつるのを感じた。
そして横では女の子が軽く頭を下げる。
(何???誰???何で?????)2007-01-23 05:43:00 -
251:
桃◆48AnMhjcn2
>>242さんありがとう御座います?読んでもらえて本当に嬉しいですっ?
今日はこのへんにしておきますね??また近いうちに更新しようと思います?2007-01-23 05:45:00 -
252:
名無しさん
気になる?これ純粋に1番好きやから頑張って?
2007-01-23 06:24:00 -
253:
名無しさん
???
2007-01-24 03:47:00 -
254:
名無しさん
?
2007-01-26 16:11:00 -
255:
名無しさん
気になり過ぎるから??
2007-02-12 01:16:00 -
256:
桃◆48AnMhjcn2
みなさん上げて下さって本当にありがとう御座います?文章力がないのは重々承知なのですが話をまとめるのに手間取ってなかなか更新出来ませんでした?
ですが待ってくれている方がいて下さるので頑張って更新します?(>_2007-02-12 04:21:00 -
257:
桃◆48AnMhjcn2
声が出ないあたしをよそ目に2人は嬉しそうな顔で笑っている。
(なんなん??意味わからんねんけど…)
「はじめまして。桃ちゃんですよね?光くんの彼女の」
横の女の子が言う。
(何言ってるん??彼女??あたしが??)2007-02-12 04:24:00 -
258:
桃◆48AnMhjcn2
意味が分からない。
「そうやで??可愛いやろ。俺の彼女の桃ちゃん?」
間髪入れずに光が言った。
(なんなん?何言ってるんこいつら)2007-02-12 04:27:00 -
259:
桃◆48AnMhjcn2
「はぁ?何言ってるん??誰が付き合ってるって??」
あたしが言うと女の子は不思議な物を見るような目であたしを見て当たり前のように言った。
「え?光くんの彼女でしょ?いいなぁ〜光こんな可愛い彼女おるんやん☆」
すると横で光が照れたように笑う。2007-02-12 04:30:00 -
260:
桃◆48AnMhjcn2
「はぁ!?あたしがこんなヤツと付き合ってる訳ないやん!いいかげんにしてや!ってかアンタ誰??ってか何であたしの学校におるん??意味わからんし!気持ち悪ッ…」
あたしには言いたい事が山程あった。
「コイツ俺のクラスメイトやねん☆桃ちゃんの学校から家近いから案内してもらっただけやで。」2007-02-12 04:34:00 -
261:
桃◆48AnMhjcn2
「ってかお前もういいから帰れ。帰りは桃ちゃんと帰るから大丈夫やし」
光はそう言って女の子に帰るように促す。
「はいはい、アンタはいっつもそうやねんから(笑)あたしはどーせパシリやもんなぁ〜?彼女と2人きりなりたいんやろ(笑)」2007-02-12 04:37:00 -
262:
桃◆48AnMhjcn2
最後にそう言うとその女の子はそそくさと校門を出て帰って行く。
(なんなん??どーゆー事??何であたしと光が付き合ってる事になってるん??)
「どーゆー事やねん!!ちゃんと説明しろや!!」
あたしは光に怒鳴った。2007-02-12 04:40:00 -
263:
桃◆48AnMhjcn2
「そんな怒鳴る事ないやん?ってかあいつクラスで嫌われていじめられてんねんで(笑)可哀想やから相手してやってるケドぶっちゃけ俺のパシリ☆」
笑ってそう言うヒカルにあたしはブチギレた。
「そんなん聞いてるんちゃうねん!何であたしとアンタが付き合ってる事なってんねん!ってか何でアンタがココおるん!?気持ち悪いねん!ストーカー!!」2007-02-12 04:43:00 -
264:
桃◆48AnMhjcn2
キレるあたしに光は終始笑って答える。
「いーやんもう付き合ってるで(笑)俺学校では桃ちゃんの事彼女って言うてるから?」
(はぁ!?なんなんコイツ…まぢ気持ち悪い……)
「ふざけんなよ気持ち悪い!誰がアンタなんかと付き合うか!」2007-02-12 04:46:00 -
265:
桃◆48AnMhjcn2
「やって俺桃ちゃん好きやし(笑)何回も付き合ってって言うてるやん。」
あたしはもう頭がおかしくなりそうやった。
「意味がわからん……。ってかなんであたしの学校知ってるん?あたしあんたに学校言うた事ないよな??」
光への怒りと恐怖が同時に押し寄せる。2007-02-12 04:50:00 -
266:
桃◆48AnMhjcn2
「…え?学校前教えてくれたやん?」
光は当たり前のように離す。
(絶対嘘。あたし光に自分の学校の名前も場所も言うた事ない!!こんなヤツに言う訳ないっ)
「はぁ?言うた事なんかないわ!何で知ってるん?どうやって調べたん?」
あたしは光を睨みつける。2007-02-12 04:53:00 -
268:
桃◆48AnMhjcn2
光は少し戸惑ったような素振りを見せる。
「えっ…言うてたやんメールし始めた頃!覚えてないん??」
この言い方絶対怪しい。
「嘘つくなや!どーやって調べてん!!何やったら今からあたしがあんたに送ったメール全部見返そーか?まだ残ってんねんで?」
もちろん嘘。携帯も変えてるし、第一こんなヤツのメール気持ち悪くてずっと前に全部消去した。でもあたしは強気で問いただす。2007-02-12 04:59:00 -
269:
桃◆48AnMhjcn2
光は黙り込んでしばらくしてやっと口を開いた。もう表情に笑顔はなかった。
「ちょっと調べただけやん?何が悪いん?」
(今度は開き直り!?)
あたしはもう呆れて物が言えない。
「ちょっと調べただけって…よくそんな事言えるなぁ。神経疑うわ…。」2007-02-12 05:04:00 -
270:
桃◆48AnMhjcn2
ここまで来ると本気でイカれてるのかと思ってしまう。
「ハッキリ言うけどあんた気持ち悪いねん。もうあたしに関わらんとって。学校まで調べて…本気で警察行くからな」
あたしは冷たい目で光を睨みつけた。もうあたしは光の恐怖にも慣れ始めたのかもしれない。2007-02-12 05:10:00 -
271:
桃◆48AnMhjcn2
「なんでそんなん言うん!?ちょっと調べただけやんか!そんなんで気持ち悪いとかバリ酷いしな?関わらんとってとかせっかく来たのにそんなん言う事ないやん!」
光が声を荒げる。お得意の意味の分からん話がまた始まった。
「あんたと話したくないねん。意味分からん事ばっか言うて頭おかしいんちゃうん??もう二度と来んな」
あたしは心の底からそう言った。2007-02-12 05:14:00 -
272:
桃◆48AnMhjcn2
「ほんま桃ちゃん…何でそんなん言うん??ってかなんで俺がそんなん言われんとアカンの??せっかく学校まで来て喜んでくれると思ったのに…こんなんやったら来ん方がよかったしな?どーしてくれるん?」
(コイツには何話してもあかんわ…絶対どっかおかしい……気持ち悪い)
あたしはもう我慢の限界やった。2007-02-12 05:19:00 -
273:
桃◆48AnMhjcn2
そこに丁度さっき別れた友達数人が自転車に乗って校門に来た。
「あれ?桃、その子誰なん?」
みんなが自転車を止めてあたしの方に話しかける。あたしはとっさにその友達の1人の自転車の後ろに飛び乗った。
「いいから行って!!」2007-02-12 05:25:00 -
274:
桃◆48AnMhjcn2
「……え!?いいん??
」友達は少し戸惑いながら自転車を漕ぎ出した。
「いーねん!早く!!」
あたしは必死に言う。2007-02-12 05:26:00 -
275:
桃◆48AnMhjcn2
「桃ちゃん!!」
後ろから光の声がしたけどあたしは無視して友達に振り切ってくれるように言いなんとか駅まで乗せてもらった。
とりあえず光の事はたちの悪いストーカーって事にして話しておいた。さすがにメル友とまでは言えなかったけど…2007-02-12 05:30:00 -
276:
桃◆48AnMhjcn2
「ほんまに1人で帰れる??何かあったらすぐ連絡して来るんやでっ」
友達はみんな凄く心配してくれて地元の駅まで一緒に帰ってくれた。
あたしの自転車は学校に置いて来てしまったので友達と駅で別れ寄り道せずに真っ直ぐ家へと歩く。
さすがに帰り道光に会う事はなかった。2007-02-12 05:34:00 -
277:
桃◆48AnMhjcn2
家に着き部屋のベッドに横になると沢山の疑問が頭によぎる。
(何であたしの学校知ってたんやろ…調べたって言っても名字すら知らんハズやのに………)
頭の中はモンモンとして気持ち悪い。2007-02-12 05:37:00 -
278:
桃◆48AnMhjcn2
留年したとか??一緒にいたクラスメイトという女の子が私服だったのを考えればその子は普通に卒業して進学なり就職なりしてるのかな??
考えれば考えるだけ分からなくなる……
もしかしたら年を誤魔化してるのかもしれない。2007-02-12 05:50:00 -
279:
桃◆48AnMhjcn2
そんな事をボーっと考えているといきなり耳元で携帯が鳴った。
いつもは電池がすぐなくなるので常にマナーモードに設定してるのに…何かの拍子で解除されたみたいだ。
キョウちゃんかと思ってメールを開くと見覚えない名前が表示されていた。2007-02-12 05:54:00 -
280:
桃◆48AnMhjcn2
―新着メール1件 ユウタ―
(ユウタ…??)
すぐには思い出せなかった。ユウタなんて名前の男沢山いる。でもカタカナで入れてるのなんて…
あたしはとりあえずメールを開いてみた2007-02-12 05:57:00 -
281:
桃◆48AnMhjcn2
「久しぶり!元気にしてる?最近何してんの???彼氏出来た?まだサイトやってるん??」
(思い出した……)
この質問だらけのメール。尋問男のユウタだ……。
ずっと音信不通だったユウタからの突然のメール。何故かあたしはユウタに返事を返さなかった。2007-02-12 06:00:00 -
282:
桃◆48AnMhjcn2
なんかひっかかる。
(そう言えば…)
あたしの中で嫌な仮説がふっと浮かんだ。これが女のカンとでも言うんだろうか。
(──あたし、ユウタには学校を教えた──)2007-02-12 06:05:00 -
283:
桃◆48AnMhjcn2
何かが糸で繋がった気がした。光と連絡を取らなくなってからメールするようになったユウタ。ユウタからのメールが来なくなったと思ったら光が現れた………次は光が現れたと思ったらユウタからメール。
ユウタにしか教えてない事を光が知ってる。九州住みだと言い張るのに関西弁のユウタ。2007-02-12 06:09:00 -
284:
桃◆48AnMhjcn2
ユウタにはしつこいくらいに質問され学校の事以外にも沢山の事を話している。九州なんだからとたかをくくってたのもあるけど……
もしかしたら、ユウタは光かもしれない。2007-02-12 06:12:00 -
285:
名無しさん
あげ?
2007-02-14 02:28:00 -
286:
名無しさん
めっちゃおもしろい?完結頑張ってください
2007-02-14 04:59:00 -
287:
名無しさん
めちゃ好き?頑張って??
2007-02-14 17:04:00 -
288:
名無しさん
しおり?
2007-02-15 01:11:00 -
289:
名無しさん
しおりo(≧x≦)o
2007-02-15 05:17:00 -
291:
桃◆48AnMhjcn2
そう考えると背中に気持ち悪い悪寒が走る。急に怖くなってあたしは今までユウタに送ったメールを探した。でもそのほとんどがもう消えていて残っていなかった。
2007-02-20 02:53:00 -
292:
桃◆48AnMhjcn2
(でも思い過ごしかも…)無理矢理自分に言い聞かせるけれど、やっぱり不安がぬぐえない。
思い出せるだけでもユウタには相当自分の事を話している。なのに、あたしはユウタの事をなにも知らなかった。2007-02-20 02:56:00 -
293:
桃◆48AnMhjcn2
ユウタは質問してくるばっかりであたしから聞かない限りちっとも自分の事を話さないヤツだった。
あたしも特に興味があった訳でもないし、別段それがおかしいとも思えなかった。2007-02-20 03:03:00 -
294:
桃◆48AnMhjcn2
そんな事を考えているといきなり大声で名前を呼ばれた。
「桃ーッ!!」
ビクッとしてベッドから跳ね起きる。2007-02-20 03:05:00 -
295:
桃◆48AnMhjcn2
ブチギレたようなオカンがドスドスと足音を立てもの凄い勢いで部屋のドアを開けた。
「え??なに??」
「あんたこれ何やねん!!」
オカンが一枚の紙をあたしの前で広げる。2007-02-20 03:08:00 -
296:
桃◆48AnMhjcn2
「なんよ〜?ドコモの請求書やんかぁ」
あたしはそれを手に取ってじっくり上から下まで読んだ。
今月の料金は…………?………………………??……
一瞬で頭の中が真っ白になる。2007-02-20 03:12:00 -
297:
桃◆48AnMhjcn2
「はぁぁぁぁああ!!??40万!!!!??」
叫んだ瞬間頭を叩かれた。
「オカンが聞きたいわ!!!!40万てあんた!!!何?どーするん?どーやったら40万なんていくん!?あんた携帯電話で何やってんのぉッ!!!!」2007-02-20 03:15:00 -
298:
桃◆48AnMhjcn2
あたしに続いてオカンも発狂。
確かに請求書には40万の数字……ありえへん……
当時パケ放題なんて制度がまだなくてネットに繋ぐ時ははんぱないパケット代がかかってた。心当たりは1つ。出会い系サイト。2007-02-20 03:19:00 -
299:
名無しさん
時間あくんやしどこからの続きかも書いて
2007-02-20 03:20:00 -
300:
桃◆48AnMhjcn2
前までは1度の投稿ですぐメル友が出来たからそんなにかからなかったけど、ドコモに変えて女の子のメル友を探すようになってからは日に何度もサイトを見てはメールを送っていた。長い時は一晩中サイト巡り…
2007-02-20 03:22:00 -
302:
桃◆48AnMhjcn2
「とりあえずもう携帯解約するからな!文句言わせへんで!!!!」
そう言うとオカンは嵐のように部屋を出て行った。
(携帯解約って…まぢで!?)
いきなりの急展開にあたしの頭はついて行ききれない。2007-02-20 03:26:00 -
303:
桃◆48AnMhjcn2
「ちょう待ってやオカン!!解約だけはアカンって!」
慌ててオカンの後を追う。
「問答無用やわ!」
そう言われてまたオカンのパンチをくらった。2007-02-20 03:28:00 -
304:
桃◆48AnMhjcn2
そして次の日本当に問答無用で携帯は解約されていた。画面を見ても1日中圏外……
おまけに40万円は2ヶ月前の使用料金。つまり先月と今月の請求はまだ来ていなかった。
それが総額80万円…2007-02-20 03:32:00 -
305:
桃◆48AnMhjcn2
ドコモとも裁判になる一歩手前でどうにかその大金を親に全額支払ってもらった。
「オカンほんまゴメンっ」
「そう思うんやったら働いて返しぃ〜」
親はもうあたしに携帯を持たせない事以外特に怒る事もなく、半分呆れていた。2007-02-20 03:38:00 -
306:
桃◆48AnMhjcn2
あたしはそれから罪悪感で大人しく反省していたけれど、しばらく経つとメル友と連絡が取れないストレスで気が狂いそうになっていた。
2007-02-20 03:43:00 -
307:
桃◆48AnMhjcn2
学校の友達なら携帯がなくてもたいして関係に支障はなかった。毎日会う訳だし、特に困る事もない。
でもメル友は違う。あたし達は携帯だけでしか繋がれない。もの凄くモロい関係。2007-02-20 03:47:00 -
308:
桃◆48AnMhjcn2
もう何週間もキョウちゃんと連絡を取っていない。何も言わずいきなり携帯を解約しちゃってキョウちゃんはどう思っただろう……
そう考えるといても経ってもいられない。2007-02-20 03:49:00 -
309:
桃◆48AnMhjcn2
面接を受け合格したのはテレアポ。時給は1300円と書いてあったのに実際1000円しかくれなかった。でもお金のなかったあたしにはそれでも充分。他の飲食店なんかと比べてもかなり稼げた。
2007-02-20 03:57:00 -
310:
桃◆48AnMhjcn2
そんなある日たまたまバイトが休みだった金曜日、学校が終わってあたしは地元の駅で1人電車を降りた。
バイトをしはじめてからは学校の近くの駅からバイト先のある駅まで電車で行っていたので毎日電車通学をしていた。2007-02-20 04:06:00 -
311:
桃◆48AnMhjcn2
改札をでる時からあたしは何か嫌な予感がしていた。今日は魔の金曜日。そう、光………
光と会う時はいつも金曜日。あたしはもう金曜日恐怖症になっていた。
念の為にいつもは利用しない駅の裏手の方に出る出口に回る。用心に越した事はない。2007-02-20 04:12:00 -
312:
桃◆48AnMhjcn2
駅を出るとタクシーやバスのロータリーがありその向こうは住宅街になっている。あたしがいつも通る大通りとは別世界だ。
その住宅街の方にはガラス張りの本屋さんが見える。昔光から逃げたあの本屋だ。2007-02-20 04:16:00 -
313:
桃◆48AnMhjcn2
住宅街の横を抜けるといっきに賑やかになって人の行き交う姿が慌ただしい大通り。
幸い光とも出会わなかったし、あたしはちょっとビビリ過ぎかもしれない。ホッとして家に向かって歩き出す。2007-02-20 04:23:00 -
314:
桃◆48AnMhjcn2
すみません、今日はここまでで終わりますね?
また更新します?2007-02-20 04:24:00 -
315:
名無しさん
読んでます?
2007-02-20 05:25:00 -
316:
名無しさん
いっきに読みました?先が気になります(≧▽≦)頑張って完結させてください?
2007-02-20 05:33:00 -
317:
名無しさん
しおり?
2007-02-20 08:26:00 -
319:
桃◆48AnMhjcn2
だけど次の瞬間、何気なく見た横のコンビニ、ガラス張りの店内で立ち読みしている人と目が合いあたしは凍り付いた。
そこには紛れもなく光が立っていた。2007-02-21 03:17:00 -
320:
桃◆48AnMhjcn2
(なんで……??)
怖くて身動きが取れない。
光はすぐに読んでいた本を閉じてコンビニの外に出て来る。また気持ちの悪い、あのはにかんだ笑顔。2007-02-21 03:21:00 -
321:
桃◆48AnMhjcn2
「お帰りぃ??帰って来るん待っててんで???ここらへんおったらきっと会えると思ってん??」
つまり、待ち伏せ…
「はぁ?」
それがあたしの精一杯の言葉だった。声が震えてる。2007-02-21 03:26:00 -
322:
桃◆48AnMhjcn2
「やから会いに来てん?ちょっとどっかで話せーへん?マクド行こうや??カバン持つわ」
そう言って光はあたしのカバンに手をかけた。
「触らんとって!」
バシッ
あたしは光の手を弾いた。2007-02-21 03:30:00 -
323:
桃◆48AnMhjcn2
「あんた自分が何やってるか分かってるん?学校まで来たりこんなストーカーみたいな事したり…」
あたしはいつもの何倍も震えていた。今は友達もいない、携帯もない。本当に1人。今何か起こっても誰も助けてくれない。光が怖い。2007-02-21 03:34:00 -
324:
桃◆48AnMhjcn2
「わかってるよ。やけど好きやねんもんしゃーないやん」
好き?あたしの事が?笑わせんな。
「あんたが好きでもあたしは好きちゃうねん!あんたと付き合う気もない!何回も言うてるやろ?もうあたしに関わらんとってや!」2007-02-21 03:35:00 -
325:
桃◆48AnMhjcn2
「そんなん今から好きになってくれたらいいし。俺が好きにさす。んで俺が桃ちゃんを幸せにする」
気持ち悪い。気持ち悪い男が気持ち悪いセリフを吐く。もうあたしにはこいつと向き合う事が耐えられへんかった。2007-02-21 03:38:00 -
326:
桃◆48AnMhjcn2
光と話といつもこうだ。最初は底知れない恐怖感が襲って来るのに後からイライラでブチギレそうになる。
1呼吸置いてあたしは言った。
「もうええわ。今から警察行こや。ちょう警察の人交えて話しよや。」2007-02-21 03:41:00 -
327:
桃◆48AnMhjcn2
「はぁ?何で警察なん??警察なんか関係ないやんか!俺らの問題やろ!なぁ桃ちゃんほんま1回どっかでちゃんと話そうや」
そう言うと光はまたカバンに手をかけてくる。あたしはそれを振り切って駅の近くにある交番へと歩きだした。2007-02-21 03:46:00 -
328:
桃◆48AnMhjcn2
光は後ろで何か言いながら歩く何度もあたしの腕を掴み着いて来たけど遠目に交番が見えると逃げ出すようにあたしから離れて行った。
なる程。さすがの光にも『交番』の効力はあるみたいだった。2007-02-21 03:51:00 -
330:
桃◆48AnMhjcn2
交番の前まで来て後ろを振り返ると遠くで光がこっちを見ていた。
どうしよう…
実際あたしも警察の人を交えて話をしようと言ったもののこれ以上話を大きくしたくはなかった。でも今交番から離れたらきっとまた光に捕まってしまう。2007-02-21 03:57:00 -
331:
桃◆48AnMhjcn2
しばらく交番の前を行ったり来たりして光の様子を伺ってみたけど、光は相変わらず遠くであたしの動きを見ているだけ…
これじゃ身動きが取れない。途方に暮れていると交番のドアがガラッと開いて中からお巡りさんが1人出て来た。2007-02-21 04:00:00 -
332:
桃◆48AnMhjcn2
「どうしたん?何かあった?」
フットボールアワーの岩尾に似てる優しそうなお巡りさんがあたしに声をかけた。
「えっ…いや、何もないです」
とっさにそう言った。2007-02-21 04:02:00 -
333:
桃◆48AnMhjcn2
「ほんまに?さっきからココ(交番)の前行ったり来たりしてたから、何かあったんかなって思って。何かあるんやったら僕に言うてな」
そう言ってお巡りさんは優しく笑いかけてくれた。
この人にやったら話してもいいかもしれん…あたしは思い切って言ってみる事にした。2007-02-21 04:05:00 -
334:
桃◆48AnMhjcn2
「交番の中入っとき。僕が行ってちょっと話して来るわ。大丈夫やから心配せんでいいよ」
親切なお巡りさんはそう言うとあたしを交番の中の椅子に座らせて光の方へと歩いて行った。2007-02-21 04:14:00 -
335:
桃◆48AnMhjcn2
交番の中には他のお巡りさんが誰もいない。警察の人にまで迷惑をかけている罪悪感なのかそれとも光なのか、どっちにしても不安な気持ちに押しつぶされそうになりながらあたしは黙って座っていた。
時間はとてつもなく長く感じられたけど、20分ぐらいで岩尾似のお巡りさんが帰って来た。2007-02-21 04:19:00 -
336:
桃◆48AnMhjcn2
「どうでした?」
あたしは立ち上がって聞く。
「あの子すぐ僕に気付いて逃げて行っちゃってん。しばらく探したんやけど見つからんくて…ゴメンなぁ?」
お巡りさんは少し困った顔をして言った。2007-02-21 04:23:00 -
337:
桃◆48AnMhjcn2
「いや、そんなんいいんです。本当にありがとう御座いました?」
親切なお巡りさんに頭を下げる。それからお巡りさんに光との事を何個か質問され、帰りにパトカーで家まで送ってくれると言われたけどあたしは断った。2007-02-21 04:27:00 -
338:
桃◆48AnMhjcn2
そこまで迷惑かけられない。
第一この交番には今お巡りさんは1人しかいないし、この人がいなくちゃ困るだろうなって思ったから。それにパトカーなんかで家に帰ったら親にどう言い訳していいか…2007-02-21 04:29:00 -
339:
桃◆48AnMhjcn2
「ほんまに何か怖い事あったらいつでもおいでや。僕田中って言うねん。毎日ココおるから」
最後にお巡りさんの田中さんはそう言って励ましてくれてあたしは何度もお礼を言い交番を後にした。
なんだか心強い味方が出来た気分。2007-02-21 04:33:00 -
340:
桃◆48AnMhjcn2
交番を出るとまだ空はうっすら明るい。季節が春から夏に向かってだんだん日が長くなって来ていた。
帰り道どうか光と出会いませんように…と何度も心の中で祈ったのにあたしの願いはすぐにブチ壊され、交番から少し離れた場所で光はあたしを待っていた。2007-02-21 04:38:00 -
341:
桃◆48AnMhjcn2
「なんで警察なんか行ったん?」
怒ったように光が言う。あたしはその答えに返さんかった。
「あんたまだおったん?はよ帰らなまたお巡りさん来るで。さっきは逃げたらしいなぁ〜」
睨まれ、あたしも睨み返す。2007-02-21 04:40:00 -
342:
桃◆48AnMhjcn2
「そんなん聞いてるんちゃうやろ。何で警察なんか行くん?って聞いてんねん」
話ながらもあたしは歩き続けた。
「あんたがストーカーやからやろ。もう付きまとうんやめてくれへん?」
お巡りさんという心強い味方のお陰であたしはストレートに光に物を言う事が出来た。何かされてもすぐそこには交番がある。2007-02-21 04:44:00 -
343:
桃◆48AnMhjcn2
「ストーカーって…待ってただけやんか!じゃあ携帯の番号も知らんのにどうやって連絡しろって言うん?待ってる以外方法ないんちゃうん??そんなん言うんやったら携帯教えてくれたらいいやんか!!」
また無茶苦茶な理屈をつける。
「あたし今携帯ないねん。まぁあってもあんたなんかには死んでも教えんけど」2007-02-21 04:47:00 -
344:
桃◆48AnMhjcn2
「はぁ?ないってなんなん??意味わからん」
「使いすぎで解約してん。分かったらとっとと帰ってくれん?またお巡りさん呼ぶで」
『お巡りさん』の響きに反応して光は足を止めた。今度は脅しじゃない。光はあたしが本当にお巡りさんを呼ぶと学んだのだ。2007-02-21 04:51:00 -
345:
桃◆48AnMhjcn2
あたしは光を置いて黙々と歩き続けた。光はもう追いかけては来ない。
「来週また絶対来るからな!」
最後にそう叫んでたけどあたしは聞こえないフリをした。2007-02-21 04:54:00 -
346:
桃◆48AnMhjcn2
光への恐怖はもうどこにもなかった。キョウちゃんやメル友達とはま違う、現実の世界でで守ってくれる田中さんってお巡りさんがいるから。
お陰であたしは次の日から毎日バイト三昧な。と言っても1日3時間から5時間の仕事だけど。2007-02-21 04:59:00 -
347:
桃◆48AnMhjcn2
その仕事にもだいぶ慣れてこんなあたしでもポツポツと契約が取れるようになった。初給料日は2週間後。あたしの働いている会社はお給料が月払だったけど契約を取った件数が5件、10件と5区切りでボーナス5万円がもらえた。それも現金で手渡し。1月で15件取れば10万円ももらえた。
2007-02-21 05:07:00 -
348:
桃◆48AnMhjcn2
1件契約を取るだけでもヒーヒー言ってるあたしとは違い稼ぐ子は稼いでいたし、月15契約を取る子はボーナスだけで20万も稼いでいた。
それもきっと上がヤクザ絡みだからだと思う。
あたしはお給料がもらえればヤクザだろうが何だろうが気にしていなかったけど。2007-02-21 05:10:00 -
349:
桃◆48AnMhjcn2
とりあえずお給料が入ったらやっと携帯が買える。やっとキョウちゃんとも連絡が着く。
お給料は携帯を買うのと親に払ってもらった80万もの携帯代を少しでも返すことに使うと決めてあった。2007-02-21 05:13:00 -
350:
桃◆48AnMhjcn2
「桃は契約3件かぁ〜始めたばっかやのに頑張ってるなぁ!もっと頑張って後2件取れよ!ボーナスまでもうちょっとやんけ」
壁一面に張り出された個人グラフを見て社員さんが言った。
「頑張ってるやろ〜やけど契約取るんこんなに大変なんて思ってなかったわぁ…」2007-02-21 05:17:00 -
351:
桃◆48AnMhjcn2
そう言ってあたしは喋りっぱなしでガラガラな喉にお茶を流し込む。
「まぁ今月は無理でも来月はいけるやろ?桃は話すのウマイしなぁ。休憩終わる前にコレ食べとき」
社員さんがノド飴を差し出してくれた。2007-02-21 05:20:00 -
352:
桃◆48AnMhjcn2
「あー、それと桃明日休んでえーで。金曜は結構みんな入れるみたいやから。お前今週休みナシで働いてるやろ〜」
確かに今週は同じバイトの子に休みを変わってあげたりでずっと働きっぱなし。
でも明日は金曜日…2007-02-21 05:25:00 -
353:
桃◆48AnMhjcn2
「明日は働きたいねんっ、休み明後日じゃダメ?」
「んー、土曜は出勤して欲しいねんけどなぁ〜。明日何かあるんか?出来たら明日休んで土日来て欲しいねんけど」
社員さんがどうしてもと言うので結局明日は休む事になった。2007-02-21 05:29:00 -
354:
桃◆48AnMhjcn2
魔の金曜日。あたしにはもう確信に近いものがあった…絶対明日光はやって来る。
そして次の日。2007-02-21 05:30:00 -
355:
桃◆48AnMhjcn2
どうやったら光に会わずに済むかずっと考えていたのに朝になると外はどしゃ降り。まだ完全に梅雨は明けていなかった。
しょうがなく電車で学校に向かう。今日は自転車で行きたかったのに…2007-02-21 05:32:00 -
356:
桃◆48AnMhjcn2
中途半端なところですが今日はここで終わります?また更新しますね?
2007-02-21 05:35:00 -
357:
名無しさん
気になるぅ
2007-02-21 06:50:00 -
358:
名無しさん
しおり??
2007-02-21 11:30:00 -
359:
名無しさん
しおり???
2007-02-22 01:53:00 -
360:
名無しさん
?
2007-03-15 06:06:00 -
361:
なあな
しおり?
2007-03-15 23:16:00 -
362:
名無しさん
気になる?書いてネ
2007-03-17 00:21:00 -
364:
桃◆48AnMhjcn2
雨は夕方になっても一向に止む気配がなく、やっぱり帰りは電車。
悪あがきをしてもどうせヒカルはあたしの前に現れる。なら正面から向き合うしかないよな、やっぱ。
半分開き直ってその日はいつもみたいに寄り道せずまっすぐ家への道を急いだ。2007-03-18 21:44:00 -
365:
桃◆48AnMhjcn2
いつもの駅。大通りに繋がる道。道路沿いのコンビニ。
強い雨の中、学生服のあいつの姿を探しながら歩く。いつもならこの辺りであのはにかんだ気持ちの悪い笑顔の光が待ち伏せているハズ…
だけど大通りを過ぎ細い路上に入っても光は姿を表さなかった。2007-03-18 21:51:00 -
366:
桃◆48AnMhjcn2
それどころかその日遂に光は現れず、正直あたしは少し拍子抜けした。
(なんで…??毎週金曜日には必ず来てたのに…)
なんだか気持ち悪さだけ心に残ったまま。まぁ何にせよ会わずに済んだんだからよかった。
もしかしたら諦めたのかもしれないし。
どっちにしろあいつの思考回路なんてあたしには理解出来ない。2007-03-18 22:00:00 -
367:
桃◆48AnMhjcn2
それからしばらく光があたしの前に現れる事はなかった。土日も次の週の金曜日もアイツの姿はどこにもない。
安心はしない。『諦めたのかも』なんて楽観もしない。光は必ずまたあたしの前に現れる。
あたしには確信に近いものがあった。2007-03-18 22:10:00 -
368:
桃◆48AnMhjcn2
そしてそのまた次の週の木曜日。遂に光はやって来た。
季節は6月から7月に移り梅雨は明けて学校では期末試験が始まっていた。2007-03-18 22:13:00 -
369:
桃◆48AnMhjcn2
「桃〜今日カラオケ行かん?明日のテスト古典と選択だけやから余裕やろ???」
チャイムが鳴りみんながバタバタと帰って行く中友達数人があたしの所に集まって来た。
「カラオケかぁ〜行きたいんやけど今日金ないわぁ?昨日のうちに言っててくれたらヨカッタのに〜?」2007-03-18 22:18:00 -
370:
桃◆48AnMhjcn2
あたしの財布の中身は500円…。遊びに行くって言えばオカンがお金をくれんねんけどなぁ。
「みんなには昨日メールしたんやけど桃携帯ないからなぁ…やっぱ不便やなぁ?おばちゃんに言って何とか携帯買われへんの?」
友達の1人が心配そうに言う。2007-03-18 22:22:00 -
371:
桃◆48AnMhjcn2
「あ、携帯やったらもう買いに行くでッ。あたし明日給料日やねん???」
そう、明日は待ちに待った給料日!これでやっと携帯が買える。
「ほんまにぃ〜!?やったやん!これでやっと連絡着くなぁ??じゃあカラオケは明日にしよか?給料入ってからがえーやろ?」2007-03-18 22:26:00 -
372:
桃◆48AnMhjcn2
「よっしゃ、じゃあ明日はあたしが何かおごったるわ???」
そんな事を言いながら友達と別れ、あたしは1人で家へと急いだ。
(そうや、暇やし駅前の携帯屋で携帯見て行こ??)
頭の中では明日手に入る携帯の事でいっぱいやった。2007-03-18 22:30:00 -
373:
桃◆48AnMhjcn2
そのままコースを変更して自転車での行き帰りじゃ通らない駅前へ。
駅の下に自転車を止めて駅ビルの中にあるドコモショップへ立ち寄った。
その頃は丁度FOMAの900iが出たばっかりで店にはずらっと新機種が並んであった。
(やっぱSHかな?画像綺麗やし…でもPもいいなぁ〜)2007-03-18 22:35:00 -
374:
桃◆48AnMhjcn2
上機嫌でパンフレットをカバンにしまい駅の下まで戻るとあたしの自転車のサドルに人が座っていた。
(何?あたしのチャリなんやけど…)
次の瞬間歩いていたあたしの足が止まった。
………光…………2007-03-18 22:45:00 -
375:
桃◆48AnMhjcn2
あたしのピンクの自転車に丸々と太った制服姿の光が座っている。
それに何だか凄く腹が立ってあたしは勢い良く駆け出して光を自転車から蹴落とした。
ガシャンッ!!
自転車が倒れる。光はよろけただけだったけど。2007-03-18 22:48:00 -
376:
桃◆48AnMhjcn2
「いったぁ〜〜?」
そう言って光があたしの方を睨んだ。
「誰のチャリやと思っとんねん!!はよどけや」
あたしも睨み返す。2007-03-18 22:51:00 -
377:
桃◆48AnMhjcn2
あたしの言葉を無視して光は倒れた自転車を起こす。
「こんなんしたら人の迷惑なるやろ。なんでそんなんが分からんの?」
その言葉がまたあたしを触発する。もう何故ここに光がいるのかとか、そうゆう事は聞くのも面倒。
「あたしのチャリに触るな言うてるやろ?日本語分からんの?」2007-03-18 22:55:00 -
378:
桃◆48AnMhjcn2
「そんなん言うても。じゃあ倒れたチャリどーするん?一生ここで放置しとくんか?そんなん言うんやったら放置しとこか?絶対起こしたアカンで」
意味の分からない事を言って今度はせっかく起こした自転車を倒す光。
こいつとは一生話がかみ合わないかもしれない。
もうイライラで頭が爆発しそう。2007-03-18 22:59:00 -
379:
桃◆48AnMhjcn2
「あたしのチャリに勝手に触るなて言うてんねん。気持ち悪いんじゃ。意味分からん事ほざいてんとはよどいてくれん?」
そう言って自転車を起こそうとすると光が上から押さえつける。
「なにすんねん…離せや??」
だけど光は更に力を入れて自転車を地面に押し付ける。意味が分からない。2007-03-18 23:04:00 -
380:
名無しさん
待ってました??
がんばってね?
ワクワク?2007-03-18 23:06:00 -
381:
桃◆48AnMhjcn2
「ここで一生放置するって言ったんそっちやろ。なんで起こすねん。起こすなよ」
光はそう言って上に持ち上げようとするあたしに力で勝とうと自転車をガンガン地面のアスファルトにぶつける。
悲鳴のように1度鳴って自転車に着いていたベルが割れ道路に転がった。2007-03-18 23:09:00 -
382:
桃◆48AnMhjcn2
あたしはもうキレてしまって光に蹴りを入れると自転車も置いてその場を離れた。
頭が爆発しそう…
ガンッ!!
カバンをガードレールにぶつけ歩き出す。2007-03-18 23:12:00 -
383:
桃◆48AnMhjcn2
そこにまた光が後ろから追って来て肩を掴む。
「ちょっときぃや」
そう言われ駅の方へと引っ張られた。
「痛ッ!なんやねんお前ほんま警察行くぞ!離せや!」
あたしも必死に抵抗する。2007-03-18 23:15:00 -
384:
桃◆48AnMhjcn2
「警察でも何でも呼べば?いいからこっち来いや」
男の…それもこんなデブの力にはかなわない。あたしは引きずられるように駅の改札まで連れてこられた。
そこで光は切符を買う。
(何やねん、どこに連れて行く気じゃ??)2007-03-18 23:18:00 -
385:
桃◆48AnMhjcn2
切符を買う間もあたしの腕はしっかり光のあいた方の手で掴まれ逃げる事の出来ない体制に。
そのまま切符を渡され梅田行きの急行電車に押し込められた。
その間光は一切口を聞かなかった。ただ手は血が止まりそうなぐらいの力であたしの手首を締め付けている。
(ほんまにどこ連れて行く気やねん…)2007-03-18 23:22:00 -
386:
桃◆48AnMhjcn2
頭の中で不安が大きくなって行く。このまま知らない所へ連れて行かれたら…ただでさえ光は何をするか分からない。
どうしよう…
叫ぶ?誰かに助けを求める?駅員さん?警察??
そんなあたしをよそに電車はぐんぐんスピードを上げて梅田に近づいて行く。2007-03-18 23:26:00 -
387:
桃◆48AnMhjcn2
『次は梅田〜梅田終点〜〜。地下鉄、JR線線は乗り換えです〜』
車内にアナウンスが流れ座ってた人達が一斉に荷物を手に取り降車側のドアに集まる。
光もあたしの手を掴んだままその集団の中に潜り込み扉が開いた瞬間押し出されるように外に出た。2007-03-18 23:30:00 -
388:
名無しさん
?400?
2007-03-18 23:34:00 -
389:
桃◆48AnMhjcn2
光はあたしの事をまるで考えずに歩く。あたしは人にぶつかりまくるわ手は無理矢理引っ張られてるわで立ってついて行くのがやっと…
光はそのまま訳の分からない地下街を通りぐんぐん歩いて行く。
(どこ行くんやろ?乗り換えはせんみたいやけど…)2007-03-18 23:34:00 -
390:
桃◆48AnMhjcn2
しばらく歩いて着いたのはヨドバシカメラ。
「はぁ?意味分からんねんけど??なんであたしがこんなとこ連れてこられなアカンの!?」
あたしが暴れると光はまたニヤ〜っとあのはにかんだ笑顔を見せる。
(なんなんコイツ…気持ち悪い………)2007-03-18 23:37:00 -
391:
桃◆48AnMhjcn2
あたしの腕を掴んだまま光はヨドバシカメラの中に入りまた自分勝手に歩いて行く。
何回か場所を間違えたらしく同じ所をグルグルと回って連れてこられたのは携帯売場…
「どこやったっけなぁ〜」
楽しそうに光が何かを探し出す。2007-03-18 23:40:00 -
392:
桃◆48AnMhjcn2
「あった!コレや。」
光があたしに見せたのはボーダフォンの携帯電話…しかも何年前の携帯やねんってぐらいダサい。
「なんやねんコレ」
キレ口調であたしは聞いた。
「これプリケーやねん。これ買ったるわ」2007-03-18 23:42:00 -
393:
桃◆48AnMhjcn2
光はもう決定したかのようにその携帯をレジに持って行こうとする。
「はぁ!?ふざけんなよ??誰がそんなん欲しいって言うてん!」
あたしは必死に抵抗する。
「これあったらいつでも俺と繋がってれるやん???」
意味が分からない…2007-03-18 23:45:00 -
394:
桃◆48AnMhjcn2
しかもその携帯はプリケーの中でも一番安いヤツでおまけにストレートタイプ…
その当時ストレートタイプの携帯は『古い』の象徴だった。
「いやいや、そんなダサいんいらんし?」
あたしは光から携帯を取り上げる。2007-03-18 23:48:00 -
395:
名無しさん
マメゾーのやつ?
2007-03-18 23:49:00 -
396:
桃◆48AnMhjcn2
「じゃあどうやって連絡取るん?言うてみーや!!携帯買わんで連絡取れるんやったらえーわ!そんな方法があるんやったらな!」
まためちゃくちゃな事を言う光。
「いやいや、あたしがいつあんたと連絡取りたいって言いました?逆に関わりたくいんですけど?」2007-03-18 23:54:00 -
397:
桃◆48AnMhjcn2
あたしが言うと光は更に意味の分からない事を言い出す。
「ほら、やっぱ携帯なくて連絡取る方法ないんやんか。もーいいわ、勝手に買うから」
そう言ってあたしを突き飛ばして光はレジへ。
「痛ぁ〜!!??」
痛がるあたしを完璧に無視。2007-03-18 23:58:00 -
398:
桃◆48AnMhjcn2
そそくさと契約書に記入する光をあたしは必死に感情を堪えながら横目で見ていた。
その頃プリケーは学生証さえあれば親の承諾も必要なかったし中学生でも買う事が出来た。
(ん?学生証……)
光が学生証を店員さんに差し出す。あたしはそれを見逃さなかった。2007-03-19 00:01:00 -
399:
桃◆48AnMhjcn2
数十分後。
店を出ると光は上機嫌だった。子供がオモチャを買ったみたいにウキウキとはしゃぎ、はやく開けたいからとそこらへんの階段に座り込んで携帯の箱を破壊する始末。2007-03-19 00:10:00 -
400:
桃◆48AnMhjcn2
説明書の入った袋もちぎり開けてゴミはポイ捨て。1人で説明書を読みふけり1人で携帯をいじっている。
そしてまた数十分後。
「これでオッケーやで」
光があたしに携帯を差し出した。2007-03-19 00:12:00 -
401:
桃◆48AnMhjcn2
画面は光の指紋やなんかで酷く汚れて早くも傷がついていた。飽きたオモチャをくれてやったような光。
メモリには「?ひーくん?」なんてハートの付いた光のアドレスが1件入っていた。2007-03-19 00:15:00 -
402:
桃◆48AnMhjcn2
「これでいつでも連絡出来るやろ??とりあえず3千円分プリペイドカード買ったから?せっかく俺が買ったったんやから大事にしろよな」
いばりきった様子で言う光。
「あんさ、あたしあんたに言いたい事あるんやけど」
あたしは重たい口を開いた。2007-03-19 00:18:00 -
403:
名無しさん
「なんなん?また文句?」
光の顔がいっきに曇る。一呼吸置いて話し出す。
「あんた嘘ついとるやろ」そう言ってあたしは光を睨みつけた。2007-03-19 00:20:00 -
404:
桃◆48AnMhjcn2
リアルでよんで下さっていたみなさん本当にありがとう御座います??凄く励みになります?
ところで>>407さんのマメゾーって何でしょうか…?気になります?
今日はここまでで終わりますね。また更新します。2007-03-19 00:29:00 -
405:
名無しさん
お疲れさま〜また楽しみにしてます?
2007-03-19 00:31:00 -
406:
名無しさん
めちゃめちゃ続き気にはなって今一気に読みました?頑張って?下さい?
2007-03-19 00:35:00 -
407:
名無しさん
407ですがボーダフォンのプリケー(プリカ)で昔マメゾーってゆう機種があったからそれかと思って(笑)
マメゾーとマメミってゆうキャラクターが画面にいつもいてて...パカパカケータイちゃうからてっきりそれかと?
いつも楽しみしてるんで頑張って下さい?ルルでしたぁ?2007-03-19 00:37:00 -
408:
名無しさん
今はぢめて読んだけど気になる??書いてほし-?
2007-03-22 17:12:00 -
409:
名無しさん
やっと書いてくれた?もーカカヘンと思ったわ!なんかオンナジ事の繰り返しやな。話しても噛み合わないトカ。そのネタしかないん??
2007-03-23 04:26:00 -
410:
名無しさん
次読みたいよぉ?オモシロイ?
2007-03-23 09:41:00 -
411:
名無しさん
続きょろしくね?がんばっ?
2007-03-23 10:57:00 -
412:
名無しさん
めっちゃ面白い♪♪ドキドキする♪♪頑張ってな☆
2007-03-24 06:36:00 -
413:
名無しさん
もお書かないの?
2007-04-04 22:17:00 -
414:
名無しさん
書かないんかぁ??
2007-04-09 14:02:00 -
415:
名無しさん
しおり?
2007-04-10 11:39:00 -
416:
名無しさん
出会い系ぢャなかったけどあたしも同じような奴昔いてやる事言う事被りまくりやわあ??イラつく気持ちめちャわかる?頑張ってなあ?
2007-04-10 13:40:00 -
417:
名無しさん
めちゃめちゃ面白い?読みやすいし☆てか光恐っっ??続き待ってます??
2007-04-11 21:48:00 -
418:
名無しさん
まだぁ?
2007-05-23 03:42:00 -
419:
名無しさん
まだ?
2007-06-13 22:53:00 -
420:
名無しさん
頑張って?今からでもぉそくない?
2007-06-14 02:39:00 -
421:
名無しさん
最初から読みました! 続きがめっちゃ気になるから書いて?光の事も今後どないなったかも教えて??ハマってもうたわぁ?
2007-06-15 02:53:00 -
422:
名無しさん
もぅ主はみてないのかなぁ?めっちゃ気になるから完結して?
2007-06-15 15:24:00 -
423:
名無しさん
あげい?
2007-06-16 20:16:00 -
424:
名無しさん
????????????
2007-06-18 16:19:00 -
425:
名無しさん
?
2007-06-18 23:56:00 -
426:
名無しさん
まだぁ?
2007-06-19 14:02:00 -
427:
名無しさん
気になる????????
2007-06-19 17:53:00 -
428:
名無しさん
444
2007-06-19 21:19:00 -
429:
名無しさん
3ヶ月放置や
2007-06-20 03:55:00 -
430:
名無しさん
?
2007-06-20 16:17:00 -
431:
名無しさん
??????????
2007-06-22 02:34:00 -
432:
名無しさん
あげ
2007-06-23 00:16:00 -
433:
名無しさん
あげ
2007-06-23 00:18:00 -
434:
名無しさん
あげ
2007-06-24 20:56:00 -
435:
名無しさん
.
2007-06-25 18:39:00