小説掲示板堕ちる蛍のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

夜遊びweb掲示板 関西夜遊びweb掲示板 関西
エリア選択

夜遊び掲示板を検索する

スレッドタイトルを対象とした検索ができます。※スペースのあり、なしで検索結果は異なります。

掲示板リストメニュー

堕ちる蛍

スレッド内検索:
  • 1:

    @◆nd1lslwv7Q

    ここは同性愛などの内容が一部含まれております。
    ご理解のない方、嫌悪感を感じる方はご遠慮ください。
    ちなみに主はノンケです。

    2006-12-30 23:02:00
  • 2:

    @◆nd1lslwv7Q

    「あれが欲しいのか?」
    振り向くと、大きな男が立っていた。鎧とも鉄の板とも見分けの着かないものを、ワラ紐で肩からぶら下げて、少しはげた頭のすぐ下に、オデコをとばして付いた眼で僕を見つめていた。見つめていると言っても、眼はそれぞれ違う方を見ている。カメレオンみたいな奴だと思った。

    2006-12-30 23:04:00
  • 3:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ただ見てるだけですから」
    「そう。じゃぁなんで見てるんだ?」
    「・・・あなた誰?」
    「質問に答えろ。なんで見てるんだ?」

    2006-12-30 23:04:00
  • 4:

    @◆nd1lslwv7Q

    気持ち悪い…気味が悪いというより、この男という物体自体、かなり気持ち悪かった。ニヤニヤ笑う上の歯は、前歯二本がやたらとデカイ馬のようだ。チラチラ見える下の歯は、小さくてガタガタだった。

    2006-12-30 23:05:00
  • 5:

    @◆nd1lslwv7Q

    「・・・。」
    あっち行けよ気持ち悪い。お前酔っ払いだろ。洋酒のニオイが風にのって男からプンプン臭う。
    「・・・?・・・。」
    「・・・・・」
    「連行!!」

    2006-12-30 23:05:00
  • 6:

    @◆nd1lslwv7Q

    男がドスの効いた声でそう叫ぶと、僕の後ろからシャキンシャキンと鉄の擦れる音がして、逃げようとした腕と足は氷の様に固まってまったく動かなくなった。勢いよく飛び込んできた先頭の兵士が持っていた槍の先が目ん玉に刺さった。針よりもずっと細いそれは、そのまま目ん玉を貫通し、喉の奥まで突いた。

    2006-12-30 23:06:00
  • 7:

    @◆nd1lslwv7Q

    「オエ!」

    。。。。。。。。。。。そこで目が覚めた。

    夢の割りに、あのオッサンに感じた嫌悪感が心の中から中々消えない。

    2006-12-30 23:07:00
  • 8:

    @◆nd1lslwv7Q

    目がやたら乾いてる。コンタクトをしたまま寝たせいか・・・。何度も目を閉じは開け、目を閉じは開けを繰り返し、やっとシバシバが和らいできた。
     天井を見ると、木の模様に、雨漏りでついたシミが広がっている。カビ臭い

    2006-12-30 23:08:00
  • 9:

    @◆nd1lslwv7Q

    そうか・・・ここあの子の家か・・・。
    ザーザーと薄い壁の向こうの世界を洗ってる音がする。
    「早起きなのね」
    振り向くと、今度は大男ではなくて、唇がぷるぷるした女の子が横に寝ていた。

    2006-12-30 23:08:00
  • 10:

    @◆nd1lslwv7Q

    アイボリー色の優しい色の皮膚からは、嫌味のない甘い匂いがする。小さな爪は薄い桃色をしていて、五つとも優しく円を描く様に僕の頭を撫でていた。
    「おはよう。泊めてくれてありがとう。」
    「ううん。私も眠れなかったのよ今夜・・・一人では・・・。あなたが来てくれてよかった。おかげでよく眠れたわ」

    2006-12-30 23:09:00
  • 11:

    @◆nd1lslwv7Q

    「そう?にしては僕より早起きなんだね」
    「イジワルね。どちらにしても最近あまり長くは眠れないの。もうどうでもよくなってしまったのかしら・・・ただ深く眠れればいいのよ。時間はそれ程、問題じゃないわ」
    そう言うと彼女は、量の多そうな細い髪質のロングヘアを後ろでクルリと束ね、裸のまま玄関の方に歩いて行った。若いのに、熟女みたいな、丸くてイヤラシイ形のケツを見て、昨日、自分がこの女の子と何をしたのか、少し思い出した。

    2006-12-30 23:10:00
  • 12:

    @◆nd1lslwv7Q

    ジャー!!
    外の雨とは別の水の流れで、部屋が少し揺れる。
    「このアパートボロだけどシャワーは付いてるの。先に入る?」
    また裸のまま戻ってきた彼女の腹筋は少し割れていた。その腹筋とは不似合いな、優しい感じの胸元、色素の薄い乳首に、僕はなんだか恥ずかしくなった。昨日あれだけ恥ずかしいことをしといて、何を今更・・・(笑)というお顔そして、彼女は微笑んだ。

    2006-12-30 23:10:00
  • 13:

    @◆nd1lslwv7Q

    「いや。今日、火曜日でしょ?学校あるから帰るよ。ここ何線の駅が近いの?」
    「タクシー代あげるよ。電車だと冠嬢線かしら・・・でも本数少ないからタクシー乗りなよ。うわ・・・あなた体ベトベトよ」
    「うーん、なんか変な夢見たから。いいよ雨で流れるし家帰ってから入るし」

    2006-12-30 23:11:00
  • 14:

    @◆nd1lslwv7Q

    「・・・そう。でも風邪をひいてしまうから、玄関の傘持って行っていいよ。ねえ・・・また会える?」
    「うん。でもテストあるから・・・。君は?」
    「あたし?あたし学校行ってないから。専門学校?春から行こうと思ってお金貯めてるの。」

    2006-12-30 23:12:00
  • 15:

    @◆nd1lslwv7Q

    「へぇ。また電話するよ。僕の着替えどこ?」
    「ちょっと待ってね。濡れてたからストーブの前に干してあるの」
    僕は彼女から半渇きの服を受け取ると、彼女とは対照的にモジモジとフトンの中で着替え、傘を借りるとボロアパートを出た。

    2006-12-30 23:12:00
  • 16:

    @◆nd1lslwv7Q

    駅までの帰り道、見えなくなるまで二階の一番端っこの部屋から、彼女は僕に手を振っていた。裸なのに誰かに見られたらどーするんだ(笑)
     冠嬢線は本当に本数が少なくて、各駅停車しか止まらないこの駅に電車が止まったのは駅についてから30分以上してからだった。

    2006-12-30 23:13:00
  • 17:

    @◆nd1lslwv7Q

    カランカラン
    「ただいまぁ」
    「蛍子(けいこ)!!」
    「その名前で呼ぶのやめろよな」
    「あっ!ごめんごめん…でもお店の方から入ってくるのやめてよね。ほら・・・お客さんに見られちゃうとさ」

    2006-12-30 23:18:00
  • 18:

    @◆nd1lslwv7Q

    母さんは年増のスナックのママを絵に描いた様な人だった。いや実際、年増のスナックのママなんだから絵に描いたようなままでいいんだけど(笑)
    「ごめん。鍵なくて裏から入れなかったんだ。今日、美紀さん入ってるの?」
    「えぇ。今日土曜日だしね、母さん一人じゃ回せないもの…ほら母さん足痛いって言ってたでしょ?雨の日は余計に痛むのよぉ、だからカウンター美紀にやらせて、母さんボックスに着こうと思って」

    2006-12-30 23:18:00
  • 19:

    @◆nd1lslwv7Q

    昔から、この人はここが痛いあそこが痛いとよく言う人だった。今回もどうせ同伴ゴルフの筋肉痛だろう。パッチリ二重の大きな目は、重力に逆らえず年を重ねるごとに影がでて、色っぽいを通り越し、この店の雰囲気にあった水臭さをかもち出し始めていた。

    2006-12-30 23:19:00
  • 20:

    @◆nd1lslwv7Q

    「美紀さんにCD焼いてあげたから、冷蔵庫のとこ置いてあるって伝えといて」
    「母さんにも焼いてよー。あんたこんな雨だし学校休めば?」
    「行くよ。テスト前だし。お金置いといて、晩御飯友達と食べてくるから」
    「はいよー」

    2006-12-30 23:20:00
  • 21:

    @◆nd1lslwv7Q

    店の奥にある右のドアはトイレ。布が貼ってる左のドアは階段で、住居である二階に繋がっていた。あたしの家は、楳田の隣の駅前で小さなスナックをしている。父さんは、トラックの運転手だったけど小さい頃に死んでしまった。母さんはあたしをばあちゃんに預けて一度再婚したけど、その男は893ですぐ務所に入ってしまい、わずか半年で離婚。父さんの保険金でこの家を中古で買って、一回をスナック『蛍』にし、今日までなんとか食いつないできた。

    2006-12-30 23:21:00
  • 22:

    @◆nd1lslwv7Q

    今日みたいに、レズの子と寝た時も、相手によってタチにもネコにもなる訳だし、自分的にも、そこかの性別に所属しなくちゃいけないっていう意識は薄いから、そんなに焦っていない。

    2006-12-30 23:22:00
  • 23:

    @◆nd1lslwv7Q

    「いってきまーす」
    「もう!だからお店からじゃなくて裏口から出なさいって言ってるでしょ!」
    「いいじゃん。朝方からスナック来る奴なんて常連か、母さんの彼氏くらいでしょ!」
    まぁ母さんにとっちゃその彼氏と私が鉢合わせるのを、一番避けたいんだろうけど・・・。

    2006-12-30 23:23:00
  • 24:

    @◆nd1lslwv7Q

    母さんは、あたしがこんな変な性の持ち主になってしまったのは、自分のせいだと感じているらしく、彼氏が出来ても私に隠したり、お客さんともなるべく顔を合わせないようにと大分気を使っていた。
    あたし的には、まったく母さんのことも父さんのこともばぁちゃんのことも恨んじゃいないんだろうけどなぁ・・・
    あっ・・鍵、あの子の家に忘れたんだろうか。。。メール入れとかなきゃ。。。雨はいっこうに納まらず、傘を持っている手が痛いくらい冷たくなった。

    2006-12-30 23:27:00
  • 25:

    @◆nd1lslwv7Q

    授業を適当にこなし、帰りにみんなでカラオケに行ってプリクラを撮るともうすることがなくなって、雨しのぎにゲーセンの中で喋っていた。
    「次どこ行く?」
    「なんでもいいよーてか楳田も、もう飽きたよね。することないし」

    2006-12-30 23:28:00
  • 26:

    @◆nd1lslwv7Q

    「暇だよねー。あ、メーコ帰らなくて大丈夫?」
    メーコとは夏目蛍子を訳したあたしのあだ名だ。
    「いいよ、もう暗記しか残ってないし」
    「メーコって本当すごいよね。授業中寝てるのに勉強できるし」

    2006-12-30 23:28:00
  • 27:

    @◆nd1lslwv7Q

    そうなんだよ(笑)私も自分は出来る人間だなぁとつくづく思う・・・
    「ノートも書いてないのにどうやって勉強してるの?」
    「どうって・・・教科書見たり。」
    「あんた本当すごいよねぇ・・・」

    2006-12-30 23:28:00
  • 28:

    @◆nd1lslwv7Q

    「誉めんなよ(笑)こえーよ」
    まぁ頭のいい分、ジェンダーについてはかなりの病人ですから・・・人間で言えばだいぶ壊れ物なんだけどね・・・。
    結局することがみつからず、雨がひどくなってきたので、あたし達はそれぞれ家路に着いた。

    2006-12-30 23:29:00
  • 29:

    @◆nd1lslwv7Q

    同類にはニオイでわかるのか入学早々、先輩に告白されたりもしたけれど、イマイチその気になれなかった。なんというか・・・現実世界で冒険するのは、さすがに危険だと感じたというか・・・いやそれよりもタイプじゃなかったし・・・なんでも来いのあたしでも、なんとなく好みやタイプみたいなものはあった。

    2006-12-30 23:30:00
  • 30:

    @◆nd1lslwv7Q

    そういう意味で、昨日遊んだSuiはかなりタイプだった。現実世界で出会いを求めない俺にとって、もっぱらの出会いの場はネットだった。FTMランキングや、ドナーズランキングなんかを飛びまくり、好みの子には、男女関係なく私書箱にメールした。

    2006-12-30 23:30:00
  • 31:

    @◆nd1lslwv7Q

    もちろん自分のホームページも教えるし、そこには顔写真ものっけていた。ただアルバムには鍵を付けて、同性愛サイトの紹介文に載せたパスワードを見たものにしかアルバムは開けなくしておいた、こうすればただ単に覗きにきたノンケの奴には写真を見られる恐れはないし、ランキングから飛んできて俺のサイトを開くから、必然的にランキングの俺の順位も上がる。結果、目に付き易くなり、出会いが増える。ってな感じ。

    2006-12-30 23:31:00
  • 32:

    @◆nd1lslwv7Q

    まぁみんなよく使う手だけど・・・。
    Suiと出会ったのも、同性愛ランキングのページを飛びまくっている時だった。パールとバラでデコレートされた、柔らかいピンクのページ。写真はプロフィールの一枚のみだったけど、半開きなのに大きな目と、柔らかそうな唇、絵にかいたような自己主張のない鼻筋、そのすべてが俺のタイプだったので、即効でメールした。

    2006-12-30 23:32:00
  • 33:

    @◆nd1lslwv7Q

    1週間程メールのやり取りをして、昨日飲みに行こうと誘ってきたのはSuiの方からだった。皆実で待ち合わせをして会った瞬間に想像通り過ぎて少し焦った。年は22らしい、嘘か本当かわからないけど、多分もう少し若いと思う。話し方や、雰囲気は22っぽかったけど、Suiの家で裸を見た時、今日はネコでいるつもりな俺を、タチに豹変させるくらいのエロさと幼さ、出来上がっているようで未完成な感じが、とても22には見えなかった。

    2006-12-30 23:33:00
  • 34:

    @◆nd1lslwv7Q

    テク的には十分22だったが・・・きっと数々の修羅場を越えてきたのであろう。
    【鍵忘れてない???】
    携帯ではなく、ホムペの方にメールした。それが二人の約束だった。お互い携帯には出来る限り連絡しない。別に作ってある私書箱にメールする。これがルール。多分、Suiも俺を現実世界の生き物にしたくないのであろう。

    2006-12-30 23:34:00
  • 35:

    @◆nd1lslwv7Q

    その日は数学の教科書を読みながら眠ってしまった。
    そして、また妙な夢を見る。洞窟みたいな所で、ボロボロの服を着せられて、口に何か入ってる。吐き出そうとしても中々吐き出せない。

    2006-12-31 00:07:00
  • 36:

    @◆nd1lslwv7Q

    横には・・・・・Suiが座っていた。台の様なもので固定された俺は、動けないし声も出ないしで、パニック状態になりSuiを睨みつけた。
    「ねえ、私達、なかなか相性がいいと思うの?違う?」
    Suiの着ている服は大分豪華で、叶姉妹みたいだった。シルクみたいな生地で、少しスケている。低い天井に着けられた洞窟のランプが弱まり始める。

    2006-12-31 00:07:00
  • 37:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ねぇ、もっと気持ちよくなりたいね。早くまた会いたいわ。眠るとね、あなたに会えるからいいんだけど、眠るってとっても疲れるのよね。違う?」
    何それ(笑)SFだね・・・。

    2006-12-31 00:08:00
  • 38:

    @◆nd1lslwv7Q

    ランプがゆっくり明るさを落とす。
    「話は、また明日。夢の中ではセックスしたことないの。今度時間がある時にしようね。あっ、王様に逆らってはダメよ。今はまだあなたに気付いてないけれど」
    何それ(笑)FFだね・・・。
    ランプはついに根元にチリチリと火種を残すのみとなり、パッと消えて一本の煙の線を描くと同時に俺は目が覚めた。

    2006-12-31 00:08:00
  • 39:

    @◆nd1lslwv7Q

    眠ったはずなのにすごい脱力感。なんだよおいおい(笑)
    あんまりに夢がリアル過ぎて、夢の原因を必死で考えたけれどよくわからなかった。
    私書箱を見るとSuiからメールが来ていた。
    【鍵あったよ。今日、家に泊まりに来ない?田舎からカニが届いたんだけど?一人じゃ食べきれない(笑)】

    2006-12-31 00:09:00
  • 40:

    @◆nd1lslwv7Q

    普通のメールで少し安心した。
    【テストだから終ったら直接行くよ。昼間から行って大丈夫?】
    電車の中で公式だけ覚えてあとはドナーズのコのホムペを覗いたり、自分のホムペの日記を更新したりしていた。

    2006-12-31 00:09:00
  • 41:

    @◆nd1lslwv7Q

    ○月×日
    なんか最近変な夢を連続で見た。俺も終わりが近いのか(笑)
    取りあえずテスト頑張るー

    2006-12-31 00:10:00
  • 42:

    @◆nd1lslwv7Q

    学校の子に夢の話をしたところで、Suiのこと話せないしなぁ・・・。女って夢占いとか詳しいから聞いてみたいけど…こればっかりはね…(笑)

    2006-12-31 00:10:00
  • 43:

    @◆nd1lslwv7Q

    テスト1日目。数学は公式並べりゃいいだけだから余裕だった。古典はさすがに用法はちんぷんかんぷんだったけど、雰囲気でストーリーはわかったし・・・まぁ大丈夫だろう(笑)
     え?俺やっぱり天才?(笑)本当、神様がこんなオカマな俺を不憫に思って頭だけはよくしてくれたんだろうなぁ・・・感謝感謝♪

    2006-12-31 00:11:00
  • 44:

    @◆nd1lslwv7Q

    解答用紙を持って先生が出て行くと、あたしはすぐに教室を出た。早くSuiに会いたかった。夢のことも話したかったし、何よりもう一度セックスしたかった。あの子の体に触れたかった。

    2006-12-31 00:57:00
  • 45:

    @◆nd1lslwv7Q

    一度ヤッた相手と、こんなにももう一度やりたいと思うなんて・・・初めての体験だった。好きとかそういうのじゃなくて。。。完璧に性欲で動いている。。。タチの俺ってすごい支配欲あるもんなぁ(笑)

    2006-12-31 00:58:00
  • 46:

    @◆nd1lslwv7Q

    楳田からSuiの地元に行くのには、そんなに時間はかからなかった。今回は乗り継ぎも割りとスムーズに出来たので、コンビニによりお菓子を買うと、自分で道を思い出しながらSuiのアパートに向かった。一番奥の部屋のインターフォンを押すと、SuiがPJのパジャマを着て出てきた。

    2006-12-31 00:58:00
  • 47:

    @◆nd1lslwv7Q

    「おつかれさまー。テストどうだった?」
    「どうだったじゃないって(笑)Suiそのパジャマ、メルヘン過ぎ(笑)部屋とあってなさ過ぎ」
    「だってー可愛かったんだもーん。それに、もうここ引っ越すことにしたの。年内には、伝馬に引っ越そうと思って。専門学校も二誌楳田の方だから、自転車で通えるし」

    2006-12-31 00:59:00
  • 48:

    @◆nd1lslwv7Q

    「こーら、下に響いたら怒られるよ(笑)」
    「いいよ。どうせ昨日のセックスだって響きまくってたんだし(笑)」
    「笑えないし(苦笑)」
    「K今日も泊まっていきなよ。いいでしょ?」

    2006-12-31 01:01:00
  • 49:

    @◆nd1lslwv7Q

    Suiが首に回した腕を更に強く締め付ける。
    「はいはい。そのつもりで来たけど、明日もテストだからちょっと勉強させてね」
    「やったぁ☆」
    Suiの体は本当にぽちゃぽちゃしてるのに線の細い不思議な体だった。くびれも、申し分ない程に深い。いつも話しながら首を傾げる変なくせもまたたまらない。

    2006-12-31 01:01:00
  • 50:

    @◆nd1lslwv7Q

    「今お茶入れるから♪」
    「ねぇ、でも住み込みって何の仕事?」
    まぁだいたい予想はつくけど・・・
    「ん?セックスワーカー♪」

    2006-12-31 01:02:00
  • 51:

    @◆nd1lslwv7Q

    げ・・・・
    「あっ今って思った?(笑)」
    使いこんだポットから丸い色違いのカップにSuiがお湯をそそぐ。アプリコットの匂いが部屋に広がる。この匂い、Suiの体匂に似てる。これだったのか・・・あの甘いのは。。。

    2006-12-31 01:02:00
  • 52:

    @◆nd1lslwv7Q

    「いや(笑)ただキャバかなぁって思ってたから」
    「このイレモノをね。。。利用しない手はないなぁってずっと思ってたの。今日面接行ってきたら、家賃3万で時給1万5千円っていうからさぁ」
    そりゃぁその体と顔なら店には十分儲けがあるだろうしね・・・。

    2006-12-31 01:03:00
  • 53:

    @◆nd1lslwv7Q

    「嫌じゃないの?男に触られるの?」
    男に触れられるのも女い触れられるのも嫌じゃない俺が質問するのも変だけど・・・。
    「別にぃ嫌じゃないよ、なんていうか…同性に触られてる感じ?あたし元々はタチだから」
    「Suiタチだったんだ・・・ごめんてっきりネコかと・・・」

    2006-12-31 01:03:00
  • 54:

    @◆nd1lslwv7Q

    「あーいいよ♪ぶっちゃけどっちでもいけるし☆あたしは最初、Kのことネコだと思ってたよ」
    Suiはニコリと笑うと、アプリコットティーをフーフーと冷まし始めた。

    2006-12-31 01:04:00
  • 55:

    @◆nd1lslwv7Q

    「俺どっちでもいけるんだ・・・なんていうか…多分、完全なトランス?なんだと思う。自分の性に自信ないっていうか…だから俺って呼んだり、僕って呼んだり、あたしって呼んだり…気分によって変わるし…男と寝た時もね、ちゃんと気持ちいいって思えたよ」

    2006-12-31 01:04:00
  • 56:

    @◆nd1lslwv7Q

    Suiがクスリと笑う。
    「Kってなんか便利だね」
    「うん、自分でもそう思う(笑)」

    2006-12-31 01:04:00
  • 57:

    @◆nd1lslwv7Q

    Suiと俺の性所属は、もしかしたら似ているのかもしれない。ただ少し違うのは、Suiは好きになってくれた人を愛するっていう感じで、そこは俺と違った。
     俺は、自分が好きになった人しか愛せなかった。レズの先輩に告白された時、すごい嫌悪感を感じたし…レズだから好きになれるとか、男だから好きになれるとかそういう区切りじゃなくて、なんていうか…キレイだから好きになる、可愛いから好きになる、カッコイイから好きになる・・・そんな区切り方。

    2006-12-31 01:05:00
  • 58:

    @◆nd1lslwv7Q

    「へー…Kってなんかこんがらがってるんだね…」
    「うん、まぁどこに行き着くかは、好きになった相手次第なんだよね(笑)」
    「素敵じゃない」

    2006-12-31 01:05:00
  • 59:

    @◆nd1lslwv7Q

    「そう?結構面倒だよ…ネコになったりタチになったり」
    「あーそっか。。。でも相手の気持ちにもなれるじゃない?」
    そんな風に考えたことなかった。
    「あーそれはあるかもね。どこが気持ちいいのかとか」

    2006-12-31 01:31:00
  • 60:

    @◆nd1lslwv7Q

    「自信満々だね(笑)」
    「うっせーよ」
    Suiの頭を軽く叩くと、そのままベットに押し倒した。途中、アプリコットティーが少しこぼれたけど無視した。俺ってこんなに性欲強かったっけ?新たな自分を発見(笑)

    2006-12-31 01:31:00
  • 61:

    @◆nd1lslwv7Q

     Suiはキスをしても胸を揉んでも明るいから照れているのか、ずっとクスクス笑っていた。でもアソコ割れ目にパンツの上からスーッと指を沿わせた瞬間、急に泣きそうな顔になった。寝転ばせたまま手首を頭の上で束ねると、柔らかい色をした傷一つない脚をゆっくり広げさせた。

    2006-12-31 01:32:00
  • 62:

    @◆nd1lslwv7Q

    「恥ずかしいよ」
    桃色になった頬でこっちをみつめている。もっと足を広げ少し持ち上げると、パンツが濡れているのがわかった。
    「Sui濡れてるよ」

    2006-12-31 01:32:00
  • 63:

    @◆nd1lslwv7Q

    パンツの上から、ゆっくり割れ目に指を沿わせる。辛そうな顔をしてSuiは目を閉じた。
    甘い吐息が部屋に広がる。
    一指し指で何度か行き来すると、湿り気で指が濡れた。パンツの横から指を入れてクリをクルクルとイジル。

    2006-12-31 01:32:00
  • 64:

    @◆nd1lslwv7Q

    再び漏れた吐息は、さっきよりも少し短く大きい。
    「あっぁぁ。。あっつつ」
    「あとで舐めてあげるね」
    「ぅ。。あぁ。ぁ」

    2006-12-31 01:33:00
  • 65:

    @◆nd1lslwv7Q

    ワンピース型のパジャマをめくり上げると、Suiはノーブラだった。相変わらず色素の薄い乳首だが、ピーンと上を向き、明らかに興奮しているのがわかる。左手できつく乳首を摘むと、ネリネリと押し潰した。
    「ひゃ。。あ。。ひぁ・・」

    2006-12-31 01:33:00
  • 66:

    @◆nd1lslwv7Q

    俺の中指はすでにSuiの一番深い部分にまで達していた。そのまま中でクルクルと指を動かすと、ものの五分でSuiは昇天した。
    あいかわらず白い肌には熱がこもり、Suiの呼吸で体が大きく上下していた。

    2006-12-31 01:33:00
  • 67:

    @◆nd1lslwv7Q

    そのあと、もちろん俺もイカせてもらった。Suiのテクはやっぱりすごくて、イッたあともベロベロとアソコをキレイにしてくれた。おかげで5分たった今でも、あそこがドクンドクンと脈うっている。
    「セックスの後って眠くなるの。でも眠りたくないのよ。」
    「なんで?」

    2006-12-31 01:42:00
  • 68:

    @◆nd1lslwv7Q


    「王様がくるから」

    2006-12-31 01:43:00
  • 69:

    @◆nd1lslwv7Q


    え・・・

    2006-12-31 01:43:00
  • 70:

    @◆nd1lslwv7Q

    そういうとSuiは眠ってしまった。今思えば、あの時、引き返していれば良かったのかもしれない。Suiについて行かなきゃ・・・!!なぜかそんな衝動に駆られて俺も目を閉じた。
    雨はまだ降り続けていた。

    2006-12-31 01:45:00
  • 71:

    @◆nd1lslwv7Q

    第一話『堕ちる蛍』-完-

    2006-12-31 01:46:00
  • 72:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 73:

    @◆nd1lslwv7Q

    第二話『王様の世界』

    2006-12-31 05:05:00
  • 74:

    @◆nd1lslwv7Q

    「王様は壊れ物を治そうとして下さっているのよ」
    三輪Aキヒロみたいな声が、耳の真横でそう呟いた。ギョっとして飛び起きると、そこには右半分の顔面をヒクヒクさせた老婆が座っていた。

    2006-12-31 05:29:00
  • 75:

    @◆nd1lslwv7Q

    老婆といっても、かなりデカイ…老父か?
    とにかく、向こうから差し込む光が後光になって、俺にはとってもデカク見えた。
    「昔、あたしは男だったんだよ。でも壊れ物だからね。王様が女にして下さった。有難い話だよ」
    そう言うと、老婆は、汚い雑巾を固く絞って俺の体をさすり出した。

    2006-12-31 05:29:00
  • 76:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ちょ!汚いなぁ!!」
    「黙れ!!この壊れ物が!!お前なんかスイの頼みじゃなけりゃぁ誰が匿ってやるもんか」
    ばーさん口くせぇ。。。思いっきりゴシゴシ背中を擦られたもんで、背中の皮がベロリと剥がれた。でも不思議と痛くはない。

    2006-12-31 05:30:00
  • 77:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ウワ!!俺ついに脱皮したのか(笑)こっちの世界じゃ脱皮もありかよ(笑)」
    「あっちに行かされる時は、色々な皮ぁ被ってくんだよ。男のチンポなんてその原型さ。隠しておくんだ不潔なものは…」
    「えーなにそれ(笑)」

    2006-12-31 05:30:00
  • 78:

    @◆nd1lslwv7Q

    「お前は大分王様に嫌われていたようだね。今までの中で一番皮が分厚いよ。あと何回脱皮すれば素の姿に戻れるのやら…」
    ズルっと剥けた俺の皮膚は、ゼラチン質の半透明で、なんというか・・・コラーゲンみたいな感じだった。臭いはない。

    2006-12-31 05:31:00
  • 79:

    @◆nd1lslwv7Q

    「。。。ばーさん誰?」
    「ばーさん!?こー見えてもあんたの母さんと変わらないよ!!」
    どっちにしろババァじゃん・・・
    「あたしゃねぇ、スイの召使いさ。あの子のおかげでこの街は朝を迎えることが出来るんだから。」

    2006-12-31 05:31:00
  • 80:

    @◆nd1lslwv7Q

    なんか本当にFFみたいな話になってきたな・・・。体を軽く動かしたが、どうやら脱皮しても、どこにも異常はないらしい。
    ばあさんがどくと、小さな小窓から町の様子が見えた。ずっと向こうに何か大きな建物があり、それに向かうメインストリート沿いに、この家は建っているらしかった。

    2006-12-31 05:32:00
  • 81:

    @◆nd1lslwv7Q

    「あのぁ・・・イマイチ理解出来ないんですけど・・・俺死んだの?」
    ばーさんは炊事場においてある瓶に水を溜めながら叫んだ。
    「死ぬー!?笑わせんじゃないよ!壊れ物に死なんて訪れないさ!あるのは再生さ!治してもらうんだよ王様に!」
    だからさっきから言ってるその王様って誰だよ・・・。

    2006-12-31 05:32:00
  • 82:

    @◆nd1lslwv7Q

    窓から見える街は、まるでジブリの中の世界みたいだった。取りあえずスイが帰ってくるまでじっとしてろと言われたので、ホコリ臭いベッドに座り、まだ皮の剥がれていない部分をゴシゴシと擦った。このプルプル一体何で出来てんだよ…。

    2006-12-31 05:32:00
  • 83:

    @◆nd1lslwv7Q

    何時間ぐらいたってるんだろう。。。陽は一向に堕ちる気配はないけれど、どう考えたって5時間はたっている気がした。

    2006-12-31 05:52:00
  • 84:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ねぇばーさん。今何時???ここって時間とかないの?」
    小さな椅子にドデカイケツを押し込んだばぁさんは編み物の手を止める。
    「時間?あるに決まってるだろう。時間がなけりゃぁ腹も減らないさ。もうあんたが起きてから6時間と32分たってるよ」

    2006-12-31 05:52:00
  • 85:

    @◆nd1lslwv7Q

    そ、そんなたってんのかよ…てかなんで時間わかるんだよ・・・。
    「Sui帰ってこないね」
    「スイの帰る時間は王様が決めるからね。スイがどーこー出来るもんじゃない」

    2006-12-31 05:53:00
  • 86:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ばーさんいつもここで待ってるの?」
    目を大きくしてばぁさんは俺を見た。
    「当たり前だろ。じゃないとあたしゃここに居られないさ。王様はばーさんになんか興味がないからね」
    自分でばーさんって認めてるし…。

    2006-12-31 05:53:00
  • 87:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ふーん。」
    ふぁー。。。あー眠い・・・Sui何してんだろ・・・ここのコトとか色々説明してもらわないと、気味悪いし。。。いや何よりコレ俺の夢の中でしょ…いちやんぴ出来ないんだろうか。。。

    2006-12-31 05:54:00
  • 88:

    @◆nd1lslwv7Q

    窓を見ると、メインストリートのずーっと奥にある棟が見えた。多分、あのシンデレラ城チックな所に王様は住んでいるんだろう…。王様ってどんな奴なんだろう。
     その時だった。ボーっと眺めてた棟の方から、何かがこっちに向かってきているのが見えた。

    2006-12-31 05:54:00
  • 89:

    @◆nd1lslwv7Q

    「あれ。。。なんだろ?」
    黒いモノはドンドン大きくなってすごいスピードで街を黒く染めていった。
    「!!スイが先に帰ったんだ!!あんたも帰りな!」
    !?帰るってどこに!?どーやって!!汗

    2006-12-31 05:54:00
  • 90:

    @◆nd1lslwv7Q

    「あーもう!!仕方ない」
    ばーさんは水を入れてあった瓶を掴むと、俺に殴りかかってきた。
    「ちょっと!!やめろって!!」
    「スイによろしくね!」
    ボコッ!!

    2006-12-31 05:55:00
  • 91:

    @◆nd1lslwv7Q

    最後に見たのは、窓の光がすべて奪われ真っ暗になろうとしてる世界だった。
    目を開けると、Suiが心配そうに俺の顔を覗きこんでいる。
    「Sui・・・俺頭おかしくなっちゃった?」
    ホッとしたようにSuiが微笑む。

    2006-12-31 05:55:00
  • 92:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ううん。むしろ頭がおかしかったのよ。」
    腕で支えながら、ゆっくり体を起こすと、すごい脱力感で頭がフラフラした。
    「Sui。。今何時?」
    「夜の八時前」

    2006-12-31 05:55:00
  • 93:

    @◆nd1lslwv7Q

    部屋は別段変わった様子はなく、眠った時と同じボロアパートのSuiの部屋だった。
    「とりあえず、カニスキの準備して、それから話を聞かせてもらうよ」
    「うん(笑)」

    2006-12-31 05:57:00
  • 94:

    @◆nd1lslwv7Q

    こんな時にカニスキなんて食ってる場合じゃないんだけど、ちょっとでもまともな行動を取らないと、自分が精神異常なんじゃないかと疑ってしまいそうで、二人で黙々とカニスキの準備をして、コタツに入り、テレビを着けて、ガスコンロに火をつけた。

    2006-12-31 05:57:00
  • 95:

    @◆nd1lslwv7Q

    「俺、体がベローんって・・・なんかゼラチンみたいなのが出て。。。ばーさんがスイによろしくって」
    「そう。今日は婆様、ゆっくり眠らせてくれって言ってたんだけど。K一人じゃ心配だし、こっちに来てもらったの」
    ホクホクとカニの身を食べると、Suiは当たり前のようにそう言った。

    2006-12-31 06:11:00
  • 96:

    @◆nd1lslwv7Q

    やっぱり、アレ。。。夢だけど夢じゃないんだ。
    「よく理解出来ないんだけども。。。」
    俺はSuiと違って、腹が減ってる割には鍋に手が伸びなかった。
    「うん。あたしもどこから説明したらいいのか。。。」

    2006-12-31 06:11:00
  • 97:

    @◆nd1lslwv7Q

    首を傾げ困った顔をするSuiしばらく黙りこんでいたが、やがてポツポツと話始めた。
    「初めてあっちの世界に行ったのはね、まだ中学生の頃よ。毎晩カメレオンみたいな目をしたオッサンに追いかけられる夢を見たわ。ノイローゼになって・・・心療内科にも通ったけど、なかなか原因がわからなくて。。。その日も、目を開けるとあっちの世界だったから、逃げ回っていたの」

    2006-12-31 06:12:00
  • 98:

    @◆nd1lslwv7Q

    普通なら嘘だろ!って突っ込む所だけど・・・実際、あの夢の中の世界をSuiは知ってるわけだし。。。あれは夢だけど夢じゃないわけだし。。。とにかく俺は黙ってSuiの話を聞いていた。

    2006-12-31 06:12:00
  • 99:

    @◆nd1lslwv7Q

    「それでね。その日、とうとうオッサンに捉まって、兵士達に細い針で串刺しにされて、王様の城に連れていかれたの」
    ごくん。。。Suiが話の確信に触れた。

    2006-12-31 06:33:00
  • 100:

    @◆nd1lslwv7Q

    「王様はね、恐くないよって。私のことが好きだよって。でも壊れているから治してあげようって」
    「王様って・・・男?どんな奴?」
    「わからないわ。」

    2006-12-31 06:33:00
  • 101:

    @◆nd1lslwv7Q

    「なに?姿見せないの?」
    「ううん。会う度にね、形が変わるの。でもいつも中味は同じ王様で・・・それはあたしを恐がらせないためなんだって言ってた」
    ごくん。。。

    2006-12-31 06:36:00
  • 102:

    @◆nd1lslwv7Q

    「さっきね、怒られちゃった。友達も連れてきたら良かったのにって。王様が友達を迎えに行くから、スイは先にお帰りって。。。それで目が覚めたら、Kがまだ眠ってるんだもの・・・あたし心配で心配で。。。婆様だって王様には逆らえないし・・・あたし」

    2006-12-31 06:36:00
  • 103:

    @◆nd1lslwv7Q

    Suiの目から大粒の涙がボロボロこぼれ、コタツぶとんに新しい模様を作った。
    Suiの頭を抱いてやり、アゴで優しくなでる。
    「王様は俺に会いたいんだ。」
    「ええ多分。次の眠りでかならず会いにくるわ。Kを治すつもりなんだと思う」

    2006-12-31 06:37:00
  • 104:

    @◆nd1lslwv7Q

    ?????

    2006-12-31 06:37:00
  • 105:

    @◆nd1lslwv7Q

    「ねぇ、ばーさんも言ってたんだけど、その治すって何なの?何を直すの?」
    「・・・・・」
    Suiは黙って下をむいたまま動かなくなってしまった。
    仕方なにので、まだポロポロとこぼれる涙を拭きながら、心の整理が付くのを待った

    2006-12-31 06:38:00
  • 106:

    @◆nd1lslwv7Q

    カニスキはいい具合に味が出て、白菜は芯まで出汁がしゅんでいた。
    テレビでは、視聴率の悪かったドラマが3話早く打ち切りになって、無理矢理の最終回を迎えていた。
    もうテストとかどーでもいいし・・・

    2006-12-31 06:38:00
  • 107:

    @◆nd1lslwv7Q

    「治すのは・・・心か体よ」
    急にSuiが話し出した。テレビを消し、Suiの顔を覗きこむ。
    「多分、王様は。。。神様の出した不良品を回収してるんだと思う。」
    「???」

    2006-12-31 06:38:00
  • 108:

    @◆nd1lslwv7Q

    ますますFFな話。だけど、自分の眼で見たんだ。信じない訳にはいかなかった。
    「ばーさんが昔、王様に治してもらったって言ってたけど?」
    「婆様はね、昔、男だったんだって。でもその頃はモロッコまで行かないと女になれなくて・・。それで仕方なく王様に頼んで治してもらったんだって・・言ってた」

    2006-12-31 06:39:00
  • 109:

    @◆nd1lslwv7Q

    「それは女にしてもらったってこと?」
    コクン。Suiは大きく首を縦に振った。

    2006-12-31 06:39:00
  • 110:

    @◆nd1lslwv7Q

    「中にはね、ううん。ほとんどの人が心を治してもらうそうよ。そしたらもう王様のところにも来なくてすむし、ゆっくり眠れるわ。婆様はね、どうしても愛した男の人がいて、その人への気持ちが消えるのが嫌で、王様に体を変えてもらうことを選んだの。おかげでずっと、あっちの世界で生きてる。」

    2006-12-31 06:40:00
  • 111:

    @◆nd1lslwv7Q

    「じゃぁ、ばーさんも元はこっちの世界の住人だったの?」
    「ええたぶん。まだどこかの病院かお家で眠ったままになっているはずよ。でも、もう自分がどこの誰だか忘れてしまったって・・・。」
    「・・・・そう。」
    なんとなく、ばーさんの寝息が聞こえた気がした。

    2006-12-31 06:41:00
  • 112:

    @◆nd1lslwv7Q

    「王様もね心を治すことを勧めるそうよ。あの街に住める人数には限りがあるし・・・。自分が本来生まれてくるべきだった性別になれるからと言って、こっちの世界に帰ってこれないんじゃなんの意味もないもの・・・」

    2006-12-31 06:42:00
  • 113:

    名無しさん

    書いて

    2007-01-06 23:30:00
  • 114:

    名無しさん

    ぇ。。気になる。。

    2007-01-08 11:41:00
  • 115:

    名無しさん

    めちゃぉもろい?こんなハマる小説久しぶりにみた?

    2007-01-09 00:39:00
  • 116:

    名無しさん

    頑張って下さい?

    2007-01-09 02:29:00
  • 117:

    名無しさん

    書いて

    2007-01-12 01:22:00
  • 118:

    名無しさん

    かかないの?

    2007-01-14 01:37:00
  • 119:

    名無しさん

    この小説は完結させるべきでしょう(笑?)斬新ですが、私には新色でかなり面白いです
    情景ャ人物の描き方などもお上手でストーリー構成も素晴らしいものがありますネ
    これぞ小説といえる作品です

    2011-04-28 03:05:00
新規レスの投稿
名前 (8文字まで)
E-mail
必須本文 (750文字まで)
堕ちる蛍を見ている人におすすめの掲示板

スレッドタイトルを対象とした検索ができます。
※スペースのあり、なしで検索結果は異なります。